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クラリーナを泣かせてしまったっす。

この話から今までと投稿パターンを変えます。

今までは『ノクターン』からエロ抜きで『なろう』に転載ってパターンでしたが、これからは『なろう』からエロ入れでノクターンに転載って形になります。

12・17修正しました。

「しん君、何ボーっとしてたの?」

「あぁ、あそこに結構大きな丘が見えるだろ? アレがグリーンウルフの本拠地になってるんだ」

「あんなところに100頭以上もグリーンウルフがいるの?」

「あの丘は地下に大小の空洞が洞窟で繋がっていて、洞窟の出入り口はここからは見えないけど何十個もあるんだ。だからスピードが命のグリーンウルフにとって敵からの攻撃を逃げるのも反撃するのも都合がいい場所なんだって、ガウリスクから聞いたよ。それに前はもっと住んでいたんだって。洞窟もたくさん余っていたから俺もあそこに仮住まいできたんだし」

「そういえば、しん君は何日かあそこに住んでたって言っていたわね。うふふっ・・・洞窟内の住み心地はどうだった?」

「洞窟内は温度が一定で風も時間帯によって違う方向から入ってくるし、結構住み心地は良かったよ。俺は転移魔法があるから良いんだけど・・・アイリたちが住むとしたら、かなりの困難かも。洞窟内は中が迷路状になってて広過ぎるから。俺は魔法で探査してMAPを作ったけど3層の階層があるし・・・アレは『グリーンウルフダンジョン』って言ってもいいよ・・・グリーンウルフダンジョンってカッコイイな。これからはそう呼ぼう!」


「うふっ。しん君、子供みたいになってるわよ。でもアレだけ大きな丘の下に洞窟が3層もの迷路状態で広がっているなら確かにダンジョンって言えるわね。私も見てみたいかも」

「そうだな。るびのを連れて魔獣達に挨拶回りをするときは皆も一緒に行こうか?」

「いいわね。私も魔獣と一度お話してみたい」

「グリーンウルフはるびのよりは劣るけどモフモフでさわり心地は最高だよ。洞窟の中に子供のグリーンウルフがいるんだけど、緑色でモコモコしててさわり心地もモフモフでたまらないな。『リアルに動くぬいぐるみ』って感じだった」

「モフモフかぁ、しん君が前に『モフモフは正義』って熱く語っていて、なに言ってるんだろうこの人って思っていたけど、るびのを見て触った瞬間に理解できたよ。アレはヤバイ。凄い魔力がある」

「だよな。『モフモフは正義』って感覚は実際に見て触ってみないとわからないんだ。しかも自分の何かを狂わせる魔力を持っているし・・・人によっては数日触れないという鬱憤が溜まるだけで禁断症状まで出ると言われている」

「怖いわね・・・病気? 麻薬?」

「確かに怖い病気でもあるし、麻薬よりもはるかに恐ろしいよ・・・『モフモフさえあれば他には何もいらない』って猛者が、俺が前に住んでいた日本にはたくさんいた・・・老若男女問わずに」

「ホントに怖いわね・・・でも、るびのを触って以来、私にも理解できてしまうのも怖いわ。しん君の熱く語ることって今までほとんど理解できなかったけど、これは理解できるってのも、ちょっと怖いな」


「なんだよそれは。・・・そういえばアイリに聞いてなかったことがあるんだけど・・・自分が若返った感想は?」

「そうね。率直に行って『うれしい』これは間違いない事だわ。私も冒険者とはいえ女ですもの。ただこのまま若さを保ったまま1000年生きるって、アマテラス様に最初言われた時はちょっとビックリしたけど・・・それだけね。愛する男と永遠とも呼べる時間を、若さを保ったまま過ごせるっていうのは、女にとって・・・いえ、女として生まれてきて願いが叶ったと言ってもいいわね」

「ふーん・・・なるほどねぇ。女心は俺にはわからないことだから、一度機会があれば聞いてみたいと思ってたんだ。ありがとうな」

「ありがとうってお礼が言いたいのは、私とミーとクラリーナのほうよ。ミーも昨日、しん君に言っていたように、私達は打算をもってしん君に近づいて結婚をもぎ取ったんだけど・・・今、考えるとその時の自分に『良くやった』って褒めてあげたくなるほど、今の私は幸せよ。もしあの時『年齢差が・・・』とか考えて少しでも躊躇してたら、こんなに幸せになれなかったかもしれないんだもの」

