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こんな学校があるわけない!「短編集」

番長はやっぱ大変だぜ!

作者: 鶏肉

俺の名前は虎丸龍之介。ここらへんの地域で番はってる番長。今日もトレードマークの荒ぶるリーゼントが俺の存在感を発揮してくれてるぜ。

まあ、こんなリーゼントの素晴らしい俺でも悩みや辛いこと、マジやっべえことも結構あるんだなこれが…


「虎丸さん!!近くのクソ犬がまた虎丸さんの陣地にションベンぶっかけていきやした!!」


そう、例えばこれだ…。なぜか俺の近くには毎回犬のマーキングがつけられるってことだ。

縄張りとは、動く物に対してするもんじゃぁねーだろ!!

なんで毎回俺がマーキングつけられなきゃなんねーんだ!!

…とまあ、これはまだまだ序の口、他にも俺には困ったことがたぁくさんある。

ここ一帯の…番長なのにだ。


ある日のこと…俺は舎弟2人を引き連れて、近くのゲーセンでタムロってた。まあ、それはいいんだが、隣に来た親父が俺になんの断りもなく煙草をのうのうと吸ってやがる!!俺の大嫌い三大要素の一つの煙草をだ!!

煙草ってのはなぁ、副流煙と主流煙ってのがあって、他人にばらまかれる副流煙の方がニコチンやら一酸化炭素やら悪い物質的をたくさん含んでんだよ!!もう少し周りの人のこと考えやがれバカ野郎!!


しかもそれだけじゃなくあの親父…俺が隣にいることにも気にせず盛大に特大のすかしっ屁をかましていきやがった!これも俺の大嫌い三大要素の一つなのにだ!流石の俺もここまでされちゃあ我慢できねぇ…。

俺はそいつに1発思い知らせてやろうと立ち上がった。だが…


「あ、虎丸さんすんませんっ!今の屁俺っす」


「フザケンナヨこの下っ端がぁあ!!」


そしてこの勢いで俺の桃からも音のない何かが放屁されたのは内緒にしておこう。


ここまで俺の大変さがわかる話をしてきたが、こんな番長で大丈夫なのか?だとか思ってる奴もいるかもしれねぇ…。正直俺もこの調子だと俺をなめてかかってくるナリヤンどもが増えてくると思ってる。

まあ、だが喧嘩だけは強いんだ、俺は。

好きな飲み物は苺みるく、好きな食べ物はイチゴたっぷりの特大パフェだとかそんなのばっかりだけどよ。


「あ、というわけで悠人、お前特大パフェもってこい10分以内な」


「はぁ…さっきも食べてたじゃないっすか。そんなに甘党だから甘々なんですよ…」


「いいから早く持ってこい!!30分以内な!手数料もやるからさっさと行きやがれ!」


「ヘイヘーイ」


俺は手数料込みの金を舎弟の1人、悠人に向かってばらまくと、はぁ…とため息をつきながらその場に座り込んだ。

そんな俺の目の前にマーキングだいすきの犬っころが近寄ってくる。


「ちっ、なんだよ。可愛がってほしいのか?こんな俺みたいなリーゼントに。はぁ…仕方ねぇなぁ」


こんな犬っころ、マーキング野郎でも、やっぱ近くにいてくれるとちょっと気分が癒されるかもな…。

日頃のイライラが解消されてくぜ…。

まあ、俺が短気すぎるのも悪りぃとは思うけどさ…、ま、これからも頑張って番長続けるか…


「ありがとよ犬公、ちょいと元気でたわ」


俺が犬っころにそう言った時、俺の手に生暖かい感触が伝わってきた。そして、なんとも言えない異臭が俺の鼻腔を刺激する…。

この…犬っころが…。


「ゼッッッッセェ許さねぇぇぇ!!!」


ションベンのかかった学ランを脱ぎ捨てた俺は今まで生きてきた中で一番の雄叫びを、空に向かって叫んだ。

俺の大っ嫌い三大要素…最後の一つ、それは…このクソ犬っころに決まってんだろぉ!!


「待てこのクソ犬がぁぁぁ!!」


俺はイチゴ特のりパフェを持ってきた舎弟を吹き飛ばしながらその場を走り抜けると、尻尾をフリフリと降っている可愛らしい子犬を全速力で追いかけて行った。


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