もふもふ天国シーパラ店の物件探しっす。
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9時半に自分の脳内にタイマーの音が鳴り響き目覚める。
熟睡は出来たが短時間の仮眠しか出来なかったんでスッキリした目覚めとはいかないが、全く寝てないよりはマシだろうな。
起きてシャワーを浴びて着替える。今日は冒険や戦闘をする予定はないのでパーカーとカーゴパンツというラフな服装だ。
さっそく早乙女商会の事務所に転移してみるともふもふ天国の店舗中に既に何人かの業者がすでに待っているようだった。
待っている商会の人間はタダで店舗内で待機できるようにしておく。
早乙女商会ヨークル事務所専属のメイドゴーレムの『グレー』ともふもふ天国ヨークル店で働いているメイドゴーレム3体『ホワイト』『イエロー』『ブラウン』に指示を出し、俺の知ってる食料品市場で働いている人間達と一緒に来ている契約が出来る商会の責任者や契約する商品を取り扱っている村の責任者をセットで呼んでもらう。
小麦・砂糖・ハーブ・紅茶・コーヒー・ジャガイモ・油・塩・バナナ・オレンジ・イチゴ・メロンなど商品は結構あるので結局1時間半ぐらいはかかった。
人物鑑定はフル活用していたが面倒の元になりそうな人物はいなかったので安心して契約書にサインして契約を完了させた。
俺が起こした一連の不祥事解決事件やユマキ家の騒動などを知ってる人間ばかりを厳選されて、早乙女商会に契約をするためにきた人達がここまで来てると、食料品市場に働いている旧知の人達は笑いながら話していた。
有名人だけどこういうときだけは助かるな。
変な人間はこれ以上関わりあいたくない・・・アマテラスとゴッデスの陰謀でこのイーデスハリスの世界にいる以上は不可能なんだけどな。
契約が全部完了したのでミーに念輪を繋いでみた。
「ミー、今契約が終わったけどどこにいる?」
「今はキャンピングバスで移動中だよ。海鮮丼で超有名な店に今から行くところ」
「キャンピングバスのトイレは空いてる?」
「使ってる人はいないからトイレに転移してきてね」
「わかった。今から行くよ」
俺はグレーに別れを告げて転移魔法でキャンピングバスの中のトイレに転移する。
ついでにトイレを済ませて出て行くと丁度お店に到着してゴーレム馬車駐車場にキャンピングバスを停車させたところだったようだ。
キャンピングバスの警護をセバスチャンとマリアの2人に任せる。
俺のキャンピングバスは目立っているし警護中のセバスチャンとマリアも目立っているので、何人かが話しかけてこようとしているが、面倒なので返事もしなかったらバカ商人の親衛隊にさっそく絡まれる。
俺のパーカーの襟首の帽子が掴まれてしまった。
「貴様! ワザワザご主人が伺っているだろう、サッサと答えろ!」
「アホの相手はしてないの。俺は昼飯を食いにきただけだ」
そういってフルプレートアーマーの兜にデコピンをかまして兜の顔面部分のみを蒸発させた。
愕然とする周囲を尻目に俺のパーカーの掴んでいる親指以外の指を4本、逆に曲げてやってへし折った。
激痛に大声で叫ぶ親衛隊を顎先にジャブで失神させて終了。
失神して黙ったのでメガヒールでとりあえず粉砕骨折させた指を治しておく。
周囲に殺気を少しだけ開放しながらバカ商人に向かって問いかける。
「俺になんか用でもあるのか?」
「・・・なんでもないです」
「礼儀も知らないクソが調子に乗って気安く俺に話しかけてくるなよ。お前みたいなのを相手にするために俺はゴーレム馬車やゴーレムをを作ったんじゃねーんだよ。わかったか?」
「わかりました」
俺から溢れ出てくる殺気と隠されていた周囲を圧倒するほどの存在感にションベンを漏らして震えながら返事をするバカをそのまま残して店の中に入っていく。
