2話 その1
2話が長くなりそうだったのでその1。
多分その2までで終わるはず。
〜登場人物の読み方コーナー〜
名前が当て字のオンパレードなので、読み方を前書きに載せたいと思います!
幽有
光霧
※2人がゆう・こむで呼び合ってるのはあだ名です。
死王
愛壊
聡
萎
眠
冥弟
佇美
遡刃
猫子
技我
萌歩
頑張って覚えてね!
「かけてくれてありがとう。でも、うーん。12時3分だよ?『今日中』じゃないけど?」
…切ろうかな。
「あー、待って待って。ごめんって。今切ろうとしたでしょ?ふざけただけだから、ね?」
…。
「もしもし。えっと、テアさんの電話で合ってますか?」
まぁ、合ってるだろうけど。
「あれ?無かったことにされた?もしもし〜。合ってますよ〜。」
ずっとこのテンションなんだろうか。
「まぁ、長々と話してもなんだし本題に入るよ。」
やっと本題に入るようだ。
「幽有が気になってるのはあの日のことと特技のことだよね?」
「うん。ほんとに知ってるんだよね?」
「もちろん。」
ここまで15年間生きてきて、1度も自分が特技を持っていると感じなかったのだ。
納得できるものを聞かせてもらいたい。
「まず、あの日幽有は何らかの理由で深夜の学校に忍び込んだ。そこでネコと出会い、そのネコに怪我を負わされ気絶した。…大体のあらすじはあってるかな?」
「うん。あってる。」
正確には何が理由で気絶したのかわからないが、ほとんどテアの言う通りだ。
「よかった。まぁ、実際見てるから間違えてるはずないけど。」
見てる?テアもあの場にいたのか。となると。
「もしかして…僕が次の日記憶をなくして家で寝ていたのはあんたの仕業?」
「半分そう。記憶については知らないんだけど、運ぶのは大変だったよ?あと、テアって呼んで。」
え、でも。
「なんで僕の家知ってるの?」
警戒感が増す。
やっぱりただの不審者かな…。
どうしよう、電話かけちゃった。このせいで家バレしたりするのかな。
「えっとね、キミに関する情報がなかったから…申し訳ないけど財布に入ってた学生証を見せてもらったよ。あ、大丈夫!誰にも個人情報は伝えてないし、財布のお金も取ってないから!」
ホントならもうこいつに家バレしてるな。
「じゃあ繁華街探すんじゃなくて家来たら良くない?」
「学生証財布に戻したからどこかわかんなくなっちゃって。」
「…でも、昼会ったとき名前知らなかったよね?」
「読み方わかんなくて。」
「漢字聞いたじゃん。」
「聞いたっけ?」
怪しいな。
これが事実だとしたらバカすぎるだろ。全部無理やり今つけたように聞こえるな。
あの日のことを少しは知っているのかもしれないが、このままこの男と話し続けるリスクを冒すのは気が引ける。
いや、でも特技のことだけ聞き出して確認するか。僕に特技があるなんて今まで誰も言ってこなかったし。
「ごめん。ふざけた。」
ですよね。
さすがにあそこまでボケてないだろ。
「名前の件はほんとに分かんなかったけど…。」
…。
「住所はちゃんとした理由があって…。」
…。
「正義の騎士団に関することで。」
正義の騎士団…なんだっけ。聞いたことある気が…。
「あ、『秩序』って言った方がいい?」
そういえば言ってた。
「実は、敵対勢力がいるんだ。」
うん。設定が増えたな。
「で?それは直接来なかったことと何か関係あるの?」
「もちろん。実はその敵対勢力にテアは顔バレしてしまっていてね。直接行くとキミの家がバレてしまうから街中で探していたんだよ。さすがに向こうも人が多いところで手は出しにくいからね。」
うーん。納得できるような出来ないような。
ん?
「いやいや、仮にテアが『秩序』だとしたら敵対勢力なんているわけないだろ?」
テアの声に少し憎悪が混じる。
「いるんだよ。それが。」
「え?なんで?『秩序』に逆らったら『壁』に捕るだろ?」
「まぁ、逆らったらって言うか犯罪を犯したらなんだけど。」
細かいなぁ!
