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スパイギルド・ギルドマスター忍(しのび)権蔵(ごんぞう)の正体は? っす。

紅蜘蛛の3人が俺の前を歩く。

ミノムシがフゴフゴ五月蝿いが気にしない。

時々段差にぶち当たってガコンとかの音もまったく気にしない。俺はまったく痛くねーしな。

なんなら目の前の揺れ動く3人のプリケツの方が非常に気になる。

気にはなるけど手出しはしない。俺はロリじゃないからな。

ただ男として目の前でユラユラするものを目で追ってしまう習性があるだけだ(デマ)。


「早乙女様、こちらがギルドマスター室です」

「ん? カリアーン開けて入っていいよ」

「いえ、ここは結界が張ってあり特殊な人間しか鍵を開ける事が出来ません。私では不可能です」

「ああ、結界も鍵もこの土地全部の建物が俺の監視下にあるよ。もう空いてるから入った入った」


紅蜘蛛のリーダーのカリアーンが首を捻りながらドアの取っ手を掴んで引いた。

何の抵抗もなく開いてしまうドアに驚愕する3人。ミノムシだけがフガフガ五月蝿い。

あんまりにもミノムシが五月蝿かったのでミノムシの尾てい骨あたりを軽く蹴ってやったら、ちょっと狙いを外して黄門様にミリオンヒットした。

うん、知ってるワザとやってる。

全身がピーンっとなってちょっと笑える。威張ってるヤツが滑稽になると面白さが倍増する。

「・・・あ、ウソ、あいた」

ミノムシも『あいた』だけどな。字がちょっと違う。これが男と女の差ってヤツだな(ウソ)。

ムカつくクソジジィとムチムチプリンの女性3人では、扱いが違って当然だな。


ギルドマスター室に入るとミノムシを応接部分のテーブルの上に転がす。

灰皿とか大きなライターなどがあったけど気にしないでそのまま乗せた。

忍権蔵の額に手を乗せると魔法で全知識コピー完了で尋問終了。

ミノムシの口のロープを切ってしゃっべれる様にしてやった。


「ハイ。尋問終了。おー、ジジィお前80過ぎて童貞って凄いな。もはや特級魔法が使えるだろ、お前。でも・・・その年で毎晩1人でってのは逆に尊敬しちゃいそうな精力だな」

「どどどど童貞ちゃうわ」

「・・・忍様本当なのですか?」


『マジで? それは流石にないわぁ』

ってドン引きした表情の紅蜘蛛の3人の女性。


「そそそ、そんなわけないだろ。ワシはヤリまくりじゃ。そんなヤツの戯言なんざ信じるな」

「ほー、戯言ねぇ。じゃあ、そこのマリーラ。君が立ってそこの執務机の引き出し上から2番目を開けて・・・そう。引き出しはそのままで今度は立って。右側の壁に絵があるだろ? そうそれ。その額縁の左側を下に引っ張って」

「ま、ま、待つのじゃあ、それをなんで、貴様は、モガモガモガガ」

ジジィが五月蝿かったのでクッションで顔面を塞ぐがそれでも五月蝿いな。

マリーラが額縁を下に引っ張るとギルドマスター室の奥の壁が一部浮き上がって手前にギギギギって音をたてて開いていく。

完全に開いてから紅蜘蛛の女性に指示をする。


「部屋の奥に行くのはヨーコ・マリーラ・カリアーンの3人だ君達が部屋の奥に入っていって5番のロッカーから黒い箱を持ってきてくれ。少し重いから気をつけてな」

テーブルの上のミノムシがさらに激しく動くので面倒だからミノムシの股間にデコピンをしてやった。

襲い掛かる銀大熊を失神寸前まで撃退した俺の恐怖のデコピンだ。

ビクビクビクっと痙攣してぐったりした。

潰れてはいないはずだが・・・ま、いっか。


「5番のロッカーに入っていた黒い箱がこちらでございます。早乙女様」

3人が俺の目の前にみかん箱ぐらいの大きさのかなり重い黒い箱を俺が座るソファーの横に置く。

細工がしてあるが既に面倒になってる俺は魔法で済ませる。

『開錠』

黒い箱がガチャガチャガチャと音を響かせて箱の上下のつなぎ目の部分が動き出して終了。

俺が上の部分を持ち上げると中身があらわになる。


中身は漫画だ。エロ漫画だ。しかもギルドマスターの手書きだ。

正直に言うと『こいつ漫画家になってれば成功したかもしれん』ってレベルだ。

忍びの才能はないし人を束ねるカリスマ性の欠片も持ってないのに、漫画を描く才能は溢れんばかりだ。情熱も凄い。


完璧に道を誤ってるなコイツ。勿体なさすぎるわ。

しかも80超えて趣味で書いてる自作のエロ漫画を部下に見つかるって・・・。

やべぇ、ちょっとコイツ可哀想に思えてきた。


紅蜘蛛の3人は呑気に漫画夜読んで批判してた。

「なんでこう急にエロ展開に持って行きたがるのよ。さすが童貞」

「このヒロインってカリアーンに似てないかな? おっぱいは絵の方が大きいけど」

「うっさいな。マリーラはそのままツルペタになってるじゃん。しかも主人公がツルペタに踏まれて嬉しそうね」

「何で主人公がヒロインに毎回苛められてるのに嬉しそうなんだろ」

「ああマリーラ、それは権蔵の趣味だな。コイツはドMだからそういう風に怒られながらエロい事されたいと願ってるんだよ。それがこの漫画たちに出てる。ここまで上手なのに何でコイツはスパイになったのだろうか」

