とんこつラーメン伝説ってマジっすか?
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とんこつラーメンにとうとうやってきた。
個室を借りて皆で移動して注文をする。
4人でとんこつラーメンとチャーハンのセットを頼む。
るびのは爆走鳥の肉2kg・クマ肉2kgを選ばせたら全部って言われたので全部軽く炙ってあげたら、ガツガツ食って・・・お代わりしそうな勢いだ。
セバスチャンの報告では昼もクマ肉5kgほど食ってる。
この体のどこに入っていってるのか疑問だな。
今は柴犬を超えてボーダーコリーほどの大きさになってるし、この肉は成長力に変換されているんだろうと想像? 推定? 妄想? している。
お代わりついでに、もっと歯ごたえが欲しいとリクエストされてしまったので森林モンキーの肉を骨付きのままで渡したらバリバリ食ってる。
まぁ魔獣の頂点の『聖獣』だからな・・・骨ごと食っても問題ないだろう。
葉っぱも食べたいって言ってたので薬草をあげたらモシャモシャ食べてる・・・何でもよく食うなぁ。
ヨークルではラーメンが超高級品だったのは驚く。
1杯1万G。
チャーハンも同じ1杯1万Gだった。
何でこんなに高いのかアイリたちに聞いた。
・・・うな丼が1杯300Gなのに。
ちょうど注文した人数分のとんこつラーメンとチャーハンを店員が運んできたので食べながら話す。
「なぁ、聞きたいことがあるんだけど・・・なんでとんこつラーメンがこんなに高級品なの? 特別な材料でも使ってるのかな? 日本と値段が違い過ぎて違和感がハンパないんだけど。他には絶対に真似されたくないから、秘伝の材料から秘伝のレシピでもつかっているのかな?」
「この店は昔から、とんこつラーメンもチャーハンもチャーシューもレシピを聞けば誰にでも教えてくれるよ。とんこつラーメンの材料も聞いた話では出汁で使う昆布の安定的な入手に少し手間がかかるだけ。後はオークの骨と爆走鳥の骨と野菜を数種類煮込めば出来るって聞いた事があるわね。なんでこんなに高級品かって言うと、いくつかの伝説があるわ」
「伝説って?」
「そうなんです。今アイリさんがおっしゃったように『とんこつラーメン』には幾つかの伝説があります。100年以上も前の話なんで、私も聞いただけなんですが伝説ではこの店に1万人以上が行列を作って並んだ。というのがあります。当時はとんこつラーメン1杯600G・チャーハン1杯500G・セットで1000Gの値段で販売されていたと聞きました」
「それで騒動になって、この店に苦情を言いにきたこのヨークルの役所の人や飲食店関係の人が500人以上も列を作ったという2つめの伝説」
「そりゃそうよね。今クラリーナとアイリが説明したように、大行列で宿屋の中はパニックになって外ではケンカ騒ぎが連発してたという話だからね」
「その騒ぎの中で寝不足の主人がラーメンもチャーハンも1杯100万Gにするってブチギレして大混乱に拍車がかかったの。それを聞いた常連客の千人以上の冒険者が怒って役所と商業ギルドに怒鳴り込みに行った。大騒ぎの中で協議されて決まった値段がこの金額ってわけ。そうよねクラリーナ?」
「はい。何しろとんこつラーメンとチャーハンのレシピをもらって作った人がどんなに頑張っても、ここの店に届かなかったという話ですからね。それが騒動に油を注いで炎上って話です。値段を決める時も当時の『商業ギルドマスター』『冒険者ギルドマスター』「ヨークルの都市長官』達が協議を重ねて決まったとの伝説があります」
・・・なんだよそれ。
騒動どころじゃねぇーし。
もはや暴動になってるじゃん、たかがラーメンで・・・いや、もしその当時に俺がいたら役所か商業ギルドを魔法で燃やしたかも知れんな。食関連の恨みは尋常じゃないからな『日本人』は。
みんなが食べ終わったので料金を払い店を出る。
味は確かに評判どおりの美味しさだった。
チャーシューは1本1万Gで販売されていたのでお土産で5本購入した。
ホクホク顔になってしまった。
これをつまみに飲む酒もたまらないしな。
キャンピングバスに皆で乗り込んで帰宅。
キャンピングバスの清掃をセバスチャンに頼む。
3点セット魔法で皆をキレイに浄化してからリビングで雑談。
るびのはもう既にかなり眠かったらしいので自分から寝室の巨大クッションに眠りに行った。
マリアが俺と嫁に紅茶を出した後にるびのの無音クッションに魔力を込めに行った。
「ねぇねぇ、しんちゃん。明日の移動中に私もあのゴーレム馬車を運転してみたいんだけど。馬車は操車したことあるけどゴーレム馬車って操車したことないからね」
