暴露
朝起きたらブクマが3件付いてました!
しかも星5評価も!ありがとうございます!
直した方がいい箇所などありましたらレビューなどで教えてください!
それでは!
本編をどうぞ!
「先輩、あなたはシンフォニーの甲斐爽太さんですか?」
後輩の夏姫からのその言葉は俺を凍りつかせるには十分だった。なんとか俺は真顔を保ち、聞いてみる。
「どうしてそう思った?」
「勘です。」
「それだけでそんなこと言うわけないじゃないか。他に理由があるんじゃないのか?」
「あります。実は私、先輩が甲斐さんに変わる瞬間を見たことがあります。」
「っっ⁉︎ぇ⁈!」
つい反応してしまった。そんな俺を見て、夏姫は意地の悪い笑みを浮かべて言い放つ。
「嘘です。」
やってしまった。確かに俺は家か事務所でしか着替えない。こいつの家からは事務所も俺の家も距離があるので見られるなどあるはずもない。
要するにカマをかけられたわけだ。夏姫は再度聞く。
「先輩はシンフォニーの甲斐爽太さんですか?」
これ以上すっとぼけられるわけもなく、俺は素直に頷く。
「ああ、そうだ。」
「安心してください、先輩。あなたが甲斐さんである事を言いふらすつもりはありません。」
続けられた夏姫の言葉に俺は目を剥く。
「本当か?」
「ええ、そのかわり」
夏姫は顔を真っ赤にして言った。
「これから毎日先輩の隣にいていいですか?」
その言葉を反芻し、俺も顔を赤くして聞く。
「…それは遠回しに結婚してくれと言っているのか?」
それを聞くと夏姫は顔をさらに赤くしてしまった。
「あっ、いえっ、そういうことではなく…(それもいいですけど)」
とんでもない勘違いをしてしまった。物理的なものだったらしい。恥ずかしい。夏姫が何か言ったようだが聞こえなかった。
「そういえば、先輩は毎日お弁当を持ってきていますよね?」
夏姫は無理やり話題を変えるように言う。
「ああ、そうだが」
「じゃあ、明日から中庭で二人きりで食べませんか?」
「せんぱーい?」
どうやら俺は意識を飛ばしていたらしい。呼ばれて気がつくと夏姫が俺の顔を覗き込んでいた。テンパった俺はついノリで言ってしまう。
「ああ、いいぞ」
言ってからしまったと思うがもう遅い。俺は毎日夏姫と2人きりで昼食を取ることになってしまった。男どもからの白い目線が一層鋭くなることを想像し、俺は頭を抱えてしまった。
午後の授業が終わる。今日は特に仕事もないため、家に帰った。家に帰ったところで特にすることもないため、俺は着替え、ベッドに寝転がる。授業中に来ていたメールに既読をつけていく。昼休みの出来事で疲れが溜まっていたのか、俺の意識は作業をし終えることなく薄れていった。
続きます。よろしければ評価、レビューお願いします!