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モフモフマッサージ店開業するっす。

アグマイアから渡される道場破り認定書を全部読んでからサインをする。

3つの都市の道場の土地建物を道場破りの正式ルールに従う評議会からの譲渡書にもサインをして完了だな。

アグマイアに注意説明を受ける。

各都市の警備隊の本部にこの譲渡書を見せれば封鎖された各道場の封印結界は解除してもらえる。

今日より1ヶ月分の封印結界維持費は国によって賄われてるが、延長の場合は費用は自分持ちになってしまうので警備隊に連絡がない場合は、俺の個人資産から自動で引かれてしまう事になるので、なるべく早めに現地の警備隊と交渉してくださいと説明を受ける。

土地建物は警備隊の管轄下に入ってるので封印結界の解除は警備隊で譲渡書を見せれば、警備隊の担当者が封印結界を解除してくれるみたいだ。

金はどこに入金しますかと言われて早乙女商会のカードを渡すとアグマイアは自分のアイテムボックスから魔水晶を取り出してカードを当てる。

ブオンという音が鳴るとカードを返してもらえた。

この後アグマイアが評議会に帰ってから確認後に早乙女商会の口座に入金されるらしい。


その他の細かい説明はこの資料を呼んでおいてくださいと小冊子を渡されてアグマイアは帰っていった。


結界費用は自動引き落としかよ・・・便利ではあるんだけど、こうやって結界師ギルドは儲け続けているようだな。

来月までには結界師ギルドの存続自体が危ぶまれるけどな。

しかし、道場か・・・デカすぎるほどの土地だし正門前にはゴーレム馬車駐車場が10台駐車できるスペースがある。

改装はすぐできるんだけど・・・先に何に使用するのか決めないとな。

今日は遅い朝食を取りながら悩む。

ここで悩んでいても仕方がないので警備隊シーパラ本部に行って現場の結界を解除してもらう事にする。

中に入って実際に現地を歩き回ってみれば何かいいアイデアが浮かぶかもしれん。


朝食を終えて警備隊の本部に出かける前に時間をみたら9時半・・・早乙女邸の専属メイドゴーレムのクロに連絡して俺が出かけることを伝えておく。

早乙女工房から外に出ていくが今日はエルフのナディア・グラナド販売員の姿が見えなかったので他の販売員に聞いてみたら、今日はじゃんけんに勝ってもふもふ天国シーパラ店の担当になれたようだった。

ナディアはモフモフ大好きだったから今頃、ニコニコで仕事をしてるだろうな。

休憩時間は全部もふもふ天国にタダで入れるんだし。

外に出てホップボードに乗って警備隊本部にむかいながら・・・モフモフ天国にナディアを案内していた時に彼女の見せた幸せそうな顔を思い出して・・・俺までニヤついてしまった。


警備隊シーパラ本部は同じブロックの中央行政区内なのですぐに到着。

受付で事情を話し譲渡書を見せると封印解除と物件引き渡し専門の担当部署の人と警備隊のゴーレム馬車に乗って元紫村流道場本部に連れて行ってもらい封印を解除してもらった。

