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シグチスの悪党殲滅の為の粛清を始めたっす。

12・17修正しました。

12・27修正しました。

魔力パワーボートに戻ってはきたが・・・することないんだよな。

景色を眺めてボーっとしてると5月のポカポカ陽気に誘われてボーっとしてくるな。

完全オートクルーズできる俺の作ったゴーレムボートならではなんだけど、ついウトウトとしてしまう。

平和でゆったりとした時間を微睡まどろみながら時々タンブラーの中のアイスコーヒーを口に含むようにして飲んでいる。

・・・5月の春の陽気ってホントはこんなんじゃないよな。

魔道石英ガラスで太陽の光の熱気は少し弱められて優しく俺を包み込んでいるが、ホントだったらこの時期の直射日光なんて我慢大会レベルの熱さだろう。

この展望運転席の気温も完全にコントロールされていて俺が熱く感じないように小春日和程度に抑えられている・・・だからこそ超絶眠くなってくるんだけど。


操縦席のシートを少し倒してるので余計眠くなってくるのかな?

周囲の風景も時々魚が跳ねる程度で何の変化もないし、周囲の風景は飛び去る様に後ろに流れていくスピードで巡航してる。

右側に続くシーパラ半島の丘は結構離れているので天気は良いんだけど少しかすんで見にくいな。

左側のウェルヅ大陸側は今は塩田が続く風景。

このシーパラ半島に包まれたシーパラ湾というべき海は魚影が非常に濃くて、シーパラ連合国の漁獲量の何割かはシーパラ湾産となってるので、国民の胃袋を支えてる大事な海。

漁民も多いので当然ながら漁船も釣り船も多い。

俺が魔力パワーボートに封入した魔法の認識阻害魔法が高速航行中には展開されるように今朝の釣りの後の出発前に改造したので、いちいち俺が魔法を使わなくてもよくなった。

誰もが魔力パワーボートの姿を見てもまるで反応を示さない認識阻害の魔法は至極便利なので改造して正解のようだ。


魔力パワーボート自身が周辺を探査魔法で探って漁船などの動きを先読みして回避して、60ノットという超高速巡航で航行を続けてる。

魔力の減り具合も随時チェックしてるが問題はないな。

魔力タンク用に準備してある複数の魔結晶で魔力を休ませて回復させたりして消費魔力を賄えるようにアイテムボックス内でちょこちょこ改造を施してるのは有効に機能していて・・・60ノットを超す速度を維持して航行を続ける事が出来ている。

減りすぎていたら魔力を補充しようと思ってたけど一晩中航行しててもまだ余裕があるという事は、4・5日はこのまま続けて巡航できるという事だな。

50ノット巡航だとほとんど減らなかったから何日でも航行は可能だろうと言う実験の結果だな。

空中で音速を超えた時でも24時間ぐらいならいけそうな計算は出来たし、今回の旅で魔力パワーボートの性能実験は俺が当初予想していた数値を軽く上回った結果が残せてるので大満足だな。


そんなことを真剣に考察していたら・・・やっと俺を包んでいた眠気は去った。

アイテムボックスから素揚げした小魚を取り出して軽く塩を振ってからポリポリと食べる。

単品だと味が一緒なのでたまにアイテムボックス中に入ってる小魚の甘露煮と替えてつまんで食べる。

コーヒーとは味が合わなかったのでタンブラーの中身を緑茶に変更した。

午前11時を回ったので今日は俺は自宅に帰ってみんなと一緒に昼食をとることにした。

今日は完全版のとんこつラーメンの自作だな。

以前セバスチャンがきくらげを発見してきてくれたので俺の大好きなとんこつラーメンの完全版が作れるようになったんだけど、それから作ってなかったから今日は食べたくなって自分で作ることにした。

嫁達に念輪で昼食で完全版とんこつラーメンを作るけどみんなはどうするか聞いたら、嫁達も全員一致で食べたいという事になり、俺も早乙女邸に帰ってきてみんなで食事することになった。


昼食の準備と言っても料理スキルのある俺には材料さえあれば時間もいらない。

どうせなら俺の食べ慣れた『チャーハン&ラーメン』のセットを自作する事に。

シャワーを浴びてサッパリとした嫁3人が地下練習場からダイニングルームにやってきたのは12時チョイ前だったけど、一服しなくてすぐにでも食べられるという事だったのでテーブルに並べてみんなでワイワイ雑談をしながら食事する。

