クマゴーレムを作った。ヒロインはまだ出てないっす。
6・30修正しました。
7・9修正しました。
この早乙女村から馬車で2日、徒歩で6日ほどかかる場所にあるのが都市ヨークル。
・・・米は今夜は無理だなぁ。
空間魔法による転移で移動も可能だけど、お風呂でくつろいだ後に移動とか・・・今夜はクマで我慢するしかないな。
鉄製の串に刺して塩を軽く振り、魔道コンロで炙っただけのクマ肉が極上の料理に変身してしまう・・・銀大熊もレアで良い肉なんだけど神の創り手のスキル補正力に脱帽。なんだかんだと2kg以上食べてしまった。
アイテムボックス内には時間経過は存在しないので晩飯ついでに20kgほど焼いておく。ステーキは皿ごと保存しておく。
主寝室に移動して寝る前にアイテムボックス内の整理・・・銀大熊の皮・毛皮・骨・爪・牙。
盗賊から奪い取った鉄・ミスリルなどの貴金属・宝石類・魔結晶・・・これだけあれば執事とメイドのゴーレムができるな。
素材をアイテムボックスから取り出してゴーレム製造スキル魔法を唱える。
『ゴーレム製造』
ゴーレムの骨格部分のクマの骨は大量にあったけど、コーティング強化するためのミスリルが少なかったためにゴーレムのサイズは2体とも150センチほどと小さくなってしまったが、骨の密度を限界まで上げて強化したり心臓部分の魔結晶はクマから取れた2つを使い俺の膨大な魔力をあふれるほど注いだのでパワーはある。魔力の補充は採取した植物や討伐した獣や魔獣から補充する様に作製する。
ゴーレムは魔獣を倒しても経験値が得られない代わりに魔力が奪えるので。
もしかしての保険で空気や地中からほんの少しずつだけど集められるようにもしてある。
俺が貰った知識の中から執事とメイドの必要な知識と能力・料理や解体・アイテムボックス(小)などのスキル・無手での戦闘術などスキルをゴーレムの頭脳部分に魔力でインプットして完成。
『ゴーレム起動』
仕上げの魔法でゴーレム2体を始動させる。
「「はじめましてご主人様」」
ビシッとしたお辞儀をするクマのぬいぐるみが2体。
出来上がったのは少し凛々しく仕上げたクマ執事ゴーレムと愛くるしい感じに仕上げたクマメイドゴーレム。クマのぬいぐるみなゴーレムをオスメスの2体作ってしまった。
服もなかったしゴーレムが金属まみれってのも何か芸がないようで負けた(誰に?)ような気ががしたので。
しかし戦闘能力は銀大熊をソロで討伐できるようにしてあるので早乙女村は安全。
村人俺だけでボッチですけど何か?
あとは盗賊対策かな?
「「まずは私達の名前をお願いいたします」」
クマ執事に『セバスチャン』。クマメイドに『マリア』と名付ける。
うん。
執事とメイドの名前は決まってるな。
名前で何も変らないんだけど、なぜか有能な気がする。
理由は説明できないが。
セバスチャンの声はヘルプさんの脳内音声を1オクターブ下げて、マリアの声は逆に1オクターブ上げている。
2人への命令は早乙女村周辺の探索などの情報収集と食べられるモノを収集すること。
ゴーレムに睡眠は不要。
俺も肉体も精神もレベル上昇の恩恵で1週間は眠らなくても大丈夫だが。今夜はそろそろ眠る。
翌朝、目覚めるとマリアが草原で収集してきたハーブティーを飲む。
昨日は水しか飲んでなかったから凄く美味しく感じる。
マリアもセバスチャンも料理スキルはマスターさせてあるのでスキル補正もかかってるな。
しかしクマの手が少し作業しにくそうだったので肉球の大きさを小さくして指を長めにしモノをつかみやすいように作り直す。
肉球でハーブティーのポットとカップを運んできたマリアに少し萌えたけど。
朝食はセバスチャンが作ったスープだ。
ジャガイモ・玉葱などの野菜が村の中の畑に自生していた。
村周辺に地下水からの湧き水が池を数多く作っててそこにはレンコンなんかもあったみたいだ。
肉はセバスチャンが捕獲してきたデカウサギ(体長1M弱とデカイのだが夜行性で草原では見つけにくく超レアもの美味しい肉)。
鳥も何種類か捕獲してきた中から出汁を上手く出して・・・凄く美味しい。スキル補正バンザイ。
調味料が塩しかないのに。
それに俺は知らなかったのだが、村の中に盗賊の食糧庫があり小麦粉が1トン近く保存されていたみたい。
殻が混ざってるので魔法で分離させれば白い小麦粉に早代わり。量は減ってしまうが仕方がない。
本来ならイースト菌などを使わないと軟らかく膨らむパンはできないのだが、この料理スキルが凄いのは小麦粉さえあれば菌や熟成、パンを焼く石窯すらいらない、
魔法で極上のパンに生まれ変わるのだ。
食パン・クロワッサン何でもOKだ。料理スキルはんぱねぇっす。
この料理スキルがいくつかの王家の宮廷料理人以外には伝承することができなかった、ほぼ廃れたスキルだったりする。もったいないにもほどがある。
朝食を済ませる・・・本日の予定「何もない」
本日どころか俺はイーデスハリスの世界で生きていくってだけで予定なんて何もない。
昨日は激情に駆られて盗賊を殲滅したが、別に正義のヒーローを目指してるわけじゃない。
金もそこまで必要に感じてない。
このままここに引きこもっていても自給自足できそう。
・・・米は欲しいな。
ついでに村を捨てた理由も知りたい情報だ。ヨークルに行って情報収集と米の入手。
転移だと面白くないし・・・うーん、、、
そうだ! ファンタジーの定番『空を飛んでみよう』
『飛翔』
早乙女邸から外に出て魔法を唱えると、ふわっと自分の体が浮いていく。
このイーデスハリスの世界での魔法というのはイメージと知識の複合だ。この飛翔魔法も風魔法と重力魔法を複合させて飛ぶ。
時速300kmぐらいは出せるみたいだな。
50mほど上空で停まり周囲を見渡し自分のMAPに情報を入れていく。時速20kmほどで飛翔しながら村周辺MAPを広げていく。
イーデスハリスの世界で1000年以上の歴史の中で数十人の知識や経験でこの世界のMAPは入ってはいるが、やはり大雑把で細かくは入力されてないから仕方がない。
細かく入っている場所も数多くあるが、何百年も前の知識だったりして地形も変化してるし町や村は増えたり消えたりしている。
国名すら変化してるし。
実際に早乙女村もMAPには入ってなかった。
昨日、転生して初めてこの世界に降り立った場所の大岩も目印のひとつとしてMAPに。
最初に討伐した23人の盗賊の死体は消えていた。
狼達が俺が移動するのを待ってたからな。テイクアウトしたんだろう。
大岩の横で俺を見て固まってる狼の群れがいる。緑色の『グリーンウルフ』たちだな。
草原では凄く見難くて気配を探らないと存在に気付けない。
気配を探ると32頭。
一番大きい(体長5メートルぐらいありそう)のが群れのボスかな?。
テイマーのスキルで念話したらテイムできそう。
ボスの目の前に瞬時に移動してボスをじーっと見続けると数秒後に
”何か御用ですか?”