彼らはそのまま警備隊が管理する封印結界の中に不審者が隠れてないかパトロールしてから帰るそうだ。

元紫村流本部道場の敷地の中には入っていかないみたいだな。

俺は巨大な木製の正門を開けて門に外からは幻影を見せる厳重な封印を施す。

ミスリル棒を上空に投げて空中に浮かばせ敷地全部を封印で覆いつくす。

道場や屋敷など建物の中に入っていくが俺が昨日ここに呼び出されてきた時とはだいぶ違ってがらんどうだ。


木刀・竹刀・防具だけでなく掛け軸や花瓶などの装飾品までが全部なくなってる。

警備隊が全部持って行って換金してくれた。

それ以外にも盗まれたアイテムとかも数多くあるだろう。

警備隊が呼ばれて来るまでの時間に周囲の道場が生き残った道場生に仕返しをして、ついでにドサクサ紛れの盗難もあるだろうしな。

本来だったら盗難なんだけどここに何があったのか調べるのも面倒。

盗難届を出して調べてみても自分は捕まる事はないと分かってるからこその盗難だろう。

俺はとっとと全部の建物を素材に戻して更地に替えた。

さすがに道場だけあって木材の素材が多い・・・意外と石材も多いな。

地下室の空間があって秘蔵の刀剣類があったような空間があるんだが・・・見事に何もないな。

譲渡契約書の内訳にも資産金額の内訳にも竹刀と木刀以外の武器類はなかったので全部盗まれたんだろう。


・・・いらんけどな。


昨日の道場破りで適当に作った木刀型のオリハルコン棒ですら”伝説吸レジェンドクラス”になってるぐらいだからな・・・名前も『早乙女木刀』となってる。

地下室も全部埋めて完全な更地にしてから門や塀に魔石付きのミスリル棒を埋めて俺特製の結界を施す。

門や周囲を取り囲む塀もついでに強化したので外側から見ると木製の塀だが、中は石材が詰まっていて敷地の内側から見ると今まで通りの土塀に見える。

庭の真ん中にあった池も日本風庭園も、入り口から道場まで続いていた石畳も全部を撤去して更地にした。


更地にしたら広さが格別だな・・・周囲には道場ばかりなのでゴーレム馬車駐車場はガルディア商会に貸せるようになると連絡しておかないとな。

ここで何をしようか・・・そろそろ『モフモフマッサージ』でもやってみるかな。

とりあえず敷地から見て正門の左横にある通用門のすぐ前に今まで練習生の宿舎と同じ大きさ程度の2階建ての建物を立てる。

入り口と通用門までは生垣で通路を繋いで敷地内は見えないようになってる。


中の建物は純日本風建物で以前のものに似てはいるけどまるっきり違う。

木材が表面に張ってあるだけで中身は魔法で固めた土と石と煉瓦で出来てるので、外観だけは純和風だけど中身は洋風だな。

建物の高さも少し違っているし、中は大幅に変更されている。

今までは3階建ての寮らしき建物だったけど、変更して中身は2階建てで高さが身長の高い獣人でも可能なように各階の天井までの高さ3mずつにした。

入り口も大きくなって変化している。

建物の中身はモフモフ天国の店舗に似ているが靴は脱がないクイック用の建物右手側と、靴を脱いで全身をマッサージする左手側と入り口で分けることにした。

左側には下駄箱を設置する。

クイックは10分と20分のコースにして10分1500G、20分2500Gとする。

全身用は1時間半の90分9000Gにして頭の先の頭皮から足のつま先までをマッサージする。


マッサージ師のゴーレムはアイテムボックス内で作る。

ワイバーンの骨を重力魔法で限界まで圧縮させて骨格を作りダマスカス鋼で分厚くコーティング。

身長は160cmの女性タイプと190cmの男性型の2種類を作る。

森林モンキーの尻尾を筋肉部分として取り付けて内臓部と頭部に魔結晶や魔石を包み込み表皮は森林モンキーの毛皮で覆う。

全身の毛皮の色は抜いて全身が真っ白にさせた。

顔はネコ型でケットシー風、手の肘から先だけは人間と同じように毛がない状態にしてある。

手の部分は人間の皮膚に一番感触が近いオークロードの革を上に使用する。


ブタ革は人間の皮膚に近くて移植に使うこともある・・・という話を日本にいる時に聞いた事があったから使ってみたが、これは大成功だろうと思う。

・・・今後、人型ゴーレムを作る際には皮膚に使えるな。

オレンジ色と白色の浴衣を作って着させて、黄色の前掛けをつけさせると温泉で働く仲居さんのようになったが・・・白衣よりもこっちの方がよさそうだったし、建物が外見も内装も純和風だったのでこっちの方がマッチしてる。

男女20体ずつで合計40体を製作、浴衣の胸の模様と背中の模様に1号~20号までの番号を書いてわかりやすくした。

内蔵した魔結晶にマッサージの全テクニックとメガヒールまでを使えるようにして、無手のスキルとアイテムボックス(中)も入れておく。

メイドゴーレムと同じように料理スキルもつけたのでマッサージ特化型のメイドゴーレムな仕様となった。


それでどこにモフモフ成分をつけたのかというと・・・

クイックマッサージの方はイスにお好みのラグマットを掛けるようにして敷いて座り、足を乗せるクッションも選べるようにした。

種類は森林モンキー・大鹿魔獣・シプラコーンなど大量に余ってる毛皮たちだけでなく、グリーンウルフ・炎虎・大黒豹・森林タイガー・狐魔獣などの配下の抜け毛を毛皮に再加工したのも選べる。