「捕まらないんだよ、奴らは。」
「は?そんなとこ出来るわけないだろ?どうやって回避するんだよ。」
「まぁ、そこについては説明が…めちゃくちゃ長くなるんだけど…。」
えー。
逆になんでこんなに信用出来ないんだろ。こいつ。
「でも、幽有が一番聞きたいのって特技のことでしょ?」
「まぁ、そうだね。」
話逸らされた気がするけど。
「幽有の特技は…」
ごくり。
「と…」
コンコン。
「うわぁ‼︎」
「「幽有⁉︎」」
驚いた様子で萌歩にいさんが部屋に入ってくる。さっきの音はにいさんがノックした音だったらしい。びっくりしたぁ。
電話に集中してたから、まさかリアルが来るとは…。えっと、どっちから答えよう。
「ご、ごめんテア。にいさんが部屋に入ってきちゃった。」
小声で謝り、電話をミュートにする。
「ごめん、萌歩にいさん。何か用事でもあった?」
「いや、用事というほどでもないんだけど。今日幽有珍しく夜更かししてるみたいだったから大丈夫かなって。驚かせてごめんね。」
「あ…。心配かけてごめんね。知り合いと電話してたんだ。」
それを聞いて、萌歩がかすかに目を細める。
…確かに、電話かけるの躊躇してたから、結構な時間になってるな。気づかなかった。
「気を遣わせちゃってごめん。僕ももう寝るから萌歩にいさんも早く寝なよ?」
「そうだね。電話の邪魔をして悪かったよ。おやすみ、幽有。」
「うん。萌歩にいさんもおやすみ。」
ふわぁ。確かに、少し眠いかも…。
あれ、なんで夜更かししてたんだっけ…。
あ。
「ごめん。話終わったよ。続き聞かせてくれる?」
「あ、おかえり。大丈夫だった?」
危うく電話とのこと忘れて寝るとこだった。あぶない。
「あぁ、うん。あんまりこの時間帯まで起きてることないから、心配させたみたいで…。」
「え?まじ⁉︎」
「うん。」
そんな驚くことか?
「うーん。じゃあ、続きはまた今度にしようか。」
え⁉︎まだ聞きたいことがあるのに。
ってか、特技の話‼︎途中‼︎
「今度質問には答えるから。」
また電話しないといけないのか…。
「特技がなんなのかだけ…。」
「特技についてなんだけどさ。」
被った。
「会って説明したい。」
「はぁ⁉︎」
な、何のために。
「今のなんか喧嘩したカップルみたいじゃなかった?」
「は?」
「ごめんなさい。」
こいつ大事なとこでふざけるよなぁ。
「ちょっとややこしい特技なのと、使ってみたいでしょ?使い方分かってから。」
「まぁ、それは…使ってみたいけど…。」
「家だと難しいからさ、試せる場所に行ってから説明しようと思うんだけど…。」
「それってどこ?」
「アジト。」
絶対危ないとこじゃん。廃工場とか、ボロアパートとかじゃん。いや、公園だったり。
「正義の騎士団って言うか協力してくれる科学者の…アジト。」
「科学者…。」
また怪しい単語が…。
どうしよう。安全面で考慮したら絶対行かない方がいいんだけど…。死王達についてきてもらう…はみんなが危険だからダメで。うーん。まあいっか、ちょっとだけだし。テアはなんか、怪しいけど何かしなければこっちを傷つけるそぶりはないし。洗脳されてるかもしれないけど。
「いつ?」
「明日とかどう?」
早いなぁ。
「まぁ、いいよ。学校あるから放課後ね。」
「わかった。迎えに行こうか?」
それだと、死王達と会うと面倒だし。
「いや、待ち合わせにして。そのアジトの近くで。」
「わかった。あー、メール交換する?」
「なんで?」
「住所送る。それか、今口頭で言う?」
どうしよ。メールからウイルスとか入れられるかなぁ。でも、電話も電話でいきなりかかってきたら困るしなぁ。
「メモるから、今言って。」
「了解。」
メモメモ。
ふむ。学校からも家からも少し離れてるから、いつもより余計に電車に乗らなければならないようだ。とは言っても、そこまで遠くないので、行こうと思ってら行ける距離だ。
「じゃあ、明日。放課後行く。」
「うん。またね〜。」
テアとの電話が切れる。
その瞬間。幽有に疲労と眠気が襲いかかる。
抗うことなく肉体の行動に身を任せ、ベットに倒れ込む。これからの生活に期待を込め、憂いながら幽有は眠りに落ちた。
「おっはよ〜。早く起きないと遅刻するぞぉ〜。」
聞き覚えのある安心する声。
瞼を開くと目の前に光霧の顔がある。なんか久しぶりな気がするなぁ。
「ふぁれ?こむ、朝早くからどうしたぁ?」
「朝早くって言うか…、このままだと遅刻するぞ?」
「え!?」
時計を見ると、今すぐに準備し始めないと遅刻する時間。
タイマーなったっけ?
