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とうちゃん、ぼくのなまえは『るびの』だよー・・・っす? ハーレム増員するまえに子供ができちゃったっす。

9・22修正しました。

戦争を終了させただけでなく銀大熊も炎虎も俺を『ボス』と呼び、俺の傘下に入ることが決定してしまった。

これで俺は『ウェルヅ大草原の覇者』になってしまった。・・・また称号が増えたんだろうな。

とりあえず・・・

「なるべく人族を襲うな。見たら逃げろ。調子に乗って追っかけてきたら倒してもOK。・・・だけど骨一つ残さず食べろ」

「人の飼ってる生き物もなるべく食べるな」

など俺からの決定事項として命令する。


それで『開拓村周辺』『ゾリオン村周辺』『大岩周辺』とそれを繋ぐ街道は人族の行き来が今後増えると予想されるので、『俺の縄張り』として相互不干渉の空白地帯にする。

まぁ、人族に見つからないように狩りするぐらいならOKだけど。

「文句があるならかかって来い。種族ごと絶滅させてやるから、それを覚悟してこいよ」

と宣言した。


フッフッフ、力にまかせてゴリ押ししてやったぜ。

反省はするが後悔はない。個別の争いはともかく、これで戦争はなくなるだろう。


クマも狼も虎もこれで俺の子分になった。ふふっ、モフモフを守るためとはいえ『どうしてこうなった』だな。

今回の戦争では死んだやつはいなくて怪我が数頭だけだったので、俺が全部治してやった。

「さすがボス」

って感謝された。


今日ここに来た目的が石材集めだったので戦争はこれで終わりと、グリーンウルフ・銀大熊・炎虎の全部の軍団をそれぞれ自分達の本拠に帰す。

俺は岩場に用があったので炎虎のリーダーを呼び止めた。

炎虎は個人主義のヤツラばかりだけど揉め事などが起きた時は、最年長者がリーダーとなってまとめるみたい。

そのまとめ役のリーダー『ニャックス』

100年以上を生きてるらしい。

色々な種類の石材が欲しかったので

「できるだけ大きくて、いろんな色をした岩の塊がゴロゴロしてる場所を知らないか?」

と聞いたら、しばらくニャックスが考えて俺の質問に答える。

「うーん・・・そういえば昨日、奥の岩山で大きな音がして見に行ったら山が崩れてて。そこになら大きな岩がゴロゴロしてますよ」

そこでいいや場所を教えてよと頼むと、ちょっと説明がわかりづらい・・・ここから目印になるのがまったくない。

「上手く説明できないから、ボスを乗せて近くまで行きますよ」

ニャックスが送ってくれることになった。


炎虎もモフモフしてるから、その提案は大変ありがたい。

炎虎はグリーンウルフとまったく違う走り方をしてピョーンピョーンと飛ぶように走る。1歩で20mぐらい飛んでないか? ってぐらいに飛んでる。

「凄いな。1歩で20m以上飛んでないか?」

って、ニャックスに聞いたら怒られた。


ガウリスクの時と同じパターンだった。これでも上に乗るボスを揺らさないように凄く気を使って走って飛んでるんだと。本気ならもっと早く走れるしこの何倍も飛べるってさ。

まさかの天丼だった。予想すらしてなかったよ。


1時間ほどニャックスが走ったら目的地に着いた。

岩場でもかなりの奥のほうで山岳地帯に入ってきてるな。ニャックスの巣になってる洞穴を通り過ぎてしまった。

「ここまで送ってくれてありがとう」

「また今度は遊びにでもきてくださいね。妻と子を紹介します」

ここまで乗せてきてもらったお礼を言ったらニャックスに誘われた。

ニャックスはわかりやすいように自分の巣の横をわざわざ通ってくれたのでMAPにニャックスの巣を登録しといた。

これでいつでも遊びに行ける。


さぁ、石材集めだ! と自分に気合を入れて集めだす。

転がってる石をガンガンアイテムボックスに突っ込んでいく。砂も入れていく。

これはこれで使い道がある。だから泥も乾燥させてから入れていく。

銅鉱石や鉄鉱石もある。土の中で育った魔石や魔結晶なんかもあった。

銀やプラチナ・ダイヤモンドまである。

カットしたら小粒だけど俺の場合カットいらないしな・・・すっげぇ、ここすっげぇ。

「山岳地帯の宝石箱やぁ」

なんて、どこかの食レポの帝王みたいな事を調子に乗って口走りながらも、ガンガンと岩や鉱石なんかを入れていく。

岩だけにガンガン・・・これでまたオヤジギャグのレベルが上がったな。


1個アイテムボックスに入らないやつがあった。

直径40cmほどの卵っぽい形をしている。

手に持って鑑識してみる。卵っぽいじゃなくて卵だった。


聖獣『白虎』の卵。もうじき卵から孵る。


え”? ・・・聖獣って何?

