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最高評議会の証人喚問が開始したっす。

翌朝が明けて転生28日目の朝。天気は夜のうちに昨日の雲はなくなっていて今日は快晴。


今日は朝からアイリとミーのドタバタで起きた。俺を起こさないようにミーが寝ぼけてるアイリを洗面台に連れて行こうと誘導中に転んだみたいだった。

マリアとセバスチャンがアイリとミーに回復魔法のヒールをかけている。

転んでもまだ寝ぼけてるアイリが流石だな。いきなりドタンと音がして飛び起きた俺は・・・時間に余裕があるけど俺も起きて一緒に朝食をとる事にした。


今日も嫁3人とるびのとセバスチャンとマリアは昨日と同じ場所に簡易ゲートでハウスボートに移動してから行くので俺は送っていかなくてもいいらしい。

そのほうが好きな時に帰ってこれるので都合が良いと言われてしまった。


今はまだ朝の7時過ぎなので俺にとっては早過ぎる時間だ。

8時半に最高評議会ビルでゾリオン達と待ち合わせをしているので俺はノンビリしている。

嫁3人は防具を装備している。

クラリーナが今朝飲んでいるのは『ホットチョコレート』だ。俺も少し糖分を減らしたビターなホットチョコレートを飲んでいる。

俺がホットチョコレートを作って飲んでいたらクラリーナが甘い香りにつられて聞いてきたのでクラリーナ用に甘いホットチョコレートを作ってあげたら喜んでいた。

アイリとミーも俺と同じビターなホットチョコレートを飲んでいる。

朝食は俺はロールパンにスモークサーモンと野菜を挟んだモノを食べてる。

アイリとクラリーナはロールパンにバターをたっぷりつけてそのまま食べて、ミーは俺と同じスモークサーモンと野菜をクロワッサンに挟んで食べてる。


昨日の深夜に起こった出来事を嫁に説明し終わったらクロがるびのを連れてきて、朝の挨拶を済ませたらみんな出て行ってしまった。

今日は朝からオークと森林モンキーを狩りまくるそうだ。セバスチャンとマリアにはサポートと採取をお願いしておく。

8時になるまで居間で着替えをしてからのんびりとしていた。

いつものように普通にロンTとジーンズを着替えてから・・・今日は最高評議会の証人喚問に出廷するのでこのシーパラ連合国の証人には制服のような旅人の服に着替え直した。


玄関に行ってブーツを履き首都シーパラの早乙女商会事務所に転移。

外に出てホップボードで商業ギルドのツインタワー本部ビルの最高評議会まで移動した。

ツインタワーの35階の方のビルで上部10フロアーが最高評議会専用部分になる。

ツインタワーのもう片方のビルは30階建て。こちらの方のビルはが低いがフロアー面積は倍ぐらいにある。上部10フロアーが評議会専用部分。

残りの部分は国家運営の各省庁や商業ギルドが使用している。


どちらのビルも最上階は展望レストランになってるが、一般開放はされていない。

到着してホップボードをアイテムボックスに仕舞って歩いて入っていく。

商業ギルドに入るのは商業ギルドカードで済むが最高評議会の建物にはステータスカードの方がいいんだろうなと考えながら歩いていたら、最高評議会ビルへ行くための転送部屋の前でゾリオンとグレゴリオが待っていてくれていた。


思わず遅刻したのかと時間を確かめるがまだ時間前だった。

「ゾリオンさんとグレゴリオさん、おはようございます。今日は早いですね。待ち合わせ時間には余裕があったと思いますが・・・」

「早乙女君、おはよう。グレゴリオと確認したいことがあってね。早めに待ち合わせてここまで一緒にやってきていたんだ」

「早乙女さん、おはようございます。昨日の早乙女さんの発案したことでゾリオンさんと話をしていたんです。では私とゾリオン義父さんが借りている会議室に移動しましょう」


グレゴリオが案内係のように先に歩き出して俺とゾリオンは後に続く。

途中の厳重なゲートはグレゴリオが先に話をしてあったらしく俺は1度のステータスカードの確認だけで会議室にいけた。本来なら何度も警備員に確認をされて、面倒極まりないことになるらしい。


