もふもふ天国ヨークル支店は本日からのオープンでございます・・・っす。
7・20修正しました。
寝室に行ってファッションショーになってしまった。
俺が作るのは日本で見慣れた服装ばかりにした。Tシャツ・ジーンズ・パーカー・Yシャツ・ニットなどなど。
俺の貰った知識の中に服飾の専門学生からの転生者がいるので脳内に服の各パーツの形が浮かんでくるので超絶簡単だ。ありがとうございます。
その人の知識も経験もイーデスハリスに転生後には全く生かされなかった・・・魔族に転生させられてるからな。
俺がこうやって服を作ってるだけでその人の無念が晴らされていくんだから、物凄くいい事をしている気分になってくる。
こうやって建設的な事で無念が晴らされるならありがたいんだけどな。
龍布だと色も形も自由自在だしな。
俺もジーンズっぽいのを自分のために作った。色を変えて何枚か作っておく。
ソフトジーンズみたいだな、手触りが一緒なのによく伸びるジーンズに違和感がある。
嫁達は喜んで着ているので良しとしよう。
クラリーナはゆるゆるのニットとフレアスカートが気に入ったみたいだな。何種類か色と形を少し変えて作ってとリクエストされたので作ってあげた。俺はボーダー柄のサスペンダータイプのフレアスカートがクラリーナに似合ってると思った。
ミーは俺と似たような服装が好きみたいだな。チェック柄のシャツに迷彩柄のカーゴパンツが似合ってるのは活動的な女性だからだろうか。パーカーとジーンズなんてのも似合ってていいな。
無論ミーにも普通のスカートも作って渡してる。クラリーナやアイリにも迷彩柄を渡してる。
アイリはタイトスカートが気に入ったみたいだった。ギンガムチェック柄がお気に入りみたいなので色を変えて何枚か作ってあげた。
上半身もタイトな服が着れる様になったと喜んでるが・・・エロいな。
ある程度の数の服が揃ったし、セバスチャンとマリアが今まで嫁達が持っていた既製品の龍布への作り変えも終わって今夜は寝る事にした。
俺の男としての気分が盛りがっていたので、エッチな時間は長かったが。
浴衣は作ったが『あ~れ~』はしてない。理解してもらえなかったからな。
非常に残念だ。
あけて転生23日目の朝。
今日は快晴だな。朝からメチャクチャ天気がいい。
朝食中に今日の予定をみんなで話し合って決める事にした。
「俺としてはそろそろ『もふもふ天国』をオープンさせようと思ってるんだけど、あれから問題点は見つかった?」
「1つだけかな。フライドポテトやクッキーを食べた人達からオシボリかフォークを求められた事ぐらいかな。素手で食べちゃうとせっかくのもふもふが触れなくなっちゃうって言われたよ」
「なるほどね。ミー、いい意見をありがとう。他には何かあった?」
「私の友達からは『早くオープンして』ってお願いされてしまいました」
「それぐらいならすぐに解決できそうだから、今日からオープンさせてみるか」
「手の油汚れをどうやって解決させるの?」
「愛玩ゴーレムたちの口内に3点セット魔法を仕掛けて、ペロンと舐めて完了させる。今から行って改良して、お店の看板を作って外に立てかけてくるよ。今日から『もふもふ天国・ヨークル店』のオープンだ」
そういって隣の客間で着替え始めたら嫁たちも付いてくることになった。
るびのは小さくなったまま今日は俺の後頭部にしがみついてる初期のパターンになってる。
るびの用ヘッドギアを今のサイズに合わせて作り変えた。
