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ドラゴン繊維が見つかっちゃったっす。

フルーツの量はミーの提案通りにセバスチャンが出した量の1/3の決まった。


そして、そのまま持って帰れるように魔糸溶解液でコーティングした紙皿を俺が作った。

今日大森林で船の実験をする前に糸玉を山ほど持ってきたし、既に魔糸溶解液もたくさん作ってあるので材料は販売する事が出来るぐらいのトン単位で持ってる。


見た目が紙製に見えないって言うのが俺のこだわりかな・・・このイーデスハリスの世界に紙がたくさんあって良かったよ。

「こんな感じの皿でどう?」

「オシャレな皿って訳じゃないんですけど、こういうのも素朴な味がありますね、しん様」

「ここまで出来れば後はサイズ変更とバリエーションの変化で『フライドポテト用』も出来るよ。こんな感じかな」

目の前で作ってみる。

あ・・・カタリナさんの存在を忘れて目の前でスキル魔法を使いすぎたな。

「早乙女君っていろんなスキルを持ってるのね。教師のスキルとアイテムボックス(極小)しかない私には羨ましいわね」

「え? 教師のスキルだけ? スキルは生活魔法が付いてますし、アイテムボックス(小)の祝福が付いてますけど・・・ステータスカードで自身で確認してみてください」

「うそ!」


自分のステータスカードを取り出して確認するカタリナさん。

「祝福なんて私持ってなかったのに、どうしてなんだろう・・・」

「俺にも理由はわからないですね」

「あ! しんちゃん、結婚の祝福!」

「そうね。ミー、確かにそれなら納得できるわね。・・・母さん、アマテラス様が結婚の祝福をくださったのよ」

「なるほど。ドミニアン司祭様とカタリナ母さんの結婚でアマテラス様から祝福をいただいたのなら納得できますね」

「・・・ホントに生活魔法のスキルまで付いてるんだけど」


それからはカタリナさんへの生活魔法レクチャーの時間になった。

セバスチャンとマリアには今日の人数分の晩ご飯の用意をしてもらう。


生活魔法というのは簡単で自分だけの魔法だ。

『マッチほどの大きさで点火用の火』『コップ1杯の冷水』『コップ1杯の熱湯』『1分間、自分だけの冷風』『1分間、自分だけの温風』『生ゴミから肥料を作る』『草木の成長促進』『ライトの魔法』

などの簡単なものばかりしかない。

それもMPの量に左右されて効果の範囲は個別で違う。


例えば『草木の成長促進』は俺の場合はこの国をジャングルで覆えるが、カタリナさんの場合はプランター1つ分ぐらいの草と1本の木でMPがきれかけて精神的に疲れてダウンしてしまう。

なので・・・生活魔法の練習って言っても、俺が何度も魔力を補充しながら行った。


一通り使えるようになって、精神的にはかなり疲れてると思うがカタリナさんは満足げだ。

「コレで私も魔法使いの一員だわ!」

「そんな生活魔法だけで大げさな・・・」

「それがしん君、シーパラ連合国ではそんなに大げさなことじゃないのよ。この国の場合500年前の聖獣白虎様の逆鱗に触れたときにほとんどの魔法が・・・それまで魔法大国ウェルヅ帝国の栄華を誇った魔道士師団と共に10日で滅びちゃったのよ。全て傲慢になった人間の犯した自業自得なんだけどね・・・。だからこの国は500年前から魔法後進国になったの。生活魔法全般が使えるだけで『魔法使いに認定される』ほどにね」


「でもライトの魔法を使ってる人は1/5ぐらいはいるよね?」

「生活魔法のライトだけとか1部を使えるだけの人が大半ですね。私が司祭様に熱心に勧誘されたのも『魔法を使える素質を持った人間が少ない』という理由です」

「それでアイリもミーもさっきから悔しそうなのか?」

「悔しいというか・・・カタリナ母さんが羨ましい、ね。魔法の素質がない人間からすれば魔法は全部羨ましいになっちゃうけどね」

「私もミーと一緒で母さんが凄く羨ましいわね。母さん、しん君に教えてもらえて良かったね」

「そうね。早乙女君がこうやって魔力を補充しながら上手に教えてくれたからすぐに出来るようになったわ。ありがとうね、早乙女君」

「いえいえどういたしまして。・・・ではそろそろ晩ご飯にしますか?」

「そうだよぅ、とうちゃん腹減ったよぅ」


イエローたちに頼んでテーブルを移動してくっつけてもらう。

1つ追加で6個の机をくっつけると、少し小さな食卓テーブルの出来上がりだ。

今日のメニューは炙り豚トロ丼。お麩の浮いたシンプルなお吸い物が付いてる。

豚トロの上に乗ってる白髪ネギに焦がしネギ油が少量かけてあって豚トロ丼の塩とレモンとごま油の味にとてもマッチしていて美味かった。

食後は俺は酒を飲まずに紅茶をマリアの頼んだ。

ほかの皆は酒にしたらしい。日中はずーーっとドリンクを飲んでたみたいだから。


るびのはあの小さくなった体だと少量で住むみたいだな。

ただ歯は生えそろってるので2kgほどのクマ肉をガツガツ食ってたが。

マッタリ中にセバスチャンに疑問をぶつけてみた。


「セバスチャン、ごま油を見つけたのか?」

「はい。今日のお昼に奥様方と買出しに行ってる最中に発見いたしました。これでさらに料理の幅は広がると思います。金額もたいした値段ではなかったので、500ccのビンで何本か購入しておきました。既にご主人様のアイテムボックスに送ってあります」

