マフィアギルド皆殺し作戦開始っす。
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雨が降りしきる深夜の闇の中・・・マフィアギルドに殴りこみ開始だ。
俺は転送魔法で引き寄せた徒影1~3号の3体と共に全滅作戦を開始する。
もしもの時は任侠ギルドの仕業に見せかけるために徒影を引き寄せてきた。
俺は隠者スキルで気配も完全に断った状態で裏から攻撃して、まずは奴隷を確保して先に解放させてもらわないとな。
俺が救助をしてる間は徒影に別行動で正面から殴り込みを掛けさせる。
正門から中に入る前にスパイギルドの殴りこみの時と同じ移動禁止の封印と音漏れ防止の封印を掛ける。
これでここから逃げ出す事は不可能になったし、全ての封印・結界・罠・施錠などを解除して俺の監視下に置く。ついでに派手に建物毎マフィアギルドを破壊しても外には全く音も洩れないようにした。
俺が進入前に空間探査・気配探査・魔力探査で敷地内の全てを探りとってると、徒影の3体は腕力に物を言わせて正門と正門扉とさらに正門横に隣接している門番詰所を完全に破壊する。
俺は奴隷の隠されている場所に転移、徒影達は正面突破を開始した。
徒影達には出来るだけ注目を集めてマフィアギルド職員たちの気を惹く為に『ド派手に暴れろ!』と命令してあるので暴れまわって殺しまくってる。
『ビー! ビー! ビー!』
という不審者進入警報ブザー音が敷地内全部に鳴り響いている中を、合計10人の奴隷が入れられている牢屋の前に転移魔法で移動して、周りを動き回っているマフィアの目の前で隠者スキルで気配を断った俺は誰にも気付かれずに鍵の開いた牢屋の鉄格子の中に侵入する。
転移してくると共にかけたスリープの魔法で眠らせた10人奴隷の首に嵌められている隷属の首輪を次々に外していく。
そのまま10人を重力魔法と風魔法の混合魔法『飛翔』で横に寝たまま空中に浮かせ、シーパラ教会大聖堂の礼拝室に転移する。
露草桜は誘拐された3人のシスターを救うためにマヅゲーラの街に行っており、まだシーパラには帰還していないので俺が確保した10人の奴隷全員にエクストラヒールを掛けて礼拝堂の長椅子に横に寝させる。
後5分もすればアマテラスからの神託で急遽呼ばれた『シル・バリトネット司教』がこの礼拝堂にやって来て彼らを全員保護してくれるだろう。
俺はスパイギルドの牢屋に戻リ、今まで自分の姿を隠していた隠者スキルも停止。
俺が牢屋の暗がりから浮き出てきたように姿を現すと、突然に10人もの奴隷が姿を消した事に驚愕してフリーズしていたマフィアが大声を出す。
「貴様! どこから現れたんだ! 奴隷をどこにやった」
「アマテラス様の神託でシーパラの聖騎士団がここに現れるまであと30分ぐらいかなぁ・・・俺もそれまで派手に暴れるとしますか。全員殺す・・・今までの悪行三昧を死んで詫びろ」
牢屋の扉に前蹴りを入れると内側から吹き飛ばされる鉄格子の扉が、今まで俺に向かって大声を上げていた男の体を挟んで壁に突き刺さって、鉄格子の扉で上半身と下半身を分離させられた男は驚愕した顔のまま絶命した。
俺の顔面に飛んできた投げナイフを掴むと投げた男に投げ返した。
数倍のスピードで投げ返された投げナイフは投げた男の眉間に根元まで突き刺さって瞬殺。
俺はそのまま走って突き進み廊下の先にある裏の奴隷オークション会場の舞台にそのまま出て行く。
奴隷が出てくるはずだった場所から、いきなり舞台上に現れた俺の様相・・・目だし帽の様な目と口を大きく見開いた鬼のような仮面をかぶり全身真っ黒の甲殻鎧を装備してる・・・に慌てて駆け寄ってきた司会者の顔面を右ストレートで消失させると、司会が手に持っていた魔道マイクを取り上げて、このマフィアギルドにいる全員に聞こえるように魔力を込めて大きな声で宣戦布告をする。