1分にも満たないあっという間の事に周囲は唖然として固まってるだけだ。
俺は嫁たちを連れて店に入っていきバカ商人は残りの親衛隊に担がせてゴーレム馬車に乗り逃げるように去っていった。
キャンピングバスに群がっていたヤツラも俺の起こした騒動に関わりあいを恐れてゴーレム馬車で逃げるように去っていった。
残った人間たちは全員口をポカンと開けて固まっている。数分続いてから解散になった。
首都シーパラで誰もが知ってる評判のお店で海鮮丼が絶品だと超有名なお店の名前は・・・『新鮮海鮮至上主義宣言』という、かなり変わった名前の店だ。
海鮮丼1杯3000Gと少々高い金額だが列で並ぶ程の大盛況だ。
大きめの丼の中の少な目のご飯の上に乗っている溢れんばかりの海鮮具材の山。
店の名前は偏屈極まりないが、海鮮丼の味はシンプルで魚介の新鮮な旨みが溢れてる。
シーパラ周辺で取れた海鮮だけでなくドルガーブから生鮮用の列車を使って直送されている海鮮の品々。
マグロ・ホタテ・ブリ・カツオなどなど、元日本人の俺にとっては馴染み深い品々に舌鼓をうって無言で貪り食う。
この店には店の名前で表してるように新鮮な海鮮料理だけしかメニューにない。
お昼の時間は刺身の舟盛りと海鮮丼しかない。
4人前の舟盛りも注文したのだが舟の中央に伊勢えびが活き造りで出てきて驚愕してしまう。
転生者で活き造り技術を持った日本人が必ずこの店に関わっているはずだ。
久しぶりの海鮮丼・・・ムチャクチャ美味しくて少しウルッと涙ぐんでしまう。
刺身の美味さもヨークルの月と太陽のホテルで食べた刺身とは比べ物にならないほど美味い。
食後にマッタリとお茶をすすりながら話を聞いたが店に入る前に並んでいた時に絡んできたバカタレとキャンピングバスを囲んでいた一団はキャンピングバスを見かけて付回してきていた連中らしい。
店の外のキャンピングバスの前にいるマリアとも念輪で連絡を取ったがすでにストーキングしていたヤツラは蜘蛛の子を散らしたように逃げていったみたいだ。これ以上の面倒を避けるために強引な手段に出たが、今回はそれが成功したみたいだな。
俺が料金を払って外に出てキャンピングバスに全員で乗り込む。
午前中は南側にある食糧品市場をみんなで回っていたので、午後からはシーパラの北側にある鉄道のシーパラ駅の隣にある食料品市場を回るそうだ。
遠洋系の魚介類はこちらの方が買いやすいと言われてる。
途中に商業ギルド本部の前を通ってもらい俺は途中で降ろしてもらった。
商業ギルド本部の中に入るときに出入り口でステータスカードと商業ギルドカードの両方を確認させられる。
ここのツインタワー高層ビルの内部にはシーパラ連合国の国家機密も山盛りになってるので厳重な警戒態勢になってるな。
受付窓口がたくさん並んでいる場所の横で総合案内をしている中年女性に俺の商業ギルドカードを見せて紹介状を渡して『マリス・シュガート』を呼び出してもらう。
受付窓口の横の待合ロビーの喫茶スペースでコーヒーとハーブクッキーを頼んで30分ほど待ってるとマリス・シュガートがやってきた。
小人族なので身長は110cmほどしかないが少しだけ尖った耳が特徴的な女性が現れた。
俺はソファーに座っていたので立ち上がってから屈んで膝を付いて目線を合わせてから挨拶をする。
「初めまして。俺の名前は『早乙女真一』です。しんいちと発音しにくいようなので早乙女と呼んでください。貴方がマリス・シュガートさんでよろしかったですか?」
「はい。私の名前は『マリス・シュガート』で間違いないです。マリスと呼んでください」
「では、2人だけで話がしたいので小さな会議室を借りることは出来ますか?」