「それなら私も運転してみたい。私もゴーレム馬車は操車したことないから」
「私は馬車に乗ったこともほとんど経験がないのですが、こんな私にもできますでしょうか? 出来るのであればしてみたいです」
ミーの提案にアイリとクラリーナも乗っかってきた。
「それは俺も教えようと思っていたから助かるな。みんなだったらすぐに運転できるよ」
「でも手綱も馬もないから何をどうしたらいいのか・・・心配ね」
「アイリ、簡単だから少し慣れるだけで心配しないでも大丈夫だよ。ヨークルの中はちょっと危険だけどね。郊外に出れば教えるよ。簡単だからクラリーナも大丈夫」
「ヨークルの中は危険って、どういうことなんでしょうか?」
「外周部はまだ大丈夫なんだけど、市街地の方は人も歩いてるからね。運転に慣れないうちは人の動きが読みにくくて難しいんだよ。運転に慣れても子供とかは特に行動が突然で危ないし」
「ああ、そういうことなんだね。でも、明日がちょっと楽しみになってきたな。退屈でつらい馬車の旅が楽しみって懐かしいよ」
「ミーの思ってることが私も理解できるな。馬車の御者も移動での小遣い稼ぎで何回もやった事があるけど、とにかく退屈だし、眠いし、凄くガタガタ動くしで辛いの」
「そんなに馬車の御者って退屈なんですか? 私には経験がないので理解できないのですが」
「運転に慣れるとヒマになるのは俺のキャンピングバスでも一緒だぞ? まぁ市街地以外なら居眠りしてもキャンピングバス自体が自動で運転してくれるように作ったけど」
「へぇー、あのゴーレム馬車はそんなことができるんだね」
夜も更けてきたので風呂に入りに行くことにした。
風呂の隣の更衣室で服を脱いでる時に思い出したことがある。
温泉・美女と来て何かが足りない・・・そうワカメ酒だ!
でも家の嫁は3人いるけどワカメがねぇーし。
アイリとミーはほぼツルッツルだし、クラリーナは少しあるけど、ほとんど産毛だな。
俺は嫁3人に話しかけた。
「そういえばイーデスハリスの世界に来る前に俺がいた日本って国では、地域に違いはあるけど温泉でお酒を飲む風習があって、俺は今日は飲もうかと思ってるんだけど・・・皆はどうする?」
「「「飲む」」」
即答だった・・・クラリーナまでもが。
「えっ、クラリーナってお酒好きなの?」
「ハイ、アイリさん。お酒は大好きです。ここ最近はまったく飲んでなかったんですけど」
「へー、意外ね。話し方もまだ固いし『そういうことはいけません!』って怒られるかと思った」
「私ってミーさんの中ではどんな堅物なんですか。話し方が固いのは今更、直せませんが、私はお酒が大好きですよ」
皆で話しながらかけ湯をして湯船につかる。
毎回、湯船につかるたびにあ”~って声が出てしまうのは日本人のサガだろう(ウソ)。
前にるびののために作った『絶対に転覆しない桶』をアイテムボックスから取り出して湯船に浮かべる。
桶の上に酒とつまみを数種類並べて『呑んだくれパーティー』は始まった。
温泉で飲むにあたってグラスの中の液体の温度が固定される魔法を封入した魔石付きのグラスを皆に作って上げたら、3人とも大喜びしていた。
俺は麦焼酎をロックで。
つまみはさっき買ってきたチャーシューだ。
アイリはワインを飲んでいて、つまみは生ハムだった。
クラリーナとミーはブランデーのロック。
俺がロックグラスサイズの氷の玉を魔法で作ってあげた。
ついでにクラリーナに魔法のレッスン。
すぐに使えるようになるのでホントに優秀過ぎる生徒だな。
ミーのつまみはアイリと一緒に生ハムを食べていた。
クラリーナのつまみはナッツ。
俺はこの世界にきてから酔っ払うことは不可能になっている。
気分が良いぐらいを残して回復してしまうのだ。
だからといって酒の味がわからなくなったのではないからありがたいけど・・・少しつまらなくなったなぁとは思うが。
嫁の場合は俺とするようになってから、回復力が以前より凄く上がった気がするって聞いてはいたが、酒に対しての回復力はそこまでの効果はないようだ。
まぁ簡単に今の状況を説明すると・・・酔っ払いの嫁3人が俺に甘えまくってきてる。
フニャフニャのトロけまくった笑顔で抱き付いてきている。
3人で抱きつきにくいからって理由でマットの上に俺は担いで連れてかれた。
男として生きてきた中で自分が、お姫様抱っこをされるという記憶はなかったから凄く恥ずかしかった。
3人の嫁にキャッキャウフフとトロットロに甘えられてる。
うん・・・どうしてこうなったんだ?