マリアには昨日フォレストグリーン商会で購入してきた食材の梅干・梅酢・シソ・昆布・鰹節などで料理を大量に作ってもらう。梅干のおにぎりは必須だな・・・おかかも梅干の赤紫蘇を使った混ぜご飯おにぎりも。シャケのおにぎりはもう既に大量に作ってあるのでこれでおにぎりのレパートリーがまた一段と増えたな。
セバスチャンには昨晩に嫁達に頼まれて作った服の色違いやデザインを少し変えたものなどを作っておいて貰う。
嫁を連れて店舗の裏の事務所に転移魔法で居間から移動。
靴を一度履いて店舗のほうに向かうと、店の前には嫁達の友人達が5人ほどすでに待っていたので、今日から店舗をオープンするので有料になりますけどそれでもいいかと聞いたけど、全く問題ないようなのでそのままオープンさせて店に入ってもらうことにした。
店は普通にオープンさせて俺はキッチン横のスペースでおーとま達をこっそり1つずつ呼んで改造していく。
嫁達に愛玩ゴーレムたちが油で汚れた指を綺麗に舐めとりますと説明させると、フライドポテトが飛ぶように売れる。
まぁ・・・これも商売だからな・・・ボッタクリではないはず。
封印結界を発動させておーとま達をこの建物以外に連れ出せないようにした。
俺は裏の事務所に行って看板作りに取り掛かる。
作るのは簡単だ。木は大量に取ってきてもらったし、神の創り手スキルで一瞬で出来上がる。
看板も盗まれなように結界で敷地内から出せないようにした。
亜空間にも入れる事が出来ないので盗む事は不可能だ。
看板の中に書く文字の方が重要だったりする。
とりあえず作ってから先に看板を設置して中に書く文字は道路で考える事にした。
設置場所は敷地の道路に面した端の部分。ゴーレム馬車駐車場と道路の間の芝生のところが良さそうだな。
設置してから文字の大きさを決める。通行人やゴーレム馬車の窓から見えないと意味が無いからな。
『もふもふ天国・ヨークル店へ ようこそ』
この店は喫茶店ですが売っているのは『癒し』です。
毛皮のモフモフした感触に癒された経験のある方ならわかる
極上の空間がこの店の中にあります。
もふもふ天国がもたらす癒しを一度お試しあれ。
30分500G1ドリンクもしくはクッキーなどの軽食付き。
追加注文も1品500Gで30分の延長が可能です。
こんな感じかな? 俺が必死に看板の文句を考えてる横で。るびのが芝生で転がって遊んでる。
キャッキャウフフなモフモフが転がってる。客引きに使ってみた。
るびのの愛くるしさに足を止めて看板を見てる人が多くいる。もふもふ好きはヨークルにもたくさんいそうだな。
俺が作った看板を後ろから支えてるのは、るびの子供版を巨大化させたぬいぐるみだ。
1m以上の大きさがある。ぬいぐるみを触れるように設置した。
ぬいぐるみを触る事が出来るが雨避けの結界の施したぬいぐるみ&看板なので濡れる心配は要らない。
出来た! と、満足顔の俺の後ろから声が掛かる。
「なぁ、にーちゃん。この店って喫茶店なのか? 軽食ってどんなの?」
「はい。フライドポテト・カットフルーツの盛り合わせ・クッキーと3種類しかないですけど・・・それとこの店の中にはぬいぐるみみたいなのが歩き回ってますけど、よろしいですか?」
「大丈夫だよ。値段も安いし文句は言わないよ。じゃ、みんなフルーツでいいな。にーちゃんありがとな」
みたからに中年の職人さんが若い女の職人さん3人に引っ張られて連れられてきていたけど・・・まぁ大丈夫だろう。
俺は看板を設置した後はそのままゴーレム馬車駐車場で掃除をしたり雑草を刈ったりしていると、やっぱこの辺に喫茶店が無いからか職人さん達が俺に話しかけてくる。
オープンしてるのと店のコンセプトを説明してると、何人も店に入っていく。
これはテイクアウトも考えた方がいいのかな?
