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キラービーの女王退治っす。

8・12修正しました。

部屋に入ると同時に俺は気配も魔力も全て体外から出ないように遮断する。

アイリが前に進みながら叫んで挑発を連続でかける。

「ハチどもこっちにこい!」

『空迅烈波』

集団で襲いかかろうとするキラービーにクラリーナが魔法を叩き込む。

魔法を逃れたキラービーはミーのサイラスの槍で首を落とされていく。


『真空封印』


俺は部屋に入った場所からまったく動かずにいて、まずは正確にキラービーの巣の位置を特定させてから、巣の周囲を真空の結界で包み込み中の酸素を抜く。

これで巣の中の幼虫と子供は酸欠で全滅だ。

俺はそのまま腰の天乃村雨を抜き放つと、凄まじい速さでキラービーの集団の後ろに回りこむ。


いた。

全長3mほどの大きさで大量のキラービーを操っている女王蜂だ。

女王蜂の周りをランスを持ったキラービーナイトの半数10匹がぐるりと取り囲み周囲を警戒している。

残りの10匹に足止めされて嫁の3人は思うように進めていなかった。


俺はスピードをそのままに敵に踊りこむ。

流石にこれだけの集団なので、俺がすぐに女王蜂にたどり着けるほどの隙間はない。

俺の存在に気付いたキラービーナイトから突き出された槍を切り落とし、そのまま返すカタナでキラービーナイトの首を落とす。

1匹も逃げることなく俺に向かってくるのは昆虫系魔獣特有だな。

キラービーナイトを7匹ほど退治して、ほんの少し空いた防御の陣地の乱れの隙間に突き入り女王蜂の首を落とす。

命令系統がなくなっても全部のハチが攻撃してくる。

組織だった攻撃はなくなったが見事なほどの攻撃姿勢だな。昆虫系魔獣の美学すら感じてしまうほどだな。敵ながら天晴れだろう。


全部を退治するのに7・8分ほどかかった。

全滅させてから天乃村正を納刀。


あたり一面に広がるキラービーの死骸がドロップアイテムに替わる。

キラービーの巣はハチミツになった。1kg入りのハチミツのビンが100個ほど転がっている。

ハチミツ以外に100匹ほどのハチの子がいた。もちろん死んでいる。

これも後で調べるとして、ハチミツもハチの子もアイテムボックスに全部入れる。

キラービーナイトはシルバードと同じぐらいの大きさの魔結晶を残した。質は落ちるけど、ユーロンド達と遜色ないゴーレムが作れそうだな。数は20個あるのでこれで余裕が出来た。

今日は夕方で帰れそうだな。魔結晶が短時間で効率的に集まった。


キラービーナイトの通常ドロップアイテムは『キラービーナイトの甲殻』が14個だった。これは高値で取引される・・・ナイフに加工すると、甲殻のクセに粘りがあって折れにくくしかも錆びないって言う理想的なナイフだった。重さがないので投げナイフには向いていない。


レアドロップは『キラービーナイトの槍』が6本。

長さは1mほどなので投げ槍用だな。白くて骨製みたいだが軽くなくて鑑識で調べたら元はロードクイーンの毒針だった。これが抜け落ちてキラービーに渡されるとキラービーナイトに進化するらしい。

元は毒針なのに毒はもう入っていないので槍に毒の効果はないみたいだった。


ロードクイーンはシルバードの魔結晶より少し大きい、質もかなり良いのが3つだった。

魔結晶が溜まってうれしくなる。

ロードクイーンのドロップアイテムは頑丈そうな『エストック』だった。

鑑識で調べてみる。


刺殺剣『ロードクイーンのエストック』

所有者 早乙女真一

キラービーの女王蜂の亜種『ロードクイーン』の針で出来た刺殺用に特化した剣『エストック』

刀身に神経毒を纏っているので、刺さらなくても刀身に傷つけられるだけで毒は注入される。

刀身100cm全長119cm。鞘は頑丈な鋼鉄製で打撃武器としても使用可能。

刀身の先端は菱形の断面だが根元にいくと六角形の断面になっており非常に頑丈に出来ている。

ロードクイーンのレアドロップアイテムでダンジョンでしか捕れない。


意外と良さそうな武器だった。今は使う人がいないけど。

俺は使えるけどなって事で少し振り回してみた。

中々バランスも良くて振り回しやすい。

魔獣の特性なのかわからないが、全金属製のレイピアよりも柔軟性があり物凄くしならせる事が出来る。


ドロップアイテムを拾い終わった嫁達が話しかけてくる。

「しん君、それどうしたの?」

「鑑識で調べたらロードクイーンのレアドロップアイテムだってさ。キラービーの神経毒を刀身に常に纏ってるから、刀身には触れちゃダメね」

「へー、しんちゃんちょっと私にも貸して」

「ああ、いいぞ。これはエストックという刺殺用武器だけど、柔軟性が異常なほど強いからレイピアとしても使えるタイプだな。ミーは槍だけじゃなくてレイピアにも才能があるから、ミーが使えばいいよ。俺は天乃村正があるし」

