護衛依頼と輸送依頼の終了。これで今夜はパーティーだー! っす。
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展望席の改造が終わって一息つくヒマもなく出発になってしまった。
午後からは俺の運転。
キャンピングバスを順調に走らせる。
今日で護衛依頼は終わりだがヨークルに帰るまでは、そのまま旅になるが・・・旅と言っても今度は俺のキャンピングバスだけだから休憩は必要ない。
明日はバイド村を少し早めに出て昼にはゾリオン村に到着。
ゾリオン村では昼食と冒険者ギルドに終了報告を済ませて、夜までにはヨークルに帰る予定だ。
るびのには明日も岩場に送って今度はワイバーン討伐でもやってもらおうかな。
展望席では嫁が全員寝て昼寝中。
俺はセバスチャンとの念輪回線を開き脳内で話しかける。
「セバスチャン聞こえてるか?」
「ハイ、聞こえていますご主人様。どういった御用でしょうか」
「るびのってワイバーンはもう狩れそうか?」
「ハイ、もう大丈夫ですね。もしかして明日の予定ですか?」
「ああ、そうだ。明日は俺たちは昼までにゾリオン村に行き夜までにはヨークルに帰ろうと思ってる」
「それでは今日は夕方に岩場に戻ってくるワイバーンの対集団戦の訓練をします。それで明日はるびのは完全な自由時間っていうのはいかがですか?」
「おぉ! それはいいな。るびのも好き勝手に駆け回りたいと思ってる頃だろうし。ワイバーン集団戦で訓練が終われば、この大陸にるびのを殺せる魔獣は存在しなくなるだろう」
「はい、ご主人様のおっしゃるとおりですね。午後からのワイバーン集団戦が最終訓練での試験となります」
「おう、よろしく頼む。それで何か面白いものは発見できた?」
「今はるびのとマリアが待ち合わせ場所から少し離れたところにある大きな池の中で、潜水と水中でのエサの捕獲の訓練を行っている最中なので、その後でなら何かあるかもしれませんが・・・今のところは緊急連絡をするほどのことはありません。ご主人様の知識にあった『えんどう豆』と『ソラマメ』は大量に自生している場所を発見しましたので、両方とも100kg以上は採取しておきました」
「ありがとう。さすがセバスチャンだな」
「お褒めいただきありがとうございます」
「じゃあまた、るびのの教育と世話を頼む」
「了解しました。お任せください」
セバスチャンとの念輪を切った。
るびのはもう訓練の卒業か・・・早過ぎるな。
ここまで早いとるびのは俺たち早乙女一家から離れて独り立ちさせたほうがいいのかな。
それから嫁達が起きてきて皆で雑談しながらバイド村までの護衛依頼を終了させた。
だって、なーーんもないからな。
ただ運転しながら雑談してただけだ。
護衛っていっても何も出てこないから後ろからついていっただけだし。
今日は荷物の数が多いので晩ご飯は遅くなりそうだから、みんなでキャンピングバスの中でおにぎりを食べておく。
バイド村に到着してからの方が大変だったかもしれん。
運んだ荷物の数をチェックして指示された場所に資材の箱を降ろす。
これが800個。
クラリーナにいたっては倍の1600個もあるので時間も倍かかる。
俺とアイリとミーは2時間弱で済んだけどクラリーナは3時間半はかかってた。
俺は途中でキャンピングバスに戻ってから、転移でるびのたちを迎えに行って早乙女邸まで送ってた。
これで依頼されて契約した仕事が全部完了したのでバイド村の中央本部まで出向き完了報告をした。
警備隊の隊長に護衛依頼完了報告書と物資輸送依頼の完了報告書をサインしてもらい、渡された書類は俺のアイテムボックスに入れる。
最後は何日か一緒に仕事した警備隊の人達と握手で別れる。
後は明日の出発前に挨拶しにきて完了だな。
晩ご飯は自宅に帰ってからノンビリ食おうと皆にはキャンピングバスで話をしてあるので、キャンピングバスに戻って早乙女邸に転移する。
