ドミニアン司祭とカタリナの愛の結末。そして俺は幼女とタイマンっす? タイマンの後はデレ期到来。っす
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若返ったことを不思議がっていた2人に聞かれた。
「そりゃあ、俺みたいな美少年の『エキス』をあれだけ飲んだり、体中に浴びたりしたらお肌もピチピチになるんじゃないの?」
俺にはわからないよアピールとして軽い口調で言って誤魔化しておく。俺じゃあ説明できんし。
「それよりもホテルは今日、出て行くから今日はやることいっぱいだよ!」と焦らせて朝食にする。
部屋に3人分の朝食を頼む。
無論3人とも服は着てる。パーティーは終わりだ。
新居が完成してから今度は新居完成記念パーティーでもすれば良い。
今日の朝食は『ステーキのサンドイッチとヨーグルトジュース』だった。
相変わらずここのホテルの食事のパターンがまったく読めない。
もしかして時間帯によって違うのだろうか?
昨日のパーティーの痕跡を風呂の中まで全て消して部屋を出る。
魔法って超便利だ。
毎日俺が洗浄と浄化と乾燥をかけていたこの部屋は、俺が来たときより綺麗になってるよ。
約束どおりフィアルカート防具店・・・通称おやっさんの店に向かう。
まずは2人におはようの挨拶。
おやっさんは疲れきっていた。確か神様にお願いするのに子種を入れたまま教会でお願いしないといけなかったはず。
ってことは今朝やってるはずだ。
でも・・・もう2人の子供ができるのは決定事項だ。
何も心配は要らない。
主神の決定事項だから間違いなんて存在しない。
と俺は知っているけど、それは言えない。彼らに伝えるのはアマテラスの役目だ。でも、これぐらいは良いよねってことで聞きたいことを聞いた。
「なぁ、おやっさんとおかみさん。子供はどっちが欲しい? 男の子? 女の子?」
「両方だ。俺が何度でも何度でもがんばる」
「私も両方欲しい。そして元気な子供であれば・・・」
「そうか。2人なら大丈夫そうだな。じゃあ、神様にお願いと報告に行こう」
今日はフィアルカート防具店は休みにするそうだ。
教会に行って、その後の新居探しまで手伝ってくれる。
ありがたいなぁ。
不動産関係の人も紹介してくれるし、ホントにありがたい2人だ。
教会に到着したらドミニアン司祭が迎えてくれた。
一緒に神に祈りたいと言ってくれた。
ドミニアン司祭も俺たちに報告したいことがあったから今日は待ってた。
ドミニアン司祭もアイリの母親『カタリナ・クリストハーグ』に昨日のあれから告白したって。
初めて会ったその瞬間から貴女が好きです。結婚してください。
って告白したら、ドミニアンの事はモルガンと同じぐらいに好き。
だけど・・・ってカタリナの苦悩も教えてもらった。
アイリが俺と結婚して『アイリ・早乙女』になりカタリナが今結婚して『カタリナ・パルマ』になったら、カタリナが愛してきた『モルガン・クリストハーグ』という人物が全て消えてなくなってしまいそう。
彼を愛し続けた自分までも消えてしまいそうで怖いんだって教えてくれた。
それでドミニアンが昨夜カタリナと別れて家に帰ってずーっと真剣に考えた結果、『モルガンを愛してるカタリナということを含めた、カタリナの全てを愛してる』ということに気付いたと。
だからカタリナにはクリストハーグの名前を捨てずにいてもらいたいから、自分が『パルマ』の名前を捨ててクリストハーグの名前を受け継ぐ。
婿になると決めたんだそうだ。
さいわいにパルマの実家のパルマ商会は兄が引き継いでいるし、自分はムコでもかまわないと。
それで今朝、教会に来る前にカタリナに会いに行き、自分の気持ちを自分の考えを全部話したそうだ。
カタリナは了承してくれた。
私と結婚してくださいって言われたんだと。
すげぇな、このストーカー予備軍。
脇目も振らない一途な愛を実らせやがったよ。通い妻作戦成功だとは、ビックリした。
