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ノホホン馬車の旅が一転・・・暗雲が立ち込めてきてるので家族会議開始っす。

11・13修正しました。

午後の休憩は午前の休憩と一緒で路上で馬車を止めての休憩だった。


流石に20台以上の荷馬車を停車させて休憩できる場所は早々ない。

こっちの休憩場所ではハーブティーが出されている。

ゾリオン村ではハーブティーの方が用意がしやすいからね。大草原の中にある村だけあってハーブなんてそこらじゅうで自生してるし、ゾリオン村からヨークルに送る荷物の半分はハーブになる。

ゾリオン村の特産になるのかな?

・・・周囲には田んぼと草原しかないけど。


休憩所となる屋根だけのテントの下で、ノホホンとハーブティーを飲みハーブ入りのクッキーをかじってた俺が突然、立ち上がって大声で叫ぶ。


「アイリ、ミー、クラリーナ迎撃体勢をとれ! ワイバーンが襲って来るぞ! ヤツラ、上空から荷馬車の馬を狙いをつけてこっちに飛んできてる。もうすぐこっちに来る。3人は職人さんたちの命が最優先だ! 防御を! 俺は迎え撃って退治する。ワイバーンの数は3。こっちの方角から来るぞ!!」

「「「はい」」」


やべぇ、時間がない。

上空は警戒してなかったぞ・・・トカゲのクソッタレが。

俺はテントから猛烈な勢いで走り出す。

同じテントで休憩していた護衛の人達が慌てて装備をアイテムボックスから取り出してる。

他のテントの人達はポカーン状態で固まってる。


荷馬車の馬たちはワイバーンの気配を感じたのだろう、少しパニックになって騒がしい。

何かにおびえて騒ぐ馬達の様子に驚愕し右往左往している馬の世話人たち。


クソっ、間に合わん。

俺は馬を狙って急降下してきたワイバーンに向けて、走りながら槍を投げつける。

迷賊たちの遺品の槍だな。

槍の質が悪いので普通この程度の武器ではワイバーンには刺さるどころか傷つけることすら難しいのだが、俺が魔力をまとわせて本気で投げつけた槍はワイバーンの頭を吹き飛ばした。

