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最近減ってた夫婦の会話が少しだけできたっす。

「その事でしんちゃんに聞きたいことがあったんだけど・・・私とアイリも行ったことがないからブランディックス迷宮の情報が全くないの」

「そういえばそうだな。ダンジョンに行くのに事前準備が何もないって言うのは不安要素しかないな」

「私達も今日の午後に喫茶店めぐりのついでに本屋も探してみたんだけど・・・ブランディックス迷宮は最近になって他のダンジョンと繋がることで、活況を呈しているんだけど。それまでは初心者専用で冒険されつくした『枯れた』ダンジョンとなっていたわ。だから何人かの本屋の店主ににも聞いてみたけどブランディックスダンジョンのMAPとかも売ってなかったの。ブランディックス町に行けば売ってるんじゃないかと言われてしまいました」

「なるほど、納得できる話ではあるな。それなら明日は朝からみんなでブランディックスに直接行って、ダンジョンに入る前にいろいろ調べた方が良さそうだな」

「私とミーさんもアイリさんもしん様と同じ結論ですね。ですので明日はるびのの予定だけですね」


るびのは自分に急に話が振られてもセバスチャンが料理スキルで焼き上げたオークの骨付き肉を一心不乱に食べててまったく気付かなかった。

箸休めのように隣の桶の中に入っている野菜を食べようとして顔を上げた時に、自分に集まる視線にようやく気付く。

「・・・ん、みんなでオレを見てるけど、どうかしたの?」

「るびのの明日の予定を聞いておこうと思ってな。どこか行きたいところはあるか?」

「どこでも自由にしていいなら、とうちゃん達とまた狩りに行きたいな」

「今みんなと新しいダンジョンに行ってみようかってで話していたんだ。るびのはダンジョンでもいいかな?」

「うん。オレはとうちゃん達と狩りが出来るならどこでもいいよ」

「今のところ、とうちゃん達は午前中にダンジョンの近くの町に行って下調べをして、午後からダンジョン攻略を開始する予定なんだ。だからるびのは午前中はノンビリしてていいよ」

「わかったよ、とうちゃん。それじゃオレは午前中はお風呂に入ったりしてノンビリしてるね」


るびのは『話は終わった!』と、今度もまた一心不乱になって桶の野菜をモシャモシャポリポリと休むことなく食べはじめてる。

るびのの大きさは・・・肉も野菜も併せて毎食10kg以上は食ってるのでもはや犬のサイズではない。

セバスチャンに聞いたがすでに体重が100kgを超えてるのでもはや小型の虎のレベルだ。


みんなの予定が決まってそのまま嫁達と雑談に突入した頃に晩ご飯が終わって全員でリビングに移動する。るびのはまだまだ食ってる。

俺は自分のソファーに体を沈めてヨークルで購入した50年物のウイスキーが飲みたくなったから、氷が満タンに入っている桶も一緒にアイテムボックスから取り出して飲み始める。

ちょっと精神的に疲れた数日間だったのでお疲れ様の意味で秘蔵の酒を飲み始める。

つまみはマリアに作ってもらっているウナギの骨チップスにした。

嫁達も思い思いの酒を自分のアイテムボックスから取り出して、つまみはマリアと俺から渡されたモノを食べる。

クラリーナは自分が1番好きなシャンペンを今日の買い物ツアーで発見したらしく、それをつまみのチョコレートを時々つまみながら飲んでる。


雑談をしてると今日の買い物ツアー中の話になったので、ホップボードの問題点がないか確認のために聞いてみた。

「今日は一日中、ホップボードで移動してたとマリアから聞いてるんだけど、ホップボードの気になる点とかあったかな?」

「ホップボードの不便な点はなかったけど・・・私たちが移動中はマリアはずっと走っていたから、マリアたちゴーレムの分も作ってあげて欲しいな」

「おぉ、そういえばゴーレムの分は作ってなかったな。今、アイリに指摘されるまで忘れていたよ。わかった・・・今から全員分を作って渡す」

俺はアイテムボックス内でユーロンドたちの分も含めて全員分を作ってから、アイテムボックス経由で送っておいた。念輪でこれからの移動はホップボードを使ってもいいよと伝えておく。


