登場人物まとめ&裏設定
■ 純
物語の主人公。
高校生。
好物はジュースのドクター・ペッパー。
いつも必ず棚橋まりあの働くコンビニで購入している。
普通な毎日に飽き飽きしている。
半年前からコンビニで働き出した棚橋まりあに恋をしている。
一目惚れだった。
昔は家族想いの良い子で、家事を手伝ったり、よく勉強をしたり、優等生タイプであった。
しかし、中学生あたりから徐々に反抗期を迎え、ずっと続けていた野球部を辞めてしまう。
今時の高校生らしく、当たり前のようにスマートフォンを持っているが、インターネットを閲覧する時間は他の高校生と比べて比較的少ないほう。
父親のギャンブルによる借金で、家を差し押さえられ、伯母に引き取られる。
伯母の家に引き取られて、他の市へと住所が変わり、学校も有名私立高校に編入する。
実は、幼い頃に行方不明になった男の子だった。
本当の名前は、清水武史。
母親がさらってきて、『純』と名付けられ育った。
実は自分がさらわれた子供だったと知り、ショックを受け、ササキのオッサンとホームレス生活をする事になる。
ササキと親交を深めるが、少年たちにササキを殺され、逆襲を誓う。
しかし、実の母親と出会い、実の弟がササキを殺したと知って混乱し、その場から逃げ出してしまう。
棚橋まりあそっくりな女神様の幻影を見て、女神様に再び会えば“普通”の日常に戻れると思い込み、棚橋まりあ(女神様)を見つけ出す長い長い旅に出る。
最期はトラックにはねられて事故死する。
■ 棚橋まりあ(タナハシ・マリア)
純が想いを寄せる、コンビニでアルバイトをしている少女。
週に6日、8~10時間働いている。
いつも頭にカチューシャを付けている。
そこいらのアイドルよりも可愛い、ハッとするような美少女。
美形だが、どこか影がある。
純から一方的に想われているが、その心には気づいていない。
突然、コンビニを無断欠勤して、その後、行方を知る者はいない。
──※オリジナル小説『蚕の出す答え』『手のひらの新世界』に登場。
その他の作品にも姿形を変えて頻出する、謎の多い美少女。
■ 純の父親
万年平社員のサラリーマン。
口数が少なく、いつも新聞を読んでいる。
機嫌が悪いと酒を飲む。
コンビニ弁当やレトルト食品を断固として食べない。
弁当屋さんの弁当や、スーパーの弁当でさえ決して食べず、偏食家である。
突然、会社が倒産してしまう。
実はギャンブル依存症。
消費者金融、闇金に相当な額の借金をしている多重債務者。
最期は公園で首吊り自殺をしてしまう。
実は無精子症で、子供を作る事が出来ない。
妻がさらってきた子供(純)に戸惑いながらも、妻がノイローゼになったのは自分のせいだという負い目があったため、純を自分の子供として育てる。
■ 純の母親
54歳。
韓国ドラマが好きな、ごくごく平凡な主婦。
声が大きく、口うるさい。
超アナログ人間で、携帯を持たない主義。
パソコンやインターネットにも全く興味がない。
突然、夫に離婚を迫る。
他に好きな男性ができ、その韓国人の男と一緒に暮らすために家を出ていってしまう。
過去に、不妊治療を受けていた。
検査結果で夫が無精子症だと知り、ノイローゼになる。
ノイローゼの末、幼児だった純をさらって来て、『純』と名付け、自分の子供として育てる。
■ 純の伯母
46歳。
何軒ものレストランを経営する、やり手の女社長
兄(純の父親)の借金を肩代わりをする、純の伯母。
純との再会は、約10年ぶり。
純を引き取る。
マンション全体を所有しており、その中の一室に住んでいる。
兄とは犬猿の仲であり、純の父親は彼女の性癖に気づいていたため、滅多に純には会わせなかった。
少年好き。
範囲は男子幼児から高校生くらいまで。
ギリ20歳までならイケる。
仕事はできるが、容姿は不細工である。
■ ササキ
吃音の激しいホームレスのオッサン。
言葉がどもる。
髪がボサボサで、ヒゲも生やしっぱなしで不潔。
空き缶回収をして、それを換金して暮らしている。
大きな公園の中でテントを張って生活している。
純と交友を深め、一緒にホームレス生活をするようになる。
過去に交通事故に遭ってしまい、一命は取りとめたものの、後遺症で言語障害と知的障害と記憶障害のようなものが残ってしまった。
記憶の一部が事実なのか妄想なのか、自分でもよく理解できていない。
自称、過去は大金持ちで、絶世の美少女の娘がいた。
最期は、少年たちに暴行を受け、殺されてしまう。
──※実は、オリジナル小説『蚕の出す答え』に登場するキャラクター笹木有紀の父親である。
■ 清水秀史
清水武史の実の弟。
非行少年。
中学生や高校生や無職の少年たちとグループを組んで、毎晩のようにホームレス狩り、喧嘩、カツアゲ、万引きなど、悪行ばかりしている。
その中のリーダー的存在である。
本当は、ササキを殺すつもりはなかった。
グループの中の中学生が、限度を知らずに暴力を与え、結果的に殺害してしまった。
母親が病的に武史を愛していたため、自分は必要のない存在だと考え、グレるようになった。
桃が丘高校の一年生。
──※オリジナル小説『境界線 ~天使のほほえみ~』に、桃が丘高校が登場する。
■ 武史と秀史の母
清水武史の実の母親。
ずっとさらわれてしまった自分の息子、武史の行方を追っている。
ビラ配りをしたり、インターネットで武史のサイトを作って情報提供を呼びかけるなど、絶対に諦めない芯の強い性格。
病的に、長男である武史を愛していた。
行方不明事件から10年以上経過しても、絶対に自分の息子は生きていると信じていた。
武史の行方を追うあまり、若干、秀史の事はないがしろにしてきた。
もともと実家ではお嬢さまであり、家柄や育ちが良い。
■ シケたコンビニの店長
棚橋まりあが働く、コンビニの店長の中年男性。
この男の営むコンビニは、立地条件が悪い場所に在る。
さらに抜けた性格をしていて、経営者として問題がある。
物語の終盤では、常連客であった純をすっかり忘れてしまっている。
■ 司書の男
図書館で働く男。
その図書館の在る市内で、清水武史は行方不明になった。
清水武史の事は、もう生きてはいないだろうと考えている。
■ 桃が丘高校
──※オリジナル小説『境界線 ~天使のほほえみ~』に登場するキャラクター望月翔と清水秀史は、同じ高校に通っている。