狼の意識が流れ込んできた。
念話を続けて会話してみる。
”昨日の盗賊23人は君達が食べたの?”
”ごめんなさい。ボスが捨てていったのでいらないのかと思い、別の場所に埋めてあります。少し時間をあけないと不味くて食えないので。ボスも食べますか?”
”別に俺は食べるつもりはなかったから良いよ。ところで君の名前は?”
”私の名前はガウリスクといいます。ボスはここで何をしてるのですか?”
”ボスはガウリスク、君じゃないのか?”
”いえいえ。ここの大岩周辺のボスだった『シルバード8世』を倒した貴方が昨日からここ大岩周辺のボスですよ”
”えっ? 俺が? 昨日倒した?”
”ハイ。銀大熊の『暴君・シルバード8世』です”
あのクマ、暴君だったんだ。しかも貴族みたいな名前持ってるし・・・。
”暴君?”
”ハイ。手下の銀大熊も10頭以上いたのですが半分ぐらいはヤツが食べたらしいです。私の群れ以外のグリーンウルフも100頭以上食べられてますし、近くにあった村にいた人族もヤツがいっぱい食べてました。最近あの村の人族たちに手下の銀大熊・グリーンウルフを全て狩られて勢いは落ちてきてましたけど、まだ勢力争いしてる途中でした”
あのクマがあの村を廃村に追い込んだ原因か?
盗賊たちも頑張ってたんだな。だからこそあれほどの魔石と魔結晶を持っていたんだな。
”俺がボスなら、できればこれから人を食べないようにして欲しいんだが”
”昨日の人族はボスが捨てていったので皆で食べるために埋めましたが人族を襲ってまで食べようっていうのはこの群れにはいませんよ。人族はあまり美味しくないですし。人族が大好物っていうウルフ達はシルバードの群れに入っていましたから、もうすでに村の人族たちに狩られました。もうすでに周辺にはいません”
”この先にある村にいた人族は俺が昨日、全滅させたから昨日から俺が住んでるんだ”
”全滅って、ボスって人族ですよね? 人族に恨みでもあるんですか?”
なんかガウリスクが生暖かい目で俺を見てる気がするんだが。これはキッチリ説明しないとな。
”もちろん俺は人族だよ。シンイチ・サオトメって名前もあるよ。殺したのは理由があるんだよ。あいつら盗賊ってのはシルバードみたいなヤツらの集団で人族の中でも食い合いをしてる群れなんだ。他の人族の群れに迷惑をかけていて盗賊を狩ると御礼までもらえるからだよ。ヤツら盗賊が生きてると迷惑なんで全滅させたんだよ”
”ああ、なるほど。そういうことでしたか”
”もうシルバードも盗賊もいないし、なんなら今から村に行ってみないか?”
”ボスの村なら行ってみたいですね”
ガウリスクを連れて早乙女村に戻ろうと思ったが、その前にガウリスクにテイム契約はしなかったが懇願されたので子分ってことにした。
ポーン。 ~称号『狼王』を得ました~
それからガウリスクの群れ・・・この31頭は群れの狩りなどを行う行動部隊なんだと。メスや子供などは別の本隊がいるらしい。その本隊にガウリスク以外のウルフを帰してガウリスクを早乙女村に連れて行く。
村に帰ってガウリスクをセバスチャンとマリア引き合わせると、俺がシルバードを利用して作ったゴーレムに驚いていた。
セバスチャンを『あにさん』マリアを『あねさん』とガウリスクが呼ぶようになったのは2体よりも俺の下につく時間が少し遅れたのが理由だそうだ。
本拠地に帰ろうとするガウリスクにお土産でクマの肉(50kg)をあげたら喜んでた。銀大熊は大好物なんだけどシルバードの猛威で久しぶりのクマ肉だったみたい。
たくさん余ってる(クマは700kg以上あった)から、もっとあげようとしたけど自分で狩る喜びもほしいからと辞退されてしまった。
まぁ、たまには遊びにおいでとガウリスクを本拠地に帰す。