「あ、それはいつも自慢話で言ってましたよ早乙女様『我が一族は忍びの一族だ。ワシは優秀過ぎてギルドマスターになったんじゃ』って口癖でした」

「それはこいつが言ってるだけのウソだよ。こいつ自身に何の才能もないし、カリスマ性もないな。長生きしただけでギルドマスターになれたんだよ。コイツにあるのは80過ぎても枯れることない精力と、漫画を描く才能ぐらいなんだよヨーコ」

「この年で・・・可哀想な人なんですね」

「カリアーン、そこの部分だけを見ればな。でもこいつのやってる事は極悪だ。スパイで人のプライベートを覗いて脅迫したり、犯罪を無理矢理犯させて仲間に引き釣り込んだり更に脅迫したりさ。何人も自殺に追い込んだりしてる最低なヤローってのは間違いないよ。今日からこいつの持ってる全ての証拠は俺が持っていくよ。こいつの漫画はお前らが好きにしていいし、スパイギルドで自由にしていい。俺は全部の証拠を持って行くからお前らは入ってくるなよ?」

強烈な殺気を3人にぶつける。

立っている3人とも恐怖で崩れ落ちて失神した。おしっこを漏らしちゃってるので3人ともいつもの3点セット魔法で床ごと浄化しておく。


そのまま俺は奥の部屋に入って証拠になるもの全部を持っていく。

流石に俺も未成年には手は出さない3人とも15歳だ。

成長はまったくもってけしからん! ってぐらい凄いがな。

15でこのムチムチプリンっていうファンタジーパワーには恐れ入る。


床に紅蜘蛛3人が変な体勢で寝てるので3人がけのソファーに座らせてあげた。

べ、別にムチムチプリンさんに触りたかった訳じゃないんだから、か、勘違いしないでよね!

おおおお、俺同い年だし。


そのまま部屋を後にする。

スパイギルドの事務所の広間に全員が集まって今後を協議中だった。俺はそこに向かっていく。


「やぁ、みんな。今後の協議は終わったかな。俺の用事は終わったから後は好きにしていいよ。ギルドマスター室にみんな失神して寝てる。ギルドマスターが持っていた情報の証拠は全部俺貰う。これだけは譲れない。俺の情報もどこかにあるだろうからな。じゃあ、後は勝手にしろ今日の事は悪夢だと忘れてもいいが・・・ただ俺に無条件降伏をした事だけは永遠に忘れるなよ? また俺にスパイを向けてきたら、戦争は再開するからな? 『わかったか?』」

最後だけ大声で全員に間違いなく聞こえるように殺気をこめて叩き付けた。

「聞こえてるのか? 返事は?」

「は、はい。わかりました。2度と迷惑はかけません」

何人かが恐怖で失神しそうになりながらも返事をする。


「よし。その言葉忘れるなよ」

俺はそのまま自分で書けた結界を全部解除した。

「俺が仕掛けた封印・結界は全部解除したから、今この土地は完全無防備になってるからな? それとギルドマスターが犯した数々の犯罪は執務机の中に日記が全部残してあるからそれは自由に使え。俺がこの国に来た20日前からは破って燃やしたけどな」

「それじゃあな、バイバイ」


手を振りながら歩いて去っていく。もうこれでこのギルドに用はない。

門を出る前に4人の土下座門番にショック魔法で気付けをする。

4人の門番が目を覚ますと話しかける。1人が襲い掛かってこようとしたが3人が止めてた。

「あ、目覚められましたか? お疲れ様でした。俺の用事は終わったんで帰りますね。それじゃ」

「き、きさま!」

「待てって、見た目が子供だからって、絶対に無理だから止めとけって」

「ああ、無理だって。相手にもならないって気付けよバカ」

「絶対にかないっこないって。俺は抜刀して斬りかかって振り下ろす前に失神させられたんだぞ?」

「・・・ウソ!」

「ウソじゃないって。俺も一緒だ。しかも失神させられた攻撃が見えなかったんだぞ?」

「・・・マジで?」

「まぁ、どうでも良さそうだね。じゃあ、俺はここで、バイバイ」

「お疲れ様でした。またのお越しをお待ちしております」


4人の門番がペコペコしてるところを最後に出て行く。

またのお越しって・・・こねぇーよ・・・たぶん?


流石に12時を越したら街中は誰もいない。俺の浮かべたライトの魔法がフヨフヨと漂うなか家に帰る。

家に歩いて帰りながら忍権蔵から奪った証拠の品目や情報データを俺も覚えるが、ヘルプさんに一括でデータとして記憶させていく。

俺自身忘れてしまいそうだからな。


権蔵が俺の情報を売っていた商会が2つあった。

1つは『ザイモア商会』

2つ目が『ユマキ商会』

ユマキ商会はシーズの1つだな。権蔵に金を払って調べさせて、逆につけ込まれそうになって手を引いてるみたいだな。

あ、場所はこないだ権蔵がチビってたところじゃねぇーか。

チビったおかげで助かってるのは運がいいな。

権蔵の記憶の中にはユマキ商会は俺のキャンピングバスに興味を持ったみたいだな。

権蔵につけ込まれる前に手を引いてるのはそこまでの執着心がなさそうなんで、ひとまずは安心だな。


もう一つのザイモア商会・・・これが元凶か?

権蔵と持ちつ持たれつな関係で悪どい事やってるな。

これは要注意だな。権増の記憶もヘルプさんの中に入れておく。

権蔵の記憶の中にあるザイモア商会の場所は店の場所は権蔵も知らないのか?

あ、会合場所が決まってるのか・・・行ったことない場所でちょっと暗い感じのスラムっぽい場所だな。


今ここからだと近くないか?

立ち止まると行き先変更。ザイモア商会の秘密の会合場所、そちらに向かって歩いていく。

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