ワイバーンはそのまま地面に落下して転がっていく・・・絶命だな。


「よっしゃ!」


あと2頭。

そのまま俺は馬の前を通り過ぎてワイバーンに向かって走り出す。アイテムボックスから『天乃村正』を取り出してカタナの鞘はアイテムボックスに入れる。


「ちょっと飛べるからって調子に乗るな! トカゲやろー! こっちにこい!」


強烈な挑発をワイバーンに叩き付けた。

まぁ俺も飛翔魔法で飛んで退治は可能だし、魔法で退治した方が簡単なんだけど、この大人数の目の前ではやめておく。

持ってるカードの中身をさらすのは今のタイミングではないからな。


ワイバーンが俺に向かって急降下突撃をしてきた。

『激おこ』って感じだ。

俺のほうにファイヤーブレスを放ってきたが、俺はカタナを横薙ぎに一閃して炎をかき消す。

『天乃村正』は水と光の属性を持つ破邪のカタナだ。

高々ワイバーン程度のブレスはこの程度で消滅させられる。

『天駆』スキル魔法を発動させてワイバーンの後ろに回りこんで、さらに空を駆け上がる。


天駆スキル魔法は『剣客』スキルをマスターすると得られるスキル魔法。

10歩まで空中を駆け回ることが出来るようになる。

自分の放ったブレスを瞬時にかき消され慌てて離れようと首を回した先には俺のカタナが待っている。


「ま、しょせんトカゲ脳だな。わかりやすすぎ」


ワイバーンの頭にカタナを突き入れ瞬殺する。

俺は突き刺したカタナを抜き取る時に、殺したワイバーンの体を足場にしてもう一度天駆を発動する。

絶命して墜落して行く仲間に近寄ることも出来ずに10mぐらい離れた空中でホバリングして絶叫する生き残ったワイバーン。


「グギャーーーーー」

「あー、うっせぇ。ほい、ラスト!」


生き残ったワイバーンの真正面から飛び込んで口の中にカタナを突き刺してワイバーンの脳を破壊させて戦闘終了。


ここまでの戦闘は目にも留まらぬスピードでおこなったので、荷馬車の列から300mほど離れて戦っていた俺の動きは誰にも見えていないだろう。

馬の世話人以外は停車中の荷馬車の列の反対側。


全長が8mほどで少し小型の3頭のワイバーンの死体を、そのままアイテムボックスに入れて片付けてから、みんなのいるところに戻る。


退治したワイバーンの3つの死体をみんなの前に並べるとみんながフリーズしてた。

固まってるのでまたアイテムボックスに片付ける。

護衛任務中の退治した獲物は退治したチームに所有権がある。

うちのチーム早乙女遊撃隊の所有物って事だ。


みんながフリーズしてるのは当たり前だったりする。

荷馬車での移動においてのワイバーン襲撃は『いかにして退治する』ではなく、『いかにして被害を最小限に抑えるか』が護衛の腕の見せ所。

ワイバーンは人はほぼ狙わない。

人を運ぶ馬の方が獲物として美味しいから。

人間みたいな小さな生き物をわざわざ狙わなくても、より大きな生物や魔獣のほうが腹も膨れるだろうし獲物は大草原にはたくさんいる。

人間は獲物とすら思われていない。

だから馬の犠牲を最小限に抑えて移動に支障が出ないようにさせるのが護衛の仕事になるのだけど・・・俺が1分もかけずに全滅させたからな。


ワイバーンはウェルヅ大陸の中央を南北に走るウェルヅ山脈の生物。

ここのウェルヅ大草原に来るのは獲物を探しにやってくる。

山脈の近くの岩場には炎虎がいるがあまり襲わない。

逆襲されて逆に食われる時の方が多かったりするからだ。

炎虎の方が美味しい餌がふってきたって感覚だろう。


ほとんどは草原の西の方に群れで暮らしてる野性の馬の集団を襲うのだが、群れを捜してる空腹のワイバーンに荷馬車が運悪く見つかってしまうと襲われる。

ワイバーンを狩るのは優秀な冒険者のチームが複数の集まって作った討伐隊の仕事であって、護衛の仕事は荷物と人員と馬を出来る限り守ることとなってる。


ウェルヅ大草原にはもっと野生の馬が草原中にたくさんいたのだが、馬が大好きなグリーンウルフとワイバーン、それに馬車などに使用するために捕獲する人間に狩られて大草原の東側にはほとんど存在しなくなってしまった。


突然のワイバーン襲撃で動揺していた馬をなだめるために、休憩時間を延ばして落ち着かせていた。

・・・馬って俺が近づいたら怯えるかと思っていたけど・・・俺が近づくとペコリと頭を下げるんだよ。

馬にとって天災としかいえないワイバーン襲撃から俺が守ったところを見ていたからな。

自分達の守護者ってのがわかるんだろう。

馬は群れの生き物だからな。

1トンぐらいあってデカ過ぎるけど結構可愛かったりする。

つぶらな瞳ってやつが良い。


俺にとってウザかったのは何人かの人間の方だった。

職人の人達は豪快な人が多くて俺にお礼を行って笑ってる人達しかいなかったし、護衛の人達もほとんどは守ってくれてありがとうって、素直にお礼を言って感謝してくる人達ばかりだ。


