るびのの部屋改造計画が発動したっす。
8・12修正しました。
ガレージへと戻り一度外に出る。
庭には既にマリアが大森林からもって帰ってきた様々な木が植えられていた。
庭に出てから気配と魔力を探ってみたが、今日は一日ストーカーも遠見魔法を使ってくるヤツラもいない。
登録してきたばかりのゴーレムを全部アイテムボックスから取り出す。
ユーロンドたちも呼び寄せ全員にスキル『アイテムボックス(小)』を封入した。
ミノムシ捕縛用に森林モンキーの皮をより合せて作った頑丈なロープを大量に製造して全員のアイテムボックスに入れておく。
・・・ロープが特別製過ぎて足がつきそうだな。
ミノムシに今まで使っていたロープは数多く退治してきた盗賊たちや迷賊たちが持っていたものだ。
コレならまだまだ大量に残っているので、こちらを優先して使えるようにゴーレム全員に大量に渡しておく。
とりあえずは全員をまた俺のアイテムボックスに入れて片付ける。
裏庭に回りるびのの外部屋に入っていく。
るびのは超巨大なクッションの上でまどろんでいた。先に風呂に入って眠くなってしまったようだ。
「よう、るびの。眠そうだな」
「ああ、とうちゃん。先にお風呂に入ったら眠くなっちゃって。そういえばオレのアイテムボックスにあるワイバーンの死体がいらないから、とうちゃんに渡しておかないと」
「いちいち出さなくてもいいぞ。もらっておくよ」
そう言ってるびのの腕輪に触れると大量のワイバーンの素材があった。5頭以上あるな。
凄い量のワイバーンの素材をオレのアイテムボックスに移動させる。
るびのの腕輪は俺のスキルで作ったものだし、アイテムボックスのスキルは俺が封入したから俺のアイテムボックスに繋がっているので俺がステータスオープンさせて移動するだけで終わる。
「るびの、何でこんなにワイバーンの素材があるんだ? ・・・半分以上の内臓だけがない? って、ニャックス達とワイバーン狩りにでも行ったのか?」
「うん。ニャックスさん達が『トカゲ連中は1年に数回卵を産むから定期的に狩らないと増え過ぎるから注意しろ』って生まれ変わる前のオレが言ってたという言い伝えがあるんだって。100以上の炎虎さん達が集まって言ってきたから、だからオレと狩りにいくなら一緒にワイバーン狩りがしたかったんだって聞いた」
「そういうことだったんだな。ワイバーンの強力な繁殖力をコントロールしてたのは炎虎達だったのか」
「うん。オレはそう聞いた。この大陸のウェルヅ山脈中央の山岳地帯は炎虎さん達の担当で、ウェルヅ山脈南側の大森林の山岳地帯の担当が『森林タイガー』さん達。ウェルヅ山脈北側の巨大山岳地帯が『グリフォン』さん達の担当だって、今日ニャックスさんに教えてもらったよ」
「それはオレも知らない情報だったな。るびのありがとう」
「うん。・・・とうちゃんが聞きに来たのは明日の予定だよね?」
「明日はどこに行きたいとかあるか?」
「ガウリスクさん達と大草原西側の馬を狩りに行きたい!」
「よしわかった」
「明日じゃなくていいから、今度とうちゃん達と一緒にダンジョンにも行ってみたい!」
「そうだな。るびのと狩りをしたことないからな。一緒に行くのも楽しくなりそうだな。でも・・・ダンジョンに出てくる魔獣は食べられないぞ?」
「そういえば、マリアねーさんが言ってた。でも、かあさん達とも狩りがしたいな」
「そうだな・・・わかった。聞いといてやるよ。それとるびのに聞きたいけど、ここの外部屋って狭くない?」
「今は広いよ。でも、今日ニャックスさん達と話してて俺は聖獣だから自由に大きさが変わるんだって。子供の頃の様に小さくなることも、20mぐらいの大きさになることも出来るんだって。それで・・・今は頑張ってみたけど大きさが変えられなかった」
「それは急がなくてもいいだろう。成長していけば出来るようになるさ」
ショボーンとするるびのの頭を撫でながら慰める。
・・・って、るびのに聞きたい事があったけど忘れてたな。
「るびのに聞きたい事があったのを忘れていたよ。こっちに黒くて大きな建物があるだろ? この建物と土地をとうちゃん達が買ったから、今日からみんなのモノになったんだ。それで大き過ぎて場所が余ってるから、あの建物の半分をるびのの部屋にしようと考えてる」
「おー、でっかくなるね」
「ああ、るびのが大きくなるってアキューブに聞いていたからな。それでここの部屋を『巨大な露天風呂』にしようと考えてる。ここからだとドア1枚で浴室と繋がってるからな。今まではるびのが風呂に行くときのドアが露天風呂へのドアになる」