「やぁ・・・人の不幸を金で売り買いして人の命を、尊厳を踏みにじってきたクソ諸君。アマテラス様の神託が俺に降りてきてお前達が天罰を受ける時間がやってきた。ここに今いる全てのヤツラに俺は宣戦布告をする・・・逃げ道は完全に塞いだから、これからお前ら全員を皆殺しにする。『死んで詫びろ』だな。このマフィアギルド内にいる女も子供も全て皆殺しだ。女だから子供だからなんてくだらない理由で許すような残酷で不平等なことを、俺はするつもりは無いから安心して気軽に死んでくれ」
俺は宣言中に斬りかかってきたり殴りかかってきた用心棒たちの集団の1人の頭を掴んで、まるで拾った枝でも振り回すかのようにグルンと掴んだ男の体を振り回して、舞台の上に血の花火を撒き散らす。
ステージをスタスタ降りていくと観客席に呆然と座る女の子供の頭に回し蹴りを入れて上半身を消滅させた。俺の選択肢に『子供には罪がないから再教育』なんていう残酷で不平等な考えはまったく無い。
招待客が引き連れてきていた親衛隊が俺に斬りかかってくるが、斬られても突かれてもガードすることもなく傷付くこともなく完全意無視して観客を虐殺していく。
俺の拳や脚の前に立ちはだかって、身を挺して主人を守ろうとする親衛隊ごと殺す。
俺と徒影3体によって巻き起こされる地獄絵図が阿鼻叫喚と騒ぐヤツラの叫び声で敷地内全域に広がっている。
俺は全くの無表情で虐殺を繰り返す。
自分の子供を守ろうと母親が庇ってるが母親ごと殺す。
「貴様! 人の命を何だと思ってるんだ!」
どこかのジジィの招待客がえらそうなことを叫ぶが俺には何も響かない。
迫ってくる用心棒や親衛隊を虫をはらうかの様にして無表情で殺戮を繰り返しながらマイクを持ったまま質問に答える。
「お前の質問に答えてやる・・・お前らが踏みにじってきた奴隷達と同じ価値がお前らの命の価値だよ。クズの分際で自分たちに都合がいいだけの『命の尊さ』なんて語るなよ。宣戦布告の宣言で言っただろ・・・『死んで詫びろ』と。お前らに残された事は死んで詫びることだけだ」
そのジジィの後ろに超スピードで移動すると背中から右腕の抜き手で突き抜く。
「俺って優しいだろ。お前みたいなクソ達に地獄の苦しみを味あわせることもなく一撃で殺してやってるんだからな。お前達は奴隷に地獄の苦しみを味あわせても死ぬことすら許さないのになぁ」
自分の胸から突き抜ける俺の右手を眺めて俺の言葉を聞きながら死んでいく。
左手に握っていたマイクをポイっと投げ捨ててジジィの死体も放り投げる。
許してくださいと土下座して謝る生き残ったヤツラに問いかける。
「そういって助けを求めてきた奴隷をお前らの中で本当に助けて開放した奴隷はいるか? 子供でもいいぞ。嘘偽りなく1人でもいるのか? あっ言っておくが、『看破の魔眼』を持つ俺にウソは通じ無いからな」
俺が目を1度閉じて瞼を広げると、俺の瞳が赤く光る魔眼に切り替わる。
俺の中には全ての魔眼が入ってる。
鑑識魔法でも良かったんだが恐怖をさらに煽るために、瞳が赤く光る伝説の『看破の魔眼』を使用することにした。
嘘も言い訳も考えてることすら全てを見通す看破の魔眼。
クソの言い訳なんて長々聞いてるヒマないし。
俺の魔眼の赤く光る瞳を見てウソをついて逃げようとしていたヤツラの上がりかけた手が止まる。
13歳ぐらいの子供が1人だけ手を上げる。
「俺は助けたことがある。だから俺は助かってもいいはずだ」
「確かにお前は1人の子供の奴隷を解放してるな。他の奴隷商人に小遣い稼ぎで転売しただけなんだけどそれは間違いない・・・でも5人の奴隷を殺してるから何も意味ねぇーし。子供の奴隷を助けて開放してあげてるのに、殺した5人の奴隷とは何で命の価値が違うのか説明しろ」
