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狼は緑色でモフモフ。ギルドマスターはダークエルフでカイゼル髭でしたっす。

7・10修正しました。

早乙女村から南にある大岩をさらに南に行くとガウリスクの本拠地の丘がある。

本拠地の丘からさらに南に人族の住む村があるとガウリスクに教えてもらった。

俺もガウリスクの本拠地の丘を一度見たかったのでガウリスクに乗ってガウリスク行動部隊と途中で合流し本拠地に行くことにする。


グリーンウルフって馬より早いかも、モフモフだし。

ガウリスクもボスを乗せて走り回るって凄く楽しい!

と嬉しそうだった。ぜんぜん揺れないしモフモフだし乗り心地が抜群だったモフモフだし。

ガウリスクは馬より早いとほめたら

「馬は遅いけど美味しいよ」

と、馬肉の素晴らしさを10分以上も熱く語られた。


本拠の丘にある洞窟に入れて10日ほど熟成させた馬肉が極上らしい。

去年までは年に何度か馬が食べられたけど、今年は見かけなくて淋しいと悲しそうだった。


・・・もしかして、ガウリスクがこの辺の馬車などの馬を襲いまくってたから早乙女村って廃村になったのか?


本拠の丘は街道から少し外れた場所にあった。

丘の中腹に洞窟があって街道から見えない場所に出入り口が何十個もあるほど広く逃げやすいし過ごしやすいので何百年以上もの長い間、グリーンウルフの本拠地となってる。

グリーンウルフのスピードを生かして逃げ回れて幾つもある出入り口からの奇襲も可能で守りやすいのだろう。

中も迷路のように入り組んでいるし通路も大小様々で、あの暴君シルバード軍団からも多大な犠牲を出しながらも守りきったらしい。


本拠には100頭以上のグリーンウルフ達がいた。

ちっちゃい子供のモコモコのモフモフに萌えた。


これから人族のところにいる馬を襲わないようにみんなにお願いしたら賛成していた。

ガウリスクが大好物だったので犠牲を出しながら襲っていたらしい。

本拠の丘から見て街道と反対側の方向で離れた場所に野生の馬の群れがいて、そっちの野生の馬の方が美味しいし被害がほとんどなく狩れるとのことでガウリスク以外が賛成で決定した。