「ご、ごめんこむ。起こしてくれてありがと。」
「なんか、最近寝坊多い?」
「え?そうだっけ?」
「先週もだったと思うけど。」
とりあえず、学校の準備を始める。
あ、確かに。先週も…。ってか、あの日の次の日だな。タイマー1日ごとにセットするのやめよかな。なんかあった日の次の日にタイマーならなくなるのきつい。いや、何もないのが一番いいけど。
「でもさ、他のことだとゆうの方が上手だからさ〜。勉強とか。」
「勉強は…、がんばろ?」
和むなぁ、昨日色々あったし。
…そういえば、昨日色々あったな。思い出した。
「よし、おまたせ。学校行こうか。」
「え、ゆう朝ごはんは?時間ないけど、流石に食べる余裕あるよ?」
「え、今日はいいかな。」
「あ、さては、パン咥えて曲がり角で女の子にぶつかって恋に落ちるつもりだな!」
「ちょっとよく分からない。」
もしかしてまだ寝ぼけてるか?ってかパン咥えるの女の子の方だろ。
と、言いつつリビングへ。
「幽有おはよう。寝坊は昨日遅かったからかな?」
「おはよう萌歩にいさん。うん、タイマーし忘れちゃって…。」
「まぁ、そんな日もある。」
てか、こむ勝手にキッチン入ってるけど、一応この家の住人じゃないんだよなぁ。朝起こしてくれたのはありがたいけど。
あ、なんか持ってきた。
「はい、パン。」
「あ、ありがとう。」
美味。でもなんで食パン口に突っ込んだ?
むぐむぐ。
…って、こむどこ行った?先に外出たのかな。まだ食べてないんだけど…。
食べながら行くかぁ。
「お、いってらっしゃい。」
「ふぉっふぇひぃふぁふ。(行ってきます。)」
だって、パン咥えてるもん。
こむ忘れ物でもして1回家に帰ったのかな?
ガチャ。
ドン!
「⁉︎」
「いったたぁ。」
誰かにぶつかった。…倒れているこむと目が合う。
「どきっ‼︎」
「じゃねぇよ!」
「恋に落ちた?」
「落ちてない。」
全く、朝から何してるんだか…。
「あー!」
「どした?ときめいた?」
「パン咥えてたのにびっくりして落としちゃった。」
「あ…、と思わせといて、もう一個持ってます!」
「いや。この落としたやつどーすんの?」
「…」
急に黙った。あ、こいつそこまで考えてなかったな。
「途中ハトにでもあげるか。」
「時間あればな。」
ハト探さないと。
ズザザザザザー!