「それは・・・」
「説明できないならそれはタダの気まぐれだな。俺はお前らには気まぐれは起こさないよ。死んで詫びろ」
子供に向かって足元の近くにあった観客席を投げつける。
手をあげたまま固まってる子供の周囲にいたヤツラも一緒に木っ端微塵に砕け散って殺害した。
目を閉じてまたあけると普段の瞳に戻る。
「じゃあ時間だな。みんなバイバイ」
命乞いをするヤツラに観客席を投げつけオークション会場にいた全員を皆殺しにした。
大勢の集団がいるところはこれで終了したので、俺はそのままマフィアギルドマスター室に向かって走っていく。徒影達は1号を正門前に残してすでに手分けして生き残ってる残党狩りに走り回ってる。
ギルドマスター室には鍵も封印も既に掛けられない状態にしてある。
俺が角を曲がってギルドマスター室前の廊下に行くと2体の犬型ゴーレムが襲い掛かってきたが、今度は『ゴーレム停止』とスキル魔法で強引に俺に従わせて完全停止させてから、2体のゴーレムをアイテムボックスに片付けた。
「貴様はなぜこんなことをする!」
「それはお前達に誘拐された奴隷達のセリフだ。お前達が気安く言っていいセリフじゃねぇーよカス」
3人の親衛隊の盾の後ろに隠れて大声を上げるギルドマスター。
即座に反論したら押し黙ったので俺は盾を構えてギルマスを守ろうとしている3人の親衛隊のフルプレートアーマーから見える顔の隙間に暗器の吸血鞭を投げて額に突き刺した。
バシューっと血の花が3つ咲く。
抜こうとするが『血で滑って抜けない』と、もがく間に出血多量で意識を失って3人とも倒れてそのまま死んでいった。
死亡を確認してから吸血鞭を引き、刺さってる針を引き抜いて3点セット魔法で浄化してから3本の吸血鞭を腰のホルダーの中に収納させる。
ギルドマスターが後ろのギルドマスター室に逃げ込んだ先に、一番奥のギルドマスター専用のソファーにふんぞり返って、脚を組んで座っている俺の姿を見て驚愕して固まる。
「今夜からシーパラの夜と影の部分は、我々マヅゲーラの夜の街を支配する『任侠ギルド』が完全に制覇させてもらうんだからお前を逃がすわけないだろう。死んで詫びろって言葉は俺からの言葉でもあるしアマテラス様からの神託でもあるんだからな。この世界のどこにもお前の逃げる場所は無いんだから『死んで詫びろ』って何度も言わせるなよカス」
俺はギルドマスターの知識を情報複製で俺の脳内にコピーしてから、瞬間移動のようなステップで近づいて左のジャブで顔面を消失させて殺害する。
隠し部屋への扉や机の2重底などをあけてから徒影たちと合流して全員を殺して回る。
女子トイレに逃げ込んだヤツラも容赦しないし逃がさない、全員平等に死をプレゼントしてやる。
俺はカス共を虐殺して回りながら徒影を6号から20号までの15体をアイテムボックス内で作成して、任侠ギルドマスター専用の魔水晶で15体の徒影を任侠ギルドのギルドマスター直属の部隊に登録する。
ネームプレートカードを取り付けて完了。
マフィアギルド内に合計18体の徒影を走り回らせて、制限時間前までに本部にいた全職員300人以上を皆殺しにして100人以上のオークション招待客も全員を殺害した。
『家族にはいい人・・・』
『優しいところのある人・・・』
『人助けもしてる・・・』
『寄付もしてる・・・』
そんな言い訳は俺にも徒影にもアマテラスにも全く意味が無いし、心に響きもしない。
ここに招待された人間の全てが1人以上の奴隷をその時の”気分”で殺してる。
子供も女もメイドも執事も全員が裏で購入した『誘拐されて奴隷になった人達』を最低でも1人以上殺してる。
裏で購入した奴隷は表に出て解放される事もなく闇から闇へ始末されている。