「とうちゃん、露天風呂ってとうちゃんの知識にある、お外のお風呂?」
「ああ、そうだ。大きな露天風呂にすれば大きくなったるびのも入りやすくなるからな」
「どんぐらいの大きさにするの?」
「この部屋からはみ出す予定だよ・・・まぁ、作ったほうが早いな。ちょっと待っててくれ。みんなに話を・・・」
ちょうど嫁達がるびのの外部屋にやってきたところだった。
タイミングが良かったのでみんなに説明する。
「しんちゃん、そろそろ晩ご飯の時間なんだけど」
「おお、皆ちょうど良いよ。今から隣の倉庫を改造してるびのの部屋にして、ここを露天風呂にしようと思っていたんだ」
「自宅に露天風呂を作っちゃうんですか?」
「ああクラリーナ。露天風呂の方がるびのが大きくなっても入りやすくなるからな。隣の倉庫は『出資者の特典』として2億Gの出資金の利子で早乙女商会から借りるって形にした方が税金対策になるそうだしな。さっき、ゴーレムを登録してきた時に商業ギルドでリーチェに聞いてきたから間違ってない」
これは先程、商業ギルドにゴーレムを登録しに行ったときにリーチェに教えてもらった。
早乙女商会が俺達夫婦に2億Gの借金があるって形にした方が店舗が軌道に乗っても税金を払わなくて済むらしい。
それで利子の返済の一環で俺は倉庫を自由に使えるし改造も自由自在になるからお勧めだと言われた。
元本の返済は店に儲けが出てきて安定してから。
るびのの外部屋を先に改造をする。
クッションやるびのの食事用の桶などをアイテムボックスの中に入れて、逆に魔石を取り出して探査魔法を使い温泉脈を捜す。
大きめの温泉脈が見つかったので、今度は露天風呂の作成。
広く大きな穴を掘り半分は屋根の下、半分は外にはみ出させる。穴の縁を大きめの石で取りむと露天風呂っぽくなったな。
風呂の中にもいくつか座れるような石を入れて、底はあまり凸凹させないようにして石を平らにしてから並べて石の隙間は小さな石と砂を固定化魔法で固めて・・・早乙女邸露天風呂の完成だ。
3点セット魔法で風呂の中を浄化してから、先程探り当てた温泉を出してみた。
鑑識の魔法で調べたがこっちの温泉脈も温度が60℃以上あったので、ここにも水を混ぜるようにした。
この温泉脈も湯量が豊富なのでかけ流しが出来る。
水の混ぜ具合を変えて、中央と左右の3箇所から出る温泉の温度をワザと変化させる。
43℃・39℃・37℃にしたから自分の好きな場所に入って、場所を変えて温度の違いを楽しめるように設定。
風呂は出来たな。後は環境の設定だ。
露天風呂の屋根の縁に結界用の魔石をつけて風呂に雨・埃・砂などが入ってこないようにした。
露天風呂の周りの空間にも結界を張り温度や湿度をコントロールできるように設定。
コレでサウナも楽しめそうだ。
建物の周りの木材も傷まないように結界を張る。
居間との出入り口はふさいだ。お風呂からの出口とルビの用で外からだな。
「よし。これで早乙女邸の露天風呂が完成したよ」
「るびのの部屋はどうするの?」
「ああアイリ、晩ご飯の後に作るよ」
「じゃあ今から晩ご飯にいこう」
ミーの声でみんなが移動し始めた。今夜はるびのも食堂で食べる事にさせた。
今夜の晩ご飯のメニューは・・・ワイバーンの内臓の『モツ煮』だった。そういえばセバスチャンにワイバーンの内臓の食べ方の研究をさせていたな。
研究の成果が今日のモツ煮料理なんだろう。
ワイバーンの内臓にビールを使って料理スキルの『浸け置き処理』をすると、あれだけ固かったワイバーンの肉も柔らかくなってプルプルになっていた。それを味噌ベースで甘辛く味付けされていて・・・これは美味い。つまみでもいけるな。
「凄いなセバスチャン。流石だな。もしかしてワイバーンの肉もビールでいけそうか?」
「試してみましたが、肉の方は無理でした。キャンピングバスのタイヤが森林モンキーの尻尾ぐらいの固さのゴムになる程度です。」
「どっちにしてもゴムか」
「食用は無理ですが『出汁』として肉の旨味が取り出して使えそうです。出汁として使ってご主人様のおっしゃっていた『焼肉のタレ』が出来そうですのでもうしばらくお待ちください」
「出汁でうまみを取り除き、残りのワイバーンの肉から繊維分を分解したら別の使い道が出来そうだな・・・ありがとうセバスチャン」
「お褒めいただき光栄でございます」
そして食後は嫁達はリビングでマッタリして、俺はその間にるびのの部屋を作ることに。
嫁の世話はマリアに任せてセバスチャンにも手伝ってもらう事にした。