俺がまったくもって失礼な考えをしてるとは、まったく知らないし気付いていないドミニアン司祭。
「だから君達を待っていたんだ。きっかけをくれた君達と一緒に神に報告がしたかったんだ」
と熱く語ってる。
しかしその熱く語る姿が司祭服に似合ってるし、イケメンだしで少しムカついてしまった。
さすが俺、人間的にちっちゃい男だ。
まぁ、気を取り直して礼拝堂に向かう。
予定では俺はすぐ終わるらしいし、って気軽になって考えてる。
しかしあのアマテラスの詐欺像はまだ少し笑える。
俺がニヤついたのでアイリとミーに同時に聞かれた。
「「どうしたの?」」
「これでやっと結婚できるって考えたらニヤついてしまったよ」
と優しいウソを付いておく。
まぁ、真実を知ったところでアイリやミーには理解できないし。
二人にはどう頑張ってもアマテラスの真実の姿は見えないって聞いてるし。
礼拝堂の一番前の席にみんな並んで座り、頭を下げて両手を胸の前であわせ指を組む。
神に祈り報告する。
目の前に気配があったので目を開けると、真っ白な世界でアマテラスがジト目で俺を見てた。
【お前はいつも凄く失礼だ! 私の像で笑うな!!】
「お! 漢字を使って話せるようになったんだな」
【太陽神に対してお前は失礼だ! ・・・ふっ、私はお前に神の力でお前の男性自身を取り上げることもできるんだぞ!】
「ああん? 新婚早々の俺にそんなことするって? よし、ケンカ売ってんだろ? いくらでも買ってやるよ。俺の神殺しの力と技を見せ付けてやんよ」
といってシャドーボクシングでシュッシュッとジャブを放つ。無論本気じゃない。
向こうが脅してきたから、反論しただけ。言葉の掛け合い漫才みたいなつもりだ。
と、思ってたら相手が予想外の反撃してきた。
アマテラスが目の前で土下座した。
【ウソです。ごめんなさい。許してください。本気じゃなかったんです。悪気もなかったんです。ほんのちょっとだけ『ヒドイ事を言い過ぎたかな悪かったな』って言ってほしかっただけです。もうしません。許してください。まだ生まれてから10年しかたってないです。まだ生きたいんです】
流石に酷いことしてるな俺って、と反省させられて近づいていった。
「悪い悪い冗談が過ぎたな、そこまで謝らないでいいよ、君もはんs『スキあり!』んぎゃ」
しゃべってる途中でアマテラスの頭が飛んできた。頭突きだった。やるじゃねぇーか太陽神。ちょっと鼻血が出たぞ。すぐ治ったけど。
「フッフッフ、アマテラスお前は俺をマジにさせた! 本気と書いてマジと読む方だ。ハッハッハッハ、やってやんよ太陽神」
指をボキボキ鳴らしながらアマテラスに近づこうと思ったら・・・
【お前ら2人はガン!『ギャピャ』何をじゃれあってガン!【んが】おるんじゃ。バカたれどもが!】
近づく前にゴッデスにグーで殴られた。さすが主神、タンコブできた。すぐに治ってしまうけど。
【だってこいつが! こいつがいつも私をバカにして笑ってるから!】
言い訳をするアマテラスにハァーっと右の拳に息をはきながら、アマテラスに近づいていくゴッデス。
「アマテラス笑っちゃってごめんな。悪気はないんだよ」
即座に謝って頭を下げる。俺は大人だからな。反抗せずに非を認める。
笑った俺が100%悪いしな。
【んな! ・・・私もゴメン。意地が悪い事を言ったし頭突きしてしまった。ごめんなさい】
アマテラスも俺が素直に謝ったのを聞いて、俺が頭を下げるのを見てはじめはビックリしたが素直になったようだな。
【まったくお前らは兄妹みたいなもんなんじゃから、もっと仲良くしないとダメじゃ】
「俺とアマテラスが兄妹だって?」
【あぁ、間違いない。ワシが早乙女君に力を与えて君を生まれ変わらせた親とも言える存在じゃな。それで君を10年後に転生させて、そのあいだにアマテラスという神を生み出したんじゃからの。それじゃから2人は兄妹みたいな存在なんじゃよ】
な、なんだってぇえええ!!