この会議室はグレゴリオとゾリオンが連名で今日一日中借りていて、ここの会議室で休憩になると教えてもらった。食事は最上階の展望レストランで食べる事が出来るらしい。それは楽しみだな。

このイーデスハリスの世界に来てから高級レストランで食事をした経験が無いからな。テーブルマナーは貰った記憶と経験で完璧になってるのが、こういうときにはありがたいな・・・恥はかかなくて済む。

この部屋に俺達がいるのは通達されていることなので、ここに案内をする呼び出し係がくるのでここで待機をしてるだけでいいと教えてもらった。


封印結界を掛けて部屋の中で昨日の『ゴーレム屋台おにぎり販売計画』の続きをしていると案内係が俺を呼びにきたので付いていく。

今日の午前中の最高評議会の証人喚問は『冒険者ギルド幹部ノラギス・サザールの犯罪』だった。

こちらでは裁かれる側の人間に『ノラギス・サザール』『しのび権蔵ごんぞう』と管理責任者の立場で『青木勘十郎』も出廷している。

すでに冒険者ギルド職員の管理責任の責を取っての辞意を表明している青木勘十郎は後は引継ぎ問題のみなので、管理責任者の罪で辞任以上のことを追及することは最高評議会には出来ない。


だからすでに話は終わってるのだ。俺がすることは確認とウソをついていないと言う証明だけ。


俺は証人喚問中の質問された内容に答えただけで、犯罪を裏付ける資料などは警備隊に提出してあるし質問内容も俺が今までに冒険者ギルドや警備隊に説明したことを確認をしただけだ。

俺の発言を真偽官によって確認されるだけの簡単な『作業』だな。

ノラギスも忍もすでに観念して全て正直に答えているので変な腹の探りあいとか全くなくて淡々と進んでいく。

証人として精霊ウンディーネも出廷させてあげたので、俺に馬鹿な質問をぶつけてくる最高評議会の議員も皆無だった。


1時間半ほどで終わったので会議室までまた案内してもらって戻るとゾリオン達はすでにいなかった。

部屋でアイテムボックスから取り出したコーヒーを飲みながらマッタリしていると・・・会議室に青木勘十郎が尋ねてきて挨拶と握手をする。

青木はこれから冒険者ギルドに戻って後継者選びとギルド幹部への業務引継ぎ作業に追われているそうだ。

後継者選びはかなり難航している様でギルド内で承認を得てからも国の関係機関ともすり合わせする事があるので・・・まだ30日ぐらいは掛かりそうだとボヤいてる。

でもその作業が終われば念願の『青木武士団』を結成すると言って目を輝かせて熱く語ってくる。

前回のチームは最少人数による1点突破のみを狙ったチーム編成だったが今度はバランスを考慮して武士団を結成するそうだ。

アゼット迷宮で亡くなった元チームメイトの念願である『アゼットダンジョン完全攻略』を狙っていると熱く語ってる姿はギルドマスターではなくただの冒険者だな。

しかもかなり嬉しそうなので・・・やっぱり亡くなったチームメイトの無念を晴らしたかったのだろう。

長い間冒険者ギルド本部のギルドマスターという職のしがらみにがんじがらめにされて身動きできずに我慢を強制させられていたんだからな。


青木が帰っていってから会議室にゾリオンとグレゴリオが戻ってきた。

「早乙女さん、今日は早めに昼食を食べて貰って最高評議会の証人喚問をさせて欲しいというお願いをされたのですが、今から3人で展望レストランに食事に行きませんか?」

「わかりました。そちらの『枢機卿の詐欺事件』は長引きそうですしね。さっそく食事に行きましょう」

そういって座っていた俺が立ち上がると会議室にお客がやってきた。

マツオ・ユマキと執事をしているジュンロー・ユマキの2人だった。

「早乙女さん、初めまして。マツオ・ユマキと申します。お詫びしたいことなどがございまして展望レストランの個室を予約でお取りしてますので、そちらでご一緒に食事をさせていただけませんか? ゾリオン君とグレゴリオ君も一緒にどうぞ」