けど・・・何人かは俺にお礼を言ってはいるが、ワイバーンを瞬殺する俺に敵意をぶつけてくる人間はいないが・・・明らかに怯えて逃げて行く人間が何人かいた。


俺の中の記憶と経験が警報を鳴らしている。


自分の腕に多少の自信があったのだろうが、そんな自分の自信はワイバーン襲撃で木っ端微塵に砕け散った。

立場上、逃げて隠れることも出来ずに怯えて震えていたのだろう。

そんな自分の情けない姿にさせた恐怖のワイバーンを3頭も俺が傷一つ負わずに瞬殺してるのだからな。

ワイバーンの一撃で葬った死体を目の前に並べられたんだから恐怖も倍増だろう・・・目の前での戦いに疑う余地もない。

化け物を見る目で俺を見て、勝手に怯えて勝手に恐怖してる。


こういう人間を体を張って守って、こういう人間に迫害されてきた転生者の記憶や経験が、何十人分も入ってる俺には彼らへの怒りがわいてきてしまってる。


護衛隊の副隊長がその1人なのだった。

副隊長のグループ6人ほどが、そんな目で俺を見てる。

俺には恐怖で怯えた目線で見るくせに、俺の嫁には欲望で染まる薄汚い目で全身を嘗め回してる。


要注意人物だな。

こういうカスがいつも問題を起こして転生者を精神的に迫害し追い込んできたのだ。

群れることでしか行動できない無能者の集団が集団の暴力を使って。

ゾリオンには護衛隊は真偽官の面接を受けさせてから選んだ人員しかいないって聞いてはいたが、これは面倒くさいことになりそう。


馬達も落ち着いたので午後の休憩は終了。

ゾリオン村に向けて荷馬車船団は走り出した。

俺は自分のキャンピングバスに戻って嫁たちと協議を開始する。

あの護衛隊の副隊長のグループには先に対策を立てておかないとな。


荷馬車船団の最後尾につけて午後の休憩場所を出発してから20分ほどがたち、俺はキャンピングバスの運転を自動操縦に任せて、運転席に取り付けてあるガラスに幻影の魔法をかける。

毎回魔法をかけるのも面倒に思ったので、運転席の上部の屋根に魔石を取り付けて幻影の魔法を封入し、魔力を込めるだけで誰でも幻影魔法がかかるようにしておく。


アイリ達もキャンピングバスに戻ってきてからトイレを済ませて待っててくれたみたいだった。

俺も先にトイレを済ませてから俺の分のシートに腰を降ろして作戦会議に入る。

午後の休憩時間までのピンクな空気は既にない。

休憩後の出発前に布団やマットは片付けてファーストクラス仕様のシートが4つ並べられている。


「ねぇ、しんちゃん。作戦会議がしたいって・・・あいつらのこと?」

「ああ、あの薄汚い目で俺たちを見ていたヤツラのことで話をした方がいいとおもってな」

「護衛隊の副隊長でしたっけ・・・気持ち悪い目で私たちを見てたわね。クラリーナを見て舌なめずりしてたわよ」

「アイリさん、あの目は物凄く気持ち悪かったです。ダンジョンで死んだ元結婚予定の人のチームの人達みたいでした」

「あの性欲以外はザコチームの? ウフッ、ザコっぽさがにじみ出てるからかな?」

「おいおい、ミーおちょくり過ぎ」

「でもさぁ、しんちゃん。あーゆータイプのザコって絶対に深夜に襲ってくるもん。ワンパターン過ぎて相手にするのも疲れる。隷属の首輪とか持ってきそうな陰湿な人間」

「あるある。そんな感じだね。・・・なんでこう、性犯罪にしか脳味噌を使えない人間がいるんだろうね」

「脳味噌の変わりに精液でも詰まってるんじゃねぇーのか? 俺を見たとたんに逃げるのに・・・どう、企らんでるんだろう。ワイバーンで実力差は見てるのに」

「深夜に忍び込んで隷属の首輪をしん君に使えば完璧だ! ワイバーンを瞬殺出来る奴隷は手にはいるし、女も3人も手にはいる。凄いゴーレム馬車にも乗ってるから財産もたくさんあるだろう。ワイバーンの死体も質が良かったから高く売れそうだし、全部ただで俺らがいただくぜ! ガッハッハ。ぐらいに考えてるんじゃないかな?」