るびのとフォクサもダイニングにやってきて一緒に雑談しながら食事してる。


俺はゴッデスから昨日聞いたシグチスの状況を話して、シグチスの街に蔓延はびこる悪党退治でしばらく掛かりそうだという事を話しておく。

任侠ギルドでの裏社会独占をも狙ってるので何日間は掛かりっきりになると予想してる。

俺の起こしたヨークルやシーパラでの裏社会粛清の嵐から逃れてきたヤツラから逆恨みされている事は想定できる事だし、旧紫村流道場との抗争はもちろんまだまだ続くだろう。

新たな敵との抗争と言えば・・・クーデターなどや政権交代などで滅亡した国の王侯貴族や、勢力争いから敗れた勢力などが他国から逃れてきた特権階級の考えを持つ組織がいくつも亡命してきて・・・相当な金をもってきてるらしく、金がモノを言うシグチスではそれなりの勢力を誇ってるようだというゴッデスの情報もあり・・・俺の中に入ってる記憶や知識から抗争は避けられないと考えられるという事も話しておく。


嫁達の予定では明日の朝日鑑賞を楽しんだ後は・・・午前中は買い物に行って夕方からアゼットダンジョンのB16Fで練乳狩りをする。

明後日は朝からダンジョン攻略を予定してるみたいだな。

るびのは今日の夕方から大黒豹の軍団を率いて大草原の馬狩りに行ってくるらしい。

眷属の念輪集会でガウリスクが熱く馬の美味しさを語ってるのを聞いたおかげで食べたくなったようだ。

ガウリスクの群れだけでなく・・・シルバードや盗賊『草原の暴風』との抗争で大草原のグリーンウルフの数が減ってきていて、最近は大草原西部の馬の数が増えすぎているらしい。

明日は森林タイガーを連れて馬狩りをするという予定で、明後日は嫁達とアゼットダンジョンに行きたいと言ってるので任せて安心だな。


食後は30分ほど雑談して嫁達や、るびのとフォクサは昼寝をしに行ってしまった。

俺は魔力パワーボートに転移魔法で移動して展望席の自分専用シートを倒して俺も昼寝をすることにした。

30分ほどの昼寝でスッキリできた。

自分専用シートを起こして席を立った時にサイラスの甲殻鎧装備に一瞬で着替えた。

今日はシグチスで何度も戦闘に巻き込まれる可能性があるからな・・・今のうちから準備しておくにこしたことはないだろう。

今の時刻は1時半、途中から巡航速度を60ノットにあげたので、標準の高速船の速度まで落としてもあと30分ほどでシグチスに到着できそうなので40ノットまで速度を落とし認識阻害の魔法を解除する。

脳内MAPでシグチスの地図を3Dで確認する。


シグチスはシーパラ湾のすぐ外にある天然の入り江の中にあり、水深も深くて大型船舶も停泊し易い湾岸都市だ。

波の入り込みにくい湾の形をしているので天候が悪く外海の波が荒れても、シグチス湾内は波が穏やかで太古からの湾岸都市として発展してきている。

シグチス湾の中には大小様々な島が点在していてそれが複雑な海流を生み出しているので、シグチス湾内は豊富な漁獲量がありシグチスの住民の食を支えている。

シグチス湾の出入り口とシグチス港周辺は速度10ノット規制がされているので、俺も魔力パワーボートの速度を落として航行する。

首都シーパラにある高級マリーナと同じグループのシグチス港の中にある高級マリーナに到着して停泊してから、高級マリーナの事務所建物に赴いて魔力パワーボートの20m級ボート契約を結ぶ。

