02. 羽瑠とミカエル
意外と閲覧してくれてて
普通に驚いています!サイダーうまい!
てか、8時20分て後10分で遅刻じゃん!!
「おい!急ぐぞ、学校遅れる!」
彼女はクスクスと腹を抱えて笑いをこらえている。
「今日は昨日の文化祭の振替休日だよ?」
「え、ああ、そうか」
そういえば、まだ彼女の話をしていなかった。
彼女は僕の家の真ん前に住んでいる羽瑠だ。
小さい頃からの幼馴染というやつで、よく僕が寝坊するから朝起こしに来てもらってる。
スタイルも良くて、勉強もできて、おまけにスポーツ万能。絵に書いたような美少女なのだが、男と一緒に歩いてるところは僕が知る限り見たことがない。
まぁ、彼氏がいたら幼馴染とはいえ朝早くに僕の家になんか来ないか。
「じゃあなんで家に来たんだよ、学校もないのに朝から起きる必要ないだろ」
上目遣いしながら彼女は言った。
「千晃、付き合って!!」
「は?」
[デパートにて]
と言われたら告白を想像するのが普通だが、こいつの使う付き合っては大抵こうだ。
「千晃遅い!!早く、まだ見たい服あるんだから!」
そう、荷物持ち。まぁ、分かってはいたんだがあんな目をされて言われたら、誰だって行っちゃうよね。
「随分呑気に暮らしてるね」
聞き覚えのある声が聞こえたがどこで聞いたか思い出せない。
あたりを見渡すが、それらしき声の人もいない。
「ここだよ、君のとなり」
そう言われてとなりを見るとマントを羽織った小学生くらいの子供がいた。おかしな点で言えば、浮いていると杖を持っていることくらい。
「最近のコスプレは浮くこともできるのか」
「こ、コスプレ!?ち、違う!この服装は我の正装だ!」
・・・最近のガキはこんなに生意気なのか。てか誰だよ、お前・・・
「今、お前しれっと我のことをガキ扱いしただろ。我はガキではない、ちゃんと名前はある」
「してないしてな・・・」
っておいおい、おかしいだろ。僕は一言もガキなんて口に出してないぞ!?
「やっと気づいたか、我は…そうだなミカエルとでも名乗っておくか」
「ミカエル?お前は一体何者なんだ」
そしてミカエルと名乗るその少年は言った。
***お前の後悔に興味がある***
「我は人の後悔とやらに興味があるのだ。人はなぜ後悔をし、傷つくのか。我はそれが知りたい。そこでお前を利用させて貰った。しかし、ただ後悔を観るだけじゃ面白みにかける。だからお前にチャンスをやることにした。」
つまりは僕をこの時代に送られた理由はこいつに後悔を観せるためということか。だが、チャンスとは一体何なんだ。
「理解力がある奴で助かる。チャンスとはお前を生き返らせる代わりに後悔を失くすチャンスをやることにした。お前、後悔したことあるか?」
「後悔を観るために僕を生き返らせたんだろ?後悔と言えば…あれ?」
ミカエルは不気味に笑いながら、
「お前を生き返らせるにあたって後悔したという記憶全てを消させてもらった。知っていては面白くないであろう」
遠くで羽瑠が呼んでいるのがわかる。
「おっと、デートの邪魔をしては悪いな。まぁ、せいぜい足掻くがいい。また逢おう」
そう言ってミカエルはその場を去った。
一体、僕はどんな後悔をこれからするんだ。
僕の心は、不安に満ち溢れていた。
夕方頃になって、やっと僕は荷物持ちから解放された。
「今日はありがと!いやぁ、持ってくれる人いると助かるよ、欲しい物たくさん買っちゃった」
そう言って笑う彼女はなんかずるい。どんなに嫌なことでも許してしまいそうになるくらい彼女が輝いて見えるからだ。夕焼けが彼女のバックライトみたいでいつもより綺麗だった。
「ねぇ、千晃はさ。好きな子とかいないの?」
唐突にそう聞かれ何を動揺したのか
「僕は羽瑠のことが好き」
あたりが急に静かになって、少し肌寒い。
やっぱり言わなきゃよかったと思っていたそんな時、少し間をおいて羽瑠は僕に言った。
「じゃあ付き合おっか」
「え!?」
僕は夢を見てるんだ。ほら、起きろ!これはきっと夢、羽瑠が僕を好きなんてありえない。
「あ、今これは夢だー!って思った?残念、現実でーす!」
彼女はずるい。いつもいつもずるい。
そんなことを考えながら羽瑠とその場を後にした。
[千晃の部屋にて]
ズキッと頭に酷く傷みが走る。
「こんばんは」
この声は、ミカエル!?
「我の名前を覚えたか、一つ言い忘れた事があってな」
「言い忘れたこと?そんなことより僕は知りたいことが山ほど…」
僕の声をかぶせるように
「まぁ落ち着け千晃、我はお前の質問を聞くためにいるのではない。前にお前にチャンスをやると言っただろう?その事についてだ。もしもお前が後悔をしなかった場合、お前はそのまま生きることができる。」
「つまり、本当の意味で生き返るっていうことか!?そんな話、信じれっか」
「では問うが、死んだお前がここにいることは信じれるのに生き返ることが不可能だとおもうのか?」
言われてみれば確かにそうだ、このまま死なずに済むっていうのも確率的には0ではない。わずかではあるが生き残るという可能性はあるのだ。
「まぁ、普通消された記憶を思い出すなど不可能だが、例外もある。お前には期待しているよ千晃。我を楽しませてくれ」
そう言ってミカエルは闇の中へと消えていった。
僕の後悔、一体何があったっていうんだ。
頭の中はとっくに後悔という言葉でいっぱいになっていた。
ども!あげぱんです!
羽瑠との恋が実り幸せまっしぐらかと
思いきや、ミカエルの登場でそうもいかない
みたいですねー笑
羽瑠みたいなあざとい子は裏があるって
聞くけど本当かな?
次作では千晃の…おっと、これは次作での
お た の し み
では、また次作で!
※作品投稿は不定期です。
あらかじめご了承ください。