久しぶりにるびのに再会した嫁達はるびのが最後に見たときの倍ぐらいになってるので、あまりの成長の早さに驚愕していたが、るびのも久しぶりの再会に嫁達に甘えまくるので・・・モフモフに癒される嫁達。
モフモフは正義だからな。
俺が知ってる史上最高のモフモフパワーを持つるびのの前では人間の考えなんて些細な存在だ。
今日は依頼達成で久しぶりに酒を飲むことに俺の中で決めていたので、家の裏庭で焼肉パーティーにした。
準備を嫁とマリアに任せて、材料・鉄板・網・魔道コンロ・テーブル・イスなどを渡す。
俺はこの時間を使って、裏庭にるびのの為の外部屋を作る。
日に日に大きくなっていく、るびのの為に作るので屋根と柱と壁があって頑丈にした方がいいな。
2階の天井をそのまま裏庭に広げる。
構造の強度的に川に面した方向だけをひらいて両側は壁で囲む。
高さが7mほどで横幅と奥行きが10mほどの立方体にして、川に面した一面が出入りしやすいように空けてある。
結界をはり中の温度が一定になるように、外からは認識阻害の魔法がかかって家族以外は見えにくくなる様に幾つかの魔石を設置する。
寝室にあるクッションを持ってきて今までは2m×2mだったが、るびのの今後の成長する大きさを考えて5m×5mの超特大のクッションを作った。
「ここがるびのだけの部屋だ。今日からはここで寝るんだぞ?」
「おおぅ~、こんなにデッカイ部屋がオレの部屋か。とうちゃんありがとう」
「おう、まぁ大切に使えよ。・・・壊すなよ」
「うん、気をつけるよ。クッションもでっけぇなー」
「るびのはご飯はどうするんだ? 晩ご飯は食べたんだろ?」
「食べたんだけど、とうちゃん、足りないからもっと食べたい」
「よし、今からみんなで一緒に食べよう。眠くなったらここに帰ってきて寝るんだぞ?」
「やった! 大丈夫だよ、もうオレは1人でも寝れるよ。明日は大森林で自由に遊べるんだよね?」
「セバスチャンから卒業試験で合格をもらったのか?」
「うん! 夕方の最終訓練でワイバーンを5頭狩って合格をもらったよ」
「じゃあ、明日は自由に遊んでいいぞ。明後日は皆で大草原に住む魔獣の本拠地めぐりだけどな」
「セバスにーさんから聞いてる・・・ねぇとうちゃん、けんぞくって何?」
「眷属か・・・部下かな。るびのが生まれ変わる前の部下ってことだよ」
「へぇ~、なるほどね。あ、もう準備が出来たってかあさん達が呼んでるよ。とうちゃん早く行こう」
るびのに後ろからグイグイ押される。
力も強くなったな。
皆そろったのでパーティーの開始だ。
開始の音頭は俺になった。
「ではみなさん、依頼達成と、るびのの最終試験合格を祝してカンパイ!!」
「「「カンパーーイ!」」」
俺は今回のセバスチャンの採取してきたソラマメを料理スキル魔法で塩茹でさせてつまみとして出す。
100kg以上も採取してきてもらったので大量に作っておく。
えんどう豆はウグイス餡にしてウグイスアンパンを作ってあげたら大喜びしてた。
甘いモノ大好きのクラリーナにせがまれて、こっちもスキル魔法で大量に作って渡す。
焼肉は前と同じように大根おろしとポン酢で食べる。
るびのは焼いた肉だけガツガツ食べたら、20分もしないうちに自分の部屋に戻っていった。
俺たちは腹一杯になるまで食いまくってから居間に移動する。
バーベキューの焼き担当はセバスチャンがしてくれてたので、余った食材は全部焼いてもらい後片付けも全部任せた。
後片付けの後は風呂掃除をお願いした。
食後のマッタリタイム。
でも酒を持ち歩いていたので、そのまま飲んでる。
マリアがスモークサーモンを作ってつまみに出してくれたので、追加でストック分を作ってもらう。
「そういえば、しんちゃんが食事が始まる前のカンパイの時に言ってた『るびのの最終試験合格』ってなんのこと?」