昨日の出発前にシーパラで紹介状を書いてもらったので契約はスムーズだ。

ただ、金額はシグチスの方が高いな。

20m級ボート1艘の年間契約で4000万Gも取られるが・・・シーパラと違って警備をしてる人間の数と質に違いがありすぎるからの金額なんだろう。

分かりやすい金額表示がプレートにもテーブルにも書かれているので契約書にサインして契約完了。


事務所を出てから左腰に天乃あまの村正むらまさを差して右腰に雪切ゆきり正宗まさむねを帯びる二刀流の完全装備状態だ。

マリーナを離れる前に忍を2体魔力パワーボートに残して防衛させてから、マリーナを出てシグチスの街を歩く。

ヨークル・シーパラ・ドルガーブなどとは雰囲気が違う感じがするな。

街並みは高層ビルも多く道路もきれいに装備されているのでシーパラに似ているが、街の喧騒はドルガーブというよりもマヅゲーラに似ている。

街を歩き始めて、とにかく目につくのは警備や親衛隊などの護衛をする人の数だ。

この世界には金銭はカードマネーだしアイテムボックスの存在があるのでスリやひったくりという輩は存在しない。

が・・・犯罪が多いのは暴力行為によって金を得ようとする『ゆすり&たかり』が多いからだろう。

商店の前にも護衛や親衛隊の数は目立ってる。

冒険者でなくても刀剣類を装備して道を歩いてる人が多いのは自分の身を守るためでもあるのだろう・・・明らかに商人のような服装をした人もサーベルを装備してるし。


今の俺の周囲は地球でいうところの『モーゼの十戒』状態だな。


カスに絡まれるのも面倒だったので今俺はシグチス教会に向かって歩きながら殺気と存在感を撒き散らして歩いている。

周囲の輩も俺に近寄ることすらできずに道路の隅にまで体をかわしてる。

俺の顔すら見ない。

金が支配しているこの都市でも所詮は『命あっての物種』でしかないからな。

教会の敷地に入るまでそのまま殺気をバラ蒔き続けた。

外見はカモの俺をつけようとしていた人間ですら逡巡させるような殺気を周囲に充満させてる。

高級マリーナから俺をつけてた人間は逃走した。

悪党が栄える街だからこその防衛本能だろう・・・狡賢くないと生き残っていけないから。


教会に入っていき殺気も存在感も通常の状態まで戻してから、先に1000万Gを寄付してお願いしたのは『警備隊に一緒に行って物件引き渡しに同行して欲しい』って事だった。

普通、こういう時は10万Gぐらいの寄付なのに俺の1000万Gという大金を寄付したので真偽官1名と・・・揉め事の予感がしたんだろう・・・聖騎士団の腕利き2名が加わっただけでなくゴーレム馬車と御者まで貸してくれるみたいだ。


まぁ・・・計画通りだと俺は思ってたが真相は違っていた。


警備隊と揉めるのは旧紫村道場の物件引き渡しの時に限定されるから、真偽官と聖騎士団と同行してる俺にウソや詐欺は通用しない。

聖騎士団2名が同行してくれる事となったのはありがたいな。

自分の身だけでなく真偽官まで俺が守りながらでの戦いになると、いずれ苦しくなるだろう。

なので俺は警備隊シグチス本部に向かうゴーレム馬車の車内で聖騎士団2名に冒険者ギルドカードを見せながら、自分の身は自分で守れるので警備隊本部でいざという時は真偽官の身を守ることを最優先でお願いしておいた。

銀色に輝くAクラス冒険者の証のカードを見て聖騎士団2名も了承してくれる。

それとアマテラスからの神託(俺にとってはゴッデスから直接頼まれた”依頼”なんだけど)があって、俺が今日からこの都市の粛清に来たから・・・これから血で血を洗う抗争が開始されることになったと説明しておく。


すると実は昨夜教会にいた聖騎士団の幹部全員にアマテラスからの神託が降りて・・・

『”正義の執行官・早乙女真一”が来てシグチスの大掃除を始めるから協力を惜しまないように』

という事らしく、今朝は聖騎士団全員に厳戒態勢に入るようにという通達が出てたようだ。

・・・なるほどなぁ、だから腕利きが待機してたのか。

真偽官もシグチスで名前も売れてる真偽官で、俺の知ってるローグ真偽官とは旧知の仲との事だった。

3人と握手を交わす。

神からの神託がおりて近日中に国を動かして国軍がシグチスに粛清の兵を進めてくると思うので、それまでは俺がシグチスの膿を引っ掻き回して引き摺り出すから教会も最悪の場合を想定して籠城できるだけの準備をしておいてほしいとお願いすると・・・