「流石セバスチャンだな。ありがとう」

「お褒めいただき光栄でございます」

「早乙女君、ごま油でそこまで味が変わるものなの?」

「カタリナさん、ごま油を調理中に加えると風味が増しますね。炒め物なんかにはおすすめですよ」

「そうなんだ。今度試してみるわ」


「それとしん君にお願いがあるんだけど・・・店舗のトイレを増やして欲しいの。今日は友達も呼んでここで遊んでいたんだけど、20人近く店にいてトイレが1つだけって結構不便だったから、私とミーとクラリーナは事務所の方まで行ってたの」

「そうなんだよな、この店ってトイレが一つしかなかったもんな。わかった。今から改造してくるよ」


店舗の奥のトイレに移動する。

トイレの反対側の扉の中は従業員の休憩室になっていたので、そこを潰してトイレに改造する。

男性用女性用で分けるのではなくて、それぞれ独立した個室を4つ作った。

今までのトイレがあった場所は洗面台に作り変えた。

これぐらいあれば充分だろう。


みんなのところに戻る。

「作ってきたよ。それと皆は今日のお風呂どうするの?」

「ここの近所に公衆浴場があるから皆で入りに行ってくるよ」

「そうかアイリ。それなら、母子で今夜は楽しく過ごしてやってくれ。布団はマリアが持ってるから今夜はみんなでここに寝ればいいよ。俺はそろそろ自宅に帰るよ」

「わかった。今日は久しぶりにカタリナ母さんとノンビリさせてもらうね」

「私もカタリナ母さんと色々お話がしたかったので今夜は夜更かししてお話しちゃいそうです」

「私も母さんと語ってみたかったのよ。私も母さんと同じ妻という立場になったからね」

「おう、わかった。みんな無理だけはするなよ。俺はセバスチャンだけ連れて帰るから。マリア、後は任せた」

「了解いたしましたご主人様。私にお任せください」


下駄箱の鍵を預けていたブラウンから受け取り、ブーツを履こうとして・・・やめた。

このパーカーとカーゴパンツにワイバーンのブーツは似合わなかったので履くのをやめた。

スニーカーでも作るか。

素材は何にしようか・・・と悩んでいると、オークの皮を大量に余らせている事を思い出した。

オークの皮を加工しやすくするために、魔法でなめしていると結構よさげだな。

靴底はグリップさせるためにゴム製にして間に森林モンキーの尻尾を靴と靴底の間に挟んでクッション性を上げた。

靴ヒモも森林モンキーの尻尾。

履いてみたら・・・これはかなりいいな、大成功だろう。


靴製造が大成功したのでセバスチャンを引き連れて歩いて帰る事にした。

2艘の船の登録の事で聞きたい事があったので商業ギルドに寄っていく事にする。

商業ギルドに入って受付で聞いてみる。

「すみません。ゴーレム船って登録はどういう形態になるのですか?」

「申し訳ないのですが、船の方のご登録は倉庫街の方に商業ギルドの出張所がございますので、ご登録はそちらでお願いいたします」


地図の書かれた紙を受付でもらう。

ガルディア商会の倉庫の近くにあるな。これならわかりやすかったので受付嬢にお礼を言って商業ギルドを後にする。


そのまま歩いて帰ってると都市ヨークルの外周部に入ってから、セバスチャンが念輪で連絡してきた。

「ご主人様にワイバーンの肉の事でご報告がございます」

「ん? なんかあったか?」

「はい。焼肉のタレに肉の出汁は関係がないようですね。焼肉のタレ製造には失敗してしまいました。しかしながら肉の旨みを抽出する過程におきまして、以前ご主人様がおっしゃられていた『ワイバーン肉の繊維成分』の完全分離には成功いたしました。それがコレです」


セバスチャンがアイテムボックスから取り出したのは、俺が浮かばせてるライトの魔法にキラキラと光って反射する綿のようなモノだった。

鑑識で調べてみる。


ドラゴン繊維『龍糸繊維』

所有者 早乙女真一

変幻自在にして伝説の能力を発揮できる繊維。製法は千年以上前の古代に失われてる。

糸状にすると『龍糸』。布状では『龍布』。繊維の状態では『龍糸繊維』と呼ばれる。

早乙女真一の手によって発見されて復活を遂げた繊維。


・・・おい。ちょっと待て。俺は発見してねぇーよ。

大声を出しそうになったがグッとこらえた。コレはヤバ過ぎるモノを作り出しちゃった可能性があるな。ヤバさはるびのの聖獣レベルだな。


「もしかしてワイバーンの肉が固くて食えなかったのってコレが入っているせいなのか?」

「その可能性は高いと考えられますね。ワイバーンの肉1kgで半分の500gは繊維です」

「半分って、繊維ばっかりじゃねぇーか。しかも50%がドラゴン繊維って・・・漬け込んでもゴムにしかならんわな」

「左様ですね。」

「コレは発表できねぇ。ワイバーン狩りの依頼が俺に殺到する」

「極秘事項と思いましたので2人きりの今が報告できるチャンスだとご報告させていただきました。旨み成分のドラゴン汁の方はもう少し試行錯誤をする時間がいただきたいです。まだ適量が掴めていません」

「ドラゴン汁は全部セバスチャンに任せるよ。ドラゴン繊維・龍糸・龍布はどれぐらい作った?」

「各1tずつですね。何しろるびのが大量に狩ったはいいのですが、食べられない食材だったので余らせてもしょうがないと、加工すれば使い道は増えると考えましたので大量に作っておきました」

「それじゃあ、セバスチャンのアイテムボックスを圧迫しそうだな。俺のアイテムボックスに入れ替えるよ」

「ありがとうございます。あと半分はマリアのアイテムボックスに入ってますので、そちらの移動もお願いします」

「わかった。しかし、使い道のなかった大量のワイバーン肉にこんなものが隠されてるとはな」

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