気持ちいいから良いんだけどなぁ。
もちろんワカメ酒もしてある。
ユラユラするものはなくてもこれも男のロマンの一つだから。
俺も3回もさせられた・・・アレをやってから嫁がおかしくなった気がするな。お酒とのチャンポンってキクのかな?
幼児化する3人が可愛いから何も問題ない。
それから何度目かの愛の語らいの後は嫁が皆、寝始めてしまったので3点セット魔法できれいにしてから寝室まで1人ずつ運んだ。
寝室のベッドに横にさせてから、保温の魔法を全員にかけておく・・・裸だし。
俺はまた居間のソファーにくつろぎながら酒の続きをする。
セバスチャン達から今日の報告を聞いておく。
「セバスチャン、るびのの大森林での狩りはどうだった?」
「はい、マリアと交代しながら見てましたが・・・夕方までの大森林でしたら何も問題ないですね。るびのの場合は問題があるとすればアイテムボックスと解体魔法ですね」
「私マリアからの報告も一つ。今日の狩りでは私どもは離れた場所から警護しておりましたが、何も問題がなかったですね。今日は朝一番でゴブリンで対集団戦の練習をさせましたが、飲み込みも早くて問題ないです。このスピードの成長ですと明後日以降でしたら大森林の夜間でも可能になります」
「夜間はまだ無理があるだろう。今日もすぐに寝ちゃうし」
「夜間の狩りが可能というだけです。るびのの場合は、まだ睡眠欲まで強い子供ですから」
「あぁマリア、なるほどな。ありがとう。それなら明日以降も俺たちはキャンピングバスで移動して、るびの・セバスチャン・マリアは大森林での狩りを続行だな。俺が朝と夕方にここからいつもの待ち合わせ場所まで送り迎えをするよ」
「「了解いたしました」」
「明日以降もまた影ながら、るびのの警護を頼む」
「「お任せください」」
「2人に任すよ・・・それでセバスチャン、魚とウナギはどうだった?」
「魚はマリアと交代で何種類か集めておきました。ウナギは量が大量です。私とマリアのアイテムボックスでご確認ください」
2人のアイテムボックスを確認したら凄いことになってるな。
モロコとかワカサギみたいな小魚は魔法で氷漬けになって壷に入ってる。
ウナギも既に蒲焼状態でも大量に入ってるし、
さばいただけのもいっぱいある・・・川エビとかがたくさんいて餌が豊富なんだろうな。
全部ありがたく俺のアイテムボックスに入れておく。
ウナギや川魚はもう大丈夫だからこれ以上はいらないとセバスチャンとマリアに言っておく。
それに大森林の南方面にはオークがたくさんいるみたいなんで明日以降はるびのの練習相手はオーク狩りでやらせようと提案しておいた。
豚骨も欲しいしな。
後の問題はるびのの狩りでの獲物をどうするかだな。
考えるのも面倒くさくなって、るびのの腕輪を作った。
魔水晶と魔結晶をつけた豪華な感じになってしまったが・・・魔結晶には『解体』『アイテムボックス(中)』の魔法を封入し、魔水晶には念話機能も持たせた優れものだな。
るびのも俺が思ってる以上のスピードで成長してるし、念輪で無意味に話しかけてきたりはしないだろう・・・意外と空気読めるしな。
これで準備は大丈夫だ。
明日は5時半に起こすようにお願いして俺も寝ることにする。