ここに招待客でなく付き添ってきただけのメイドすら奴隷を殺しているのだった。
闇で買われた奴隷には命の価値が無い・・・
それを”また”購入しようと集まってきたヤツラにも同じ価値観で虐殺した。
誘拐されて奴隷にされた人々は転生者も含めて”全員が”死亡するまで奴隷となってるのだから。
それで金儲けをしてるヤツラも同じ扱いをしただけで、全くもって『自業自得』『因果応報』だろう。
聖騎士団の偵察チームが到着する3分前には全部終わらせて封印と結界を解除して煙のように消える。
今まで停止していた隠者スキルを復活させただけなんだけどな。
死体はそのままの状態でマフィアギルド本部に放置してあるが床や壁に飛び散った血などの汚れは全部3点セット魔法で浄化して、逆恨みによる幽霊&アンデッド化も出来ないように敷地全部を神聖浄化で痕跡一つ残さないほど浄化しておく。
徒影6号から20号までの15体にはシーパラの闇に放つ。
俺のもつ隠者スキルを封入したので誰にも気付かれずに影の中を行動して、まずは情報収集をメインにさせる。
忍も20体ほど追加で作って徒影の情報収集の手伝いをさせることにした。
2mちかい徒影じゃあ入り込めない場所もあるから、連携して情報収集に努めさせる。
集まった情報は徒影1~5号に連絡がいって任侠ギルドシーパラ進出のために役立たせる。
俺には後で報告されることになっている。
任侠ギルドマヅゲーラ本部に俺の転送魔法で帰還した徒影によって、本部にいた任侠ギルド幹部『ガスタード・ウェイド』と話が出来た。
実は任侠ギルドは今まで何度もシーパラ進出を狙っていたらしく何度となく計画はされていたが、圧倒的なまでに実力と武力&人数不足で断念してきた歴史があるらしい。
なので今回のシーパラ進出計画はすぐにでも進出する部隊と指揮する幹部を人選して実行されるだろうというガスの話だった。
敵だったヤツラがほぼ消えたんだからな。拠点さえ確保できれば楽に進出できるだろう。
シーパラは夜の歓楽街は少ないが無い訳ではない。
ヨークルには飲食店や飲み屋はたくさんあるけど、歓楽施設はほぼ無い。
店が閉まる時間が早いので儲からないのだろう。
どちらの都市でもマヅゲーラに行って羽目を外す人が多いのでそうなってしまってる。
その代わりにヨークル・シーパラのどちらの都市も裏の部分が広くて大きい。
近隣の町や村から誘拐された人がこの2つの都市の闇の部分に隠れて、闇から闇へと流れていってしまっていたようだ。
逆に外国からも船で運ばれてきている。
ヨークルではここ1ヶ月で、その闇を牛耳っていた組織の大半を俺の武力で叩き潰されてしまっていて、今では少しでも裁判の時に印象を良くして刑を軽くしてもらおうと、死刑を免れようと自首をする犯罪者も少なからずいると、ローグ真偽官に聞いたことがあってマジで忙しいそうだ。
シーパラも今夜で残っていた大きな闇組織は俺の実力行使で壊滅した。
明日からシーパラに残っている小さな闇の組織は撲滅運動が加速していくだろう。
徒影達によって圧倒的な武力で壊滅させられていく。
このマフィアギルドの中には大量の闇の組織との係わり合いの証拠が保管されてて、もうすぐ踏み込んでくる聖騎士団によって表ざたにされるし、俺の脳内には全て記憶と知識が詰まってるので徒影達に監視&破壊させられていくからだ。
マヅゲーラの任侠ギルドは過去の国軍と最高評議会との関係で完全な裏組織とは言い難くなってる。
他の公式なギルドに比べると少ないとはいえ、非公式でも上納金のように税金を納めてるからな。
元々任侠ギルドは裏の非公認ギルドとはいえ稼ぎの大半が『ギャンブル』の胴元としての稼ぎで、サービス部門として夜のお店の用心棒、夜に働くお姉さん達の代理交渉なども稼ぎのためではなく街の治安維持のためだ。