「渡しておいたよ」

「しんちゃんありがとうね。アイリも言ったようにマリアに申し訳なくてねぇ。ゴーレムだから疲れることなんてないと判ってはいても、気になるのはどうしようもないし」

「奥様方、お気遣いありがとうございます」

「マリアさんに御礼を言われることはないですよ。しん様が作って下さったものなんですし。それでしん様・・・明日の移動はキャンピングバスを使いますか? 私のアイテムボックスにキャンピングバスが入りっぱなしになってるので」

「あぁ、その予定だな。明日は早乙女工房に転移で移動して、工房からはキャンピングバスの移動になるから、それまではクラリーナが預かっていてくれ」


るびのは食事が終わったみたいでセバスチャンに3点セット魔法で全身を浄化してもらってから、リビングに移動してきて、るびの専用クッションの上で前足を使って顔を洗い始める。

るびのをこうして見てるとただのデカイ猫なんだけどな。


「そういえばご主人様にご報告が・・・本日の奥様方の買い物ツアーでホップボードに乗って移動中に、ストーキングしてくる人が数名いましたので、ご主人様の指示通りにスリープで寝させて路地裏に放置しておきました」

「ハウスボートは相手に見つかってるのか?」

「注意して警戒してましたが、ハウスボートにまでストーキングされていません」

「簡易ゲートがあるからなぁ・・・これからはハウスボートも警戒しておいたほうが良いな・・・今からハウスボートに忍を2体設置して警戒することにしよう」


俺はそういってソファーから立ち上がりハウスボートまで転移魔法で移動する。

忍をアイテムボックス内で作ってからハウスボートに設置する。

ハウスボートと忍を常に念輪で繋げっぱなしにしておいたので防衛任務は何とかなるだろう。ハウスボートには厳重な結界で元々保護されている。

忍2体を設置してからハウスボートと念輪回線でつなげて知識の共有化をし終えたら転移魔法で早乙女邸のリビングに戻る。

「マリア情報ありがとう。おかげで前もってハウスボートの防衛力を上げることが出来たよ」

「私とアイリとクラリーナもマリアのおかげでストーカー発見の練習をすることが出来たよ。3人で話していたけど、気配察知の何かコツが掴めてきたような気がするよ」

「あぁ、そうなるだろうな。アイリとミーには気配察知のスキル。クラリーナは気配察知と魔力察知の2つのスキルがすでについてるよ。昨日まではなかったのにな・・・後はスキルをマスターするまで練習あるのみだ」


3人が慌てて自分のステータスカードで確認してスキルがホントについているのを自分の目で見て喜びだした。

「しん君に言われて確認したけど・・・本当にスキルがついてるわね。今まで冒険者をしながら頑張ってきたけど、察知系のスキル獲得の仕方もわからなかったから、こうやってコツを教えてもらってからだと結構簡単にスキルを獲得できるのね」

「雑多にあるスキルを獲得するには色々な条件が必要になってくるんだけど・・・スキルの中でも察知系統は意外と簡単にスキルを獲得することができることが多いんだよ。気配察知はたくさんの気配を感じ取ってそれをなんとなくでいいから、個別に色分けできるようになればスキルは獲得できる。ここからマスターするのに時間が多く必要となるのが気配察知スキルだ。それとクラリーナがとった魔力察知スキルは魔法適正値が高いほどスキルを取得しやすい傾向があるんだ。魔力察知スキルもマスターするのに必要な時間が多く掛かるのは察知系スキルの宿命だけど」

「なるほど・・・以前、しん様が言っていた様に『実戦で練習あるのみ』なんですね」

「そういう事だよクラリーナ。・・・それとアイリとミーも魔力察知は時間が掛かるけどスキル取得は絶対に出来るから、諦めないで今後も練習し続けて欲しい」

「了解。しんちゃんが言うんだから諦めないでがんばるよ」

「私もしん君が『魔力察知』も取得できるって言ってくれたから諦めないでがんばるよ」


4人で酒を飲んでノンビリと話す。最近は雑談すら出来なかったほど別行動が多かったからな。

話は尽きることなく続いていく。

るびのも最近俺たちと話すことなく別行動が多かったので、今日は雑談に加わっている。

「ねぇ、とうちゃん。最近の狩りで集まったアイテムとか素材が増えてて腕輪のアイテムボックスに溜まってるんだけど・・・」

「わかった・・・ゴブリンが大量にあるな・・・え? ゴブリンキングとクイーンだって?」

「うん。今日の狩りでセバスにーさんに手伝ってもらって狩ってきた。1000匹ぐらいいたよ」

「後でご主人様にご報告しようとしていたのですが・・・ゴブリンの巨大な集落をるびのが発見いたしまして連絡を受けた私と共に殲滅しました。いつものように集落にあるゴブリンが収集したアイテムは放置してあります。ゴブリンの解体した素材はすでにご主人様のアイテムボックスに半分以上は送りました」