そういわれてみればアマテラスとじゃれあってた時は楽しかったな。
それにもう一つ・・・自分の規格外さでイーデスハリスの世界に少し・・・どころか、結構な疎外感がある俺には、たとえ相手が神とはいえ兄妹と呼べる存在がいることに、素直に嬉しかった。
アマテラスを見ると・・・
【えへへへ、兄妹、うふふふ、お兄ちゃん・・・真一お兄ちゃん。えへへへふふふふふ】
かなり嬉しそうだったので彼女も気に入ったのだろう。
少し壊れかかってるようなので話題を変える。
ふと気付いたらゴッデスは消えていた。
「それでアマテラスはこんなとこで、俺と遊んでても良いのか?」
【仕事はキチンとやってるよ、真一お兄ちゃん。・・・お兄ちゃんのお嫁さんってことは私のお姉ちゃんだね。お姉ちゃん達も若くなったことにすっごく感謝してくれてる。真一お兄ちゃんが心配していたように、2人とも年の差をそうとう気にしてたみたいだね】
「え? ・・・ああそうか! 並行する存在って事か。年の差は・・・反対の立場だったらって考えるとなぁ、気になって仕方がないはず。他は? 俺を気持ち悪く思ってないのかな?」
【お兄ちゃんが長生きするって事かな? アイリお姉ちゃんもミーお姉ちゃんも真一お兄ちゃんにベタ惚れだね。お兄ちゃんと長い時間愛し合えることに私が感謝されちゃったよ。それと真一お兄ちゃんはガルパシア夫妻にも転生者だって告白したよね? その夫婦2人にもお兄ちゃん・お姉ちゃんの3人が長生きする存在になったって伝えておいたよ。夫婦の2人とも『長い付き合いになりそう』って笑ってたよ】
「確かにおやっさん達とも長い付き合いになりそうだな」
【それと祝福についてなんだけど。お兄ちゃんとの結婚記念って事でお姉ちゃん2人には2つの祝福を私からプレゼントしちゃうことになりました】
「簡単に祝福なんてあげても良いのか?」
と心配して聞いたら・・・
【2つぐらいならまったく問題はないの。それに2人には『早乙女に愛されし者』って祝福を真一お兄ちゃんが与えちゃってるし、『10歳ほど若返り、その若さを保つ』なんだよ? お兄ちゃんの祝福の効果って】
「10歳若返ったらふたりとも18歳じゃねーか」
【そういうことになるね。それでアイリお姉ちゃんにはアイテムボックス(中)と『属性防御』】
「属性防御ってなに?」
【属性防御は敵の属性魔法攻撃を反対の属性で打ち消したり、同じ属性で効果を消したりという属性魔法防御のこと。スキルでの効果と違うのが、属性を意識しないで無意識に選択して敵の攻撃を最小限にしてしまう事ができるのが祝福での効果だよ。反発する属性で多少の攻撃も可能だよ。アイリお姉ちゃんに欲しい力を聞いたら『愛する人を守る力が欲しい』って言われたからね、奮発しちゃった。愛されてるねぇ真一お兄ちゃん】
「流石にちょっと照れるな」
【それでミーお姉ちゃんにもアイテムボックス(中)と『属性攻撃』をプレゼントした。属性攻撃は防御の攻撃バージョンだね。それを無意識で使える祝福の効果も大体同じだね。この属性攻撃で敵の攻撃を受け止めたり、受け流す事もできるよ。ミーお姉ちゃんも喜んでた『これで愛する人を傷つけようとする敵を打ち破れる』って。お姉ちゃん2人への祝福はこんな感じだよ】
「アマテラス、ありがとうな。2人の嫁も喜んでるみたいだし。ホントにありがとう」
【えへへへへ、真一お兄ちゃん、どういたしまして。他の4人ともそろそろ話しは終わりそうだから、また会いに来てね。私はゴッデス様とは違って教会でしか真一お兄ちゃんとお話はできないみたいだから。お兄ちゃんから会いにきてくれないと会えないからね。じゃあ真一お兄ちゃん、またね】
「ああ、また必ず会いに来るよ。じゃあまたなアマテラス」
こうして俺はヨークルの教会の礼拝堂に戻ってきた。
祈っていた6人もほぼ同じように戻ってきたみたいだな。
ドミニアン司祭だけが、1人で報告に来た理由を言ったら
「1人で報告に来ないで! 元気になってから2人で報告にきなさい」
って、アマテラス様に怒られてしまった・・・と、凹んでた。
思わず少し笑ってしまった。
アイリとミーは自分のステータスカードを見てニマニマしてる。自分の名前に『早乙女』ってついてるし、アマテラスからもらった祝福も嬉しいのだろうな。