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ヨークル食料品市場での大騒動(2回目)っす。

9・28修正しました。

「ここから出せ! 俺がこの剣で殺してやる」

「決闘のシステムを決定した後でな。そのままだって戦えるだろ。お前の自慢の剣はこの程度がハンデになっちゃうんだね・・・貧弱過ぎるぞ」

「どうされましたか? トラブルで揉めてるって聞きましたが・・・って早乙女さんですか?」

「はい。あっ、警備隊の隊長さんじゃないですか。どうも、お久しぶりです」


隊長さんとの再会で嬉しくなって握手をしてしまう。

「早乙女さん、どうかなされたんですか?」

「ええ、この馬鹿が俺に因縁をつけてきたんで『決闘』のシステムを使わせてもらって、2度と馬鹿な真似をしないように『しつけ』をしようかなって。いくら馬鹿でも大衆の面前でウンコを漏らすぐらいの恐怖を与えてやれば、人の話も聞く様になるかなって思ったんですよ。・・・『俺はシーズの家の人間だから!』って特権階級意識で俺に挑んでくる馬鹿を今後、減らすためにもこの馬鹿を見せしめにさせてもらおうかって考えたんで・・・だけど躾は俺の仕事じゃないしな。まぁ死んでもらおうって事に決定しました」

「シーズの家ともめると後が面倒になりますし、殺しちゃうともっと厄介なことに」

「この馬鹿を管理してるのは誰ですか? 躾もできてないじゃないですか。俺に迷惑をかけといて『シーズだから勘弁してやれ』って警備隊の人間が言って、この国の法律って守られてるのですか?」

「あ、いや・・・そういうわけでは」

「決闘のシステムを俺は使います。おい『マサキ・シーズ・ユマキ』今から俺『早乙女真一』からの命を賭けた決闘を受けるか?」

「受ける! だから早くここから出せ!」

「はい。これで命を賭けた決闘が決まりました。立会人は警備隊の隊長の貴方です。決闘方法は『親衛隊も含めた6人で殺し合い』でいいな? ハンデとして6人全員を相手にしてやんよ」

「受ける」


俺が6人全員を拘束していたスキルを解くと全員が剣を抜いた。

俺は一番腕の立ちそうな親衛隊の隊長らしき人間に向かって歩いていく。

俺の左側から親衛隊の人間が切りかかってきたが胸を反らせて簡単に避ける。

右側から大きな手甲のつけた親衛隊が殴りかかってくるが頭を左右に振って避けて掴み掛ってきた手を、スウェーで簡単に避けて目の前の驚愕している隊長の顔面に軽くジャブを放つ。

親衛隊の頭部の装備ごと頭全部が血煙とともに消滅して残った体が崩れ落ちた。


観客の中から何人かの叫び声とマサキ達の絶叫が響き渡る。

親衛隊もマサキ本人も腰を抜かして動けなくなっていた。

「お前ら殺す殺すって何度も言っといて、本物の殺し合いをしたことないのか? 言っとくけど俺は遊んでるお前らとは違って『本物の殺し合いによる決闘』を望んだんだから、一切の手加減をするつもりは無いからな? 死んでで詫びろよカス」

親衛隊の2人目・・・腰を抜かしたままの体勢の相手に前蹴りで顔面を消失させる。

「悪いけどな、俺の対して権力を振りかざしたクソバカには俺自身の中にある破壊衝動を押さえ込む事が出来ないんだ。何度も言うが『死んで詫びろ』謝っても許さないからな。お前も今までそうやって他人を踏みつけて生きてきたんだろ? 今度はお前の番になっただけ。凄く簡単なことだよ」

親衛隊の3人目は這いつくばって逃げようとしてる所を、背中の上に飛び乗って後頭部を踏み抜いて、こいつの頭部も消失させた。


警備隊の隊長が俺に話しかけてくる。

「・・・早乙女さん、許してやってもらえないでしょうか? 先程早乙女さんがおっしゃったように彼ら全員がウンコ漏らしてますし」

「無理無理。だって俺、冒険者だよ? 中途半端に逃がした魔獣相手に逆襲されて殺されるのが日常の世界で生きてる冒険者なんだよ? 何で人間相手だと許さなければいけないの? 魔獣は殺せって言うのに? 理屈が通ってないよ」