ガウリスクがこだわってたのは

「人族の馬の方が硬くて噛み応えがある」

ただそれだけでの強硬だった。


1メートル以上の長さがある尻尾をシオシオにさせてうなだれるガウリスクがちょっと笑える。


お土産のクマ肉を渡したらみんなが大喜びだった。

クマは内臓が一番美味しいとの意見も多数あったので、薬の材料になる肝臓以外の内臓を提供したら200kg以上になってた。


ガウリスクは馬肉の話をしていたら食べたくなったと、若手のウルフ達数頭を引き連れ狩りに出かけた。

俺はガウリスクに教えてもらった人族の村の近くまで行動部隊の副隊長に送ってもらう。

副隊長もモフモフしてて乗り心地良かった。


村の名前は『ゾリオン』ゾリオン村からさらに南に行くとヨークルに行けるらしい。


とりあえず当初の予定通り、情報収集と米の購入かな。


外からゾリオン村を見ての第一印象は『砦』

7メートルぐらいの石の壁が村を取り囲んでいる。

村の周りは溜池が何個か作ってあり堀の替わりか? そしてその周りには立派な水田が取り囲んでいる。


ゾリオン村に入るとき身構えていた・・・テンプレどおり

「お前はどこから来たんだ?」

とか横柄な態度をとられてケンカになってもめるのかと思ってた・・・


「こちらへステータスカードを近づけて下さい」

と、とても愛想良く言われ近づけると、ブォンという音とともにテーブルの上の水晶が青く光って終了。

「犯罪履歴はありませんね。失礼しました。ようこそゾリオン村へ」

と、あっさり村に入れた。


なぜこんなに愛想がいいのか受付以外の村の門の守護兵に聞いてみたら・・・

シーパラという国の正式名称は『シーパラ商業都市連合国』。王もいないし貴族もいない。

大商人達が「商議会」で国家運営してる。

さかんな商業と豊富な農産物、それらを世界中につなげる海運によって成り立つ国家。

犯罪をしない人はお客様であり歓迎しておもてなしするのが当たり前。

・・・ただ、今は前村長のバイド様が大怪我でまだリハビリ中なので、村の中で少しはピリピリしてる部分があるとのこと。


ここまでの旅の途中で何人かの盗賊を処分したと言ったら、村の中心にある村役場の隣に冒険者ギルドに行って処理して欲しいと言われた。

盗賊はランクによって賞金が掛けられており、盗賊の持ち物やステータスカードの所持金はもらえるからと教えてもらったので、米を買う資金のためにも最初に冒険者ギルドに行くことにした。


冒険者ギルドでまずは登録。冒険者ギルドカードをもらう。


冒険者ギルドのカードには本名・種族・年齢・ギルドランクしか表示されていない。裏側には犯罪歴のみ。とのこと。

登録の時に俺の非常識な数値がバレて問題になるのではないかと心配していたが、冒険者ギルドはあまりにも問題が多過ぎて『本名・年齢・種族・犯罪歴』この4項目以外は見られないように全世界の冒険者ギルドの魔水晶を交換した。

本人が許可してないのにステータスカードの4項目以外を見るだけで犯罪。ギルド職員の立場を利用して他の人に情報を漏らしただけで重罪。情報を売った場合は死刑もある。

百年以上も前から問題になってたから何度も通達が出ていたが、そんなことお構いなしに情報を売る人間が後を絶たず、冒険者ギルドの信用失墜問題が浮上。

ギルド内部が腐敗していた為におきた問題だった。

9年前に自浄作用が働いてギルド職員・ギルド幹部・高ランク冒険者がクーデターを行い、撲滅のためにギルド内部の法を改正して厳罰化に成功。

5年ほど掛けて大粛清したとの話。


そんな話を冒険者ギルドカードの発行を待つ合間に職員に教えてもらった。


村や町など都市の出入り口でも同じ問題を抱えていた為に全世界の国家と都市も共同で法整備と厳罰化に成功をしている。

門の守護兵も大粛清の対象となった。

今の世界中の門番用の魔水晶では犯罪歴を色で見るだけだ。犯罪歴なしが青、犯罪歴ありは赤、捕まって更生中が黄色。これだけしか見れない。出入り口でも手続きがスムーズになったことでも世界中で評価はあがってる。


これもギルドの受付に教えてもらった。


冒険者ギルドカードを受け取り説明を受ける。


ギルドランクは15歳未満の未成年者は全て『G』。未成年者でもそれ相応の仕事があるので明確に区別する為のランクGだ。

15歳以上の成人は『F』から始まりE・D・C・B・A・S・SSへとギルドへの貢献度などを検査をして、さらに試験をして上昇していく。

これらの知識は貰った記憶の中と一致してるので大丈夫。


そういえば、冒険者ギルドへ登録する理由を思い出したので受付さんに聞いてみることにする。


「この村に来る前に盗賊を退治してきたのですが、ステータスカードの提出はここで良いのですか?」

「ハイ。ありがとうございます。これから調べますのでこのトレイに乗せてください」

「(小さいトレイだな、148枚全部乗るかな)・・・わかりました」


アイテムボックスからステータスカードをまとめて入れた皮袋を取り出して、ご希望どおりに148枚をトレイに積み上げてやった。受付のお姉さんは目を見開いてフリーズしてる。


「すみませーん!」

・・・へんじがない。ただのしかばn


俺が大きい声を出したので、受付の後ろにいた職員が走ってきた。

「何があったんですか?」

「このトレイに退治した盗賊のステータスカードを乗せてくれと言われて乗せただけなんですが」

「こ、こんなにも!! すみません。これからお調べします。少々お時間を頂きたいので、あちらの階段で2階に上がっていただいて食堂でお待ちください。作業終了後にお呼びさせていただきます」

さすがに昼を回って今の時間は14時。腹が減ってたまらなかったので職員の提案に乗っかることにする。

「わかりました。では上の食堂で待ってます」


食堂で見たのは『カレーライス』だった。

迷うことなくカレーライス大盛り(1.2kg)を頼む。

1200Gだった。1グラム1Gか?