薬物や裏の奴隷売買は『ご法度』とされてマヅゲーラの街では密告者によって、任侠ギルドに武力で叩き潰される運命にある。
奴隷市場もオークションも表のものは政府公認の奴隷商会ギルドが管理してる。
ソコには借金奴隷や犯罪奴隷が法律によって、奴隷の期限や命・体など最低限は守られている。
無意味に奴隷を傷つけると1度目は警告、2度目は罰金、3度目は犯罪者として犯罪者奴隷に落とされてしまう。
そもそも隷属の首輪によって奴隷は文句すら言えないのが現実なので口答えも出来ないのだから体罰をする理由はないし、奴隷に対する暴行も法律によって禁じられている。
そして密告者賞金制度があって奴隷は守られている・・・『最低限』だけど。
あくまで『最低限』の粋を超えることはないが、給料だって最低金額だが出る。
全部の始末を終えた俺はヨークルの早乙女邸のガレージに転移魔法で帰還した。
ガレージにあるキャンピングバスの中で早乙女闇装備から普段のパジャマに着替えた。
玄関でブーツも脱いで装備品を3点セット魔法で浄化してアイテムボックスの中に入れる。
このまま寝室に行って今日は寝ることにする。
明日の朝はノンビリ出来るほど時間に余裕がある。
朝起きると3人の嫁達は既にマリアとユーロンド1号を連れて、キャンピングバスに乗ってアゼット迷宮アタックに行っている。
今の時刻は9時・・・昨夜もマフィアギルドとのイザコザで深夜1時過ぎまで起きてたから今朝はノンビリさせてもらってる。
午前中の予定は列車チケットの前日購入ぐらいしか予定は無い。
今日は通常のラフな格好でパーカーとチノパン姿に着替える。
今日は転生して32日目となった5月2日の朝。天候は昨夜からの雨が引き続き降っている。
窓の外に生える木の枝も葉っぱも揺れてないので風はほとんどない。
5月に入って少し気温が上がってきたので少しだけジメっとしてる。
クロの入れてくれた番茶を飲みながら今朝も朝食はボッチなので和風で攻める。
出汁巻き卵・魚の干物・梅干・海苔・納豆・とろろ。そして今日は麦飯で麦トロご飯にした。
味噌汁に『なめこ』が入ってるのでクロに聞いたら、深夜の大黒豹とのトロール狩りの間にセバスチャンが発見したものらしい。
たくさんの自生地を発見したのでkg単位で採取してきてくれたみたいだ。
俺が今日の朝食を和食にするかも知れないとクロのアイテムボックスに、前もって送ってくれてたんだと。
流石の早乙女家の有能執事だな。
『なめこの赤だし』なんて異世界で食えるなんて思っても見なかった。
るびの・フォクサと一緒に先程帰宅したセバスチャンから報告があって・・・とうとう『きくらげ』も発見したとの事だった。他にも数種類のキノコ類を発見してるの栽培するために持って帰ってきたみたいだ。
これで完全体のとんこつラーメンが出来るな・・・
そんなことを考えながら朝食を終えてセバスチャンを連れてシーパラにある早乙女工房に転移魔法で移動。
最上階の居住区にある転移部屋の一角に簡易ゲートでマヅゲーラの任侠ギルドマスター室の仮眠室と結ぶ。
簡易ゲートが安全に働いているか確認してから封印を施す。
ここは任侠ギルドの仮拠点に出来るようにしておいた。
雨の中をセバスチャンと並んで外に出て行くとゴーレム馬車駐車場に停車していたゴーレム馬車から、飛び出てきた商人たちが俺の話しかけようと近づいてくるが、ユーロンド達に阻まれて3m以上近寄る事が出来ない。
それでも懲りずに叫んでくる。
「ゴーレムを作ってくれ」
「ゴーレム馬車を俺と一緒に売ろう」
「ゴーレムの設計図を5億で売ってくれ」
「10億払うからゴーレムの作り方をうちの職人達に教えてくれ」
などと、朝っぱらからカネカネと五月蝿いヤツラだった。