「わかりました。今、窓口に行って鍵を借りてきますので少々お待ちください」
小さな会議室を借りてマリスと話をすることになった。
封印結界を掛けて声も洩れないようにしておく。俺が魔法で封印結界を掛けたのを見てマリスが感嘆の声を上げた。
「さすがリーチェ先輩が『失礼のないように。大切に扱うように』と紹介状の名を借りた厳命の手紙を書かせた人ですね。ここまで強力な封印結界魔法は生まれて初めて見させていただきました。森に住んでいる時に見た森の精霊・小人族の守護者エント様が使っている魔法で小人族の森を守る永久封印結界以上に強力な封印結界なんて・・・すごいですね」
「まぁ、その説明は省かせてもらう。秘密って言うのは知ってしまうと話してみたくなるものだからなぁ・・・それで俺の話はどこまで書いてあったかな? 今日ここに来た理由も全部説明した方がいいかな?」
「是非わかりやすく簡単にでも説明をお願いします」
「了解」
リーチェが信頼できる人物として紹介してくれた人だし、俺の人物鑑定でも不審なところはなかったので、俺は自分のアイテムボックスから愛玩ゴーレムとメイドゴーレムを取り出して、まずはもふもふ天国の説明からはじめる。
わからないことは質問されるがゴーレムの事とかは俺の趣味だけのために作っているものなので他人のために作る気はないと言っておく。
説明が終わるとアイテムボックスにゴーレムを入れて、今度は俺が質問を投げかける。
俺が店舗として欲しい敷地面積、事務所部分に欲しい敷地面積などを説明してかかりそうな予算も教えてもらう。
マリスが取り扱ってる物件の中におすすめで見せられた図面が3つ。
1つ目はこの商業ギルド本部からほど近く首都シーパラの中心地にある5階建てのこじんまりした建物で1階部分はゴーレム馬車が3台ほど駐車できるスペースと玄関&下駄箱スペースになる。
もふもふ天国は土足禁止になるので下駄箱は大きくスペースを使うからな。
2・3階部分が店舗になっていて広さはヨークル店のものより2フロアーを使うことで若干広くなる。
4階部分はキッチンと事務所の応接室。5階部分は事務所になる。
地価が1番高い部分にあるので土地は狭くても金額は税込みで4億3000万Gと1番高い金額になる。
2つ目は今日の昼食を食べた新鮮海鮮至上主義宣言の近くで海側の食料品市場の近くにあり飲食店としては超がつくほどの激戦区にある。
ここはヨークルの店舗部分と建物の部分はほとんど変わらない。裏庭がなくなっていて建物は奥に引っ込んでいるような形になって3階建てになってる。
表の部分は全部ゴーレム馬車駐車場になってるので10台は駐車可能になってる。
建物の中は1階が店舗になって2階が事務所と2つの応接室。3階は居住スペースになってる。
金額は税込みで3億6000万G。
3つ目は北側にあるシーパラ駅とシーパラ中心地との真ん中ぐらいの位置にあって、周囲は閑静な住宅街になってる。土地はメチャクチャ広くてヨークルの早乙女邸の敷地より少し広いぐらいだ。
建物の部分は早乙女邸のガレージを追加した大きさになってるな。
元々は大きなレストランがあったみたいでゴーレム馬車の駐車場は15台は余裕で駐車できる。
建物は平屋建てでもヨークルの店舗と事務所などの全部を合計した面積より広い。裏庭もあるので畑を作って野菜などの栽培ぐらいは出来そうなスペースはある。
価格は税込みで2億8000万Gとここは1番安い。
悩む。
悩みを直接伝えることにする。
「マリスさんに聞きたいんだけど・・・2番の場合激戦区でも俺のお店って特殊だから固定客をつかめると思う。と言うよりも、もしブームになって急激にお客が増えた場合に対処がしにくい。3番だと人の流れがなさ過ぎで客を呼び込むのに時間が10年以上かかりそう。1は場所的には客の流れもあってそこそこ良いんだけど少し狭過ぎるな。店舗の中が階段で別れているってのは流石にキツイ。出来ればもう少し広い場所をお願いしたい」