「ブハッハッハ、アイリー、笑わせないでよ。そもそもワイバーンが3頭もいて空中からでも近づくことさえ出来なかったのに、どうやってしんちゃんに近づけるのよ」

「そーねぇ、今までのパターンだと・・・『今日は助けていただきありがとうございます。コレは私が持ってる秘蔵の酒です。お礼代わりに皆様でお飲みください』ってシビレ薬入りの酒を渡してきそうね」

「そこまでいったら逆に見たくなっちまうな。あいつらがどういう罠を張ってくるんだろうな」

「今日は家に帰らずにゾリオン村の郊外でキャンピングバスに泊まっちゃおうか?」

「私はミーの意見に賛成。あんな脳味噌精液チームが慌てふためいて狼狽する場面が見たい」

「俺も賛成する。俺の嫁を欲望で狂った目で見てるだけで満足していればいいものを、実行に移すようなカスは死ねばいい。それと、俺の中にある転生者の経験と知識が言ってるんだ。あんな欲望にまみれた人間に迫害を受けてきた転生後の人生だったんだって。ヤツラを殺せって俺に言ってくるんだよ。逆に俺は殺さなくてアイツらを罠にはめて腹の底から笑ってやりたい」

「私も賛成します。それと・・・みなさん、私の為に怒ってくれてありがとうございます」


確かにクラリーナのために怒ってる部分は、俺にもアイリにもミーにもあると思う。


お昼の休憩時間に歩いてる時に護衛隊の隊長と会って話をしていると、ヤツラが欲望にまみれた目でクラリーナを見ていたのだ。

クラリーナはそれに気付きほんの一瞬だけ怯えた表情をした。

その表情を俺もアイリもミーも確実に見ている。

クラリーナのトラウマをなくすためにもヤツラには出来るだけ滑稽に、無様をさらしてもらうためにしていた会議だ。

クラリーナも必要以上に茶化して話す3人の会話で気付いたのだろう。

昼食後の俺との行為で求めてきた情欲も怯えの裏返しかもな。過去を忘れようと、過去を乗り越えようとクラリーナは戦っているんだろう。


馬鹿をバカにして遊ぶためには念入りな準備が必要。あらゆる状況に完全に対応できないとな。

3人には俺の祝福『早乙女に愛されし者』があるので隷属の首輪は完全無効化される。無理矢理に取り付けられても何の変化も起きないし隷属の首輪が壊れることもない。


隷属の首輪に対してはうちのチームの対策は必要ないな。

後で連れてくる予定のセバスチャンとマリアはゴーレムで隷属の首輪は無意味だし、俺は祝福・主神の祝福(天運)でこれまた無効化されてしまう。


隷属系の魔法やアイテムを無効化できる俺と嫁の祝福って言うのはありがたい。

チートバンザイだな。

自分の欲望に忠実なヤツラが俺を隷属させたらイーデスハリスの世界の均衡が崩壊するので、そのための処置だろうとは想像できるけどな。

俺からの祝福『早乙女に愛されし者』で隷属化を無効にするというのは・・・もう俺に洗脳されてるってことなのかな?。

会議は活況をもって踊りだす。馬鹿をはめてバカ笑いするために!


