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早乙女邸の隣の倉庫を購入したらハリボテでしたっす。

早乙女邸の庭に出る。

るびのとセバスチャンを連れて歩いていく。

アイテムボックスから忍1~3号を取り出して倉庫の屋根の上に待機させる。

忍の仕事は普段は彫像のように動かない。

シャチホコや鬼瓦のように守護神として屋根に停まっている。

忍には重力軽減魔法がかけてあるのでコレでも重さが1kgに満たない。

普段は下から見難い位置の屋根の上に張り付いてるので、屋根には負担がかからないように軽くしてある。


バカが屋根に登ってきてから行動し始める。

忍の魔力は完全に消されてるし気配はそもそもゴーレムなので元々薄いし、それすらも忍術スキルで完全に消されてる。

死角から近づいて、ショック魔法とスリープ魔法の同時使用で捕獲してミノムシ作り。

後はそのまま近くの倉庫の屋根にぶら下げるだけ。


初めに今まで展開してあった結界を張り替える。

早乙女邸と倉庫を全部包むほど巨大な結界を作り、空中へ魔結晶を浮かべて維持させる。

今までかけてあった結界を全て解除。

早乙女邸と倉庫の間にあった塀を全面取り外してアイテムボックスに入れる。

今度は早乙女邸と倉庫の敷地を全部包み込むような外周部分に、石製の塀をぐるりと取り囲み魔石付きのミスリル棒を、塀に一定の間隔をあけて埋め込んで設置する。


早乙女邸と倉庫を包み込む巨大な塀と防衛結界が完成した。


倉庫の門は大きな正門だけ残して他は塀でふさいだ。

正門も早乙女邸と同じように土を重力魔法で限界まで圧縮させて固めた石製だ。

早乙女邸と全く同じ魔法で処理してあり、俺達夫婦と俺が作ったゴーレムだけが門を持つ時に1kgぐらいの重さにまで重量軽減されるが、俺達以外の人や魔獣には10tほどの重さになってる。


ユーロンド4号~8号までをアイテムボックスから取り出して、門が2つに増えて敷地面積が3倍近くになったので新規の防衛体制を組ませた。

2体は2つの正門を守らせる。それ以外の6体は敷地内を不定期で巡回させる。

今までは早乙女邸の玄関も守らせていたが、ユーロンド達にあまり必要氏がないので巡回させた方が良いと言われたので変更した。敷地面積は今までの3倍近いからな。

巡回も時間とコースはパターン化しないように絶えず変化させるようにした。


倉庫の外壁で早乙女邸に面してるところに魔法でくり貫き大きな穴を開ける。

倉庫内に入ると少しカビ臭かったので、倉庫の内外全部を3点セット魔法で浄化させた。

俺・セバスチャン・るびので倉庫の穴から中に入っていく。


「うおー、とうちゃんでっけーって」

るびのが大騒ぎしてるが無理もない。倉庫の面積だけで早乙女邸の敷地面積より大きいからな。

倉庫そのものの建物の構造が凄くいい加減に作ってあって中に入ってビックリした。

・・・これじゃあ、柱が邪魔で中に荷物が入れにくいし、大きな荷物も無理だな。

せっかく10m以上の屋根の高さがあっても、全く生かしきれていない。

ガルディア商会の持ってる外周部の倉庫の半分以下の大きさしかないのに、中身はさらに荷物が入れられない。

外観だけは他の倉庫と似てるだけのハリボテ倉庫だった。

映画のセットだと中身はこんな感じなのかなって考えてしまった。

これはコスト削減ってレベルじゃないヤッツケ臭が凄い建物だな。


「なぁ、セバスチャン。コレって倉庫としてどうなんだ?」

「あまりに酷い有様という言葉しか浮かんできませんね。倉庫としての能力は『雨風をしのぐために屋根と壁がある」と表現した方がよろしいかと」

「だよな。これは俺も想像以上だった。コレは倉庫としては販売できんからリーチェも安く売る事が出来たんだな。もしかしてリーチェは知らない・・・まぁ知ってて売ってるのがホントのところだろう」