「そういえばミーって小さい時は教会の聖騎士団でレイピアを習ってて、昔の団長さんにレイピアも才能があるって言われてたよね?」

「ミーさん凄いですね。私は杖術以外はまるで才能がないって言われました」


ミーがロードクイーンのエストックを振り回し始めたので、俺が体のバランスのとり方・槍と足運びの違いなどをいくつか指導するとすぐに技術を吸収していく。


「これで簡単な指導は終わりだな。ミーならすぐに使いこなせるよ。これをサブ武器で腰にいつも帯剣する様にしたほうがいいな」


そういって俺は手に持ってた鞘をミーに渡す。腰に下げるベルトと金具は俺がワイバーンの皮を使ってその場で作ってミーの左の腰に装備させた。

うん。なかなか似合ってるな。


動かしてカチャカチャならないように森林モンキーの尻尾をコーティング剤代わりに使う。

鞘をワンタッチで外せるようにして、マインゴーシュの替わりに左手で防御に使えるように、ミーに教える。

敵の攻撃を鞘を使っていなすやり方をミーに練習させて終了した。


その後は地下9階にいく。

地下9階は『バジリスク』3mほどのオオトカゲで蛇のように毒液を噴霧して攻撃もしてくる。

毒霧は鉄や鋼を腐食させるがオーガ鋼には影響がなくなる。

バジリスクは単体で存在しなくて必ずペアで行動しているので厄介な相手だ。

片一方を退治するとバーサク状態になり首を落とされるまで攻撃してくる面倒な相手でもある。


魔法が使えなければ厄介極まりない。


階段を降りてきて最初の部屋に入ると2匹のバジリスクが襲い掛かってきた。

ここでもクラリーナの魔法指導から入る。

「地下7階で言った『鱗系魔獣の弱点は氷魔法』の例外の1つがこのバジリスクだな。バジリスクは鱗に水の特性があって、氷・水魔法はほぼ効果がない。逆にバジリスクの弱点は火魔法になる。バジリスクは防御力が高い分動きは鈍い。・・・まぁ魔法の的だな」

『炎槍』

バジリスクの腹の下から出てきた炎の槍によって串刺しにされた状態で宙に浮かぶ。

「このまま放置しておいても時間経過で死亡するけど、注意が必要なのはここからだな。不用意に近づくと毒霧攻撃を喰らう。まあ喰らっても空迅で無効化できるから慌てなければ大丈夫だな」

『ファイヤージャベリン』

炎で出来た投げ槍を脳天に突き刺して2匹とも絶命。戦闘を終了させた。


次の部屋で4匹が襲ってきてクラリーナが応戦。慌てることなく何度かの失敗をしてから退治してた。

俺とアイリとミーはこの階はほとんど何もしなかった。

俺はクラリーナに指導してただけだし、アイリとミーは後ろで見てるだけだった。


地下10階のボス『サラマンダー』戦を前に地下9階で一度休憩をすることにした。

大きな方の休憩部屋に入りキャンピングバスをアイテムボックスから取り出した。

トイレを交替で済ませて自分の専用シートに座って休憩。

おやつは俺が以前作ったウグイス餡のアンパンにした。緑茶とのコンビが実に良い。


「こうやってキャンピングバスでトイレを済ませてシートに座って休憩してると・・・俺達が今、ダンジョンの中にいるとはとうてい思えないな」

「私もそれは思った。でも便利でいいわね」

「アイリと2人でアゼット迷宮に挑んでたときと凄く差があるよね。トイレだけでも一苦労だったね」

「それは大変そうですね。お食事とかはどうされていたんですか?」

「休日に家で作り置きがほとんどね。だから今でも私のアイテムボックスにはミーと当時作った弁当がたくさん入ってるわよ」

「ほう、それは俺も食べてみたいな」


「それは無理。焼いた肉とご飯だけの簡単でお粗末な料理とはいえないモノなのよ。味付けも塩コショウのみ。あの当時に戻って『おにぎり』を教えてあげたいよ」

「アイリの言いたい事が分かる。おにぎりは万能過ぎてヤバイよね。手軽・便利・作りやすい。それに塩分も補給できるし、冒険者だけじゃなく労働する人の味方の料理って感じだよ」

「俺としてもビックリしたんだけどな。ここまで米文化が進んでいて、丼物はあるのになぜおにぎりがないのかって」

「しん様の前にいた日本という国では『おにぎり』ってどんな位置づけだったんですか?」

「どんな位置づけってことを説明するのは難しいけど、俺は釣りに行く時とか車での移動の時とかによく食べてたな。自分でも家で作って持って行ってたし。そういえば・・・俺がイーデスハリスの世界に転生する何年か前に日本で『肉巻きおにぎり』ってのが一時期流行ったな」

「なにその胃袋を活性化する魅惑的な名前の食べ物は」

「簡単極まりないよ。おにぎりに肉が巻いてあるだけだし。味付けはタレにこだわっていたみたいだけどな。まぁ実際に食べた方が早いな」


塩コショウと醤油と砂糖と日本酒で味付けした肉を塩おにぎりに巻いただけの肉巻きおにぎりを、一つは紙に包んでミーに渡しもう一つは自分でかじる。

「これはこれで美味しいけど、焼肉のタレがないとコクがでないなぁ」

かじってからクラリーナに渡す。アイリとミーは一口ずつ回し食いしてる。


「これは美味しいけど、『凄い!』って、感動するほどでもないね」

「ミーが言ったようにこれが流行ったのも似たような理由だろうな。日本でも手軽に食べられてそこそこ美味しいって枠の料理だと思うよ。1度食べればもういいかなって感じだったな」

「それ、わかりますね。それほど印象に残らないという味でした」

「そろそろ休憩は終わりにしてサラマンダー攻略しちゃいましょう!」


アイリの一言でみんながキャンピングバスから降りる。

キャンピングバスをアイテムボックスに片付けてダンジョンアタック再開。


最短で地下10階のボス戦へ。

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