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転生13日目。今日は朝から大忙しだ! っす。

11・9修正しました。

イーデスハリスの世界に転生して13日目の朝がきた。


今日は早起きだ。

7時前には外周部の倉庫街にあるガルディア商会の倉庫に集合になっている。

5時半に起こしてくれと頼んであるが、朝はほとんどマリアがコーヒーを入れてくれるのでその美味しそうな香りで目覚めてしまう。

今日も目覚めはマリアのコーヒーの香り。


「おはようございます、ご主人様。そろそろ時間でございます」

「ああ、マリアおはよう」


俺がベッドから動きだすと嫁たちも目覚め始める。俺は寝室の洗面台に行って顔を洗う。

寝室のソファーに来ると皆が起き上がってきていた。


「しんちゃん、マリア、おはよう。私は今朝は紅茶でお願いね」

「承知しました。ミネルバ奥様」

「しん様、ミーさん、マリアさんおはようございます。マリアさん、私は今日はハーブティーをお願いします」


注文をマリアに言ってからクラリーナが俺と入れ替わりに洗面台にいく。


「承知しました。クラリーナ奥様」

「ミー、クラリーナ2人ともおはよう。で、アイリは相変わらずか?」


朝の弱いアイリは起き上がってソファーに座っているのだが、まだ目覚めきっていない。

ポワーンとした顔でユラユラ揺れてる。


「みなしゃん、おひゃよー・・・」


ククク・・・ユラユラ揺れてて目覚めきれないアイリは可愛い。

今日は朝が早いんでまだ90%ぐらい寝てるな。

だが、このままだと時間がかかるのでミーに任す。

付き合い長くて手馴れてるからな。


「ミー、アイリを頼むよ」

「はいはーい。ほら、アイリ、顔を洗いに行くよ」


ミーに連れられてアイリも洗面台に行った。入れ替わりに洗面台から戻ってきたクラリーナがマリアの入れてくれたハーブティーを飲んでる。


「クラリーナに話があるんだ。予定通り今日からゾリオンの依頼が始まる。その依頼の中で物資の運搬がある。契約では1人125個で合計500個の荷物を運ぶことになってるが、クラリーナには200を運んでもらって、俺たちが残りを1人100ずつにして欲しい」

「え? どういうことですか?」

「俺のアイテムボックスはクラリーナも知ってるように無限だ。だけどステータスカードでは無限サイズではなくサイズは中にしてある。アイテムボックス(中)だと2m×2m×2mの箱を125個で満タンになる計算だから、箱以外のものが入らなくなるはずなんだよ。でもゾリオンがわざわざこの数字を出してきたのは、俺たちの能力を探ってるんだと思う。本当の限界はもっと先にあるんだろうと思ってるから、この数字を出してきたんだと思うよ。たぶん木の箱のサイズも2m以上にしてあるやつがいくつか混ぜてあるはずだ」

「・・・」


「だけどクラリーナはアイテムボックス(大)だから200個でも余裕だ。それで全員100個にすればゾリオンの探りも外せるし、運ぶ数も問題ない。それでも契約だのなんだの言ってくるならガルディア商会とケンカになっても良いし、その結果違約金が発生してもかまわないしな。それに俺にそう言って断られることもゾリオンは計算済みだろう。アイリとミーは実際にサイズは中だからな。ということでクラリーナが200個運んでくれ」

「わかりました」


途中から話を聞いていたアイリとミーも納得してくれた。

朝食はキャンピングバスの中でも食べられるしあとでいいからまず俺は着替える。

今日はもう防具を装備しないとな・・・アイリたちにも着替えるように言っておく。

俺が着替えた終わった時にるびのが起きてきたので、るびのに今日の予定を伝える。


「るびの、とうちゃんたちは仕事で今から馬車の旅だ。るびのには退屈だろう。だからるびのはマリア・セバスチャンと一緒に、昨日行った大森林にまた今日も行って狩りをしてくるってのはどうだ? 送り迎えはとうちゃんが魔法でしてあげるからな」

「うん。やったー! 馬車の中って退屈だもん。オレは狩りに行きたい!」

「よーし、それなら今から行くぞ!」

「おー!」


るびの・マリア・セバスチャンを連れて大森林のいつもの集合場所に転移する。

るびのに昨日寝る前に作った腕輪をプレゼントして装備させる。

念輪の使い方を簡単に教えて後はマリアとセバスチャンに頼む。


寝室に転移で戻るとアイリたちが後片付けまで済ませてあった。

施錠を確認してキャンピングバスにみんなで乗り込む。

ガレージなどの施錠はユーロンド達に任せて出発する。

これから長い旅の始まりだな。

少し嬉しくなってきた。


ガルディア商会の倉庫に行くと、ゾリオンと長男のギルまでいた。握手をしながら挨拶をする。


「ゾリオンさん、ギルさん、おはようございます。今日からよろしくお願いします。あ、もう依頼主なんですから様で呼んだほうがよろしかったですね? 失礼いたしました」

「おはよう、早乙女君。ずいぶんと早く来てくれたんだな・・・話し方は敬語も様付けもなしで、今までどおりでかまわんよ。ワシの次男の窮地を救ってくれた救世主って君の立場は変わらんからな」