・・・は? かえるって何が?

って固まってるうちに卵が孵った。


白虎「・・・(名無し)」

種族 聖獣「白帝」

年齢 0歳

性別 オス

所属 早乙女真一

西方をつかさどると言われる聖獣。

西方大陸の魔獣を統べる白帝でもある。四獣の一柱。

生まれたてのホヤホヤ。名前はまだない。


体長30cmほどの白い虎が『ガプゥー』とあくびしている。

かわいいなコイツ。モフモフだしな。

「おい! ちょっと待て、こんなん送り込んだのはゴッデスかゴルァ」

・・・現実逃避はやめて大声で叫んでしまった。

おいおいおいおい。

うん、いわゆるこれが『パニック』ってやつだな。

パニックになりながら冷静に考える自分がいる。並列思考だったか?

出口の見えない思考の海に落ちていく俺を救った声がある。


「とうちゃん? とぅーちゃーん」

叫んで俺の顔面に飛びついて全身でガシッとしがみついてきた。

うん。卵から生まれたてのホヤホヤなのに、間違いなくサラサラのモフモフだった。

とモフモフに満足してる場合ではない。俺の顔面にしがみついてる白い虎を引き放し話を聞いてみる。


「お前はなんなんだ? 名前はないのか」

「うん、なまえはとうちゃんがつけてよ」

「俺がとうちゃんなのか・・・わかった名前がないと不便だからな。じゃあ・・・『るびの』にする。お前は今日から『るびの』だ」

もちろんアルビノから名付けた。

だって白虎っていってもまだ真っ白い毛玉なんだもん。

「るびの、るびの、るびの。うん。おぼえたよ。ぼくのなまえは、るびの!」


うん、これは可愛い、可愛すぎる。

コイツは俺の子だ。俺が育てる・・・ってコイツ何を食べるんだ?

わかんないからヘルプさんをオンにして聞いてみた。

「聖獣に関するデータが存在しませんのでお答えできません」

なんて言われてしまった。ヘルプさん怒ってんのか?

本人に聞いてみる。

「なぁ、るびの。お前は何を食べるんだ?」

「みるく!」


それは俺には出ねぇな。

嫁さん2人いるけどまだ不可能だ。悩んでいると・・・

「ねぇとうちゃん、おなかすいたよ」

これはイカン。そういえばアゼット迷宮には通称『ミルクさん』がいたような・・・

ダンジョン行ってじゃんじゃん狩りまくっちゃいましょう。


るびのが俺の後頭部にしがみつくように、るびのの頭が俺の頭の上に乗っかるように、おやっさんからもらったヘッドギアを改造する。

これならるびのも前が見える。俺と同じ方向が見えるな。

きつくならない様に皮で固定する。


「たかーい。とうちゃん、たかいよー!」

と、るびのもはしゃいで楽しそうだ。

転移魔法でアゼット迷宮の地下3階へいく。るびのが転送魔法で驚いてアワアワ言ってる。

ホントにるびのは可愛いなぁ(すでに親バカ?バカ親?)


頭を極力揺らさないように気をつけながら、ミルクさんへ俺まっしぐらだな。

今ならガウリスクとニャックスが言ってた事がわかる。

上に乗ってるのを揺らさないように気を使って走るとスピードが出せない・・・ってあれ、マジだったな。


邪魔なオーガをサクッと狩ると『すげー、とうちゃんすげぇー』と、るびのが嬉しそうだったのでなによりだ。

アゼット迷宮地下4階に下りていく。

4階の魔獣は『モウギュー』だった。牛だな。デカ過ぎだけど。1トンは確実に超えてるだろあれ。

しかも真っ直ぐ俺に突進してくる。

ヒラリとかわして側頭部にサクッとカタナを差す。俺には簡単なお仕事だった。

頭上で『すっげぇーとうちゃん!』と毎回、いつでも褒めてくれるので・・・嬉しい。

俺って褒められて伸びるタイプだからな。

モウギューの通常ドロップアイテムは『牛ロース』だ。

そのまんまだな。レアが『牛ヒレ』だった。


月と太陽のホテルで食べたスキヤキはこの肉だったのかも。

美味しかったから大丈夫なんだけどな。

魔獣の肉だったらそんなに高級品じゃないのかな?

