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アゼット迷宮アタック。地下7階と8階での戦いっす。

キャンピングバスを走らせて商業ギルドからアゼット迷宮へ向かう。

俺はもう既にサイラスの甲殻鎧を装備してるので、キャンピングバスを運転して走らせている。

嫁達は下のキャンピングスペースで防具を装備している。


今日は3人とも旅人の服を着ていたのでアンダーシャツとアンダーパンツから装備するので少し時間がかかるがアゼット迷宮に着く前には完了するだろう。


俺はその間にセバスチャンと念輪の回線を開いて会話する。


「早乙女だ。セバスチャ、マリア、今は念輪出来るか?」

「セバスチャンです。念輪可能です。ご主人様どのような御用でしょうか?」

「マリアです。ご主人様、ご指示をどうぞ」

「今日、商業ギルドで早乙女邸の隣の倉庫と店舗用の土地と建物を購入した。場所はMAPの中にある『元アントローグ商会』の店舗と倉庫になる。予定通り早乙女商会の資産になっている。この2つを改装するには大量の木材が必要になる。それで2人の採取の状況が知りたい」

「セバスチャンです。ご主人様の指示通り『ヒノキ』の樹齢の長い大樹を中心に集めています。400年物から250年物のヒノキが主ですね。木を切った後は木魔法で栄養を与えましたので木は死んでいません。新芽が出てきたのを確認いたしました」

「マリアです。私もご主人様の指示通りに種類を数多く100年物を中心に集めています。ヒバ・杉・クリ・黒檀・樫・モミ・ブナなどが既に集まりました。桜はまだ良さそうな木を見つけていません。切った木は木魔法で木の生存も確認済みです」

「流石だな、ありがとう。このまま頑張って集めてくれ。マリアにお願いしたいのは実のなる木を何本か生きたまま持って帰ってきて欲しい。桜・柿・梅・銀杏なんかだな。早乙女邸の庭が裏庭も含めて殺風景だし、船からの監視を避ける目的もあるからな。後で適当な間隔で植えておいてくれ。・・・それと俺達夫婦は午後からアゼット迷宮を攻略する事にした。守る建物が増えたのでユーロンドたちの増員の為に魔結晶集めだ。2人も良さそうな魔獣がいたら狩っておいてくれ。では午後からも引き続き頼む。」