・・・なるほど。ゴブリンの解体された肉や骨などの素材は俺のアイテムボックスに送られてきていたみたいだな。今日は夕方3時まで寝ていたのでまったく気付かなかったよ。

セバスチャンからゴブリンの集落の位置を詳しく教えてもらってMAPに記入しておく。

今夜の深夜にでも回収に行ってこよう。

解体した大量のゴブリンから魔石とクズサイズの魔結晶が大量に入手できたのはありがたい。

キングやクイーンの親衛隊ようなゴブリンナイトやゴブリンロードの数も多かったみたいで普通サイズの魔結晶も21個もあるし、キングとクイーンはシルバードと遜色ないほどの大きさで質は少し悪いぐらいの魔結晶が5個。魔水晶も合計15個も集まってるので・・・ゴブリンバンザイだな。


ゴブリン集落の中に入って魔結晶だけはセバスチャンが回収してきてくれた。

更にセバスチャン情報だが集落の中にもゴブリンが集めてきたアイテムなんかがいっぱいあったみたいだ。周辺に冒険者らしき人達はいなかったので深夜までぐらいなら大丈夫だろうとの予想。

以前、大森林の南側でるびのが殲滅させたオークの巣の中身が俺が回収に行く前に他の冒険者に横取りされていたことがあったので、魔結晶だけは短時間でいいから回収できるだけでも回収してもらうように頼んである。


るびの達が大量に魔結晶を集めてきてくれるようになったので、俺が狩りにいけてなくても普通サイズぐらいの魔結晶が大量に手に入るようになったのはホントにありがたい。

実際にここ最近の嫁を含めた狩りで大量の魔結晶・魔石をるびのからアイテムボックス経由で貰ってる。

アマテラスを経由してゴッデスから『魔石を複数使って魔結晶を作る方法』と『クズ魔結晶を複数使って大きな魔結晶の作る方法』を聞いたので、以前のようにゴーレム製造するのに魔結晶集めをしなければいけないと必死にならなくてもよくなったし、俺のアイテムボックスに大量に余りつつあったクズ魔結晶が物凄く生きる。


るびのは眠くなったので自分の部屋に帰っていった。

俺と3人の嫁は風呂に行ってイチャイチャしてたくさんエッチをして寝室に移動。

寝室でのエッチは久しぶりだなと嫁達が寝るまでエロいことをしまくったし、コスプレエッチは凄く楽しい。


嫁3人をガウンを着せてから寝室の巨大なベッドに横たえる。俺はリビングに移動してから防具のサイラスの甲殻鎧を装備して左腰に天乃村正を差して右腰に雪切正宗を帯びる。

玄関でサイラスの甲殻ブーツを履いてからセバスチャンとマリアを連れてゴブリンキングとクイーンの築いた集落に転移する。

1000匹以上のゴブリンが生活していた集落は洞窟と巨大な木を利用した場所にあって、知能が比較的高いと言われてるゴブリンの集団は原始的な村と言える位には住処を作っていた。

魔獣の中でもゴブリンは集団で道具を使用して狩りをして人に近いような生活を営んでいるといえる。


この場所は分かりやすい様に俺の脳内MAPに『ゴブリン村』と命名して入力した。

すでに別のゴブリンの群れがゴブリン村に入り込んできていたので村の外から殺気を放つと、村の中にいたゴブリンたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

ゴブリンは素材としてすでにたくさん持っているから、狩るのも面倒なので追い散らしただけだったりする。

ゴッデスに貰った雪切正宗を使って二刀流で乱舞でもしようかと思ったが・・・面倒だった。

どうせ明日も狩りに行くし。


ゴブリン村に住んでいた集団がウェルヅリステルの南側周辺で拾い集めてきた魔石・魔結晶・魔水晶などの素材が、セバスチャンがるびのとの短時間では集めきれずゴブリン村の中に残していたので先に全て回収していく。