「よし、セーフ!」
「駆け込み乗車はご遠慮ください。」
「すみません。」
あ、危なかったぁ。
「なんか、こむ足早くなった?」
「あ、気づいた?俺のかっこよさに。」
「ちゃんと聞いてた?」
はぁ。今日の放課後はテアと会うのか。電車に乗ったら思い出した。憂鬱だなぁ。
うー、でも特技気になるし。
「……。…う!……ゆう‼︎」
あ。
「ごめん。何?」
「いや、急に動かなくなったから。まだ眠い?」
「あー。そうかも。」
「お、これは!珍しく授業で寝てるゆうが見れる予感!」
「絶対こむの方が早く寝るでしょ。」
と、そんなことを話しながら…。
「いぇーい。教室〜。とうちゃ〜く!」
「あ、おはよ〜。」
「今日遅かったね?」
クラスメイト…というか昨日一緒にいたメンバーが心配そうに話かけてくる。
「どうしたの?なんかあった?」
急に表情の曇った幽有に察した光霧もたずねる。
「昼休みに話すよ。」
そう言って席に着く。未だに不安そうな顔をする同級生達も、チャイムの音で着席する。
今日授業ちゃんと受けれるかな…。
と、いうことでお昼休み。
「こむ!今日頑張ったね!愛壊よりは寝るの耐えてたよ‼︎」
「そ、そうだろ。頑張ったんだぞ!」
やっぱ気になるよなぁ。授業中もこっち気にしてる気配してたし。やっぱ早めに言わなかったの光霧に悪かったかなぁ。
「で、昨日何言われた?」
死王が身を乗り出して尋ねる。
当然のようにみんなが幽有の席に集まっている。
「僕の…。特技を教えてやるって…。」
「「…は?」」
ハモる。
「なんであいつが幽有の特技について知ってんの?」
特技とは、基本的に個人情報になり得るものであり、友達や親しい人にも明かさない者がいるほどに大切な情報である。赤の他人に知られることは大問題である。
「実は、僕が覚えてなかっただけで会ったことある人でさ。」
「それ…」
「っちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
突然。光霧が死王の言葉を遮る。
「な、なんだよ!今俺が幽有に話しかけてるだろ。」
死王の言ってることは事実だが…。
「いやいやいや、そもそも誰?それ。」
全く事情を把握していないやつが納得していないようだ。
「はぁ、2人とも落ち着いて。最初から全部話すから。」
幽有がそう言うことで、一旦場が静まる。
「実は…昨日みんなでカラオケに行こうとして、萎と眠と冥弟に会ってさ。」
「お、小学生組か。」
光霧も幽有同様死神軍団の面々とは多少認識があり、全員を把握しているわけではないが、この学校に所属しているメンバーと幽有の兄の萌歩とは仲がいい。萌歩に関しては生まれた時から面識があったが。
「そうそう、その3人がなんか不審人物と言い争ってて。」
「え、萎がなんかやらかした?」
萎への信頼が感じられない偏見。ひどいなぁ。
「そんなことしねぇし!」
本人によってその報いを受ける。
「ふげっ。いきなり叩くなよぉ。冗談だって、ごめんな?」
「許すけど…。」
ちなみに、死王と光霧の違いはここがポイント。死王はこういう時反省しないけど、光霧は反省できる。偉い。
「ってか、みんな来たんだ。」
「うん。昨日のとこがあったし。」
幽有達の教室ーつまり高等部の教室ーに他の死神軍団のメンバーが集結している。小学生や、中学生がいることで周りから注目されている。
「猫子たちにも事情を話したの?」
「いえいえ、私たちはただ連れてこられただけですよ。なんで呼び出されたのかも分かってなくて。」
「そうそう。一応呼んだんだけど、幽有が話したくなかったら帰ってもらおうと思って。」
幽有は少し迷う。できれば昨日のことはみんなには早く忘れてもらいたい。巻き込まれてほしくない。
…帰ってもらうって、扱い酷いな。
「大丈夫だよ?幽有。触れてほしくないところとかは無理に聞かないから。」
幽有の躊躇に佇美が気遣ってくれる。
結果、話さないと不安を煽るだけだと決意を固める。
「わかった。佇美たちにも話すよ。」