銀大熊も一応柔らかく何度も加工して作っては見たのだが・・・ちょっとだけゴワっとした毛皮好きはいるのかわからない。

アイテムボックスに余ってるリザードドックジェネラルの鱗付きの革も選べる。

モフモフ好きと同じように鱗好きもいるだろうから、それも選べる項目に入れた方が良いだろう。

全身マッサージ用は診察台の上に好みのマットを敷いてマッサージを受ける。

モフモフは必要ないという人用に普通のタオル地のマットも用意してある。


1階部分は普通のマッサージにして2階部分はムフフなマッサージにしようかと思うが・・・これはまず働く女性のローションマッサージ教育から先にしないといけないので・・・しばらく先になりそうだな。

マッサージゴーレムを今後は深夜にマヅゲーラの街へと派遣して教育させることにすれば早くできそうだな。

転送魔法で手元に取り寄せた徒影1号~5号を内蔵されてる魔結晶を大型のものに取り換えてアップデートして、転移魔法を使えるように改造する。

ついでに報告を受けるが任侠ギルドサブマスター『マナガルム・ブラム・アバルニア』の新妻となった旧姓『アビーノ・キリサキ』今はアビーノ・アバルニアは監視を続けてるが、他の誰からも監視や接触など受けて無いようなのでひとまず安心って所だろう。

引き続き抜かりなく監視を続けるよう指示をしておく。

マッサージで働きたいという女性は任侠ギルドで探すことにする・・・今の仕事に悩んでいるような女性を中心にして声をかけてみるように任侠ギルド幹部のガスタード・ウェイドへの指示書を渡して、徒影達を帰還させることにする。


ローションマッサージ業は任侠ギルドの表の仕事としてマヅゲーラの外へ進出させる足掛かりとさせて、制圧した裏組織の敷地や俺の手に入れた敷地に出店させるように手筈を整えさせる。

ローションマッサージ商会を立ち上げさせて・・・代表はマナガルムで商会の方には俺の名前入れないが出資者の中に早乙女真一の名前を混ぜておくことにしているのでオーナーの様にしている。

俺の裏資金から20億Gほどを任侠ギルド経由でローションマッサージ商会に回す様にして俺は出資者に・・・マネーロンダリング?

任侠ギルド経由でないと使いどころに困る金なので面倒だけど仕方がないだろう。


俺はユーロンドを26号から35号までの10体を製作。

忍も20体作って5体を防衛任務に早速就かせる。

商業ギルドでユーロンド10体とマッサージゴーレム40体を登録してこようと思うが・・・殴り込みになっちゃうかな?

俺との契約でシーパラでは担当となったはずののマリス・シュガートはどういう反応を見せるのかと考えると、ちょっと見てみたいな。

時間も11時で中途半端な時間だけど早速商業ギルドに行ってみることにする。


敷地の外に出ていってみると厳ついオッサン集団が俺を待ち構えていたようだ。

180cmほどある厳ついヘビー級のオッサンが俺に顔を近づけて話しかけてきた。


「坊主、お前みたいなチビが紫村流を消滅させたってマジかよ。」

「だから?」

「俺と勝負しろ!」

「勝負って・・・俺に何を賭けさせて、お前は何を賭けるんだ?」

「お前の全てと俺の全てを賭けて勝負しろ!」

「お前の全てなんていらねぇーよ。俺はホモじゃない。」

「じゃあ、決闘しろ!」

「なんでお前みたいな弱っちょろい奴と決闘しなきゃならんの? タダのイジメじゃん・・・それともお前ってドMなのか? 面倒見きれないから専門の店に行け。」

「フザケンナ!」


馬鹿が右足で俺を全力で蹴ってきたので左手で受ける。

ムエタイのような上から下に落とすハイキックだった・・・が、俺の左手に当たった瞬間『バギャン』という不気味な音がしてバカの右足が脛からへし折れた。


「あぎゃーーー!」

「五月蠅いなぁ、だからイヤだって言ったんだよ。」

「うそ・・・」

「お前ら、このカスをさっさと病院に連れて行かないと足は二度と元に戻らないぞ?」

「あぁ、すみません。失礼しました。」


ウソついて脅迫したら馬鹿の取り巻きがバカを慌てて連れて帰っていった。

次は白昼堂々と天下の公道でハルバードを振り回してくるバカだった。

しかも3人掛かり・・・なんだこれ。

さらに3人が口々に叫んでる言葉が『いざ、尋常に勝負しろ!』なんて口走ってるので、尋常に勝負しろって意味わかってんのかな?