俺はゴーレム馬車の話もしたかったので快く応じることにした。

「わかりました。では一緒に食事をしましょう」


ジュンローが前を歩いて予約された展望レストランの個室まで案内をする。

個室に到着してからまずはマツオとジュンローの謝罪を受け入れてからは、食事をしながらの会話になっっていった。

食べたのは魚介系のフルコースだった。俺が完璧なテーブルマナーを持っていることに全員驚いていた。

会話の主導権を握って余計な質問をされないうちに俺からマツオに問いかける。

「マツオさん、サトシさんとミサキさんとマークタイト君は元気ですか?」

「やはり3人を首都シーパラまで送ってくれたのは早乙女さんでしたか。どう聞いても『親切な人がここまで送ってくれた』としか言わなかったので疑問に思ってました」

「ちょっとお待ちください」

俺はここにいる全員を待たせて部屋に封印結界を仕掛けて声を外に漏らさないように施してから、ジュンローが呟いた言葉を軽く聞き流して俺は会話を再開させる。

「これは・・・先程の会議室もですが、見たこのもないほどレベルの高い封印結界ですね」

「まぁ、ここにいる全員が持っているのと同じように俺にも言えない秘密を持っているって事で質問には答えられないこともあります。サトシたちを救ったのはアマテラス様の神託があったからですよ」


俺はみんなに説明した。

任侠ギルドであったことは言えない秘密になるが俺がアマテラスの神託があってマヅゲーラの街に隠れ住むサトシ達を説得してシーパラにまで送り届けたと、そう言えば不思議に思うことはあっても追求は出来ないと計算はしてる。

俺が転移魔法を使いこなすことが出来る事は信用できる人間にしか言えないのでここにいる人間には無理だ。

正統後継者を連れてきたことに礼を言われるが俺は礼はいいから、せっかく俺との約束を守っているサトシ達に追求しないように言って釘をさしておく。

マツオでは信用出来そうもない事だが大きな釘はさしておかないと。

マツオの目を見た瞬間から俺の脳内では警報がなっている・・・コイツは味方のフリして商売のためなら敵に武器を売ることに躊躇しないタイプだ。

俺の情報を得ようと孫を騙してでも平気なタイプだろう。


「お礼は受け取りました。・・・マツオさん、俺が貴方を心から信用できないのは理解できるでしょう。人の秘密を自分の目先の利益のためにほじくることが平気で出来る人間とは、商売は出来ても秘密絵を共有することは出来ませんよ。正直に行って連れてくることも簡単に出来るが連れ去ることも姿を消させることも可能ですよ。人の秘密をほじくるのは俺の『敵対者』になると言っておきます」

「早乙女さん、商売できるとは・・・どういうことなんでしょうか?」

ジュンローが話題を変えようと口を挟んできたので『ゴーレム屋台おにぎり販売計画』の説明をすることにした。

マツオも俺の説明を聞いて途中から目の色を変えた。俺が説明したゴーレム馬車販売車の『規格を統一することによってコストの削減』『規格を自分たちで決めるメリット』などが理解できたのであろう。