「あぁ、皆には説明してなかったな。明日の予定なんだが・・・明日中にこのヨークルに帰ってくる予定にした」
「は? ・・・しん君、どういうこと?」
「順番に説明すると・・・明日の早朝の7時にキャンピングバスでバイド村を出発。俺たちのキャンピングバスは荷馬車の倍のスピードで走ることが余裕で出来る。馬じゃないから休憩なんか、もちろんのこと必要ない。昼前にはゾリオン村に到着するだろう。ゾリオン村の冒険者ギルドで終了報告を完了させてゾリオン村で昼食。その後はヨークルに一直線で帰宅する予定だ」
「あぁ、なるほど。そうですね。キャンピングバスはゴーレムですから休まなくて平気でしたね。自分達だけなら休憩なんてキャンピングバス内でするだけですし、スピードも出せるならしん様の予定通り明日中にはヨークルに戻ってこられると計算できますね」
「そういうことだクラリーナ。それで明日は一日使って戻ることにしたんだけど、るびのをどうしようかセバスチャンに相談したら・・・今日の夕方に大森林の岩場に戻ってくるワイバーンの集団に戦闘を仕掛けて、ワイバーンの集団を相手にして狩ることができるようなら、もうこれ以上の訓練は必要ないって結論になったんだ」
「ワイバーンの集団相手に狩りをするの?」
「さっきるびのに確認したら5頭狩ることに成功して、最終試験に合格がもらえたって言ってたよ。マリア、間違いじゃないよな?」
「はい、ご主人様。るびのから報告がありましたように、10頭以上のワイバーンの集団に戦闘を仕掛けて5頭ほど狩りをおこない、残りはワザと逃がす訓練を完璧に成功させました。これでこの大陸にはるびのを殺すことが出来る魔獣は存在しなくなりました。ウェルヅ大陸北方の山岳地帯の覇者『グリフォン』なら、るびのを傷つけることが出来ますが、グリフォンが飛ぶ以上のスピードで空中を駆け回ることが出来るるびのにはグリフォンでは勝ち目がありません」
「しん君、るびのってそんなに凄いの?」
「あぁアイリ、るびのは凄いよ。この大陸で今現在でソロの戦闘力で考えると・・・最強は俺。次はこのセバスチャンとマリア、その次がるびのって順番だな。なぁミー、今この国には冒険者ギルドでSSランクの人間っていないんだったよな?」
「そう。この国に今はSSランクの冒険者はいないよ」
「それなら間違いなく、今現在のこの国で4番目に強い存在はるびのになるよ。しかもるびのはこれからもっと成長するから、後何日かすればセバスチャンたちよりも強くなりそうだな。マリアの計算でセバスチャンとマリアの現時点の能力で何日後に、るびのに抜かれて、何日後に2人がかりでもキツくなると予想できる?」
「私の計算では3日後に私は抜かれますね。10日後ではセバスチャンと2人がかりでも敵わなくなると予想できます」
「うそ! るびのってそんなに凄いの?」
「ミーも言っていた様に、流石は伝説の聖獣『白虎』またの名を『白帝』。流石は俺の息子ってところだな。俺の魔力を吸い上げてこの世に生まれ変わった聖獣だからな。普通の聖獣よりも成長が早いんじゃないの?」
「そんなことを、しん君に気軽に疑問形で聞かれてもねぇ。・・・これが伝説の聖獣『白虎』ってことは実感できるわね」
「それで、るびのは最終試験合格ってことで明日は大森林で一日中自由な時間って事にしたんだ。マリアとセバスチャンも護衛につけない、完全に自由な時間だ。マリアとセバスチャンには大森林での食材探しを一日してもらうことにした」
「そういうことだったんだね。やっと納得できたよ。寝に行くときのるびのがうれしそうだったから」
「そうだなミー。それも楽しみだし、今日は昨日の夜間訓練からの疲れもあるから、るびのは早く寝にいったんだろう。俺たちも明日は6時起きだ。今夜は早めに寝ておこう」
こうしてみんなで風呂に入りリフレッシュして寝ることになった。