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雨の中だけど、もふもふ天国シーパラ店の開店っす。

8・22修正しました。

俺の問いかけに最初に答えてくれたのはアイリだった。

「はっ! モフモフしてたら意識が飛んでたよ。しん君なんか言ってたかな?」

「みんなに明日と明後日の予定が聞きたかったんだけど」

「しんちゃん、私はるびのと一緒にシーパラで狩りが出来るように・・・明日は午前中に冒険者ギルドで情報収集をしてくるよ。そんでもって午後からは狩りをしてみようかなって考えてる」

「それなら私は午前中は大剣のトレーニングでそろそろ実戦がしたい。るびのと一緒に午前中は大森林の南側に行ってトロールでも狩りに行こうと思ってた。午後からはミーと合流するよ。しん君、転移魔法で送り迎えよろしく」

「私も午前中からの狩りについて行ってもいいですか? シールダーのアイリさんがいない状況で私が守備メインのトレーニングがしてみたいんです。出来るだけ実戦で」

「もちろんよクラリーナ。しん君どうかな?」

「俺は午前中はもふもふ天国の開店準備をするし、それが終わればシーパラの食料品市場に買出しに行きたいと考えてる。午後からは教会に行ってからまた買出し・・・ってよりもシーパラを歩いて回ってみたいな。また何か新しい発見が出来るかもしれん」


これでみんなの予定が明日の予定が決まった。

俺は明日の朝にアイリ・クラリーナ・るびの・セバスチャンの4人を大森林奥地の大黒豹のリーダー『水影みずかげ』の巣の近くまで転移魔法で送る。

ミーとマリアはキャンピングバスでクラッシック・グリフォンズホテルからシーパラ駅の近くにある冒険者ギルドシーパラ支部で情報収集。

ここで2人には昼食で美味しそうな店の情報収集もお願いしておく。

昼は俺がアイリ達を迎えに行ってキャンピングバスに集合してみんなで店に入って昼食。

個室がなければるびのはキャンピングバス内で食事になってしまうが。

午後は俺以外は全員でシーパラ周辺で狩り。

夕方にはもふもふ天国シーパラ店の3階に集合して自宅に帰って晩ご飯。に決定した。


「明日の事なんだけど、雨が降るかもしれないけどそれでも狩りに行く?」

「もちろんよ。戦いをするのに、天候が・・・なんて言い訳できないし」

「でもミーさん、しん様が作ってくれたこの雨避けの指輪があれば濡れることもないのでは?」

「違うのよクラリーナ。自分が濡れる心配じゃなくて・・・濡れることで自分の行動が制限されること・視界までも制限されること・雨音で聴覚にまで影響すること・・・などと『色々な制限を受ける事』が雨の影響で考えられることだわ。戦闘時に言い訳なんて敗者の負け惜しみでしかないから、あらゆる訓練をするのも冒険者の務めね。冒険者が負ける時ってのは『死』に直結してる問題なのよ」

「なるほど・・・アイリさん勉強になります。ありがとうございます」

「無論、戦闘時だけでなく視界不良で敵の発見が遅れたりすることもあるから、移動中も様々な注意は必要よクラリーナ」

「ハイ、ミーさん。わかりました」


確かに悪条件時の戦闘訓練なんてクラリーナは今までしてこなかったからな。

気配を探る訓練にももってこいな天候かも。


「それならば明後日の予定も、俺以外のみんなで狩りにすれば? どこでも好きな場所に送ってあげるよ」

「私は大剣の実戦での訓練がしたいから、戦いのフィールドは草原でも岩場でもダンジョンでもどこでもいいよ」

「岩場はみんなでは無理だな。あそこはワイバーンがいるし5m以上の大きな岩がゴロゴロしてる不安定な足場の中での狩りはみんなでは無理というより『無謀』だな。10m以上の岩を苦もなくヒョイヒョイ飛び越えることが出来ないならあそこでは獲物にしかならないから、とても送っていくことは出来ないよ」

「そうなの? 私の大剣で大鹿魔獣を狩ってみたいと思っていたんだけど」

「それは無知すぎる。大鹿魔獣ってのは普通の草食動物じゃなくて『魔獣』でもあるんだ。岩場の生息する魔獣の関係で主食として草や苔を食べてるけど、人間ぐらいの生き物なら骨ごと食っちゃえる『雑食の魔獣』だよ。獣じゃないんだ。飛び道具での狩りなら可能なのかもしれないけど・・・うーん。やめたほうが懸命だな」


