番外編2 木村梓のランチ会
今回はショートバージョンとなりました。
(何が起きたかは、活動報告で・・・)
某省に勤務するワーキングマザー、木村梓は、あんまり家事はしていない。
働き方改革とかワークライフバランスとかを先取りしている、といえば聞こえはいいが、同業者かつマメな夫におんぶにだっこ、料理以外の家事はほぼ丸投げしているというのが実態だ。
さらに、夫がお迎えから寝かしつけまでを週2ペースでこなしてくれることや、子供が頑丈なタイプであることもあり、仕事には制約があるとはいえあまり穴を空けずに来れているあたり、なんだかんだ強運と言っていいのではないかと思っている。
このあたり、復帰から半年前後まではそれはもう諸々の葛藤やら大喧嘩やらがいくつも発生した。
もともとはどっちかといえば完璧主義。脳内にある「母親」像は専業主婦だった自分の母親、しかも自分がせいぜい小学生以降の時代。頭では条件が違いすぎると理解しているものの、気持ちが追い付かず、「こんなではダメ」と自分を追い込み、「早く帰ってきているのに家事もできないなんて」と焦る。
夫がマメで要領のよいほうであることも焦りに拍車をかけ、八つ当たりのような形で喧嘩をしたことも少なくないし、頑張りすぎて本人も高熱を出して寝込んだりもした。
そんな諸々を乗り越えての今の割りきりであり、結局ママが無理をしてもろくなことはないというか、子供にしわ寄せがいくことを学んだゆえである。
この状況を逆から言えば、それくらいの割り切りと強運がなければワーキングマザーなどできないということでもあり、また、そうは言っても時間のやりくりに頭を悩ませ、24時間がままならないのは他のワーママやワーパパと変わらない。
「結局、ワンオペは厳しいよねぇ。どこかで破綻する。」
「うちは親がいないと無理だわ。」
同年代のママな同僚と話していると、どうしても、どう両立させるかの話になる。
「お迎えはダッシュでしょ?そこから買い物して料理して、ってなると厳しいよねぇ。」
「うちはそこは作りおきで。」
「待たせて、調理キットだわ。」
「あれ少なくない?うちはご飯作ってからじじばばのところにお迎えに行くから…」
「遅くなると食べさせてくれたりもする?」
「まぁね。めっちゃ文句言われるー」
「あー…」
「思ったほど協力ってないよね。」
「近所にいても、ね。病気の時とかは、高齢だからうつりやすいし、頼れないわ。」
一昔前は、国家公務員でばりばり働いている女性であれば、子供がいる場合には親が完全バックアップにつくか、それが無理な人は奥さん側の稼ぎを全額シッター代等に振り分けてどうにか幼少期を乗りきるのがスタンダードだったらしい。しかし、世相が変わり、そこまでの協力をあおげる時代でもなくなったし、出産年齢の関係から祖父母側の体力も落ちている。
「それを前提として仕事組んで貰わないとどうしようもないよね。」
「だいたい、毎日三時間しか寝てませんとかでミス責められても?」
それぞれが若手の頃は修羅場を経験しているだけに、そのままでの両立は「無理!」と胸を張って言い切れる。そんな仲間とのランチは、なんだかんだで夜の時間が取りづらい梓の心が緩むときなのであった。