「俺もきっかけはアイリもミーもクラリーナも色欲なんだけど、綺麗な嫁3人ももらって幸せだよ」

「うふふっ、しん君ありがとう! ・・・ちゅ」


アイリが俺のホッペにキスしてきた。・・・やはりイチャラブは甘くていいな。


「でも、しん君もよく私達を信頼して秘密をたくさん話してくれたわね。あれだけの秘密になると他人に話すことに躊躇するんじゃない?」

「ああ、俺も不思議なんだけど・・・アイリとミーそれにおやっさんとおかみさん、この人達なら秘密を話しても大丈夫っていう自分の直感に従ったんだよ・・・あのときぐらいから俺はこの世界では直感も利用して生きようって思った。俺にはこの世界で知らないことが多過ぎる・・・でも『主神の祝福(天運)』っていう祝福もあるし、悪いことにはならないだろうって、上手く説明できない妙な自信もあった。でも・・・今、考えると直感にしたがって良かったと思ってるよ」

「もー、しん君ったら」


アイリが俺の頭を抱きしめてくるが、残念ながらオーガナイト鋼のフルプレートアーマーをアイリは装備しているので固い感触しかない。

柔らかなマウンテンの感触はまったくない。


「アイリさーん、運転中のイチャイチャはたいへん危険なのでご遠慮くださーい」


クラリーナが時間になったので運転席に登ってきて声をかけてきた。

アイリは残念そうに俺から離れて下のキャビンスペースに降りていった。

クラリーナが俺にマグカップを渡してくれる。


「はい、しん様アイスコーヒーです。どうぞ」

「おお、クラリーナありがとう。今日は暑いからアイスコーヒーのほうが美味しいな」


グビグビってマグカップのアイスコーヒーを、半分ほどを一気に飲んだ。

うん美味しい。

すぐにクラリーナがマグカップに継ぎ足してくれる。


「そういえば、クラリーナはゾリオン村に帰ってから冒険者ギルドにギルドカード更新に行くとCランクになるんだけど、良かったな。これで俺たちな全員Cランクだよ」

「実感がまったくないですね。しん様とお会いして結婚が決まってからまだ数日しかたってないんですし、私が奴隷のように冒険者登録してからも10日もしてません。でも・・・今は毎日が楽しいですね。冒険者になって経験も全然足りなくて、まだまだ一人前ってレベルじゃないんですけど・・・やっぱり楽しいです」

「それなら、俺もうれしいよ。なんか無理矢理に冒険者にさせてるんじゃないかって心配してたんだ」

「それはないですね。楽しいのは『魔法』ですかね。以前に教会で司祭様に『君には魔法の才能を感じる』って言っていただいた時もうれしかったんですけど、しん様に『クラリーナは魔法の申し子だ』って言われた時は天にも昇る様なうれしさだったんです」

「実際にクラリーナは魔法の申し子だよ、間違いなく。俺の中にある知識と経験も同じように感じてる」

「初めてダンジョンに来た時はこき使われて失敗しては責められて、他人の失敗まで『お前のせいだ』って責められて、冒険って辛いんだと思ってましたけど・・・早乙女遊撃隊に入れてもらってからは、まったく逆で私が失敗しても、アイリさんもミーさんも笑って許してくれるし、しん様もアドバイスをしてくれてフォローまでしてくれるし・・・楽しいんです」

「・・・」

「自分が皆さんに魔法でほんの少しでも貢献出来てるって思うと楽しくてうれしいんです。・・・居場所がなかった私が・・・必要って・・・うれしいんです」


うーん・・・泣かせてしまったな。

俺は左手に持っていたマグカップをカップホルダーに置いて自分の左側のバーに腰掛けるクラリーナの頭を、ポンポンと優しく叩きながら優しく声をかける。


「俺の愛するクラリーナの嬉し泣きなら大歓迎だよ。間違いなく俺にはクラリーナが必要な存在だ。早乙女一家にもクラリーナは必要な存在だ。チーム早乙女遊撃隊にもクラリーナは冒険者として必要な存在だよ」


うぇーんって声をあげて泣いてしまった。

時々しゃくりあげるようにエグエグいってる。

ちょっと泣きたい感情が溜まっていたんだろう・・・クラリーナはまだ18歳だ。

思春期の女の子は時々そんな感情が自分で制御できなくなるときがあるって、昔に付き合っていた女性に言われた事がある。

話を聞いていたアイリとミーも運転席に上がって来てクラリーナを抱きしめて慰めている。


そのまま4人で雑談していたが・・・クラリーナが俺と2人っきりになれる自分の時間が短くなったことに気付いたのはゾリオン村に到着する寸前だった。

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