「と言うことは、早乙女さんが求めている物件は・・・まとめると3は論外。広さ的には2が好ましいが客の量をコントロールするためにも、1のぐらいの人の流れが欲しいって所ですね。予算はいくらまでってのはありますか?」
「税込みで5億以下なら大丈夫だな」
「そうなりますと・・・(1分経過)・・・この2つの甲乙がつけがたいですね」
マリスがアイテムボックスから2枚の新しい図面を取り出した。
今日見た4つ目の図面が南側の食料品市場と工房が立ち並ぶ区域の真ん中にあって、激戦区ほどではないが人の流れはあるけど激戦区ほどの周囲に飲食店は多くない。
広さは2番目に見た図面と建物の大きさは変わらないし土地の面積はこっちには裏庭があるので少し広い。
だが建物が造られてから100年以上経過していて、相当古くて基礎部分からの補修が必要なんだそうだ。
なのでお値段控えめの3億Gとなってる。土地代のみの価格なんだろう。
5つ目の図面はシーパラ駅とゴーレム駅馬車のロータリーの中間にあり、立地条件は1番よさげだな。
お店のゴーレム馬車の専用駐車場はないけどシーパラ駅のゴーレム馬車無料駐車場が隣にあって駐車場から駅に向かうには店の前を通るという立地条件は完璧。
店舗の広さはヨークルのもふ天より少し広く4階建てになっていて1階が店舗。2階が応接室と事務所。3・4階が居住スペースになってる。
値段は1億G。
安さの秘密は呪いが発生して幽霊が出てきてる。教会の呪い浄化では1日ほどで効果は消えてしまう。
全くって言っていいほど効かなかった。
家族が一家心中してる・・・ってのを2回も繰り返してる呪われた物件でこんなの1億で売るなよってレベルだ。
流石の商売上手だな。2つともマリスには本命なんだろうな。
商業ギルド本部が抱えるお荷物不良物件でいわくつきのをここで出してきた。
面倒だから直接聞くことにする。
「マリスさん、俺に4の物件を売りつけて5の物件の御祓い浄化をして欲しいのか? 御祓いをしたら4の物件に何をおまけしてくれるんだ?」
「では早乙女さんに単刀直入に言います。御祓いの確認後に4の物件の基礎工事を無料で・・・」
「それは俺の能力を舐め過ぎだな。建築スキル持ちの俺だったら基礎工事なんて1分もかからずに最高のものが出来る。建て替え用の材料も俺は持ってるからな」
「そうですか・・・それでは出来ればもう1件別の幽霊物件の御祓いと浄化をしていただけるなら4の物件の価格を1億Gに。それと購入にかかる税金はギルドで負担するというのはいかがですか?」
「うーーん・・・わかった。流石の商売上手だな。それでいいい。それとこういう御祓い浄化では必ず原因になってる呪いの部分に魔結晶と魔水晶がからんでるんだけど、俺の報酬ってことで貰ってもいいんだよな?」
「もちろんそれはかまいません。御祓いの後は物件の中身の品は全て早乙女さんのものでいいです」
俺が右手を差し出すとマリスも右手を差し出して仮契約代わりって訳ではないが握手をする。
契約書は御祓いが終わってからにする。
商業ギルド所有のゴーレム馬車で2件の御祓い物件に向かう。
始めは商業ギルド本部の程近い場所にある大きな無人の10階建てのビルだった。
ここはシーズにはなれなかったが歴史があって権力もそれなりにある商会のビル&住居だったが、歴代の当主が儲ける事に手段を選ばない姿勢が恨みを買い続け、最後には恨みを持った人物がここの建物の正門前で自殺をして自分の命を媒介にして悪魔を呼び出して血族とこの商会に強烈な呪いを掛けた。
商会は全ての取引先に縁を切られて商売関係が全部崩壊。