とりあえず俺は17時をまわったので予定通りの待ち合わせ場所に、るびの・セバスチャン・マリアを迎えに行く。

そのまま早乙女邸に3人を送りるびのの世話をマリアに任せて、俺とセバスチャンはキャンピングバスに戻る。


馬鹿が起こしうる、いろんなパターンに対して会議は白熱したが・・・全部無駄になってしまった。

俺たちチーム早乙女遊撃隊が想像していたよりも・・・コイツらはもっと欲望に忠実で、もっともっとバカだった。


ゾリオン村に到着して俺は村長宅に向かうようにと呼び出しが門まで来ていた。

迎えに来たのは冒険者ギルドのゾリオン支部のギルドマスターであるアクセル・ビッタート。

ビッタート卿と再会の握手を交わす。

バイドが待っているって言うので、俺はセバスチャンを嫁たちの護衛としておいていくことにする。

セバスチャンには護衛隊副隊長の話はしてあるので護衛警戒レベルは上げておくように指示。

全員で連れ立って歩く。


村に入って最初に感じたのは・・・ゾリオン村は今、開拓村への移動で活気を帯びている。

大量の物資と人員が毎日次々とこの村に送られてきているからだ。

最大障害の盗賊たち&銀大熊が全滅して荷馬車に連続的に襲撃をしていたグリーンウルフたちは姿も見せない。

開拓村に先遣隊と物資の移動が始まってるが、まったく被害がない状況で推移している。


まぁ溢れ変える村内の活況に住民達があちこちに屋台を出してちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。

数日前に俺がゾリオン村からヨークルに向けて出発したときは、村の活況にはどこか薄く暗い影が残っていたんだけど、元気に走り回るバイドの姿によって暗い影は一掃されたみたいだな。


3人の嫁をビッタート卿に紹介して挨拶をさせた。


「初めまして。私はゾリオン村の冒険者ギルドマスターをしています『アクセル・ビッタート』です。早乙女君やギルド職員には『ビッタート卿』なんてあだ名で呼ばれています。奥様方もご自由にお呼びください」

「初めまして。アイリ・早乙女です。Cランクの冒険者です。アイリとお呼びください」

「初めまして。ミネルバ・早乙女です。私もCランクの冒険者です。ミネルバとお呼びください」

「初めまして。クラリーナ・早乙女です。私は冒険者に成り立てでランクはEになりました。私のことはクラリーナとお呼びください」

「初めまして、早乙女真一様によって製造された執事ゴーレムのセバスチャンでございます。以後お見知りおきを。セバスチャンとお気軽にお呼びください」


流石のビッタート卿もビシッとした完璧な挨拶をしてお辞儀するクマのゴーレムに驚愕していた。


「じゃあ、俺はバイド前村長に呼ばれているんで今から行ってくるよ。みんなはどうする?」

「私達は屋台を回ってくるよ。ビッタート卿のお勧めってありますか?」

「それならアイリさん、今のゾリオン村で流行っている『おにぎり』がいいですよ。手軽に食べられるようにお米を三角に握ってあるので『おにぎり』というんだと言われてますね。お米の中にいろんな具が入ってます。金額も1個200Gから800Gぐらいで具の種類がたくさんあって美味しいのでお勧めです。私が気に入ってるのは『香草と薬草の塩もみ』と『デカウサギ肉の香草焼き』がお勧めです」


・・・おにぎり流行ってるんかよ。

御者さんたちも絶賛していたけど、確かに気軽で食べやすいし中の具は千差万別で屋台として特徴を出しやすいからな。

これは、おにぎりスキーの俺もちょっと嬉しい。

ここに俺を呼び出ししてるのに待ちきれなかったバイドが自分の執事と親衛隊10名の面々を連れてやってきた。

全員で挨拶のし直しだった。バイドが連れてきた執事と親衛隊の隊長とも挨拶をして握手を全員で交わす。


ここに悪巧みの相談を終えた護衛隊副隊長のグループ全7人がやってきたのだった。


「早乙女君、先ほどは助けていただいてありがとう。これは俺の地元にある秘蔵の酒でね。君に進呈したい。お礼として受け取って欲しい」


って、副隊長がニヤニヤして言ってきた。馬鹿が炸裂してるな。

『鑑定の魔眼』を先天的に持っているビッタート卿を目の前に、麻酔薬と毒薬が混入された酒を俺に渡してきたのだ。

・・・馬鹿やろう。

馬鹿を笑い者にするすべての計画が台無しになった瞬間だ。

俺たちが思ってる以上にコイツ等は馬鹿だった。

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