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依頼を受けたら村を追い出された。翌日、村に行くとテンプレどおりの脳筋バカがいたんでマジ切れしちゃった!テヘペロっす。

7・11修正しました。

8・23修正しました。

何日かはゾリオン村で待機させられるなら宿に宿泊させてもらおうと、ギルドマスターに聞いたのだがゾリオン村に宿屋はないらしい。


ゾリオン村に観光で来る人間なんていないし、冒険者は冒険ギルドへ、行商人は商業ギルドなどの宿泊施設に格安で宿泊できるから商売にならないから初めから宿屋はないと。

その状況に追加して開拓村から撤退してきた一般市民で、他の村や町に行こうにもコネも金もないって人達が教会や各ギルドの宿泊施設にいて、宿泊施設だけでは足りなくて臨時の避難施設やテントで寝泊りしてるので、俺を宿泊させる場所すらない現状。

食糧に関してはガルディア商会が荷馬車を増便してヨークルと往復してるので豊富にある。むしろ屋台が出てたりして村は活況を帯びてるそうだ。


「簡単にまとめると『飯は勝手に食え。泊まるのは場所がないから村の外にしてね。緊急連絡の可能性もあるから遠くに行かずに最低でも一日一回はギルドに顔出せよ?』ってことですよね?」

「・・・スマン。こちらのワガママをを押し付けて、君の事を軽く取り扱ってるのは理解してる。バイド様とゾリオン様に掛け合って個人指定依頼の成功報酬の金額に色をつけてもらうことぐらいしか確約できない」

「今、2億Gほどの金を貰ったばかりでお金は困ってないのですが」

「確かにそうだな。金ではない何かで君の希望はあるかな?」

「・・・今はまだ何も思いつきません。明日以降でもよろしいですか?」

「ああ、それはかまわない。そして明日以降はお願いする」


そう言ってギルドマスター・隣にいた女性職員の二人と握手を交わし冒険者ギルドをでて買い物。


食料品店に行って100kgほど米と卵などの早乙女邸にない食料と調味料・カレー粉などを買い込み、雑貨屋で服・下着・手ぬぐいなどを複数購入。

布団もなかなか良さそうなのがあったので何セットか購入。

お釜と飯盒があったのでついでに購入。

40万G以上使った・・・お釜が結構高級品だった。


アイテムボックスに購入したモノを入れて村を出る。

アイテムボックスのスキルを持ってる人は数多くいるのでそれほど目立ってない。俺の場合は『祝福』でのアイテムボックスの無限収納バージョンだからこのイーデスハリスの世界に過去を含めて10人といない。


正直、まさか村に来て宿泊する場所もなく、まして村から追い出されるとは予想もしてなかった。

よくある異世界転生モノの話で始めは田舎の宿屋に泊まるって設定を読みながら・・・


「お前ら田舎舐めすぎ。そんな田舎の宿屋なんて誰が利用するんだよ。人がいないから、人が来ないから田舎なんだよ。有名観光地のホテルだってボコボコつぶれるのに、人の動きがほとんどない田舎の宿屋なんて兼業農家でギリギリ生活できるかどうか? ってレベルだろ。そもそも普段使う人もいない宿屋の機能・設備をどうやって維持するんだ? 金がもったいないどころの騒ぎじゃないだろ」


なんて考えてた時期が俺にもありました。

そんなんファンタジーだからいいじゃんって考えとけばよかったのかな。


まさか村の重要人物の治療の依頼を冒険者ギルドからの懇願されてるのに、村から追い出されるとはなぁ。

予想外すぎて・・・さすがに気分が凹んでくる。


それに今はバイドの治療の為に停滞している開拓村進出計画もバイドが復活すれば進むだろうし、今度は邪魔するクマも盗賊も狼もいない。

すぐに開拓村は『バイド村』になるだろう。

早乙女村も今夜で終了だな。

早乙女邸も解体して建材に戻してアイテムボックスにでも入れておくか。


ゾリオン村から見えない場所まで行ってからガウリスクの本拠の丘付近に転移する。


ガウリスクが狩りから帰ってきてたので本拠の丘の地下洞窟に俺も住んでいいのか聞いたら、ボスだから好きな場所を選んでくださいと言われたので、誰も今は使用してないところに決め何部屋かもらう。