ステータスカードで先払い。

カレーをガツガツと一心不乱にむさぼり食う。カレーの味は大きな寸胴で作ったせいか美味かった。

異世界初の米、しかもカレー。もう二度と食べる事ができないかもと考えていた。

少しうるっときた。

まさかカレーに泣かされる日が来るなんて思ってもいなかった。


職員を待つ、かなり時間がかかるだろう148枚だ。食堂でコーヒーを飲んでマッタリしておく。


16時を過ぎた時間になってようやく職員が俺を呼びにきた。


「早乙女様、長らくお待たせしまして申し訳ございませんでした」

「(ホントに礼儀正しいなぁこの国の人たち)いえ、大丈夫ですよ。ノンビリさせていただきました」

「では、ご説明しますのでギルドマスター室へきていただけますか?」

「ギルドマスター室ってどこですか?」

「1階にございます。こちらです。今からご案内します」


職員に連れられてギルドマスター室に入る。

ギルドマスターは褐色の肌、無造作に後ろに束ねられた長い銀髪、尖った耳。ダークエルフの『ジェントルマン』だった。

・・・なぜ『ジェントルマン』かって?

黒々として立派で上にカールしてる『カイゼル髭』が・・・

眉毛も黒く太く立派で・・・風貌が『ジェントルマン』としか表現できないです。


「坊主、ダークエルフが珍しいのか?」

「あっハイ。生まれて初めて見ました」

「ま、世界に数千人しかいないからな。珍しいから仕方がないとはいえしかし、初対面で挨拶もせんうちにジロジロ見るのは無作法だから、今後は気をつけた方がいいぞ」

「すみません。えぇーっと、はじめまして。シンイチ・サオトメといいます」

「ワシはアクセル・ビッタート。よろしくな」

差し出された手を握る。

「まずは座ってくれ。それでは最初は懸賞金などを済ませてしまおう。金額が金額なんでな」


俺が成敗した盗賊は148人。その中の賞金首にかかっていた総額は1億3000万G(盗賊のボスに5000万G。幹部が一人1000万G×8人)。その他ギルドに依頼があった手配されてた賞金が合計2500万G。盗賊退治一人にもらえる国からの保証金が10万G×148人で1480万G。


合計1億6980万G。


テーブルに乗ってる魔水晶に俺のステータスカードをかざすとブォンという音が鳴り入金される。俺が当選した宝くじの金額には届かないが凄まじい金額だった。2日で稼いだ金額だしな。


「ありがとう早乙女君。と、まずは御礼を言わせてもらう。君が成敗した盗賊たちは『草原の暴風』と異名を持つ盗賊集団でな。ザコ以外の足取りが掴めず神出鬼没で。草原の暴風が本拠にしているのは捨てられた開拓村とわかっていたので、先月に討伐隊を出したのだが・・・ほぼ全滅してしまった。冒険者30人・国の兵士300人・この町の兵士の精鋭10人と300人以上もいて生き残りが前村長のバイド様のみだったんだ。ゾリオン村に帰ってきたのは冒険者が5人ほどいたのだが負った傷が元で皆が数日後に死亡してしまった」

「それは凄まじい被害ですね」

「ああ。バイド様の話では盗賊を発見し襲撃をかけた数分後に横から銀大熊に襲われて掻き回されて、その後盗賊にも反撃をされて立て直す暇もなかったらしい。あの忌々しい銀大熊め! あの銀色の亡霊さえいなければ・・・」

「銀色の亡霊?」

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