ギャラリーが集まってきてから全員のハルバードを素手で叩き壊してやってから、腹に掌底を叩きこんでウンコマンを3人に作って路上に放置した。


俺は周囲に殺気を振りまきながら『で、次はだれ?』と聞くと蜘蛛の子を散らす様にして逃げていった。

しばらくはこの道路を歩くときは殺気バリバリで歩いてやろうかな・・・なんて思いながらアイテムボックスからホップボードを取り出して飛び乗り、音もなく滑るようにして商業ギルド本部に走っていく。

俺が商業ギルド本部に入っていって小会議室を借りてマリスの専属カードを提示して呼び出してもらう。

ただいま会議中なのでしばらくお待ちくださいと言われたので会議室に入って封印を施してから待ってる事にする。

アイテムボックス内でカルピスを作って氷を入れて飲んでると、マリスが走って入ってきた。


「早乙女さん、すみません。うちのギルドの不手際で多大な迷惑をおかけしたと・・・」

「まぁ、マリスに怒ってるわけじゃないから早くドアを閉めて部屋の中に入ってきてくれ。」

「ご、ごめんなさい。」


マリスを会議室の中に入れて座ってもらい、一通りの謝罪を受けてから俺の当初の予定だったユーロンドの登録・マッサージゴーレム40体の登録・早乙女商会のマッサージ業の開業説明を先に済ませる。

アリスに聞かれたのは・・・


「整体師ギルドに登録しないで商業ギルドのマッサージですか?」

「整体もできるんだけどもっと手軽なクイックマッサージと全身の顔や頭皮までマッサージする全身マッサージが俺の考えた商売なんだ。」

「クイックというのは短時間だけなんですか?」

「あぁ、今のところ想定してるのが・・・クイックは部分マッサージで10分と20分のコースにして10分1500G、20分2500Gとする。全身用は1時間半の90分9000Gにして頭の先の頭皮から足のつま先までをマッサージする・・・って事かな。部分マッサージは顔・頭皮・手・肩・背中・腰・太もも・ふくらはぎ・足裏のどれか1つが10分。20分だと3つでと選べるようなシステムだな。」

「それは面白そうですね・・・でも、足裏ですか?」

「意外と気持ちが良いんだけどな・・・物は試しでマリスがやってみてよ。」


俺はまたアイテムボックスからマッサージゴーレムを取り出してマリスの足裏をマッサージさせる。

下のクッションはマリスは大鹿魔獣のクッションを選んでた・・・モフモフ好きだって言ってたしな。

両足でキッチリ10分のマッサージをしてもらってマリスは大満足だったようだ。


「これは良いですね・・・気持ちが良くて半分寝てしまいました。」

「疲れが溜まってそうだな・・・会議って俺の手紙が届いた朝からだろう?」

「そうなんですよ、早乙女さんの専属は私なんだから私を通して早乙女さんに話をしないといけないという、商業ギルドで取り決めたルールがあるのに商業ギルド本部のマスターが”私利私欲”に走って早乙女さんと”個人契約”しようと考えていたことが発覚しまして、今は本部のギルドマスターは逮捕されてしまいました。」

「個人契約で私利私欲ってどういう事なんだ?」

「早乙女さんが昨日ウォーカー家に持ち込んだ国家機密を商業ギルド本部ギルドマスターと結界師ギルド本部ギルドマスターに売り込んだ奴がウォーカー家の秘書にいまして、早乙女さんの手紙で情報を得たナディーネ・シーズ・ウォーカーさんが極秘裏で捜査して事件が発覚しました。それで3人が緊急逮捕されて連行されたと聞いてます。」


