プロローグ
あの日、私は両親と共に教会に行っていた。生後早ければ三歳から七歳くらいになると洗礼しに教会に行かなければならないという規則がある。私は今は五歳になったばかりで今年に洗礼する子供達がまだ大勢いたため様子を見ることにした。
「こんにちは」
そんな時、私は一人の少年と出逢う。
「……こんにちは」
「どうしたの?」
「今年、五歳になるから洗礼を受けなければならないんだけど人が多くて待っているの」
「そうなんだ。実は僕もそうなんだ」
「えっ?そうなの?」
「うん、そうだよ。君より少し年上だけどね。なかなか、都合が合わなかったんだ」
「都合?」
「色々、勉強しなきゃ行けない家系だったから」
「あなたは貴族の方だったのね……」
「……うん。まあ、そうだね。君もそうなのか?」
「そうね。平民ではないことは確かよ」
「あっ、人が少なくなって来たね。あなたもどうかしら?」
「……いや、僕にはやるべきことがあるから。今日は諦めることにするよ」
「そう?じゃあ、ここでお別れね」
この日から運命が変えることを当時の私はまだ知らずにいた。
私の名前はルナマリア=ミラ=ヴァン=プリマヴェーラ。この春の国_プリマヴェーラ王国の第三王女。今年、十五歳となる若き少女である。
私の運命の時間はここから始まったんだ。