神の創り手のスキル魔法を使い寝室・居間・キッチン・風呂・トイレなどを設置する。


寝室の正確な座標をMAPに入力し早乙女村に転移して早乙女邸を解体。

建材に戻して使用していた魔石なども全て回収。

セバスチャンとマリアの二人が昨晩から集めていた食材とかも全部回収済み。

二人を連れてガウリスク本拠の丘の洞窟内の新居に転移。早乙女邸の引越しは30分ほどできれいサッパリ終了。

MAPからも早乙女邸と早乙女村の表示を消した。


ガウリスク軍団への引越しの挨拶でセバスチャンとマリアを紹介してガウリスク軍団の面々に引き合わせる。先に挨拶して顔合わせしておかないとな。

意外と長く住むかもしれないし・・・今は早乙女邸(仮)だけど。


ガウリスクが『あにさん』『あねさん』と紹介のときに呼んでいたためその名前で定着していた。


土と風の合成魔法『洞窟探査』を使って俺のMAPをうめておく。

これで迷う心配が消えた。


その後は晩ご飯。今夜はクマのステーキ丼にした。

朝飲んだスープもまだ残ってたので一緒に食べる。

そういえばお釜は必要なかった。桶に米と水を入れて料理のスキル魔法を使うと『ふっくら炊きたて美味しいご飯』の出来上がりだった。


スキルや魔法の知識があっても活用しないとな・・・自分のバカさ加減にへこんだ。


お風呂の後にマリアに軽くマッサージをしてもらって今夜は寝る。

初めは肩だけ揉んでもらったが、物凄く上手だったので全身を軽く揉みほぐしてもらった。


セバスチャンとマリアには本拠の丘の周辺警戒と食材収集をたのんでおく。


翌朝マリアに起こされて目覚めた時は本拠の丘の洞窟内はピリピリムードだった。


大岩付近の暴君シルバード8世を始末。

盗賊『草原の暴風』も全滅させた後、南に移動してガウリスク軍団を吸収した俺はガウリスクの本拠の丘に移動してしまった。

今の大岩付近は突如として魔獣の空白地帯となり、縄張り争いは戦国時代に突入したらしい。


北の草原から新たな銀大熊の軍団(20頭ぐらいいるらしい)と、東のウェルヅ山脈の岩場での覇者『炎虎』の軍団も進出してきてるらしい。


ガウリスク達のグリーンウルフは炎虎(炎を操る虎ではない。黄色地に炎のような真っ赤な縞模様が特徴の虎)とは、住んで暮らす場所がまったく違うので昔から特に争っていない。


炎虎は岩場を敏捷に駆け回り、黄と赤という岩場での保護色のため草原では超目立つ特徴を持っているので、昔から草原は炎虎の縄張りにはなってない。


炎虎が今日になって進出してきたのは岩場に少ない水場が欲しいからと・・・早朝に炎虎が本拠の丘に挨拶にきた。新しい銀大熊が進出してきたとの情報を持って。


ということで、新たな銀大熊軍団の到来にガウリスク以外の軍団員はピリピリしている。偵察隊もいくつか出してるようだ。


ガウリスク軍団は本拠の丘の安全があればいい。

丘付近にデカウサギと『爆走鳥(ダチョウみたいに空を飛ばずに地面を走る鳥)』が豊富にいる。

西の草原は野生の馬がいっぱいいる。

餌には困っていないからガウリスクは大岩付近の覇権争いには参戦しない方針。


だが、大岩から南にやって来る銀大熊も炎虎も全て食らいつくすと不敵に笑うガウリスク。


俺がシルバードを倒したときに近くにガウリスク達がいたのは、シルバード軍団が盗賊たちに狩られてボッチになったシルバードをストーキングしていたんだと。

いくらシルバードが銀大熊らしからぬスピードを誇っていたとはいえ、グリーンウルフのスピードには足元にも及べない。

30頭以上での交代制でストーキング。

シルバードが餌を捕る前に周辺の狩りをして、俺に襲い掛かったときシルバードは3日以上なにも食べてなかった。

だから人族の死体がいっぱいあって計画が失敗したと思ったとガウリスクに言われた。


グリーンウルフ達も色々考えてるんだなと感心して聞いていた。


魔獣なんだからもっと単純だと思ってた。

これからウルフは狩りづらいな。モフモフだし。


ゾリオン村に行く前にセバスチャンとマリアに収穫はあったかと確かめたら、本拠の丘周辺には人の手があまり入っておらず薬草や食用のハーブなどが豊富なんだと。

だから朝ごはんはハーブのお粥にしてもらった。

お粥やハーブティーや香草焼きなどをたくさん作っておいてアイテムボックスに入れておくように2人に指示しておく。簡単なポーションなども作れるように2人をアップデート。ついでに初級回復魔法の『ヒール』もできるようにしておく。


今日も行動部隊副隊長にゾリオン村付近まで送ってもらう。彼が人族との微妙な距離の場所を自慢のスピードを生かして哨戒している担当だった。


依頼どおりにまずは冒険者ギルドに顔をだす。まだゾリオンには連絡が取れていないようだった。ギルドマスターのアクセル・ビッタート(受付嬢は『ビッタート卿』と呼んでた。貴族ではないが見た目が貴族っぽいので付けられたあだ名だ。カイゼル髭だし・・・これからは俺もそう呼ぼう)は、村長邸に行ってる。


これでしばらくすることがなくなったと途方にくれていたら、Fランクの依頼書の中から1枚俺に渡される。

依頼書の内容は『教会の手伝い』だった。ヒールを使える人とポーションを作れる人は大歓迎で報酬アップと書いてあった。


え? 俺が依頼受けるの? 小金は必要ないんだけどとフリーズしていたら、受付嬢いわく『ビッタート卿のお願い』だそうだ。

昨夜、俺と別れた後にビッタート卿はバイドと話し合ったそうだ。バイドは俺のエクストラヒールの腕を見たいから、俺への教会での依頼にかこつけて村長邸で厩務員をしている元冒険者の男を目の前で治して欲しいんだと。

