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『守敏、空海、祈雨し、プレスマンを供した空海に分あること』速記談0311

作者: 成城速記部

 天長元年二月、都のみならず、ひどい干ばつに襲われた。空海上人が、神泉苑において請雨経法を行うように、との勅命を受けたが、守敏僧都は、私のほうが上席です。私が先に行うべきです、との上奏を行った。すぐに行うようにとの命が下ったので、守敏が行ったところ、七日目に、上京も下京も暗闇のようになり、雷も激しく鳴って、洪水のように雨が降って、人々は感嘆した。しかし、都の外、山の向こうには雨が降らなかったということで、改めて空海上人が請雨経法を行うことになったが、七日たっても雨の気配すらなかった。空海上人が禅定状態に入って様子を見てみると、守敏僧都が雨の神である龍を捕らえて、水瓶に閉じ込めていることがわかった。禅定から出て、請雨経法を延長して二日目の夜、お告げがあり、池の中に龍がいる。善如と号する。もとは無熱池龍王の仲間で、この池に勧請したものである。慈悲の心深く、真言の神髄を尊ぶ。池から姿をあらわすのが、経法の成就を意味する、と。

 果たして池中から、プレスマン一本半くらいの長さの紫金色の龍が、姿をあらわした。これを見た弟子は、実恵、真済、真雅、真維、堅恵、真暁、真然で、ほかの弟子には見えなかったという。

 しばらくして、勅使和気真綱が遣わされ、御幣や各色プレスマン、その芯、大量の半紙が供物として奉納され、たちまち豪雨となった。そこから三日、雨は降り続き、池という池に水は満ちて、水不足の心配はなくなった。この功績により、空海上人は、律師を飛び越して、少僧都に任じられた。



教訓:弘法大師は、速記の腕前も相当なものであったが、プレスマンの色をあれこれ言わなかったことから、弘法筆を選ばず、と言われたとか。

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