「ほぉー、さすがシーパラ連合国の女帝・・・思ってた以上に素早い仕事してるようだな。」

「早乙女さんのゴーレムがギルドマスターに手紙を届けにきてから、緊急会議が始まりましてギルドマスターが商業ギルド本部に多大な迷惑をかけたから辞任したいと言ってきたんです。理由については『国家機密にかかわることだから』と教えてもらえなかったですし。専属の私の頭ごなしで早乙女さんに手紙をだしたのは商業ギルドではなく自分と個人契約をしてもらって大儲けをするつもりだったと語ってました。」

「・・・」

「それで会議でギルドマスターの言ってる事の意味が分からなくてみんなで困っていたところに、最高評議会特別捜査隊の隊員の方がみえられましてギルドマスターに国家機密漏えい容疑で逮捕されて連行されてしまいました。」

「・・・」

「それで早乙女さんと国に謝罪するためには辞任ではなく『解任&追放』の形にしないと商業ギルドは多大な傷を負ってしまうのではないかという話が、反ギルドマスター派の幹部から出てまして議論を戦わせていたんですけど・・・今度はギルドマスターの腹心の3人の幹部とサブマスターの合計4人が、ギルドマスターと同じ容疑で警備隊に先ほど連行されていきました。」


「5人で共謀してたんだろうなぁ・・・」

「ハイ。警備隊の逮捕状にも共謀容疑という文字も書かれてました。」

「って事は会議でギルドマスターとサブマスターと3人の幹部は解任と追放になるの?」

「もはやそれは既定路線ですね。その後に評議会より出頭命令が来まして、緊急幹部会で早急に替わりの代表者を決めて代表者と副代表で評議会に出てきなさいと言われていて、今は会議で代表者と副代表の選挙をしてる最中ですね。」

「って事はマリスも出なきゃいけないんじゃないか?」

「大丈夫です。早乙女さんが来たという事で先に投票させてもらってから、こちらに来させていただいたんで。」

「って事は、俺って気を付かわれてる?」

「もちろんです。幹部会でも全員で謝罪しに行った方が良いのではないかという意見もありましたが、私が代表して謝罪するという事で落ち着きました。」


「ゾロゾロ来られても邪魔なだけだしな。断ってきてくれてありがとう・・・それで聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「はいどうぞ・・・」

「俺はマッサージ店とマッサージ店で行う治療について・・・行政側や商業ギルドから何らかの規制があるのかが聞きたいんだけど。」

「整体師ギルドの整体の店はギルドが定める規制がいくつかあったはずなんですけど・・・ギルドに登録しないでというパターンは聞いたことがないですね・・・ですけど、法律によって規制される事というのは別にありません。飲食店と同じで届け出だけが必要になります。」

「じゃあ、早乙女商会でマッサージ店を開業するから届け出を出させて貰うよ。」


俺の要望でマリスがアイテムボックスから店舗開店用の届け出書類を出してくれる。

モフモフ天国開店で何度か書いたがマッサージ店は始めてなのでマリスのアドバイスを聞きながら公式書類を仕上げてマリスに渡した。

会計用の魔水晶を5個貰った。

そのまま12時までマリスとドライフルーツをかじりながら雑談してた。

昼の時間になったので俺はそのまま早乙女工房に戻ってから早乙女邸に転移して帰宅した。


今日の昼食は嫁達はダイニングで”とんかつ”を食べてたので俺も同じものにする。

ソースは味噌カツ用のソースを自作してかけて食った。

キャベツの千切りにも味噌ソースをかけたので久しぶりの名古屋メシを堪能する。

アイリとミーはソースの甘さに『う~~ん』ってん悩んでる感じだったけど、クラリーナは大満足の笑顔で途中からとんかつにつけるソースは味噌カツソースに切り替えてた。


食後に玄米茶を飲みながらマッサージ店開業の話をしたら経験してみたいって事だったので、嫁3人とセバスチャン・マリア・クロを連れて地下室のシャワールームの隣にマッサージルームを作ってあげた。