エクストラヒール2回分の料金は払うからと受付嬢にお願いされた。


さっさとこの村での依頼を終了させてしまいたい俺は依頼を引き受けることにする。

この村に移住する為にこの世界に転生したんじゃない。

俺この世界を旅したい。


受付嬢は受付窓口を同僚にまかせて村長邸に駆けていく。

俺は教会に行き依頼受理書を神父に渡して、治療に来ていた人たちへの治療を開始する。

神父には話が通してあったのでスムーズにことは進む。けが人治療の合間にポーションを作る。

スキル『神の創り手』が作動してポーションに込める魔力があがってしまいポーションがハイポーションになってしまったのはご愛嬌。

一緒に作業して目の前で見ていた神父の顔が引きつっていたが見なかったことにする。


治療室でコーヒーを飲んで休憩していたら、治療室のドアがドカンと吹き飛びそうな勢いで開き、派手なフルプレートアーマーを着た男が侵入してきた。


「貴様が早乙女とかいう冒険者の坊主か? 早く『エクストラヒール』を見せてみろ」

と、後ろに立っていた年寄りを俺の目の前に突き出す。右手は腰のロングソードの柄を握ってる。おかしな動きをしたら切るって感じか?


テンプレの脳筋バカきたーーーー!

って少し笑ってしまった。


「貴様、何がおかしい!」

「こんな明るい部屋だとエクストラヒールで失明を治しても、強烈な光でまた失明しますよ。そんな簡単なことも知らないのですか? さすが脳筋」

「貴様っ、平民が騎士を愚弄するのか、死ね!!」

叫んで剣を抜き、年寄りを突き飛ばして問答無用と俺に切りかかってきた。

騎士の切りかかってきた剣をまるでバッチイものをつまんでいるかのようにして、左手の人差し指と親指で摘まみ動きをとめる。


「そこまでだ!」


後ろでニヤニヤしていた、いかにもバカ貴族という風貌の男があわてて声をかける。

が、俺は声を無視して左手でつまんだまま右手で剣の根元にチョップして剣をへし折り、右のジャブを騎士のあご先へ。

強烈に脳を揺らされて完全に意識を刈り取られた騎士は土下座するように崩れ落ちた。


こいつがバイドか?

しかしバイドは片目を失明中で喉も潰されてかすれた声しか出ないから筆談で会話していたはずでは?


呆然として声も出ない男を無視してつまんでいた剣をポイっとすてて、突き飛ばされてころがっていた年寄りを診察台のベットの上に横たえた。膝を強打していたのでヒールをかけて治療しているとビッタート卿が診察室にはいってきたので状況を説明する。


フルプレートアーマーを着た二人は先月の盗賊討伐で全滅した親衛隊の代わりに、新規に雇われた男達だった。俺の知らない遠い国の下っ端貴族の次男と三男でゾリオンに流れてきたらしい。

高給につられて来たが娯楽も何も無い田舎。

金儲けのネタを捜してコソコソ動き回っていたところに、『エクストラヒール』を使いこなせるガキがいて、捕まえて上手く利用すればガルディア商会を乗っ取れる。

なんてバカの考えで厩務員を拉致して先に乗り込んできた。


というのがこの騒動の元だった。

土下座体制で失神している男はかなりの腕前だったらしいが、俺を相手にして何もすることができずにあっさり無力化されるところを後ろから全て見ていた男が、俺への恐怖のためにチラチラと俺を見て震えながらペラペラと語る。


「俺は待てといったのに」

最後に言われたが・・・

「俺に剣を向けて切りかかってきてる”敵の仲間”に待てといわれて待つほど俺はバカじゃない。お前は今まで停まるような都合のいい敵しかいなかったのか? 貴族だからワガママでバカなのか? ワガママで馬鹿だから貴族なのか? お前はどっちだ?」


俺の中にある貴族への反逆心がこの二人が貴族出身の人間と聞いてから歯止めが利かない。


「何だと! たかが平民の無礼者どもが!」

と大きな声を上げる。さっきまで俺への恐怖で震えてたのに、ビッタート達が入ってきて自分は殺されないと思ったのか、それとも俺が170センチぐらいしかない華奢な男だからと上から見下ろしてるので、何か勘違いしたのかな?


スタスタと歩いて騎士に近寄ると『トン』と右手の人差し指でフルプレートアーマーを突く。


「何か勘違いしているようだがな、今の戦いでお前が生き残ったんじゃないぞ? 俺がバカ二人を”生かして”やってるんだぞ? いいかげんにしておけよ。信じられないなら今夜の厳重体制の中で拘束されているお前だけを誰の目にも触れないで殺しに行ってやろうか?」


そういって、もう一度フルプレートアーマーを右手の人差し指で突く。


すると、ビシッという大きな音とともにアーマーに亀裂がはいって割れた。


ひいぃと騎士は崩れ落ち、ブブブブ・・・脱糞しやがった。クソッびびらせすぎた。ウンコマンに変身するとは予想してなかったぞ。

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