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第一話 終わりと始まり

新しく小説を始めさせて頂きました。

自分がこういう物語が面白いなって思ったものを適当に取り入れたようなものですが、お読み頂けると幸いです。

「トール!お前を死罪とする。今すぐこの世を去れ」

「ご乱心ですか、国王陛下!」


ここ、トラウス共和国の国王であるリベラ・シルク・トラウス現国王と、トール・ロイドという一人の老執事が睨み合っている。トールは身体中に枷をつけられ、リベラの前に居る。

部屋の中には、トールと王家の人間が全員居た。

今回のこの件は、国王であるリベラが他の国との交渉での不祥事をトールになすりつけることにすることにしたのが始まりだった。

トールを見る王家の人間は、全員が哀れみを向けていた。


「リベラ・シルク・トラウスの名の下に死刑を執行する。

極悪人トールよ、何か言い残すことはあるか?」


リベラは、自分の行いを正当化するために一切涙を流さずに剣を鞘から抜いた。


「国王陛下……私は貴方方王家を許しません。あなた方の暴走の尻拭いをしてきた身として言わせてもらいます。あなた方は最低なクズ野郎どもですよ。二度と私の前に顔を現さないでください。」


トールはそっと首を前に差し出して刑の執行を待った。


「今までの働き大義であった。勿論、すぐに貴様の遺体は我々の目につかないところに行かせる」


リベラは、剣を振り上げて一直線にトールの首を切り落とした。ゴトッと言う音と共に、赤い液体が噴き出した。

リベラだけでなく、その子供たちもその姿を見届けた。


「……これから忙しくなるぞ。気は抜いてられん……」


リベラは剣についた血をそっと拭い鞘にしまった。



■□■□■□■□■□


トールは、黒白赤青の4色で染められた場所で目を覚ました。


「うっ……ここはどこでしょうか……私は確かに死んだ筈です。それに、体も動かないですし……と、言うかこれ私の思念が勝手にダダ漏れになってますね。口も無いみたいですから」


今トールの体は白い球体になっている。

その白い球体状態のトールの周りに4つの球体がそれぞれの

色の場所に現れた。

少し時間が経つと、その球体が少しずつ形になっていった。

赤い色の場所の球体は徐々に鳥のような形に。

青い色の場所の球体は徐々に龍のような姿に。

黒い色の場所の球体は徐々に亀のような姿に。

白い色の場所の球体は徐々に虎のような姿に。

四種類の獣たちは、少しずつトールの元へ歩いて行った。


「な、なんでしょうか……」

「「「「我らは四神獣」」」」


四種類の獣たちは、声を合わせてそう言った。

その後に一匹ずつ自己紹介をしていく。


「私は朱雀。勇気と炎を司る神獣」

「俺は青龍。愛情と水を司る神獣」

「我は玄武。豊穣と土を司る神獣」

「儂は白虎。天候と風を司る神獣」

「丁寧にどうも……私はトールと言います。死んだ筈なんですけど……ここは一体どこなんですか?」


トールは素朴な疑問を投げかけた。


「此処は、死後の世界。一度死んだ貴方の魂を私たちが勝手に呼び起こしてるだけです」

「今回は願いたいことがあって呼ばしてもらった」

「お願い事ですか……なんでしょう?」

「我々4人を統べる存在、獣神になって欲しい」

「なっ、そんな大それたものじゃないですよ……私は」

「勿論わかっては居る。儂達も無理強いはする気がない」


トールは少しの時間ぼーっとしていた。いきなり神になれと言われたら普通そうなるだろう。


「お困りのようですね。このような老骨で有ればお手伝いしますよ」

「感謝します……トール。いえ、獣神様」

「じゃあ、親達の力を使って転生させるぜ」


そういうと、四人はトールの周りでそれぞれ詠唱をした。

長いような一瞬のような詠唱が終わった瞬間。トールは元の姿と同じ姿を手に入れた。


「おや、私はこの姿でいいのですか?」

「大丈夫だな。我らと同じ神獣であり我らを統べる獣神様になっている」

「儂達もろとも、これから宜しく頼みますぞ」



そこで、トールの目の前は何もない空間から一つの花畑になった。


「おや。此処はどこでしょうか……あの人らはどこに居ますかね」


トールがそんなことを口に出すと、ばっと4方向から四種類の獣が飛んできた。


「無事転生できたみたいですね。我らが神よ」

「ええ。皆さんのお陰で……そういえば、私も何か司るべきなのですかね?」

「そうじゃな。儂達で既に決めておる。獣神様は平和と平等を司ってくだされ」

「わかりました」

「私たちはそれぞれの守るべき場所にいます。貴方様はこの中央の花畑をお守りください」

「一つ質問なんですが……ここは一体どこですかね?」

「ここは……人間たちがいう幻の大地。5つの国の真ん中に有り、この世の資源の殆どを担っていると言われる場所だ」

「なるほど。あの場所ですか。誰も調査できない未開の地でしたね」

「では、これから頼む。俺らの神よ」


そういうと、四匹の獣はそれぞれの方角に飛んでいった。

玄武は北に。朱雀は南に。白虎は西に。青龍は東に。

トールは取り敢えず自分の身体能力を確認するために走ったり運動していた。


「これから頑張りますかね。私は神なんて似合う器では無いですけども……ここでの生活は自由だと言われましたし、適当に家でも建てておきましょうか」


トールは手をそっと振ると「クリエイト」と一言呟くとそこには家が一つ出来上がった。

館と言っても良いくらいの大きさの建物がすぐさま出来上がった。


「これは、便利ですね……昔よりも圧倒的な身体能力を得ましたが……これはどうしましょうね。トラウス共和国に復讐するのも有りですが……私はそこまで狂った人になりたく有りませんからね。世の味方になりましょうか」


トールはグッと手を上に伸ばしてそっと太陽の方を見た。

新しい光がトールの方を指し照らして居た。

感想やコメントなど有りましたら、お教え下さい。

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