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随想  作者: 如空
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パート6

14. コミュニケーションが成立しない状況では、しばしば本当は協力を想定して振舞った方が得なのに、それができなくなる。


古典的な、囚人のジレンマもそういうゲームだが、hole.ioというアプリのバトル・ロワイヤルモードも、実はそうなっている。


このモードの建前上のルールは、20人のプレイヤー中の最後の一人になることだが、配分される経験値については、最大レベルに到達したプレイヤー全員が、一位相当のポイントをもらえることとなっている。


つまり、全員に配分される経験値を最大化したければ、全員が最大レベル(レベル20)に到達すればよいのだ。


だが、現実にはそんなことは、ほぼ実現しない。他のプレイヤーをキルしたプレイヤーは、急速にレベルを上げられ、有利にプレイできる仕様になっている。

その個人的な魅力に抗って強力プレイの可能性を模索するというのは、非協力的な環境においては、非合理的な戦略だから誰も取らない。


ただ、私自身が勝者になることが確定した時、つまり最大レベルに到達した時には、何名か生き残らせることに成功したことがある。


勝利が確定した時点では、キルしようがしなかろうが利得は同じ…。キルは、弱支配戦略でしかないからだ。


それでも、私が生き残らせることに成功したのは最大で3名(私自身を含む)。

2名なら私が殺さなければよいので、比較的簡単だ(時々自らキルされるプレイヤーもいないことはない)が、制御すべき相手が2名以上になると、その難易度は一気に上がる。

殺させないように割り込むことは可能だが、その操作は誤ればキルにつながるし、何名もいるときには、全てのプレイヤーに対して割り込むことは困難だ。


3名生き残った時も、3名のうち2番目に最大レベルに到達したプレイヤーは、最後までキルを試みていた。盲目的に。


コミュニケーションがない状況では、人は本来敵対し合うものなのかもしれない。

コミュニケーションをとり、協力ゲームの状況を作り出した方がいい場合ですら、コミュニケーションがなければ、人は疑心暗鬼に駆られ、互いに容易に裏切り合う。


これ、小説のネタになるかも。

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