「ご主人様はコレをどうされますか?」

「全部つぶすよ。建物の外壁に穴を開けたので構造的にもあと1年もたんだろう。夜に建て替えちゃえばいいだろう。外見が似てれば誰も気付くまい」


俺はるびのとセバスチャンを連れて倉庫の外に出て忍1号~3号をそばで待機させる。

神の創り手のスキル魔法で倉庫を完全に解体する。

驚くほど金属と石材が少なく、大量にある木材の質もかなり低い。まさしくハリボテ倉庫だな。

・・・今までよく持ってたなって逆に感心してしまいそうなほどだった。


ガルディア商会やその他の倉庫のように完全にレンガサイズの石製にして組み上げていく。

見た目は今までと同じ黒い外観にする。

今までの倉庫は外側に薄い石が貼り付けてあるだけの木製の倉庫だったので、完全に生まれかわってしまったが、ここはるびのの部屋にするんだから一切の手抜きはしない。

早乙女邸側の外壁は幻影で壁があるように見えているが、風雨をしのぐ結界が張ってあるだけのドアもない高さ3m横も3mの入り口が空いた壁になった。

ここからるびのが自由に出入りできるようにしてある。


倉庫の中に仕切りの壁をいくつか作り、るびのの部屋は倉庫全体の1/3ぐらいになった。

1/3でも今までのるびのの外部屋の5倍はゆうにある。

るびののクッションを出してやり、寝床を作らせる。

部屋の奥の隅には今まで住んでた外部屋と同様に結界が張ってあり、ここがるびののトイレだ。

るびのが結界の外に出ると3点セット魔法がかかるように設定済みになってる。


クッションの横には食事用のスペースがとってあり下はここだけ石畳でも巨大でまっ平らになっていて5cmほど低く凹ませてある。

食事用の場所だからな・・・るびのは血まみれの肉や骨付きをバリバリ食ってるし。

3点セット魔法で洗い流しやすく浄化できるようにしてある。

そこの片隅に大きな桶で水が魔石によって溜めてあり、るびのの飲み水用に常に清潔になってるように浄化されてる。


「さぁ今日からここがるびのの部屋だ。もう完成したからここで寝ててもいいよ」

「とうちゃんありがとう。オレ、そろそろ眠くなってきたから今日は寝るね」

「おう、じゃあ明日な。おやすみるびの」

「とうちゃん、おやすみなさい」


るびのにおやすみの挨拶をしてるびのは欠伸をしてクッションに乗って眠る。

俺はすびのの部屋の外に出ていく。

まだ夜の8時前だし、今日はこのまま店舗のほうの改装も済ませておこう。

・・・倉庫がコレって事は店舗も凄いんだろうな。

忍1号と2号はそのまま倉庫の屋根の上に登らせて倉庫上空の防衛任務に入る。


忍3号は回収してアイテムボックスに入れる。彼はこのまま店舗の防衛に任務に入るからここにいても仕方がない。

店舗の上空に転移魔法で移動する。

セバスチャンは庭の木に木魔法で成長させるように指示したおいた。


店舗の周りを上空から気配探査と魔力探査で探ってストーカーや偵察、遠見魔法の監視などを探ったけど何の反応もなかった。

安心して店舗の入り口から中に入る。

店舗の中を鑑識で調べたが・・・ここは普通だな。

店舗の建築年数が100年を超えてるのでアントローグ商会はここは中古で購入したみたいだな。


しかし中身の改装が適当にやってあるので構造に少し負担がかかってて、ここにきてちょっと建物に歪みが出てきてるな。


どんな使い方してるんだよ。アホたれどもめ。

内装は完全に作り変えた方がいいな。建物に負担になってる部分を取り除き歪みを修正して外壁や内壁、屋根部分にも少し補強を入れれば、まだ100年以上は持つだろうってほど頑丈で素晴らしい建物だ。


さっそく構造的に凄く醜い内装部分を全部魔法で解体させた。

スッキリしたな。

この建物はアントローグ商会が買い取る前は・・・レストランだったのか?

建物奥の部分に異常なほど広々としたキッチンがある。

キッチンの名残なアイテムなどは一切なかったが、構造的にキッチンだ。水も引いてあるし魔道コンロを置くためのスペースやお釜が配置されていただろう内壁や床の構造になってる。

ここでは揚げ物や焼き物をしていたんじゃないだろうかという壁が煤けたところが内壁にあった。

・・・今度おやっさんに聞いてみよう。


商会の汚い内装を全部取っ払ったらわかったことだけどな。


このレストランらしき構造を活かした方が、この建物に負担が少ないだろう。レストランにするために、そういう構造で作られた建物なんだからな。

外壁と内壁と屋根に石や金具や魔法で補強をしながら、さらに頑丈な建物へと変化させていく。

補強をして歩き回りながらオレの脳内で『もふもふ天国・ヨークル店』の青写真が出来あがりつつある。


詳細な設計図が脳内で展開されて、建物の構造を考えて設計図に修正が次々加えられていく。


せっかく赤レンガで出来ていて情緒ある建物なんだから上手く活かさないとな。

内装も温かみのあるようにしてリラックスできて・・・床はフローリング。

毛の長くフカフカのラグをフローリングの上に敷く。

土足厳禁でイスでなく大きなクッションを客席として使うことに。

床を愛玩ゴーレム達が歩き回るのだから、客に目線も座る位置も下げてもらわないと遊べないし触れない。せっかくのおさわり自由の意味がなくなるからな。


神の創り手のスキル魔法で一気に作り上げる。

建物に元々あった木材はあまりの質の低さに、そのままでは使えないので木材を繊維の状態にまで分解して精製して作り直した。

床に敷くラグマットは森林モンキーの毛皮や大鹿魔獣の毛皮を使って、本物の毛皮の敷物になった。

毛皮がフワフワになるまで3点セット魔法で浄化したので


建物の内装はほとんど終わった。

これからは店舗としての内装部分になる。


土足厳禁の店舗にするなら下駄箱方式にするしかないな。

入り口に入ってまず靴を脱いで靴を下駄箱に入れる。

アイリとミーに渡した靴の3点セット魔法の箱を下駄箱に応用した。

冒険者などはブーツを装備してる人間が多いので下駄箱のサイズをブーツが可能な大きさにする。

客が20人ほどしか入るスペースがないからな。数はそんなに必要ない。

入ってすぐにレジでドリンクを注文。下駄箱の鍵をレジに預ける。


そのまま案内されるのだが、座る場所は決まってない。客が好きな場所に座れるようにする。

テーブルとクッションは案内したホワイト達がその場でアイテムボックスから取り出すことにする。

ドリンクもその時に取り出して渡す。

時間がきたらテーブルとクッションとドリンクのコップを回収するシステムにした。


制限時間で悩むな・・・2パターンにするか?

30分だと短過ぎると感じそうだ。

1ドリンク30分と2ドリンク1時間にするか、30分の延長でまた1ドリンク注文させるか・・・今はちょっと悩んでる。

土足厳禁で30分でまた追い出されて靴を脱いだり履いたりって忙しなさ過ぎるしな。

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