ヒレもロースも1頭からのドロップが10kgぐらいあるし。

でも1トンの牛さんが10kgの肉って・・・ほかはどこへ。

気にしたらダメだな。


サクサク殺していく。ドロップも魔石も忘れず拾っていく。

次はボス部屋しかない地下5階だ。たしか『サイラス』って言うのが出てくるってきいた。


アイリとミーの話を総合すると地球の『シロサイ』って感じだけど・・・コイツは明らかに違う。

白と黒のマーブル模様だもんな。コイツはぜったいに亜種だろう。

ムチャクチャでかいし。地球のインド象ぐらいあるぞ。

象より短足だけどな。

ボス部屋に出る亜種は『希少魔獣』って言われてて、何倍もの強さらしい。そういえばそろそろ夕方だ。

夕方や夜間は亜種とか希少魔獣が出やすいんだろう。

俺の天運も関係してるのか?


そんなことを考えてると、サイラス(希少魔獣)が、『ガフォーーー』と叫びながら角を正面に来るように顔を少し下げて突撃してきた。

「ウオーーー、でっけぇーキターー!」

るびのが頭上で叫んでるが気にしない。

俺はカタナを右手1本でもち、左手でサイラスの角を受け止める。

もちろん微動だにしないしサイラスが弾け飛ぶこともない。

すべての衝撃を受け止めて吸収したのだ。

それでサイラスの角を掴んだまま、左にちょいと傾けて右手のカタナでサイラスの眉間からカタナの根元まで右手1本でスッと突き刺す。

それだけの長さを差し込んでも音もしないし抵抗すら感じない、素晴らしいまでの切れ味だ。


サイラスが消え去りドロップ品が残る。

サイラスの魔結晶は3つ。しかも今までのどの魔結晶よりも一回り以上は確実にデカイ。

今までのはクズレベルの魔結晶は地球の単三電池ぐらいの大きさの六角柱。

シルバードとオーガ亜種が単一電池ぐらいの六角柱。

このサイラスのはトイレットペーパーの芯ぐらいの太さで、長さが芯よりか少し短いぐらいの長さがある。

感動するのは後にして、ドロップアイテムは『槍』だ・・・思わず鑑識して調べる。


槍 『サイラス(希少魔獣)の槍』

所有者 早乙女真一

サイラス(希少魔獣)の角から作られた片鎌槍。

抜群の貫通力を持つ。

使用者の防御力と突進力を底上げする。他の効果と重複できる。

希少魔獣をあらわすマーブル模様となっている。


これはミーに渡そう。

気に入ってくれるとありがたいのだけど、十文字槍と片鎌槍では少し使い勝手が違うからな。

まぁ、家に戻ってから渡そう。アイテムボックスにしまう。

「とうちゃんすっげぇー、あのデカイヤツのとっしんをとめた! すっげー、またイッパツだったし。オレのとうちゃんスッゲー!!」

今まで静かだったのに・・・フリーズしてたのが再起動したみたいだな。

俺の頭を後頭部からガッシリ捕まえて大騒ぎしてる。


さぁ、ミルクさん(ミノタウロス)の待ってる(待ってはいない)アゼット迷宮地下6階だ。


まず1頭のミルクさんを狩ったら待望のミルクがドロップしたので皿に入れて、るびのに飲ませてみる。

「うめぇー。とうちゃんコレおいしーよ!」

ドロップするミルクは5リットルのミルク(樽入り)なので皿に口つけてチューチュー吸われるとすぐになくなる。

追加で入れる。

すぐなくなる・・・って面倒くさくなってきたので、ミルクの入った樽を魔法で平べったい桶に作り変えた。


チューチュー、ゴクゴク飲んでるので、るびのはそのまま飲ませておいて、俺は次から次へとミルクさんを狩っていく。

何頭狩ったのか記憶にないが、在庫としてミルク50個と練乳15個も集めたので、今日はもう大丈夫だろう。

途中で2個分継ぎ足して、さらにミルクを飲んで満腹になって、るびのは桶の横でコテンと寝てしまっっていた。

桶は3点セット魔法で浄化しアイテムボックスに入れておく。


るびのもミルクで全身がべッチャべチャになってたので、浄化してまたオレの後頭部にセットして、転移魔法で岩場に戻る。

もう少し石材が欲しい。

また岩場ではガンガンとアイテムボックスに入れて、めぼしい石材を取り尽くしてから自宅に帰る。

るびのは頭上でスピ-スピーと鼻息をたてて熟睡中だ。ときどきムニャムニャ言ってて可愛い。

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