診察台のような簡易ベッドの上に大鹿魔獣の毛皮で作った大きなラグを敷いて、3人の嫁をゴーレム達が全身マッサージを施していく。

俺はとろけるような笑顔でマッサージされてる嫁達をゴーレムに任せて出ていこうと思ったが思いとどまった。

まだ話をしなきゃならないことがあったからな。


そもそものマッサージ店を開店することになったのか理由も説明しておかないと。

紫村流侍剣術道場から呼び出しが来て、あまりの卑怯なやり口にムカついて道場破りをしたこと。

その道場破りが古代からの作法に則って正式に始末したので、古代からの風習に従って道場なとの固定資産と現金が税引き後に俺の手に入ることになった。

道場の固定資産は『首都シーパラの本部道場』『ドルガーブの道場』『シグチスの道場』の合計3か所。

それで今日は本部道場を改装してマッサージ店の店舗用の建物だけを作ったが、それ以外の部分は何も予定がなくて今は更地になってる事。

それと残り2つの道場もモフモフ天国とマッサージ店を作ろうと考えてる事も説明した。

今日はこの後にモフモフマッサージ天国シーパラ店を開業してから、転移魔法でドルガーブに行ってくるので帰りは遅くなると言ってから出かける。


全員俺の説明に返事もなく幸せそうな顔でマッサージを受けていたけど・・・多分耳に入って聞いてはいるだろうから説明だけはしておいた。

転移魔法で直接モフモフマッサージ天国シーパラ店に跳び、店内にマッサージゴーレムを配置して店内の準備は完了。

モフモフマッサージ天国の店内左側の全身マッサージ用はパーテーションで区切られていて、小さな個室が10個に区切られている。

個室内はマッサージ用の診察台のようなマッサージ専用のベッドが置いてある。

店内右側はソファーだけが20個用意してあって、こちらは何も区切られていない。

後はおいおいでいいだろう。

建物の外に出て商業ギルドで登録してきたばかりのユーロンド5体をアイテムボックスから取り出して敷地内防衛任務を開始させた。


この敷地を防衛していた忍からの念話で侵入しようとした奴はいなかったようだが、昨日までと違って正門も通用門すらも閉ざされたこの状況に様子を伺っているような奴らが何人もいたようだった。

ユーロンドが先回りして開けてくれた通用門を開けっ放しに解放させ、門の外に出ると何人かが俺のところにやってきて話しかけてくる。


「早乙女さん、道場を開かれるのですか?」

「開かないですよ。俺は我流過ぎて人様に教えられる技ではないんで。」

「出来れば教えを乞いたかったのですが残念です・・・では何か商売でも始められるんですか?」


俺がアイテムボックス内で作ったいつもの『もふもふ天国の看板(巨大ぬいぐるみ付き)』を通用門の外に置いたので興味津々で聞かれる。

俺はぬいぐるみが抱えて持ってる看板に文字を書き込みながらマッサージ店の説明をした。

別料金ではあるが怪我も治療できるマッサージ店だという説明を聞いて何人かが入っていった。


俺はゴーレム馬車駐車場の敷石を修理したり、雑草などを木魔法で処分して俺の作業は完了した。

モフモフマッサージ天国シーパラ店はこれで大丈夫だろう。

営業時間は早朝6時から夜8時までとモフモフ天国と同じ営業時間帯に設定してある。

治療は深夜でも急患は受付けられるので教会よりも少し値段を高めに料金設定をしたから、そこまで客は来ないであろう・・・考えが甘いかな?


中に戻ろうと歩いていくとバカが10人ほど抜刀して走ってきたが、敷地内に入った瞬間に俺の指示で通用門から風のように飛び出してきた2体のユーロンドによってあっさり制圧されている。

