【1】
❍ありま氷炎様主催企画「第九回月餅企画」参加作品となります。
ある所に、ティア・ドロップという少女が居ました。
彼女が住んでいるのは『涙の川』という川の名の畔の質素な小屋でした。
小さな机にベッドにキッチン。
ただ、それだけの家でした。
ティアには仕事がありました。
ティアの仕事は、お空から落ちてくる「涙の滴」という宝石たちを『涙の川』に流すことでした。
『涙の川』に流された宝石たちはしばらくすると、まるで雪の結晶の様に儚く融けて消えてしまします。
ティアは、涙の滴の宝石が煌めいて融けてく様子を無表情でじーっと眺めていました。
感情が豊かでないティアはそれが唯一の「好きなこと」でした。
『涙の川』とは一体何か、ティアは詳しくは知りません。
ティア・ドロップとして目覚めた時から、まるでロボットの様にインプットされた動きをしていたからです。
「『涙の川』は一体何処へ流れてゆくのかしら……」
ティアはとても知りたかったのですが、他にこの仕事をしている人が居ないので、気にはしつつも涙の滴を今日も川に流していました。
見つけていただき、光栄です。
そしてお読みくださり、本当にありがとうございます。