そういって4人目の親衛隊を引きずって戻してきて顔面に上から鉄拳を突きこみ、こいつの頭部も消失させた。

「それに、命懸けって言葉はこの国では『軽い』んですね。俺に文句があるなら『決闘で命を賭ける事』を禁止する法律を作らないとね。俺は法に則って殺したかったコイツラを殺してるだけだし。自分の身を賭けて決闘を受けたコイツラにもここでやめたら失礼に当たりますよ?」

5人目は足を掴んで『ぺったん』した。

頭部どころか上半身の半分が消失してしまってるな。


「早乙女さん、来ました。マサキの親の登場です」

「お前! うちの息子に何を! って早乙女か」

「何で俺の名前を知ってるんですかねぇ、さすがスパイギルドに金を払って俺の情報を集めていただけありますねぇ」

「そ、そんな話は」

「あ、しらばっくれても無理ですよ。貴方が『ユマキ商会の当主としてサインした書類』は既に警備隊本部に詳細なメモと一緒に提出済みですので。隊長さんのほうがその後の話は詳しいと思いますよ」

「私は警備隊の食料品市場詰所の隊長ですので本部での詳しい話は聞いてません」

「ですって、情報はもらえませんでしたね。残念でした。じゃあ、マサキ覚悟はいいか?」

「ぎゃひゃーー、親父ぃだずげでぐでよー」

「警備隊なぜこいつを止めないんだ!」

「不可能です。これは正式にお互いが了承して交わされた『殺し合いの決闘』です。我々に止めさせたいのであれば『決闘の法律』を今すぐ変更してください」

「そういう事なんで、早く死んで詫びろよ」

「貴様まで! 使えないヤツめ!」

「じゃあ、お前も受けろよユマキ家当主。それだったら息子の死に様は見ないですむよ。お前を先に殺すから」

「・・・」

「おやおや、自分のほうが大事なんだってさ。マサキの親は薄情だね。自分でワガママいっぱい育てておいて、自分のためだと見殺しにするんだってさ」

「おやじぃ、だずげでぇー」

「早乙女、お前もシーズの家の人間にこんな真似をしてタダで済むとは思ってないだろうな?」

「ほうほう、警備隊の隊長さんこれって俺は恐喝されてますよね? シーズの人間って恐喝はOKなんですか?」

「ユマキさん、貴方が今早乙女さんにおっしゃった事はこの国の法律では『脅迫罪』にあたります。まさか自分達のご先祖様が作り上げた法律まで、蔑ろに出来ると思ってませんか? シーズの家に生まれると法律の上にいると思えてしまうのでしょうか。早乙女さん、ご自身への脅迫と受け止めて訴えますか?」

「訴えます。でも拘束するのは後でお願いします。目の前で自分の息子が殺されるシーンを見ててください」

「やめてください。お願いします。許してください」

地面に何度も頭を打ち付けて土下座を繰り返すマサキとその父親。

「だから、お前達に聞いてるのはそうやって命乞いした人間の頭を踏みつけて今まで平気で過ごしてきたのに、今更許されるなんて何で思うんだ? 都合が良過ぎないか?」

「何でもします許してください」

「だから許されたいなら自分で死ねよ。さっきからそう言ってるだろ? 『死んで詫びろ』って。お前が持ってるそのロングソードは人を殺せるんだぞ? それを俺に向けてきて、何で自分に向けられると思わないの? お前ら武器って何だと思ってるの?」

「・・・」

「そうやっていつも都合が悪くなるとダンマリか、逆ギレして相手を追い込んでたんだろ。親子の2人で。お前らって魔獣以下過ぎるよ。魔獣の方がもっと一生懸命生きてるって」

「・・・わかりました。わかりましたから息子の命だけは救ってやってください」

「やだよ。何で俺がお前の都合に合わせなきゃなんねぇーの?」

「親としての願いです」

「親ならこんなバカタレに育てた責任取れ。俺や周りの他人に押し付けんなよ。何でこの馬鹿があちこちで馬鹿なことを繰り返しているのに、周りの迷惑も考えないでお前は親として何をしてるの? 躾も出来てないじゃん」

「・・・それでも可愛い息子なんです」

「残念。俺には全く可愛くないや」


最後にそういって土下座してるマサキの頭を踏み抜いた。

「まぁ、俺ってこういう悪党だし。俺は殺せる時に殺しておく人間(?)なんだ。お前ら親子って”絶対に”後で復讐を考えて、俺の家族に手を出すタイプだろ? 許すはずがないじゃん。残念だったな・・・お前の躾する能力の無さが息子を死に追いやったんだよ」