その準備は昼までに終えているらしい。

アマテラスからの連絡では警備隊もシーパラの総本部総長『アイザック・ゲッペンスキー』自らが1000人の直属の部隊を率いて乗り込んでくる計画が進んでいる。

総本部も粛清の嵐が真偽官を交えて行われてた後なのでスパイは壊滅してる。

なので電撃作戦が可能となった。


電撃作戦の試験的な意味合いもあって今回はアイザックも張り切っているようだ。


まぁ俺の仕事は変わらない。

警備隊シグチス本部に到着してゴーレム馬車を止め、御者は残して真偽官と聖騎士団2名と共に警備隊本部ビルに乗り込んでいく。

俺が入り口で冒険者カードで身分証明し終えて警備隊本部の中に入っていき、受付に旧紫村道場受け渡しの評議会発行の証書を見せる。

受付は俺と隣にいる真偽官、後ろを警備する聖騎士団のグループを見て苦虫を噛み潰したような顔になって『少々お待ちください』と言って奥に入っていく。

別の人間が出てきて彼が受け渡し係官の様だが・・・コイツは普通の善良な人間だな。

聖騎士団のゴーレム馬車に乗って移動を開始する。


「早乙女さん、何で受付の人はあんなニガニガしい顔をしていたのですかね」

「フッフッフ、真偽官さんも知ってるでしょう。俺に詐欺して変な土地をつかました挙句に証書を偽造したとか違法行為だって罰金でも取ろうとしてたんんじゃないですかね?」

「警備隊だから何でも通用するとでも考えてるでしょうかね?」

「俺には分かりませんよ」


ニヤニヤしながら俺と真偽官が話してると同行した警備隊のヒヒ獣人の係官も笑いながら話に加わってきた。


「初めまして早乙女さん、それにお噂はかねがね。早乙女さんがシグチスに直接乗り込んできたのは『正義の執行官、ついにシグチスに降臨!』ですか?」

「今回は国の依頼ではないよ。アマテラス様のご神託です」

「って事は神の執行官ですね」

「そんな大したことではないですよ。ただ調子に乗ってるシグチスの悪党を懲らしめてくれって頼まれただけです」

「クックック、私にはそれで充分です・・・ダリル真偽官、早乙女さんにリストを渡せばいいんだよな?」

「あぁ上桐かみぎり係官、早乙女さんにはそれだけで充分だろう」


話が途中からよく分からなかったが、ダリル真偽官と上桐係官は幼馴染で上桐係官はアイザックの愛弟子の信用のおける人物だと紹介される。

しかもシグチスの内部調査という密命を受けて潜入捜査している、受付の交代要員&雑用係として警備隊で勤務しているので様々な情報を収拾しやすい立場の様だ。

ダリル真偽官は昨夜のアマテラスからの神託を受けた人間の一人として今日の昼ご飯を上桐係官と食べて意見交換をすでにしていたようだった。

それで上桐係官の持ってる情報で”警備隊で情報を外部に売っているとみられてる人物のリスト”と、早乙女に害を加えようと企んでそうな”旧紫村流道場”の出身者や交友リストを準備しておいてほしいと頼んであったようだ。

上桐係官によると先程の受付の人間は旧紫村流道場の出身者&情報販売要注意人物として常にマークしてるようだった。

なるほどね・・・だから俺が真偽官を伴って登場したら『ぐぬぬ』ってたんだな。


今このゴーレム馬車内にいる人間は全員信頼できると俺の直感が告げている。

俺の秘密を話すわけにはいかんが、信用して仕事をすることはできるだろう。

上桐係官とも握手を交わしていると目的地の旧紫村流道場に到着した。

ゴーレム馬車を降りて見てみるがここはかなり広そうだな。

俺の脳内MAPに登録してある敷地もシーパラの本部道場跡地に匹敵しそうなレベルの広さがある。

上桐係官から渡された地図もかなりの広さを持ってる事が分かる。


・・・実は紫村流道場がシグチスに進出して道場の拡大路線に走ったのは、先代の5代目紫村上総介がシグチスに本拠を持つ剣客道場との抗争に勝利してこの道場を手に入れた事が発端になってると、上桐係官が道場の敷地全域に掛けられてる封印を解除しながら説明してくれた。

上桐係官が解除した封印以上に強力な封印結界を再度敷地全体に掛ける魔石付きミスリル棒を正面玄関前の穴に突き刺した。


商業ギルドに行ってゴーレム達を登録する事にしたのは、ダリル真偽官に商業ギルドシグチス支部の場所を聞いたら、ここから警備隊本部に戻る途中にあるから乗って行ってください前まで送りますって言われたので先に商業ギルドに行く事になった。