「わかった。諦めるよ。私達にも高速で空を飛んで移動できることが出来たら狩り出来るかもしれないのにね」

「それだ! 忘れてた! みんなに試して欲しいことがあるんだけど、今から自宅の裏庭で実験してもいいかな?」

「え、実験ですか? しん様、何をどうするのですか?」

「戦闘や狩りでは使用することは出来ないけど、キャンピングバスやハウスボートみたいな家族全員で移動する時の移動手段だけじゃなくて、それぞれ個人用の乗り物を作りたいって考えていたんだよ。俺が作ったホバーボードみたいなやつの簡易版で、スピードは街乗り専用に。速度は時速10kmに抑えて簡単に操縦できる。なるべく安全な乗り物」

「しんちゃん・・・そんなの作っちゃったの?」

「いや、作るのはまだこれからなんだけど・・・今から作ってもいいかな?」

「ちょっと楽しそうね。私も乗ってみたいよ」


3人ともOKだったので自分の出した酒やつまみをアイテムボックスに入れて片付け終了。

後片付けはメイドゴーレム達に任せて、俺は転移魔法でみんなを連れて自宅のリビングに帰還。

裏庭に出て靴を履き、早乙女邸を覆う結界に幻影魔法を追加して中を見えないようにしてからライトの魔法を10個ほど浮かべて明るくした。

素材をアイテムボックスから取り出して並べる。設計図を頭の中で描く。

形はキックボード型でハンドルがあってアクセルとブレーキを付ける。

足はそろえて乗れるように横幅の方が広くなったな。キックボード型というよりホームベースにハンドルがついてる・・・みたいな形にになってしまった。

実際に上に立って乗ってみるが・・・もう少し足を広げた方が体重移動が楽になって安定しやすいだろう。幅は肩幅よりも少し広めに設定する。

魔石をいくつか取り付けて飛翔魔法・姿勢制御用の重力魔法・風雨から守る結界などを込めていく。

前後左右に探査魔法で地形を探り階段ですらも登れるように作る。

普段は20cmほど浮くだけに設定してあるが、段差を超えるとき用に瞬間的に1mほど飛び上がれるようにした。

街乗り専用ならこんなものかな。


試運転を開始する・・・前にアイリ・ミー・クラリーナの3人分も全員の体のサイズに合わせてカスタマイズしてから渡す。

それぞれ全員で乗ってみるが運転が簡単だったのですぐに全員が慣れる。俺も乗ってるがこれは快適だな。時速10kmなので小走りぐらいの速度なので長時間の余所見をしなければ大丈夫だろうし、自動運転は出来ないが安全ストッパーがついてるので衝突する前にブレーキがかかったりサイドステップのように避けることも可能になってる安全設計だ。


問題点もなかったのでこれで完成だな。

形が板で少し浮くだけなので『ホップボード』と命名して完成だな。ホップボードをアイテムボックスに片付けて今日の遊びは終了。移動が出来る個人用の


俺はライトの魔法を消して服を全部脱いで裏庭からそのまま露天風呂に入った。

みんなも服を脱いで露天風呂に入ってマッタリと時間を過ごす。俺は機能ほとんど寝てないので少し眠くなってきたな。

久しぶりのエッチなことを済ませてる時に考えたのが・・・

浴室に移動してエアーマットの上に横たえられ快感に身を委ねてる時。



全身洗浄は凄いな。

・・・これって商売にならないかな?

全身を嫁に委ねながら、俺の並列する思考回路が働き始めた。

マッサージ何分でいくらになるだろう。日本でよく見かけたのは・・・

『クイックマッサージ10分1000円』

という看板だな。

もふもふ天国の事務所の方でマッサージ業でも始めるかな?

