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白と黒とそのあいだ  作者: 銀蛍
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プロローグ

 燃えるような赤毛。

 癖の強いその長い赤毛は後ろで一つにくくられ、埃っぽい強風に吹かれて揺れていた。

 土気色の戦場に、場違いなほどの鮮やかさ。

 それは、髪に限ったことではなかった。

 赤毛の男が身にまとうのは、真っ赤な軍服。

 いや、それでは語弊があるか。

 ‘返り血’で、真っ赤に染められた、‘真っ白だった’軍服、である。

 風に運ばれて顔の前にやってきた赤毛をかきあげれば、真っ赤な瞳のたれ目が露わになった。

 レイピアについた血を恍惚として眺めながら、美しく、ふふふ、と笑んだ。

「ああ、早く貴様を切り裂きたくて、仕方がない。わかってくれますよね?」

 艶やかに口角を上げた赤毛は、正面に対峙する男に尋ねた。


「切り裂くといわれた側が、共感できるわけないだろ」

 冷たく言ってのけたその男は、赤毛とはまるで正反対だった。

 胡散臭い笑顔を振りまく赤毛に対し、この男は心底不機嫌そうだった。

 真っ黒な軍服に、首の中ほどまでの長さのストレートの黒髪。

 鋭く細められた漆黒の瞳は、見るだけで人を硬直させられるほどの威圧感だった。

 刀についた血を横目で見て、眉を寄せ、心底不愉快そうに瞼を伏せた。


「つまらない貴様らしい返答ですね。面白みのないゴミだ」

 言葉とは裏腹に、赤毛は愉快そうに笑った。

「残念ながら、あんたのような逸脱したセンスは持ち合わせていないんだよ」

 さらりと皮肉を混ぜながら、黒髪は刀を構えた。

 対する赤毛も、さらに口角を上げながらレイピアを黒髪に向ける。

「これでも、私は、貴様には一目おいているんですよ」

「それは光栄なこった」

 黒髪は表情を変えることなく、地を蹴った。

 容赦なく、赤毛に対して刀を振り下ろす。

 かなりのスピードであったはずだが、赤毛は余裕の笑顔でその斬撃を受け止めた。


「王家直属防衛軍大佐、緋王焔ヒオウ ホムラ。貴様を殺す者の名前です」


 耳をつんざくような音を上げて、2人の距離が武器越しにぐいっと近づいた。


「反乱軍先行部隊隊長、白夜真冬ビャクヤ マフユ。あんたが俺を切るより早く、あんたを殺すやつの名だ」


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