内部留保の蓄えてた金は中で働く職員が持ち逃げをして商会自体が完全に崩壊するまで10日もかからなかった。
血族は全員奇妙な死を遂げて最後に死んだのは当主だった。愛する家族が全員死んで信じるお金は全く残らずに借金しか残らなくて発狂しての自殺。
中にある金銀財宝は手付かずで残ってるので俺の自由にして良いそうだ。
浄化を行う前にこのビルに取り付いている悪魔を成敗しないとな。
アイテムボックスから破邪のカタナ『天乃村正』を取り出してカタナを抜いて構えてから、ビルにかかっている封印を切り払う。
魔界の業火を身に纏うデビルが俺の目の前に現れる。
「これは美味しそうなガキだな」
「お前の役目は終わったんだから魔界に帰るか、俺に成敗されて消滅するかの2択です。デビルさん、貴方はどっちにしますか?」
「いったっだっきまーっす」
「聞けよバカ」
俺が天乃村正を一閃してデビルの右手をヒジから先を消滅させた。
「うぎゃーーーー」
「五月蝿いし、消滅コースですね。デビルさんの魂は完全に消滅します。バイバイ」
俺は大騒ぎして空中で暴れまわるデビルに天駆スキルを発動させて一瞬で踏み込んで頭部に天乃村正を横薙ぎに一閃・・・デビルを魔界に帰すことなく完全に消滅させた。
地面には魔結晶3個と魔水晶10個が転がってる。
両方とも今まで見た中で最大級に大きい。
天乃村正を鞘に入れてアイテムボックスに片付ける。
これは嬉しくて拾い集めながらホクホクの笑顔になってしまう。
サクサク終わらせて内部を探検したいのでビルの全部に『神聖浄化』を10秒ほど使って悪霊は完全に成仏させた。
土地に憑いていた地縛霊までも完全に浄化してしまったので、教会レベルの神聖なる場所になってしまったが、悪いことではなくて良い事なので気にしないでビル内に入って探索を開始する。
俺の後ろには突如現れた大きなデビルを苦もなく退治してしまった15歳の少年に驚愕して固まっている人が何十人もいた。
金銀財宝が残ってると言うのはウソなのだろう。
財宝なんて全くなくて金に変えにくい物、重くて運ぶのに困るものがたくさん残っていた。
刀剣類や美術品などだけでなく鉱石でも希少鉱石も倉庫の中に大量に放置してあり魔石・魔結晶・魔水晶も大量に残っていたので俺にとってはこっちの方がありがたいし物凄くうれしい。
ヒヒイロカネ・アダマンタイト・オリハルコンなどの希少鉱石が各200kgずつ見つかった。
俺が今まで持っていなかったアダマンタイトが手に入ったので凄くうれしい。
10階建ての大きなビルの全部のフロアーの全部の部屋を回りつくすまでに1時間以上かかった。
浄化の漏れがないか確認しないといけないからな。
次はシーパラ北部のシーパラ駅近くの物件で、俺が見た5つ目の図面の場所の物件。
まずは呪いが発生した原因になったものを探査魔法で探りとる。
原因となった場所の壁の中に呪いを込められた護符を巻かれた短剣が埋められていたのを見つけて取り出すと、神聖な火で燃やして呪いの短剣ごと消滅させる。
護符と一緒に大きな魔結晶と魔水晶を見つけて嬉しくなってしまう。
ここにはアイテムが全くなくてキッチン部分と住居スペースにある40個ほどの魔石ぐらいだった。
悔しかったので全部いただいておく。
どうせ古くて魔力の残りも少なくなっている魔石なので補充しないことには使えない代物だからな。
俺が取り出した魔石に魔力を注入してアイテムボックスにしまうのを見て、唖然としているマリスを質問してみる。
「どうかしたの?」
「早乙女さんの魔力ってどこまであるんですか? 全く底が見えそうにないんですけど」
「気にしない気にしない。さぁ、これでマリスさんの依頼は終わらせましたんで俺が購入する物件を見に行きましょう」