目端の利く商人なら俺と親しい人間達の中で自分の関係があるパイプを探して、つながりを探してと・・・どうにかして接触を図ろうと裏で頑張ってるらしいのに・・・直接会えば、金を積めば俺が何とかなると思ってるのにはムカついてきた。
「あのさぁ、俺が金を稼ぐのにお前らの助けが必要なのか? それとも俺は金で何とかなるとでも思ったのか?」
「・・・」
「この程度の事も想像出来ない無能で自分の事しか考えられないヤツラと一緒に何をするんだよ。何で俺はお前ら無能を養ってやらないといけないの?」
「言い過ぎじゃないのか! 黙って聞いていれば・・・無礼者め!」
「はぁ、くっだらねーの。この程度の言葉に反応してるプライドだけは一人前のヤツが、たとえ商売上だけでも俺のパートナーになんて死んでもイヤだね」
「ソコまで言われては我々も黙ってないぞ?」
「じゃあ、今から殺し合いの決闘をしましょう。ここにいる全員な。俺ってこれでもAランクの冒険者なんだって事をお前ら全員の命を持って証明してやんよ」
「あっ! ・・・いえ・・・」
「いえ、じゃねーよ。決闘を受けるんだろ?」
「無理です、ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃねぇーよ・・・許さんよ。お前みたいなヤツラはプライドだけは高いからな、自分が金を稼ぐためには俺の家族に何かしようとか考える姑息で下種なヤツラだろ。謝っても絶対に許さんよ。お前の会社の名前も全部見させてもらう・・・へぇ~、お前って何で愛人が5人もいるの? お前入り婿なのになぁ・・・かみさんに親切に全員の住所と契約書の在り処まで教えてきてやんよ」
一人の商人が土下座して謝りだした。
呆然としてる他の商人達に告げることがたくさんある。
『お前って脱税してるんか? 最高評議会にいる知り合いに相談してくるよ』
『そこの平気そうな顔をしたお前は犯罪をしてるな。ほうほう、酔っ払って奴隷に暴力か・・・真偽官の知り合いに相談してみるよ。既に奴隷への暴力で罰金を払ったお前は次は犯罪者奴隷入りか?』
『お前は役所の人間に賄賂か・・・これも真偽官に聞かないとなぁ・・・』
などと全員を脅迫しておく・・・というかアマテラス経由で神託を降ろさせ公表させる。
今日の昼までには不倫以外は捜査が入るだろう。
奥さんには愛人全員分の住所などが教会の司祭経由で全部公表される。
アマテラスには貸しがたくさんあるので2つ返事でOKがでた・・・っていうか笑ってるし。
許すわけないしアマテラスからの神託なら『リアル天罰』だしで、俺に逆恨みすら出来ないだろう。
商人達は俺が許してやるとゴーレム馬車に乗って逃げていった・・・ホントは許してないけどな。
ま、こんな小悪党どもなんてどうでもいいし。
ユーロンドやメイドゴーレムに指示を出してシツコイ商人には同様の手で撃退OKとしておく。
ホップボードに乗ってセバスチャンと2人でシーパラ駅に向かった。
俺は雨避けの指輪を装備してるし、セバスチャンもバージョンアップ時から雨避け結界を内蔵してるので2人ともホップボードに乗って移動していても濡れることもない。
シーパラ駅に到着して中に入っていく・・・巨大な駅だ。
案内看板を目当てにしてチケット売り場まで移動、田舎者特有のキョロキョロして歩いていく。
地球の駅と違って、ここは異世界の駅・・・まずどこの公共の場所でもそうなんだが・・・屋根が高い。
首都の駅ともなると様々な種族が駅構内を移動してる。
2m以上の身長の人が地球と違って種族的に物凄く多い。
鬼族と狼獣人は2.2m以上の身長なんてザラだし、2m以上の槍を担いで移動してる冒険者も数多くいる。
体長が4mを越すグリーンウルフを従魔として連れて歩く人もいる。
休憩室のイスも大小様々だ。
