03. 光と影
今年のバレンタインは
チョコレート少なかった。。。
あ、でも返すの楽じゃん!!笑
ミカエルが消えた後、目を閉じて自分の後悔のことを考えていた。しかし、結局なにも分からないまま僕は深い眠りに落ちた。
懐かしい匂いがする。これは…カレー?
ゆっくりと重い瞼を開けると、
僕は自分が寝ていた部屋ではなく何故かリビングのソファーに横になっていた。
「あら、起こしちゃったかしら」
台所から声がする。
それは紛れもない僕の母親の声だった。
「母さん…。」
僕の両親は既に死んでいる。
父は僕が生まれてすぐ交通事故で、
母は過労で中学の時に亡くなった。
僕は母の作るカレーが凄く好きだった。
甘ったるい肉も入ってないカレー。
なんで今更こんな夢…。
「千晃、カレーできたわよ」
席に座り、2人声を合わせて
「いただきます」
母の作るカレーは思った通り甘ったるい
肉の入ってないものだった。
けど、涙が出るほど美味しかった。
どこか遠くで僕を呼ぶ声がする。
やめてよ、今はここを離れたくないんだ。
たとえ、これが夢だとしても。
「千晃、ごめんね」
「どうしたの?母さんが謝ることなんてなにも…」
「千晃のこと一人にして。本当はもっとそばにいてあげたかった。母さん、千晃の為に何もしてあげられてなくてごめんね」
「どうして?母さんが謝ることなんて何もないよ。僕がもっと早く母さんのこと助けてあげられたら…。」
母は首を横に振り、泣きながら言った。
「私は、千晃の本当の母親じゃないの」
「え?嘘だよね?嘘だって言ってよ」
嘘だ。母さんが母さんじゃないはずがない。
そうだ嘘に決まってる。これは夢だ。
だから、少し歪んでるんだ。
「本当にそうか?」
リビングにいたはずが真っ暗な空間になり、
暗闇の中から黒い人影が現れた。
「何が言いたい」
「絶対あの母親がお前母親だという確証はあるのか?」
「それは…、けど僕の母さんは」
「あの人だってか?笑わせるな、なら聞くがお前の両親は2人ともO型だというのに、お前はなぜA型なんだ?」
本当は僕も知っていた。僕の親が本当の親じゃないかもしれないこと。普通に考えてO型の夫婦からA型の子供が生まれるはずがない。そんなこと分かってる。ただ信じたくなかった。本当の家族が僕のことを捨てたなんて…考えたくなかった。
たとえそうだとしても僕は…。
「…僕の母さんはあの人だ」
「ほぅ、言い張るか。」
「お前はいったい誰なんだ。なぜ僕のことを知っている。」
「俺は…」
黒い人影が口を開いたとたんに、暗闇だったはずが一瞬にして光に包まれる。
眩しさのあまり目を閉じ、またゆっくりと
開けると見慣れた天井があった。
どうやら夢から覚めてしまったらしい。
[自室にて]
AM 7:42 火曜日
昨日のこともあり、何となく今は羽琉と顔を合わせるのは気まずい、そんな気がした。
学校は8時30分からだが、今日は早めに家を出ることにした。
[学校にて]
教室に入ると、懐かしい雰囲気が漂っていた。
「雨音、おっは!」
そう言って肩に飛び乗ってきたのは
昔からよく一緒だった笹川だった。
「なーんか元気ねーぞ?さては羽琉ちゃんとなんかあったな?」
「べ、別にそんなんじゃねーよ」
と言っても半分当たってるけどな。
教室は変わらず賑やかだった。
[昼休みにて]
購買で学生時代好きだった焼きそばパンを買い、僕は屋上へ向かっていた。
後ろから誰か走って来ている。
「千晃ー!待てー!」
声だけでわかる。これはまずい。
とりあえず逃げ…。
「捕まえた!」
逃げ切ることができず、僕は羽琉に捕まった。
[屋上にて]
「な、なに?」
「な、なに?じゃないでしょ!」
口を膨らませて羽琉はとても怒っていた。
「なんで今日一人で学校行ったの!」
「は?」
「だっていっつも一緒に行くじゃん!ねぇ、なんで!?なんで今日だけ早いの?」
「別にいいだろ?たまたま早起きしたってだけだよ」
相変わらず僕は羽琉のことを直視することはできなかった。
「良くないよ…。だって付き合ってるんだよ?一緒に登校とかしたいじゃん。ばか」
僕は大きなため息を吐いてから
「悪かった、じゃあ明日からは一緒に登校する。これで文句ないだろ」
羽琉は笑いながら首を縦に振り
どこかとても嬉しそうだった。
その後、二人で昼食を済ませ教室に戻った。
ども!忘れかけられてるあげぱんです!
3話目をやっと投稿できます!
色々と二月は忙しくドタバタな
日常をすごしていますた笑
さて、千晃くんの両親は既に亡くなっている
という衝撃の事実から始まった今回の話
一体あの人影はなんだったのでしょう
次作も投稿遅くなるかもしれませんが
気長に待っててくだいませ!
ではでは、またどこかで!