「ああああああああ」

「叫んだって子供はもう帰ってこないよ。可哀想だよな。今までのお前達親子の被害者が」

「ころしてやる!!!」

マサキの足元の転がっていたロングソードを手にとって切りかかってきた。

俺はそれを体で何度も受け止めてから顔を警備隊の隊長に向けてワザワザ確認を取る。


「・・・正当防衛だよね」

「はい。間違いないです・・・えっと、大丈夫なんですか?」

親父の顔面にジャブを放って親父の顔面すらバシュっていう音とともに消失させた。

「この事件で俺って警備隊に拘束されるのかな?」

「今回の一連の騒動で罪に問われることは一切ありませんが、詳しく調書を書く必要があるので詰所までご同行を願えますか?」

「わかった、嫁たちに話をしてくるからちょっと待っててくれ」


ここで俺は大きな声で宣言する。周りに残ってるギャラリーに向けて。


「俺をヨークルの正義のヒーローって思ってくれてる人達には衝撃な状況かもしれないけど、俺は『冒険者』だ。自分に襲い掛かってくる魔獣も人間も許すか許さないかも俺自身が決める。それに対して文句があるなら決闘で決着つけてもいいよ。ヨークルから出ていけって言うなら俺も出てくさ。この都市に定住するつもりなんて無い『旅人』でもあるからね。出てって欲しかったら住民代表者が冒険者ギルドに相談してくださいね。それと今から俺のゴーレム馬車が出発するから道を明けてくれ。では、サヨウナラ」


俺はキャンピングバスの中に入って嫁に話をする。嫁達は全員防具をフル装備していたのに驚く。

「おおお。・・・やぁ、正義のヒーローの座から転落して、タダの『虐殺者』となった早乙女です。ゴメンな心配させて、見ていただろ? 嫌いになったか?」

「全然だから。心配しなくていいよ。私もアイリも冒険者として10年以上も生きてきたんだからね」

「そうよね。ちょっとクラリーナには刺激的な戦いだったかもね」

「私は自分から望んで冒険者になると決めました。自分から望んで早乙女さんの妻となりました。だから大丈夫です」

「みんなありがとうな。俺はこれから警備隊の詰所に行って調書を書いてこなけりゃならん。みんなは先にダンジョンに行ってミルクさん狩りでもしててくれないか? マリアから念輪連絡が入ってミックスジュースの売れ行きがいいから、このままだと今日の分がもうなくなるってさ。るびのと一緒にダンジョンで遊んでてくれ」

「とうちゃん、それよりも腹減ったよ」

俺が頭から降ろすとるびのは元の大きさに戻って自分の腕輪からオーク肉を取り出して食べ始めた。

「そういえば私もおなかが空いたわね。しん君、何か新作の料理は無いの?」

「梅干と昆布とおかかのおにぎりぐらいかな」


そういってマリアが作ってくれたおにぎりをみんなに渡す。

「これでも食べながら、先にダンジョンで狩りをしておいてくれ。るびの、怪しいヤツがいたらみんなに教えるんだぞ?」

「んぐんぐ。プフー、まかせてよ、とうちゃん」

それじゃあなといってドアを開けてキャンピングバスを降りてドアを閉める。

ギャラリーがほとんど帰っていってるので、開けられた道をキャンピングバスがゆっくりと走り出す。


「隊長さんお待たせしました。この死体はどうします・俺がアイテムボックスで運んでもいいですよ」

「それはお願いします。警備隊の詰所には警備隊共通のアイテムボックスがありますので、運んでもらえると助かります」

「それで、貴方達はどうするんですか? ユマキ商会に報告に行かないでもいいんですか?」

俺はボーゼンとして眺めてるだけの当主についてきた親衛隊のメンバーに話しかけた。


「あ、イヤ、我々はいったいどうすれば・・・」

「俺に聞かれても・・・こういう時ってユマキ商会のヨークル支部に行って報告しないといけないんじゃないですか? そこで商会の人に今後どうすればいいか聞いてくださいよ」

「そ、そうですね・・・失礼しました」

トボトボって音がしそうなほど茫然自失状態でそのままユアサ商会の方に歩いて行ったけど・・・まいっか。俺に関係ないっだろうしな。

俺はアイテムボックスに7人の死体を入れていく。落ちている装備品も拾ってアイテムボックスに入れていく。

「では隊長さん、詰所に行きましょう」

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