平均身長が1.1mほどの小人族と、平均身長が2.3mの鬼族が同じ場所・区域で共同生活しているんだから、公共の場所になると休憩所やトイレは凄いことになってる。
チケット売り場に到着して明日の最高級個室の状況を調べてもらうと午前の便に空きが合ったので4人分のチケットと個室使用料と海鮮昼食代4人分を払って購入してチケットのプレート4枚、個室使用のプレート1枚、食事のプレートを4枚渡される。
シーパラとドルガーブを結ぶ蒸気機関鉄道は1日2本の定期便があって10時半出発14時半到着の午前便と16時出発20時到着の午後便があって、どちらの便も食事が付いてるが席と追加料金によって出される食事はまちまちだ。
不定期で深夜便もあるのだが、これは完全なチャーター便となっており出発時間も夜の10時から深夜3時までの間で好きに選べるようになってる。
出発と到着時間はシーパラ・ドルガーブ共に共通。
チケット売り場の駅員にドルガーブでのおすすめの宿泊できる場所を聞いた。
条件は・・・
『金に糸目はつけない』
『夕陽が海に沈むのをキレイに見えるホテル』
『4人で宿泊』
『食事が美味しくて有名』
っていう条件をつけると出てきた答えは・・・『グラナドホテル本店』だった。
ナディア・グラナドの祖父母が作り上げた『グラナド商会』の経営するホテルの本店の名前が出てきてビックリした。
ここはシーパラのクラッシック・グリフォンズホテルと同じで、どこの部屋からも海に沈む夕陽が窓から見えるのと、食事が美味しいことで有名だった。
場所を教えてもらおうとして駅員に聞いたら無言でパンフレットを渡された。
お礼を行ってチケット売り場を後にする。
そのままセバスチャンを連れてユマキ商会本部ビルに顔を出しに行った。
マツオもジュンローもサトシもいなかったが俺を見知ってる秘書の方がいたので受付まで呼び出してもらい、今夜のパーティーの出席を秘書に伝える。
会場の場所となるユマキ家本宅はサトシとミサキとマークタイトを送り届けた場所なので知っているので説明は要らないんだけど、儀礼的に聞いて説明してもらう。
帰ろうとすると受付嬢に呼び止められてユマキ商会の工房から主任が来て俺に聞きたい事があるのでしばらく待って欲しいと言われる。
ユマキ商会の本部にある工房の技術主任が現れて話を聞くために工房に連れて行かれる。
まぁ、技術の話は機密が多いので仕方がない。
受付にいた他の商会の人間が俺と秘書と技術主任の話を興味深そうに聞いていたしな。
今度は工房の会議室に連れて行かれて結局12時になるまでの1時間半、実際に目の前で組み上げながらの『授業』みたいになってしまった。
しかも今日の授業内容は早乙女式馬車の内装関連だった。
中に設置する魔道コンロや魔道冷蔵庫の非効率さを排除していかに効率よく組み上げていくか、魔道コンロと魔道冷蔵庫の中身まで早乙女式に改造してしまってるのでユマキ商会は大儲け出来るだろう。
帰る前に少しムカついていたので秘書と技術主任に
『俺のユマキ商会への2回分の授業料は安くはないぞ。これはタダではなく”貸し”だからな。報酬は金じゃないし物でもない・・・俺の欲しいものをそのうち取りにくるよ。俺はお前らに教える義務なんてないんだからな』
って、マツオ達に今夜のパーティーまでに言っておいてくれと告げて青い顔をさせてからユマキ商会を後にした。
コイツラに授業する義務なんて俺には無いし早乙女式馬車で儲けようとも思ってもいないので、今日は成り行きとはいえ無理矢理授業をさせられてムカついていた。
簡単に言うと『後は勝手にやりたいようにやれ、俺に気軽に聞けるなんて思うな』ってことをアピールしただけだったりする。
脅し終わったところで外に出て行く。
早乙女工房に戻ってみたが既に誰もいない、平和が戻ってきたな・・・一時的だけど。