商業ギルドシグチス支部の様子をダリル真偽官に聞いたら、受付に『エラディオ』って1人だけハゲのオッサンがいる。

そのオッサンはクソ真面目の頑固一徹過ぎて内部に軋轢を起こさせるので嫌がらせで受付係にさせられてるが、俺が信用に値する人物でダリルも上桐も交友があるらしい。

存在感とかかなり薄い人物なので受付で探してくださいと教えてもらう。

商業ギルドシグチス支部前で俺だけ降ろしてもらい、彼らは警備隊本部に帰っていった。


俺は商業ギルドに入ってエラディオ・・・確かに存在感とか頭頂部とかいろいろ薄いな。

でも直感で信用できる人物だというのも良く分かるので専属窓口契約をしてもらってカードを貰う。

会議室を借りて会議室を封印結界で塞いでから早乙女商会所属のゴーレムを全部登録する。

ユーロンドは2セット10体を登録することにして、名前は『シグチス・ユーロンド』にして1~10号までを登録。

メイドゴーレムも『シグチスメイドゴーレム』の1~3号。

マッサージメイドゴーレムもシグチスの名前を先に登録したし、愛玩ゴーレムも同じでシグチスの名前を先に付けて名前を登録する。

ゴーレムの登録を済ますと次はもふもふ天国シグチス店とモフモフマッサージ天国シグチス店の出店の届け出を提出する。

何度も書いてるので時間もかからない、サクサク済ませて終了。

商業ギルドを出たのは16時前になってた。


小走りに走って早乙女商会シグチス支部に戻り敷地全域に幻影の魔法を施す。

敷地内に入り内部を歩き回って調査をしたがここはシーパラの道場と同じように中にあったものは全て処分されていてすっかりがらんどうとなっていた。

建物は入り口から入ると先の道場があって裏に寮がある。

一気に全部壊して素材にするだけなんだけどな。

解体スキル魔法で道場も寮もその他の建物も全部解体してアイテムボックスに入れて素材にまで戻す。

ユーロンド10体を取り出して防衛任務を開始させる。

この道場も寮も木材も石材も多く含まれていて、かなり頑丈な造りになっていたが、そのままでは店舗としては使えないので解体した。

庭も広くスペースがとってあって日本庭園風になってるのは紫村流本部道場と同じだが、こちらの方が屋外練習場も兼ねてるようなので土は踏み固められている。


敷石も全部邪魔なんで取り外してアイテムボックスに入れて素材となる。

ここには地下室らしきものはなかったな。

全部解体し終わってから今度は門と塀を解体して中に魔石付きミスリル棒を埋め込んでおく。

塀は少し高くして外か中の様子が見え難い様にしたのは敵の攻撃や監視からの防衛だけでなく、通りすがりの一般人からの目線からも見えないようにする配慮だな。

正門を入って右にもふもふ天国の店舗を作って左側にモフモフマッサージ天国の店舗を作った。

外観に違いはないがどちらも2階建てにした。

もふもふ天国もモフモフマッサージ天国もすでに何店舗も作ってきたので手馴れた作業だな。

他の店と同じようなレイアウトで作るので、脳内に青写真を描く必要もないから建築スキル魔法でサクッと2つの建物を同時に製作。

もふもふ天国にはメイドゴーレム3体と愛玩ゴーレムを15体、モフモフマッサージ天国にはマッサージメイドゴーレムを男タイプ女タイプの20体ずつの合わせて40体をアイテムボックスから取り出して開店準備のドリンク類を製造したりクッキーなどの軽食の製造、さらにテイクアウト用に紙皿や紙袋だけでなくドリンクのポットなども製造させて準備。

必要なモノはアイテムボックス経由で送り俺は両方の店舗の内装を仕上げをする。

店舗は作ったけど開店は当分先になりそうだな・・・粛清の方の目途が立たない事にはここにクソどもが襲撃してくる事は1度や2度じゃないだろうしな。

なので今はシーパラのモフモフマッサージ天国のマッサージメイドゴーレムがローションマッサージの講師になってるけど、今後はシグチスのマッサージメイドゴーレムを講師にするようにマヅゲーラの徒影に指示をする。