全員骨折まできっちりさせてるので治療費がかさむだろう。

俺は気にもしないで通用門の横に設置したぬいぐるみ看板に移動禁止の封印と雨避け結界と簡単な説明ができるような機能を搭載させた。


横目でちらりと見たらユーロンドによって愛刀をへし折られてゴーレム馬車駐車場の端っこに、襲撃者全員が並べられていってる。

中に入っていくと先ほど入っていったお客がクイックマッサージを終え出てきたようで・・・お礼を言われた。

先日痛めた膝の具合が治ったと相当気に入ってくれたみたいで、これからちょこちょこ通ってくれるとまで言ってくれたのはありがたいな。

後は口コミでゆっくり客を獲得していけばいいだろう。

周囲に道場が多いのでケガ人は多いだろうと予想してる。

マッサージゴーレムには骨折も治すことができるメガヒールまで封入させたので、繁盛する要素はかなり高いだろう。


俺は外階段から2階に移動。

2階の内装は何も手付かずとなってる。

ムフフなローションマッサージ店はまだ女性のテクニック教育も始まってない。

内装を作るのはその後でいいだろう。

待合室と10部屋ぐらいの個室が作れそうだな・・・という事は、同時に働けるのは8人程度にして2部屋分の休憩室が作れるかな。

裏側に寮でも作った方が良いかもしれんし、女性の数は交代制で10人以上は必要になるから・・・寮の部屋もそれ以上が必要となるな・・・


そんなことを考えながら隠者スキルで自分の存在感や魔力を隠ぺいして転移魔法でドルガーブ駅の大きな屋根の上に転移魔法で跳んだ。

ここは周囲からの死角になってるので高層ビルからは見えない。

警備隊ドルガーブ本部の近くにある死角を探して・・・近くのビルの裏手に木陰があるので、次はその場所に転移魔法で移動する。

警備隊のドルガーブ本部に入っていって元紫村流道場の結界を解除してもらいに来たと受付で話す。

入り口の身分証チェックで俺がAランクの冒険者カードを出したので、見た目がロンT・カーゴパンツ・スポーツシューズというラフな服装の170cmで15歳の男の対する態度とは違って、明らかに丁寧に接してもらってる。

俺のサインが入ったドルガーブ道場の評議会発行の譲渡書を見せられて、受付の男性が今から担当者を呼びに行ってくるのでそちらのソファーで少々お待ちくださいと言われた。

大人しく座って待ってると30代前半の警備隊の分隊長らしき人間4人が俺の周りを取り囲む。

先ほど呼びに行った受付の男性職員とは違う、隣に座っていた職員が後ろから叫んでる


「やめてください! 本部内ですよ! 話が違うじゃないですか!」

「うるせぇ! これは俺たちにとっては”聖戦”で弔い合戦なんだよ!」


俺を取り囲む厳ついオッサンが受付男性に蹴りを入れて吹っ飛ばした。


「みなさんどういう事ですか?」

「どうしたもこうしたもあるか! 俺達4人は紫村流道場の出身者でお前が殺した第6代紫村上総介様から免許皆伝をいただいたんだ。お前が来るのが予想よりも早かったからビックリしたけど、今は仲間を全員呼びに行かせてるから・・・八つ裂きにしてやるからな。」

「出来ないことは言わない方が良いな。警備隊の本部内で隊員が人殺し宣言とは恐れ入る。」

「貴様、もう土下座しても許さんからな。」

「俺と同じ意見だな。決闘するんだろ? 早く仲間全員を呼んで来いよ。俺は”元”紫村流の道場破りでお前達の大事な師匠も含めて50人以上も虐殺したんだ。4人ポッチじゃあ話になんねぇーよ。」

「ふん、どうせ卑怯な事でもしたんだろ? 俺達には通用しないからな。」

「卑怯はお前らだろ? 張りぼて木刀は用意しなくてもいいのか?」


外から20人近い人間が走ってきた。


「グワッハッハ・・・もう、逃がさんからな。クソガキは八つ裂きにしてやる、こっちにこい!」

「どこに行くんだよ。俺はここでもいいぞ? お前ら如きカスを殺すのに、場所を選ぶ必要もないけど・・・あぁ、そうかお前ら侍は集団戦だから広い場所じゃないと力を発揮できない・・・」

「お前等! ここを何だと思ってる!!」


ここで大声で話を遮ってきたオッサンがいた。

無精ひげを伸ばしたイケメンだった・・・俺はすでにムカついていたので切れて返した。


「ワシの管轄の警備隊ドルガーブ本部で何をやっておる!」

「うるせぇよ、無精ひげ。邪魔するなら貴様も俺と決闘するのか? ただし手加減しないから命がけでこいよ。」

「決闘だと! 貴様ら警備隊隊員の規則を忘れたのか? 隊員は決闘をするだけで犯罪となるんだぞ!」

「うるせぇ本部長だな。やめてやるよ。」


4人が胸のワッペンの様な階級章を引きちぎって地面に叩きつける。

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