ゴブリンは魔水晶が大好きで収集するクセがあるって言うのは本当の話で、ゴブリン村の中には小さな魔水晶が大量にあったのでありがたくいただく。

冒険者が落としていった武器・防具・アイテムなどが村中に残っているので集めるのはやめたが、奴隷商から奪い取ったのかどこかで拾ったのかはわからないが30個ほどの『隷属の首輪』や、鎖・手枷・足枷が、まだ比較的新しいモノが大量にあったので持ち帰ることにした。

改造すればミノムシ作成に使えそうだな。

セバスチャンとマリアの3人で手分けして回収作業をしていたから深夜1時前には全て完了。

転移魔法を使って自宅の玄関に帰宅してからパジャマに着替える。


今までは魔結晶の性能が悪くて作れなかったアイテムボックス(大)を封入した魔結晶を作って・・・まずは、るびのが使用する腕輪をアップデートして、るびのが寝てる隙に取り替えておいた。

あと2つ作ってセバスチャンとマリアに内蔵してある魔結晶と交換させる。

ついでに2体のアップデートとして今まではミスリルでコーティングしてあっただけの骨格部分をオリハルコンで上から更にコーティングする。

更に・・・大きくて質の良い魔結晶を作り出してから内蔵されていた魔結晶も全てアップデート。

これでセバスチャンとマリアも転移魔法を封入した魔結晶を内蔵させたので使用できるようになったし、ゴーレムとしての性能も耐久性も今までの倍以上になった。


今まで俺が作ってきた全てのゴーレムを1体ずつ転送魔法で俺のアイテムボックスの中に入れてアップデート。

ユーロンド達は外観が全く一緒で判りづらかったので胸と背中に号数をゼッケンのように書いておく。

早乙女邸の地下にいる師匠ゴーレムは今までは性能がかなり劣っていたが、今回のアップデートでユーロンド達と遜色なくなったな。


明日は6時半に起きる予定にしてる。早乙女工房からブランディックス村までなら1時間半ぐらいで到着すると思うので、そのぐらいの時間に起きれば午前中にブランディックスの町で、ある程度の情報収集と本屋めぐりが出来るだろう。

寝室に行って今夜はベッドで熟睡している嫁達の中に入って眠る。




イーデスハリスの世界に転生してきてから29日目の朝は雲がほとんどない晴天だった。

もうすぐ転生1ヶ月になるな。

イーデスハリスの世界の暦は地球と似てる。1年が365日で月の数と日数は12ヶ月×30日で360日。年の初めは『神の休日』と呼ばれるお祭り期間が5日間あって、この5日間は暦では零月ゼロガツとなる。零月は4年毎に1回6日間となるのは地球の暦と似てる。

なので正確にいえば・・・零月が5・6日あるので月は13ヶ月あることになる。


ここに転生してきたのが4月1日だったので今日は4月29日、明日は4月30日、明後日は5月1日となる計算だな。


いつものように俺がマリアの入れてくれたコーヒーの香りに目を覚まして洗顔に行く。

洗顔から戻ってくるといつもの朝の風景が繰り返される。俺の替わりにクラリーナが洗顔しに行っている間にミーがアイリを寝室のソファーまで誘導してる中で・・・俺はソファーに座って朝食とコーヒー。

クラリーナが洗顔から帰ってきたので入れ替わりでミーがいまだに寝ぼけてるアイリを洗面台にまで誘導して連れて行った。

それを見てから俺は着替え始めるという、すでにルーティーン化している毎朝の状態だな。


今日は午後からダンジョンアタックをする予定なので、武器はアイテムボックスから出さずに防具と腹の前に扇子だけを装備した。

アイリ・ミー・クラリーナの3人も俺と同じように防具だけを装備して出発準備は完了。

るびのは昼からの合流の予定なので朝風呂に行ってるとマリアが教えてくれた。るびのの世話はマリアに任せて俺・アイリ・ミー・クラリーナ・セバスチャンの5人で早乙女工房の最上階居住スペースに転移した。

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