これは俺からマツオへの妥協案だな。

秘密は秘密のままで俺と組んで商売をすれば面白いアイデアをいくつか提供してやってwinーwinな関係を気付くことができるぞという暗黙のルールを提示した。

俺は自分だけが儲けようと気はないし。

すでにゾリオンとグレゴリオは薄々気付き俺との付き合い方をわきまえてるようだ。

この『俺の秘密を探ろうとしない商売関係』でいれば俺の敵対者にはならずに利益が出る。

グレゴリオのフォレストグリーン商会は相当な利益がすでに確定してるし、ゾリオンからすれば俺は救世主だろう。

場の空気を肌で感じたマツオは俺との関係を自分なりに理解して話に乗ることにしたようだった。


マツオからすれば不思議なゴーレム馬車を自作している俺との関係で不利になる要素は排除した方がいいと感じたのだ・・・自分のユマキ商会抜きでもこの話は出来る。

俺とガルディア商会とフォレストグリーン商会が手を組めば・・・ユマキ商会で製作するゴーレム馬車以上のものを簡単に作ることが出来るのだということ。

俺が本気を出せばこの世界の半分以上のシェアを誇るユマキ商会のゴーレム馬車の売り上げの大半は俺に奪われることだろうと。

これに自分は”儲け話に加えて貰ってる”立場なんだと瞬時に理解できるあたりは流石『シーパラ連合国一の商売人』と言われてる所以だな。

子育ては失敗したが商売人としては超一流なんだろう。


話の途中で個室に案内係が呼びに来て、そのまま証人喚問終了後に全員で会議室にまた集まってから続きの話をすることになった。

ジュンローは最高評議会の証人喚問には参加できないので、俺の話に加わるために準備をしようとユマキ商会に戻っていった。


午後からの最高評議会の証人喚問で初めて詐欺をしていた枢機卿をみたが・・・普通にイケメンだったのでビックリした。

ローグ真偽官のようなナイスミドルで、見た目が学者の様に線は細い感じだが間違いなくイケメンだった。

俺を必死に睨んでるのだが・・・怖くもなんともないな。呪いをかけているように感じるが俺には一切効かないし。

むしろイケメンざまぁ! と言う小さな喜びまで感じてしまうのは俺が小さい男だからだろう。


証人喚問は進んでいき俺が唱えたエクストラヒールとメガヒールの考察にまで話が進むと。イケメン枢機卿は目に見えて顔色が青くなった。

イケメン枢機卿が反論しても証人喚問に同席している真偽官から『彼はウソをついています』と言われて黙る。

それで実際にシーズの『アギスライト家』のクリス・シーズ・アギスライトと妻のコマリ・シーズ・アギスライト。更に証人喚問の傍聴席で全ての質疑を聞いていたイワノス・ゲッペンスキーが証人喚問を行っている会議場に入室してきて緊張感が漂い始め空気が一変する。


これから俺により”本物”のエクストラヒールが実演されるのだ。


俺がグレゴリオ夫婦にヨークルの教会で実演した時のことを繰り返して話して全員に説明する。

まずはイワノスにメガヒールをかけながら『エクストラヒール』と唱え何も変化がないことを全員に見せた。

そして本物のエクストラヒールをかけるとイワノスの今まで存在しなかった左手首よりも先が指先の爪まで見事に復元して会議場は驚愕の声が上がる。

俺が左手でイワノスと握手をすると強く握り返して話しかけてくる。

「早乙女君、ありがとう。今度は私と手合わせをお願いしたいな。君のような武人を見ると心が躍ってくるよ」

「それはリハビリが済んでからにしましょう。まだ長期間の欠損部位の影響で1割ほどしか力を出せてないのでしょうし、反射速度も1/10ぐらいに低下しているでしょう。普通は20日以上かかりますがイワノスさんは10日で済みそうですね。リハビリのメニューはこちらです」

俺が武人用のリハビリのメニューを考えて紙にかいて渡した。

「君の設定したリハビリメニューを守るから、完治の際には手合わせをお願いできるかな?」

「それは・・・わかりました。では完治したら冒険者ギルドに依頼を出してください。試合のルールはその時までに設定しておいてください。命のやりとりはなしで」

「フッフッフ、わかった。よろしく頼むよ」


イケメン枢機卿はガタガタと震えだす。俺とイワノスが殺気を振りまきながら会話していた影響だろうな。


それでコマリの不妊治療。先にイケメン枢機卿にやらせろと言って俺は鑑識を使ってコマリの不妊の原因を探ると・・・意外な事実が発覚した。

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