両店舗ともだが裏側からしか出入りできない転移魔法陣のある転送部屋を作り2階へとつなげる。

もふもふ天国の方の2階は早乙女商会シグチス支部にする。

大小の応接室2部屋と俺専用の執務室。

モフモフマッサージ天国の方の2階は任侠ギルドシグチス支部を開設する。

任侠ギルドの中の店舗は適当に事務所と応接室と簡易ゲートによるマヅゲーラにある本部と繋いだ転送部屋を作成した。

簡易ゲートを試しに使ってみたが何の問題もなさそうだった。

任侠ギルドシグチス支部の内装まで終わったのでとりあえず建物の外に出てから、アイテムボックスから徒影30体と忍を100体を全部取り出して街に放つ・・・まずは情報収集。

これで下準備のような拠点づくりが終わったので、これからは『マティアス・ゲンズブール』と闘士を救出しに地下闘技場に行ってくる。


隠者スキルで自分の存在感や魔力などを封印して、全身黒尽くめの闇属性甲殻鎧セットにステータスから瞬時に着替えた。

時刻は17時となって早朝からの仕事を終えて帰宅する人が増え街に人が流れ始めるこの時間に、シグチスの街並みの屋根から屋根へと跳躍して地下闘技場がある場所まで疾走。

・・・某怪盗の孫のように一度してみたかったんだよな。

結果は今の俺のステータスなら余裕でした。

地下闘技場がある建物の屋根にたどり着くと内部を気配探査・魔力探査・空間探査などを使って探りとる。

表の建物はちょっと狭い屋敷程度で建物以外の敷地は全部が整地されて敷石が敷き詰められてるゴーレム馬車駐車場となっている。

正門は今は閉じていて敷地内の正門横には門番が2名いるが・・・正門横の詰所の中まで含めると10人いて・・・その9人は奴隷だった。

奴隷じゃない1人は門番詰所の奥で紙巻きタバコを吹かしている。


ショックの魔法で全員を気絶させた。


鑑識の魔眼を解放してから奴隷の状況を確認して隷属の首輪を解除、そのまま全員を『霊拘束手錠』という名前の結束バンドで両手両足を縛って、10人全員もあちこちを結び付けておくので逃げようがなくなったな・・・どっちにしても俺のショック魔法で半日は気絶したままで動けないけど。

奴隷は誘拐されてきた人間ではなく、どこからか購入してきた借金奴隷なんだが・・・借金返済をできないように暴利で拘束されてる不法奴隷だったんで彼らは後で聖騎士団に引き渡した方が良いのかも。

敷地全部にいつもの封印結界を施し脱走できないようにしてからセキュリティーを全部解除、転送石も使用できないように移動禁止の封印結界もついでに施した。


地下闘技場は地下へと続く階段ではなく転移室からの転送魔法陣による移動で地下に造られているようだ。

地下に作ってから階段を埋めたような作りになってるな。

この場所はシグチスの中でも郊外にあたる区域で敷地面積だけは異様なまでに広い。

敷地の地下に巨大な闘技場が建設されたのは600年以上前の白虎戦争以前の作りで相当頑丈に作られている。

シグチスは外国との戦争の矢面に立たされることが多く街そのものが頑丈に作らているし、白虎戦争での被害もなかったのでシーパラのように過去の建築スキルで作られたままの街並みが残っている。

地下闘技場を探って奴隷となってる闘士たちがとらわれてる場所を発見して転移魔法で直接向かった。


突如出てきた黒尽くめの俺に驚愕してる看守2名を左のジャブ2発で意識を刈り取り土下座させて、この2名も霊拘束手錠で拘束してから地面に転がしておいた。

牢屋のカギを開いてるのを確認して中に入ってる全員の首に装備されている隷属の首輪を解除すると、全員から聞かれたのは『あなたが早乙女さんですか?』だった。

昨夜の奴隷闘士全員で行う合同トレーニングの後から先程まで寝ていた時に夢の中でアマテラスから神託があって『早乙女真一という男がみなさんを救出しにきてくれて奴隷解放してくれるから大人しく待ってるように』って全員が聞いていたそうだ。