「早乙女さん、おはよう。そうだよね・・・父の言うとおり君が弟の救世主というのは間違いないよ。だから話し方なんか気にしないでくれ」


「わかりました、ありがとうございます。それで早く来たのは理由がありまして。運ぶ荷物のことなんですけど全部で500個運ぶのは大丈夫なんですが、今ここにある荷物を見る限りでもサイズがかなり様々ですよね? それで1人125個っていうのは不安があるんで、クラリーナだけ200個でそれ以外は100個ずつで計500個という形にして欲しいのですが・・・彼女はアイテムボックス(大)なので。それでお願いします」

「早乙女君、荷物がどんな形であれ運んでもらえればワシはかまわんよ。金属の塊はサイズの調整が出来るが、石はちょっと無理があってね。こちらとしても頼んでおきながら申し訳ない」

「大丈夫です。早乙女さんに心配させて申し訳なかったですね。では時間もないことですし荷物の方を先にお願いします」


俺達が1人ずつ分かれて荷物を1つずつ確認してサインを毎回しながらアイテムボックスに入れて行く。


荷物を入れ終わってから、そういえばゾリオンにもう一つ言いたいことがあったのを思い出した。

宿の問題だ。

話をしたらゾリオン村の村長宅で泊まってもらうつもりだったが、と残念がっていたが了承してくれた。


その後で今回一緒に行く職人さんたちのグループのリーダーを紹介してくれた。挨拶して握手。

護衛チームの人たちとも挨拶させてもらう。

荷馬車1台に護衛が2人、護衛が荷馬車の御者を交代でする。

予定では荷馬車10台で職人100人と護衛20人と俺たちだと聞いていたが、荷馬車9台も追加になっていた。

この9台には職人さんたちの荷物が3台と食料品などが5台、あと1台は食堂などで働く人たちが10人だった。

その荷馬車にも護衛が2人ずつ乗るので護衛は合計36人+俺たち家族。

職人を運ぶ荷馬車と荷馬車の間に追加された荷馬車が入る。

俺のキャンピングバスを含めると20台の荷馬車船団になってる。

職人さんたちから荷物はたくさん載せれるようになったし、自分達のスペースも広くなったとお礼を言われた。


開拓村の荷馬車船団が出発する。

最後に走リ出した俺のキャンピングバスが出て予定通り朝の7時半にヨークルを出発した。


都市ヨークルはシーパラ大河を北に、ヨークル川を南に面した中州にある。

2本の川の合流地点。

1000年以上前にこのヨークルの重要性を2人の魔道士兄弟が見抜き、ここにあった中州を魔法で石の城塞都市を作り上げた。

シーパラ大河とヨークル川に橋を架け水路と陸路の重要交流地点とした。

魔法で作り上げられた城塞都市『ヨークル』という名前は作った兄弟の家名が都市の名前となった。

2人の魔道士兄弟の兄『アリザウム・ヨークル』弟の名前が『ビリザウム・ヨークル』


都市の中心にあった城は500年前の聖獣白虎の襲撃で一瞬で消滅している。

城塞の堅固な守りをたのみにし、ここの都市ヨークルから何度も大草原に住む白虎へと討伐部隊を送り込んで逆鱗に触れ、怒り狂った白虎が城にこもる5万人の兵士・30万人以上の住民ごと一撃の魔法で消滅させたらしい。

だから1000年以上前に作られた城塞で白虎襲撃後には城壁・運河・用水路、そして2本の大きな橋しか残らなかった。


ヨークルの南北にある2本の川には橋が架けてある。

幅は10mもあり長さはヨークル川の方は600mほどあり、シーパラ大河の方は1kmを超える。

橋を架けたのは魔道士兄弟。

2人の兄弟魔道士の名前は橋の名前として残っている。

シーパラ大河の長い橋の名前が『アリザウム大橋』兄の名前。

ヨークル川の方が『ビリザウム陸橋』弟の名前。

名前が似てるので『アリーおおはし』と『ビリーりっきょう』と区別して、昔からあるあだ名で呼ばれている。名前を言わずに『おおはし』と『りっきょう』と呼び分ける人がほとんどだけど。


そのアリザウム大橋を渡ってゾリオン村へと続く街道を走る荷馬車船団の最後尾でキャンピングバス。

橋を渡ってのどかな街道に入ってからアイリとミーとクラリーナの嫁3人にキャンピングバスの操縦を教えた。

はじめは前方の荷馬車に接近し過ぎてキャンピングバスにピピッという警告音を鳴らさせ自動ブレーキをかけさせたり、逆に離れ過ぎてピーと警告音を鳴らさせて自動アクセルを発動させたりしていたが・・・この嫁3人はすぐに慣れて問題なく運転できるようになってる。