肩・背中・腰・足&腕と全身をブロックに分けてマッサージ。1ブロック10分で1000G。

全身は1時間で頭皮にまでマッサージを行う。

マッサージするのはゴーレムにさせてしまえば24時間休憩することなく作業が出来るな。

マッサージしながら両手からヒールを送り込めば疲労回復にも効果があるだろう。

事務所は応接室と転送部屋さえあればいいので他は全てマッサージ用の部屋にしてもいいし、なんなら有り余る財力を使ってまた土地と建物を購入すればいい・・・。


むしろヨークルもシーパラも移動が不便だから転送部屋を増築するって事を影の目的にして早乙女商会のマッサージ屋を都市の中央部の冒険者ギルドや商業ギルドの近くに作ろうかな。

どうせマッサージ屋の狙いはギルドや役所で忙しく働く職員になるだろう。

ゴーレムでマッサージをさせながら『情報収集』をすることも可能かもしれないな・・・


これは要検討だろう。

俺も今後は最高評議会絡みで色々と厄介な問題を押し付けられるかもしれない。

役所やギルドの人間関係(誰と誰が仲が良くて、誰々が仲が悪いなどの愚痴)の情報なども俺忍とって有意義なものになるだろう。ゴーレムが集めた情報を文書にして俺のアイテムボックスに送ればヘルプさんに自動的に入力されてデータバンクに登録される。


だけど全身洗いは『性風俗になる』だろう。そうなるとそこはマヅゲーラの町で任侠ギルドの管轄にさせたほうが問題はなくなる。

ヨークルやシーパラの裏社会とはまだ何も接触して無いからな。

余り問題は大きくしたくないし。


エッチなことを終えてからアイリ・ミー・クラリーナ・セバスチャン・マリアの5人を連れてクラッシック・グリフォンズホテルに戻り今日は早めに寝ることにした。

4人用の部屋なのでベッドはクイーンサイズのベッドが4つある。ここは東側にある主寝室なので朝日が綺麗だろうな・・・天気が良ければ。




明けて転生してから27日目の朝はいつものマリアが入れてくれたコーヒーの香りで目覚める。

今日はベッドの上で体を起こし背中にクッションを入れて安定させてここから朝日を眺めることにした。

サイドテーブルにマリアが入れてくれたコーヒーとトロールの肉のソテーを挟んだホットドックを朝食にしている。

朝日は全く見えない・・・天気が悪かったので仕方がない。7時を過ぎてるのだが分厚い雲が広がっていて少し薄暗い中を激しく雨が降っている。

俺が朝食を食べ終わり着替え始めた頃になって嫁達が目覚める。

いつもの風景だな。

「おはようクラリーナ。今日は朝から雨だ」

「しん様とみなさん、おはようございます。マリアさん、今日はカフェオレとクロワッサンのサラダサンドで。じゃあ、先に顔を洗ってくるわね」

「おはようございますクラリーナ奥様。品物はサイドテーブルに置いておきます」

「しんちゃんオハヨー。今日は天気悪いねぇ。マリア、今日は紅茶と爆走鳥のサンドイッチでアイリと2人分」

「おはようミー。ああ、こうなるとせっかくの高層ホテルも意味ないな」

「ミネルバ奥様おはようございます。お2人の分はサイドテーブルに並べておきます」

「しんきゅん、おふぁおー」

「おはようアイリ。気をつけて」

クラリーナが洗顔室から帰ってきたのでミーがアイリを引っ張っていく。

相変わらず朝はフラフラで危なっかしいが不思議と転ばない。ミーが上手く誘導してるのだろう。

物心がつく前の幼少期から長年一緒に過ごして育ってきた中のコンビネーションは流石だな。


俺以外の全員は今日は狩りに行くので、嫁が全員防具を装備するまで俺はコーヒーを飲んでゆったりしていた。雨避けの指輪を全員が装備していた。


今日はクラッシック・グリフォンズホテルの最終日なので俺はチェックアウトを済ませて部屋の鍵を返却する。

クラッシック・グリフォンズホテルのマリーナに停泊中のハウスボートに乗って近くの高級マリーナに入っていって10m級ハウスボートと20m級(魔力パワーボート)の2艘分の年間契約をする。

お金は有り余るほどなので10年分の契約をした。

5500万Gもかかったが今の俺の財力ではなんてことはない金額になってしまった。

金銭感覚が絶賛崩壊中だな。

契約書をマリーナの事務所で交わして外に出ると・・・クラッシック・グリフォンズホテルのゴーレム馬車駐車場からみんながキャンピングバスに乗って有料マリーナの駐車場に入ってきたので俺も乗り込んで移動開始。