まぁ・・・話が早くて助かるな。


マティアスはチャンプなので個室が与えられてるそうなので、ここにいる12名ほどの元闘士のみんなにおにぎりと温かいスープを渡して食事をしててもらう。

鑑識の魔眼を解放しっぱなしになってるので人物鑑定もついでにおこなってるが、ゴッデスの言うように優秀な人物が多いというのはホントだな。

全員が獣人で他国から奴隷にされて送られてきたようだが、人物的にも戦闘能力的にもなかなかの人たちだな。

ゴッデスからの情報ではマティアスが地下闘技場でカスのような輩は戦いの最中に事故を装って殺害したというのはマジらしいな。

次々にドアを開けて看守を気絶させて拘束してから奴隷闘士を解放して食事を与えた。

全員で元奴隷闘士は35名。

怪我や古傷を抱えてる人にはメガヒールを使って完治させる。

食事を済ませた彼らに俺がアイテムボックス内で製造したワイバーンの革を使った全身革鎧と革のブーツのセットを渡して装備させる。

全員のサイズ調整を済ましてからみんなを引き連れてチャンプの元にいく。

個室前の廊下に出てすぐに目の前にいる看守の腹を突き上げるようなショートアッパーで意識を失わせた。

全てのドアの施錠は解放されてるので取っ手を引いて中に入っていき中にいるマティアスの隷属の首輪と隷属の手錠を解除してから話しかけた。


「あなたがマティアス・ゲンズブールさんですか?」

「はい。間違いありません。それで、あなたが早乙女真一さんですか?」

「ハイ、そうですよ。今日はみんなを奴隷闘士から解放してあげるついでにスカウトをしに来ました」

「スカウトですか?」


驚く全員に聞こえるように説明をする。

俺がゴッデスとアマテラスの神託を受けてシグチスの街を粛清しにきた事。

この都市の表の世界だけでなく裏社会もあまりに腐敗しているので、俺が持つ組織でマヅゲーラの夜の街を掌握する任侠ギルドを使って裏社会も粛清する。

任侠ギルドも人材不足なんでと説明したらゴッデスに紹介されたのが、ここに今いるみんなであること。

説明しながらマティアスにもおにぎりと温かいスープを渡し腹ごしらえをしてもらい、食後にはみんなと同じワイバーンの革鎧セットを渡して装備してもらい、サイズの微調整を済ませる。

任侠ギルドに参加する・しないは後で決めるとしてとりあえずこの地下闘技場を運営するクソどもに復讐しないか? と持ちかけると全員が了承してくれた。

マティアスが任侠ギルドに参加したいと言うと、35名の元奴隷闘士の人々も参加してくれることが決定し、俺が任侠ギルドマスターのカードを発行して36人全員を登録。

マティアスを2人目のサブマスターに任命してシグチスの責任者に指名した。

これで手続きは終了だな。

ワイバーンの革鎧は任侠ギルドの制服という形の支給品にした。

それで全員に約束事を1つお願いする。


『ここの職員や幹部はこれから治療費という名のボッタクリをするので”絶対に殺さないように大怪我をさせろ”』


これだけだ。

この地下闘技場に出勤してきた職員全員を奴隷にするために半分の15名を正門に貼りつかせて隷属の首輪を渡す。

シグチスマッサージメイドゴーレムを転送魔法で10体を呼び寄せて彼らに5体を帯同させて暴行で重症を負わせて治療するボッタクリ奴隷にさせる事となった。

残りの21名と俺とシグチスマッサージメイドゴーレム5体で敷地内全部をくまなくまわり、職員及び幹部&総支配人を拘束して同じように暴行から治療のボッタクリ奴隷コースで捕獲した。

人物鑑定はマティアスに任せて何に使える奴隷とか何に向かない奴隷かに分類をさせてメモを取らせる。

オーナー兼総支配人には念入りに全員から死ぬ寸前まで痛めつけてもらって、俺から繰り返しのエクストラヒールをさせるコースで、コイツが持つすべての財産を取り上げて敷地建物を任侠ギルドに販売。

任侠ギルドから俺に支払われるお金は俺の裏金なので・・・マネーロンダリング成功だな。

コイツは別荘替わりの別の土地建物を所有してるので無論これも取り上げて任侠ギルドに売る。

別荘と言ってもここと違ってシグチスの中心部の近くにあり土地や屋敷としてしては広くはないが使い勝手は良さそうな場所にあると思うので、先ほど街に放った徒影と忍を向かわせて確保させる。

中にいる人間も確保。


制圧しても怪我をさせて治療をしているので誰一人殺害はしない。

マティアスの進言で出入り口にいた9人の門番していた不法奴隷も解放されて任侠ギルドに加わることとなったので俺の革鎧を渡した。

マヅゲーラの任侠本部ギルドから徒影3号の転送魔法で『マナガルム・ブラム・アバルニア』と任侠ギルド幹部で俺専属の秘書をしている『ガスタード・ウェイド』がやってきたのはその後すぐだった。

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