・・・学習能力高過ぎるな。

俺の場合はチートだから参考にならんし。


朝食のサンドイッチは食べ終わって・・・すんごいヒマ。

運転は嫁3人が交代でしてくれてる。

運転が馬を操縦するんじゃなくて自分で操縦するという感覚が物凄く楽しいらしい。

午前中の休憩時間に3人の嫁はキャンピングバスの駐車の練習も済ませたし、馬車の駐車場からの発車も俺の横で見ていたので大丈夫だな。


時間は10時半、セバスチャンと念輪で連絡をとるとオークの群れを殲滅し終わったところらしい。

ビックリしたので会いに行くことにした。

嫁に話をして大森林に転移する。

セバスチャンのいる場所を魔法で探りさらに転移。

セバスチャンとマリアの周りに30頭ほどのオークが転がってる。

その横でマリアに叱られてシュンとしている、るびのの姿がある。


「とうちゃん、オレもオーク3匹狩ったよ! でもね、それからオークに追いかけられてセバスにーさんとマリアねーさんに助けてもらったんだ」

「るびの、オークは群れる魔獣だから、目の前の獲物だけじゃなくて周りへの注意も必要だぞ? マリアに聞いてなかったのか?」

「ゴメンなさい。聞いてました」

「じゃあ、なんでこんな無茶をしたんだ?」

「オレのスピードなら大丈夫! って思った。でも血の臭いでオークが集まってきて」

「そう、周囲に注意するってのは距離だけじゃなくて風向きにも注意は必要だ。そこを計算できなかったのが、今回のるびのの落ち度だな」

「とうちゃん、ゴメンなさい」

「俺に謝るんじゃなくて、セバスチャンとマリアに謝りなさい。それで助けてもらったお礼として、感謝の言葉も言いなさい」

「セバスにーさん、マリアねーさん、ゴメンなさい。それと助けてくれてありがとう」

「「はい、良く言えました」」

「よし。じゃあ、マリアとるびのでオークの解体と回収をしてきなさい」

「「はい」」


るびのとマリアが手分けしてオークの回収をする。

俺はセバスチャンに話しかける。


「セバスチャン、ここの周りにはオークがたくさんいて幾つもの群れがある。るびのの対集団戦・集団への狩りと勉強することはたくさんあるな」

「はい、ご主人様。そう考えたのでここを選びました」

「失敗して経験して学べることはたくさんある。さすがだなセバスチャン」

「お褒めの言葉、ありがとうございます」

「それで話なんだけど、いつもの待ち合わせ場所はここから結構離れていて移動の時間が無駄になるな。これからここでるびのが学べるのは明日までぐらいかな?」

「はい、その予定でございます。明後日は大森林のもっと東側での狩りをする予定です」

「東側って言うと森林の山岳地帯か。ってことは明後日の狙いは大鹿魔獣か?」

「はい。明後日ぐらいになれば森林の山岳地帯での狩りも可能だと思います」

「わかった。じゃあ、今日明日はここを集合場所にしよう。明後日は・・・どこか目印になる集合場所はあるか?」

「あります。MAPをご覧ください」


俺は普段は脳内で縮小表示されているMAPを目の前に大きく展開した。

すると大森林の山岳地帯に赤く点滅する所がある。


「点滅させてるところか?」

「はい。この辺に巨大な石がありまして、隣に小さな池が2つあります。ここなら遠くからも確認できますし、目印にしやすいと考えられます」

「わかった。今から飛行魔法で行って確認してくる。じゃあ、これからもるびのを頼む」

「はっ、承知しました」


右の前足で『解体』と解体魔法をかけて、左の前足で『回収』とアイテムボックスに収納しているるびのに近づいて話しかける。


「るびの、今セバスチャンと話し合って今日の集合場所をここに決めた。だから夕方に俺がここに迎えに来るよ。るびのはそれまでマリアとセバスチャンの言うことをしっかり聞いて勉強して狩りを頑張れよ」

「うん! とうちゃん、がんばるよ。もう失敗しないようにする」

「失敗はしてもいいんだよ。ただ、同じ失敗を繰り返さなければいい。それだけだ。わかったな?」

「うん! わかった」


それじゃあなと手を振って俺は飛翔魔法で飛び上がりセバスチャンに教えてもらった場所まで飛んで行く。

遠くからでもすぐにわかった。

地上に出てる分だけで、高さが15m以上もある超巨大な石だ。

隣に小さな池も2つある。

これはわかりやすいのでMAPにマーキングしておく。

名前も『大森林大石』と勝手に命名した。


これでもうすることが無くなったので転移してキャンピングバスへと帰る事にした。

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