まずはアイリ・クラリーナ・セバスチャンを連れてキャンピングバスから、早乙女邸の隣の倉庫の中にあるるびのの部屋に転移魔法で移動する。

3人とるびのを連れて大黒豹のリーダーの水影の巣である巨大な樹の近くに転移。

ここの周辺はまだ天気がそこまで悪くなくて雨が少しだけパラつく程度で激しく雨は降ってないな。

後はるびのとセバスチャンにトロール狩りは任せて俺は転移魔法でモフモフ天国シーパラ店の3階の転送部屋に転移魔法で移動した。

開店準備といっても店舗内はすでに終わってるので、今することは外の看板作りとゴーレム馬車駐車場の整備・・・雑草がボウボウになってる。

看板付きの巨大ぬいぐるみを出入り口近くの場所に設置している移動禁止の封印結界を張っていると、出勤中の歩いてる人達から話しかけられたので店の説明をする。

説明を聞いてから雨宿り&時間つぶしで何人かの職人さん達が入っていった。


駐車場の地盤の強化と敷石の整備、雑草の草刈を木魔法で浮きあがらせたたり、全体的な掃除を終わらせると店舗の営業はメイドゴーレム達に任せて、俺は予定通り南の食料品市場に向かって歩いていく。

このシーパラでは何が売ってるのか見てみたかったし、色々と買い込む予定でいる。

街の中を歩いているとゴーレム馬車の移動では見えなかったものが見えてくる。街の空気・雰囲気は歩いて回らないと体感できないだろう。


雨の中をみんなレインコートなどを着て移動している。

ここにも傘はないみたいだな。今は朝の8時半ちょい前ぐらいで出勤ラッシュの時間なんだが誰も傘を使ってる人を見かけない。

俺も今日はレインコートっぽく見えるパーカーと作業ズボンっぽいジーンズで歩いてる。

昨日の夜に作ったホップボードはまだ使ってない。アレだと水しぶきが舞い上がるかもしれない。

道路の水捌けが完璧で道に水溜りが全くないのでゴーレム馬車が低速で行き交ってるが水しぶきに悩まされることもない。

靴もみんなが履いてるようなブーツではなくてハイカットのスニーカーを履いてる。


歩いてる人達は工房がひしめく区域にいるので商人たちが好んで着ているような『旅人の服』ではなくて作業服に前掛けって感じの人が多いな。その上からレインコートみたいなコートを着てる人達とポンチョみたいな雨具を着てる人がほとんどで、冒険者らしき人達はここにはいないな。

商業ギルド本部のマリスもユーロンド登録後の雑談で『店舗周辺の住民は職人や商人達で冒険者はいません。シーパラ駅とシーパラ北門の周辺が冒険者の住民が多い区域です』って言ってたな。

そんなことを考えながら歩いてると南の食料品市場に到着した。

ヨークルの食料品市場もあまりの大きさに、何度行ってもいまだに見て回れてない場所があるのだが・・。ここはそれの数倍の敷地面積があって、壁のない倉庫が立ち並んでいるかのような屋根だけの場所に何千もの商店が思い思いの品を並べて販売している。通路には人と商品を乗せた台車・カート・リアカーなどが走り回ってる。


マリスも言っていたが北の食料品市場もここと同じぐらいの大きさなんだそうだ。

いくつか試食をして回りながら小豆を大量に仕入れる。

パイナップル・りんご・キウイ・マンゴー・スイカなんかも発見したので取り扱ってる店の店主とそれぞれに話してみたら、全部の店の責任者は同じ人だったのでさっそく早乙女商会代表として契約をさせてもらう。

今日はとりあえず各種30kgずつ購入しておいて明後日からもふもふ天国シーパラ店に1日おきの夕方に納品してもらう契約を結ぶ。

これで、ミックスジュースもカットフルーツも品数豊富になって組み合わせを変えればいろいろなパターンで売り出せるようにできるし、お客のリクエストで変更も可能になったな。


メイドゴーレムで接客していない『シロ』『クロ』『グレー』に購入したフルーツをアイテムボックス経由で送って、カットフルーツやミックスジュースを作り置きをしておくように念輪で指示を出す。

ついでに報告を受けるがやはりどちらの店も『食べ物を売ってほしい』という注文が多いようだった。

明日の証人喚問でゾリオンとグレゴリオに会ったときに話を・・・いや、明日の朝から証人喚問が始まるから、今日の夕方にはシーパラに到着してるかもしれん。

夕方に尋ねてみようかな。

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