仕事までの息抜きで入っていくオッチャン連中もそこそこいたこれは上々の滑り出しだろう。
嫁達が店から出てきた。
「おう、みんなどうしたの?」
「お店が予想以上の混み具合になってきたから出てきたよ・・・って、そのデカイの何?」
「ああミー、お店の看板だな。これでどこからどう見ても『モフモフ』ってわかるようにした」
「しん君、こんな・・・盗まれそう」
「アイリ、店の中の愛玩ゴーレムたちと同じ封印結界の処置がしてあるから絶対に無理だな。盗めるのは主神ゴッデス様ぐらいだよ」
「しん様、これからの予定はどうします?」
「午前中にコーヒー豆や紅茶などの茶葉、フルーツなんかも買いだしに行っておきたいな。皆は行きたいところはある?」
「オレはとうちゃん達とダンジョンに行きたい!」
「そういえばるびのとダンジョンに行くって約束してたな。・・・他の皆は?」
「私もダンジョンで暴れたいな。ちょっと体がなまりそうだしね。レイピアの実戦練習もしたいし」
「私はどっちでも良いわね。今日はしん君についていくわよ」
「私もしん様に従います。今日は特別に何かしたい事はありません」
「よし。それじゃあ、午前中はみんなで買出し。午後はダンジョンで暴れまわろう」
るびのを頭の上に乗せてみんなを連れて店舗の裏の事務所に行く。
ここから自宅に転移した。ガレージにキャンピングバスが置きっ放しになっていたからな。
キャンピングバスに乗って食料品市場へ移動する。
移動時間中にマリアに念輪を飛ばす。
「セバスチャンとマリア、聞こえるか? 早乙女だ。店が思ってる以上に客の入りがいいから今からみんなで買出しに行ってくる。マリアはホワイト達と念輪で連携して、コーヒーや紅茶などのドリンクや、フライドポテトなどの食事の準備をアイテムボックスを使ってバックアップしてくれ」
「了解です。ご主人様」
「セバスチャンもマリアと連携してくれ。もしかしたら買出しに行く事になる可能性もあるからその時はフォローを頼む」
「セバスチャンですが、商品の買出しになったらお支払いのカードはどうしますか?」
「セバスチャンの冒険者カードで購入してホワイト達の早乙女商会に転売という形にしよう。まとめて購入して割引分が儲けって形にすれば脱税の心配は大丈夫だろう。労働に見合った賃金ってよりも運送したお小遣いのレベルだからな。後でリーチェに相談しとくけど、とりあえずはそのパターンで行こう。それじゃ買い物に行ってくるから、あとはお願いする」
「「了解です」」
話が終わってからしばらくすると食料品市場に到着した。
この食料品市場は何度も足を運んでるが、ここに来るたびに新たな発見があるぐらいの大きさだ。
ここの良さは海産物以外は纏め買いが出来る事だな。キロ単位で購入可能だ。
コーヒー豆・紅茶の茶葉。緑茶・ハーブなどを大量に購入していく。
お支払いは商業ギルド発行の早乙女商会のカード。
俺が来るたびに大量に購入していくのでここでは結構良い扱いをされている。
珍しい品物が大好きで金払いの良いお客さんだからな。
世界中の調味料を取り扱っているオバちゃんとはかなり仲がよくなった。
「早乙女君、珍しい味噌を見つけて持ってきたけど味見してみる?」
「おお、ちょうだいちょうだい・・・ってこれ『赤味噌』じゃねーか! これはいいね。味も中々だし樽ごと買わせてもらうよ。これはフライなんかの油っぽい料理に合う味噌汁が出来るんだ」
「はー、なるほどね。いやぁ、若いのによく知ってるね。オバちゃんのほうが毎回勉強させてもらってるよ。だからこの味噌はサービスであげるね」
「いいのか? ありがとう貰っておくよ。また珍しい調味料があったら教えてね」
「早乙女君、それはこっちが聞きたい。どこかに珍しい調味料は知らない?」
「フォレストグリーン商会で『梅酢』ってのがある。これは梅干を漬けた時の汁なんだけど、これが意外と調味料になるんだよ。フォレストグリーン商会で『早乙女に紹介された』って言えばたぶん売ってもらえるよ。まだ正式に販売してる商品じゃないから、大量には購入できないだろうけど・・・まだ調理方法を実験してる段階なんだ。オバちゃんも味見させてもらえば何か良いアイデアが出るかも」
「それはそれは楽しみだねぇ。今日の商売が終わったら寄らさせてもらうよ。良い情報をありがとうね」
「いえいえこちらこそ、美味しい味噌をありがとう」
こんな感じで仲良くなった人とおしゃべりしながらの買い物は楽しい。