「「は。了解しました」」


アゼット迷宮に到着するまでにはまだ時間があったので、ついでとばかりにニャックスにも念輪を繋げる。


「早乙女だ。ニャックス聞こえてるか?」

「ニャックスです。聞こえてます。ご用件は、るびの様の事ですね?」

「ああ、るびのの狩りの状況はどうだ?」

「何も問題ないです。さすが白虎様です。岩場での狩りも心配する事もないですね。るびの様が装備されている、あの腕輪は便利ですね。私も欲しいぐらいです」

「それはダメだな。生態系が変わる恐れがあるから、ニャックスやガウリスク、アキューブ達にもアレは渡せんよ」

「そうですね。いつまでも保存が出来るならと、この岩場周辺の狩り尽し最後は共食いを始める可能性はありますね。残念ですが諦めます」

「悪いがそうしてくれ。狩りの目的が達成してるなら、後は時間いっぱい遊んでてくれ。るびのも魔獣たちと話をして遊びたい頃だろうからな」

「了解です。そう言っていただけるとありがたいですね。狩りでるびの様に私達が教える事は何もなかったので」

「時間になったら迎えに行くよ。ニャックス、よろしくな」

「わかりました」


話が終わったのでニャックスとの念輪も打ち切った。

アゼット迷宮が見えてくる。


嫁達もみんな防具の装備が終わって展望席に上がってきた。


「しん様、今日は何階から攻めますか?」

「俺が攻めたいのは、まだ俺が行ってない地下7階からだな。『リザードドッグ』だったっけ?」

「そうね。アイツは刃物が角度を間違えると刺さりにくいから槍の練習でたくさん倒したな」

「私も飛び上がって集団で空中からの攻撃をしてくる相手だから、ミーと2人でたくさん練習したわよね」

「私は昨日初めて戦ったんですけど、火魔法が効き難い鱗系の魔獣が初めてだったので驚きました。アイリさんに注意されるまでは、まるで聞いてない事に気付かなかったので」

「そうだな。鱗系の魔獣は氷魔法が弱点で火魔法はほぼ効かないからな。クラリーナも勉強になっただろう」

「はい。アイリさんとミーさんがいてたくさん教えてもらって、成長できてる実感があるダンジョンアタックは毎回新鮮で凄く楽しいです」

「よかったねぇ。そう言ってもらうと私達も教え甲斐があるよねぇー」


「さ、そろそろ到着だからキャンピングバスはアイテムボックスに入れるよ。後は歩いていこう」


そういって周囲を確認しながらキャンピングバスを降りる。

周囲に誰もいないときを見計らってキャンピングバスを片付けた。


アゼット迷宮の入り口の下へと降りる階段で、たくさんある転送部屋へ入り地下7階へと転送される。

この転送部屋はどの部屋からでもチームの誰かが行った事のある階層ならどこでも行けるから便利だな。


俺はアイテムボックスから天乃村正を取り出して腰に装備しながらみんなに確認する。

「今日もアイリ・クラリーナ・ミーのいつもの順番だな。俺はクラリーナの横でサポートする。まずは下へ降りる階段に向かう。じゃあ、ダンジョンアタック開始だ!」


無言で3人がうなずき、俺の指示通りにアイリから進んで地下7階の転送部屋を出る。

「この先の広い部屋にリザードドッグの群れがいる。数は33頭。まずは俺が魔法の見本を見せるよ」

部屋に入ってリザードドッグが襲い掛かる前に魔法を使う。


『アイスジャベリン』

太さ2cm長さ1mほどの氷の槍が10本リザードドッグに向かって飛んで行く。

4頭ほどが即死で3頭が傷をおった。後の3頭は軽症だ。

「ま、狙いを正確にしてなく不意打ちを狙ったらこんなもんだな。こうして攻めてきた敵の防衛魔法は『氷槍』。コレが効果的だな」

長さは3m太さ2cmの氷で出来た槍衾が30本、槍と槍の隙間は10cmなので地面から斜めに突き出てきた槍の間をすり抜ける事が出来ない。

「これは牽制と防御を兼ねている。これて敵が飛んできたら後は空中で『氷弾』。コレで撃ち落とせばいい」


目の前で展開される魔法にクラリーナは自分でも魔法で何度も試してみながら知識を吸収して経験を蓄えていく。


「氷槍は敵の動きを限定的にするには効果的だな。この槍衾はリザードドッグには壊せないので上を飛ぶしか俺達に攻撃できなくなる。立体的に攻撃してくる敵の攻撃方法を限定させるのは、味方の防御や攻撃が容易になる。敵の特徴を捉えて敵からの攻撃を断定させるのもチームにいる魔道士の役目だ」


「魔法にこめる魔力は皆同じだから他の魔法でも同じ事が出来る」

『アースジャベリン』『ウォータージャベリン』『エアージャベリン』と数種類の魔法を使ってクラリーナに見せる。


33頭のリザードドッグを狩り終わる頃にはクラリーナも俺の指導でメキメキ上達する。

戦闘が終わったら氷槍を元に戻す。

小粒の魔結晶や魔石、リザードドッグの通常ドロップアイテム『リザードドッグの牙』、レアドロップアイテム『リザードドッグの鱗』などのドロップ品を拾う。


ここではもうクラリーナに教える事はほとんどなくなってしまった。

これからは今教えた事の反復練習ぐらいだな。

クラリーナが魔法に慣れた頃に地下8階へと続く階段を下りる。


地下8階は『キラービー』だ。

探査魔法で気配を探ると・・・いた!! 女王蜂だろう大きな反応が出てる。


「ここの隣の部屋の次の巨大な部屋に強大な反応がある。キラービーも100以上の反応だ。3桁のキラービーって、これは亜種の女王蜂の可能性が高い。次の部屋に10匹のキラービーがいるからコレでクラリーナの練習を済ませて、その後で女王蜂との本番だな」


皆で部屋に入るとキラービーが襲い掛かってくる。アイリが挑発で自分に呼び込む。

「おら! 蜂共、かかってこい!」

「キラービーは知ってる通り風魔法『空弾』を使ってくる。でも空を飛ぶ昆虫系魔獣の例に漏れずヤツラの弱点も風魔法だ。敵の周りの空気をかき回してやれば、ヤツラは飛べなくなる。『空迅くうじん』コレで空気をかき回せば・・・ほら、飛べなくなる」


俺が魔法で空気をかき回すと、キラービー10匹全部が地面に落ちた。後は狙い撃つだけだ。

アイリとミーもいるので、10秒もかからずに終わる。


魔結晶はなくて魔石だけだった。

キラービーの通常ドロップアイテムが『毒針』。レアドロップアイテムが『キラービーの羽』。

アイテムと魔石を拾い終わると、柚木の戦いへの最終確認とクラリーナの魔法の練習だ。


「これから次の部屋に入る。鑑識で調べたがキラービーの女王蜂の亜種『ロードクイーン』がいる。ランスを持って女王を警護している『キラービーナイト』が20匹。通常のキラービーが130匹だな。女王の横に小さな反応がたくさんあるので、蜂の巣が出来上がってるだろう。蜂の巣は貴重な資源の塊だ。俺が無傷で捕獲したいから、俺にやらせてくれ魔法で処理するよ。クラリーナに今覚えて欲しいのはコレだな」


空中へ迷賊の鉄製の鎧を放り投げて空中で停止させると魔法を発動させる。


空迅烈波くうじんれっぱ

魔法を使うと空迅でかき回された空気に真空の刃が乱れ飛び空中の鎧がズタボロになっていく。


「これは風魔法の中級のラストになる魔法だ。空迅で空気をかき混ぜながら真空のヤイバを縦横無尽に振り回すイメージだ。物は試しでやってごらん」

クラリーナが『空迅烈派』の練習をする。俺はイメージを伝えていって指導する。


「それは風を強くかき回してるだけだな。空間をずらす。空気をずらすんだ。こんな様にイメージして!」

俺は両手の手のひらを合わせて、手のひらをずらして見せる。

「そうそれだ。大丈夫出来てるよ。それを空気をかき混ぜる時に空気の空間を不規則に動かせて縦横無尽にずらすんだ」


「さすが魔法の申し子だな。すぐに出来たよ。これで大丈夫だな。それで戦術は・・・アイリは防御して挑発をしながらゆっくり前進して女王蜂へ。ミーはアイリの後ろからキラービーの退治。クラリーナは今の魔法『空迅烈波』と『空迅』でドンドン叩き落とせ。俺は初めに蜂の巣に真空封印をかけて巣の中の幼虫とキラービーの子供を全滅させる。巣の中の幼虫と子供が全滅したら女王蜂を後ろから襲う。コレでいけるだろう。質問はある?」

「それならOKだね。私&アイリ&クラリーナの3人と、しんちゃんの競争になるね」

「慌てなくっていいさ。この作戦で大事な事は『怪我しない』だからな?」

「それは私に任せて。シールダーの私は2人を守るのが仕事だからね」


作戦は決定したので次の扉を開ける。

ロードクイーンとの対決だ。これで魔結晶が潤うな。

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