全員、真剣な顔で頷く。
「あ、でも待って、あるごは?」
「やっほー!来たよ。」
来た。
「で、昨日不審人物に会って。」
「え?なんの話?」
遅れてきたあるごが、いまさら会話を聴きにきた死神軍団のもう1人の高校生から横取りして、ポテチを食う。昨日デートにいったやつ。
….名前がないのが面倒なので、今回から『ポテト』と呼ぼう。
「で、そいつがどうしても僕と話したいって言って…。で、そこで30分くらい会話したんだよね。」
あの場にいた者以外の頭に?が浮かぶ。
「なんでそいつと眠たちが一緒にいたの?」
「知り合い?」
「どんな話をしたんですか?」
「ってかカラオケはどうしたんだよ。」
「女の子?」
みんなが一斉に質問する。
「あー、待って待って一個ずつ答えるから…。」
そんなこんなでかくかくしかじか。
「まぁでも、特技があるって言うなら一回試して見たいよねぇ。」
話題は昨日あった出来事からこれからどうするかに切り替わっていた。
結果的に幽有は全てを語らず、何個かの項目は伏せた。
まず、テアが『秩序』だと名乗っていたこと。秘密を知ってしまったようだな…的な展開を防ぐため。それに、そもそも不確かな情報だったので伝えなかった。そして、テアと会ったことがあること。完全に語らなかったわけではないが、全てを語るとなるとあの日あった出来事まで語らなくてはなくなるので、以前風邪で病院に行った時…みたいな感じであやふやに説明した。そしてもう一個、昨夜電話した話だ。状況的にあれは良い判断ではなかったと後ろめたい気持ちもあり、昼の時点で一旦テアとの関わりが切れたことにしておきたい。もちろん、今日会うことも伏せてある。
「それで、確かその人と連絡はとれるんですよね?」
「うん。去り際に教えてきたから。」
「まぁ、もうそいつと話すことはないだろ。」
光霧はあの場にいなかったことを少し悔いているようだ。だれもあんなことがあるなんて想像つかないから、悔いても仕方がないのに。
「で、特技は使えた?」
技我が単刀直入に尋ねる。
「あー、それが…。まだやってなくて。」
「やっぱ条件とかある感じ?」
今まで光霧とともに色々と試してきた。それを知っているが故に光霧も幽有に特技があることに確信が持てないないようだ。
「まぁ、教えてもいいかなって思ったら教えてね。」
「うん。」
キーンコーンカーンコーン。
棟が違うメンバーが慌てて教室に戻っていき、昼休みが終わる。
そして、放課後。
1人で帰ることに成功した幽有はテアと約束した場所の近くまで来ていた。
今のところ10分前だが、やつは遅刻しかねん。ということで多少遅れるだろうとゆっくり歩く。
待ち合わせ場所についてもテアは来ていない。待ち時間にせめてもの安全策でGPSを起動する。何があったときに電源さえ入っていれば知り合いから場所がわかる。
ちょうど待ち合わせ時間になりテアが現れる。飛んできたのか、走ってきたのか、いきなりの登場に目を丸くする幽有。
「やっほ、おまたせ。イメージ通り10分前行動してて偉いね。」
「まぁ、電車の時間もあるし。」
今日のテアは昨日とは服装やピアスが違っているが、昨日と同じ羽織ものをしている。
「幽有、昨日と服装変わんないね。」
「制服だからね。」
今更だけど、制服見られたのまずかったかな…。あ、いや、そもそも最初に会ったのが学校だから気にしても無駄か。
「若いんだからもっと着崩せばいいのに。」
「お前もそんなに歳変わんないし、一応通ってるの進学校だからな?」
「えー、でも友達にもいるでしょ?着崩してるやつ。」
「いな…」
光霧と萎あたりが脳にちらつく。
「いな?」
「い、いないよ。」
「ほんとかなぁ。」
まあ、そんなことどうでもいいかぁ。などと呟いてテアがにやっと笑う。
「じゃあ、行こうか。」
新キャラは次出ます!ごめんな。
と、いうことで。今回から質問コーナーしまーす。
えー、まず一発目。
Mわーるどにお住まいのMさんから。
Q愛壊先生が一番好きなキャラは誰ですか?
A愛壊ですね!