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新たなモフモフがやってきて配下が増えた。

「とうちゃん聞こえる? 今オレの目の前に『大黒豹』と『森林タイガー』がいるんだけど」

「・・・は? るびのの言ってる意味がわからない。どういうことなんだ?」

「2頭とも、とうちゃんと話がしたいんだって。早く帰ってきて」

「・・・わかった。ちょっと待っててもらってくれ」


念輪を切った時に回収作業の終了したセバスチャンが話しかけてきた。

「回収作業が終わるのを待っていたら遅くなってしまいましたが、ご主人様に報告があります。今日の夕方なんですが、大森林にて『大黒豹』と『森林タイガー』が接触をはかってきました。炎虎達に聞いたようで白虎のるびのと、大草原のボスであるご主人様に是非にも挨拶がしたいということです。深夜まで待たせておりますが、ご主人様はお会いになられますか?」

「今、るびのから念輪で連絡があったけど大黒豹も森林タイガーも待ちきれなかったみたいだな。るびのの目の前にいるみたいだ。俺と話がしたいみたいだし会いに行こう」

「我慢するように言っておいたのですが、魔獣には無理だったみたいですね」

「そうみたいだな。じゃあ会いに行こう」


セバスチャンを連れて転移魔法で巣から出ていくと、おすわりしてるるびのの前に大黒豹と森林タイガーが大人しくお座りしてる。


大黒豹は全身真っ黒で全長3mほどの巨大な黒豹だった。しっぽを含めると4mは越す。

重力魔法を使って自分自身の体重を減らして、木々の中から獲物を襲う巨体に似合わぬ敏捷さを誇る大森林ジャングルの夜の覇者。

特定の巣を持たず普段は木の上で生活している・・・って俺の知識の中にある。

森林タイガーは虎の大森林の南東部の苔と滝の多い岩場のジャングルの覇者で全身緑色で黒いトラの縞模様をもつ。

体の大きさはニャックスなどの炎虎とほぼ一緒ぐらいだろう。


2頭ともモフモフだな。思わず笑顔になってしまう。

バリスクに教えてもらった知識からこの2種類はるびのの眷属の子孫のはずなんだけどな。

黙っていてもしょうがないので話しかけることにした。


「あー、俺が『早乙女真一』でるびのの父親で大草原のボスもやらせてもらってる。お前達の名前は?」

「私は大森林の大黒豹の中でリーダーをしていて、名前は『水影みずかげ』です。ボスの話は知り合いの炎虎に聞かせていただきました。ご存知だとはございますが白帝様の眷属の子孫です」

「私は大森林南東の山脈に住む森林タイガーのリーダーの『ニャービス』といいます。私もボスとるびの様のお話は炎虎達から聞いています。セバスチャンさんから待機しておくように言われたのですが、ボスとるびの様にどうしても早くお会いしたくて我慢できませんでした」

「水影とニャービスな、わかった。じゃあ、るびのも挨拶して」

「水影さん、ニャービスさん、こんばんわ。白虎の『早乙女るびの』です。よろしくお願いします」


「それで水影とニャービスは何の用で俺達に会いにきたんだ?」

「白帝様に挨拶したかったのと我々の大黒豹グループもボスの傘下に入れてもらおうと思いまして」

「私達森林タイガーも同じ思いです。ここに来る前に自分達以外の群れとも話し合ってきたのですが、森林タイガーのグループもボスの傘下に加えて頂きたいと意見が全員一致しましたのでやってきました」

「俺が大森林の魔獣のボスになってもいいのか?」

「はい。何の問題もないです。元々我ら大黒豹は白帝様の眷属の末裔ですし」

「出来れば私達2頭にもニャックスたちのように念輪がいただきたくて、2頭で挨拶にやってきました」

「そういうことか、念輪のことも聞いてるんだな。わかった俺が大森林のボスになるよ。念輪は今から作って渡すよ」


アイテムボックスから魔水晶を取り出して首輪に加工して水影とニャービスにそれぞれ装備させる。

俺ってここで何もしてないのにいきなりボスに祭り上げられちゃったけど・・・いいのか?

念輪の首輪を装備して嬉しそうな水影とニャービスを見て・・・まぁいいかと思うことにした。


「ボスとるびの様にもう一つお願いがあります。是非我々大黒豹と森林タイガーの本拠にお越しいただきたいのですが・・・配下の者たちにもボスとるびの様を引き合わせたいのです」

「お願いします。大黒豹は夜間だと起きている種族ですしここから近い場所なんで、出来れば今からお願いします。我々森林タイガーは明日でもかまいません」

「大黒豹は日中は寝てるから今から来て欲しいってことか。るびのどうする?」

「じゃあ、今夜は水影さんのところに遊びに行くよ。大黒豹さん達と一緒に狩りでもしましょう。それで明日の朝10時ぐらいにニャービスさんの本拠にとうちゃんに送って欲しいな」

「そうだな。そうすれば両方の群れのみんなに俺も挨拶が出来るな。よし、それでいこう。じゃあ、水影の本拠まで案内を頼む・・・って、ちょっと待った。今から準備する」


俺はホバーボードと専用ブーツを取り出して履きかえる。今日はこれで移動することにした。

先導で大黒豹の水影が大森林の木々の枝を飛んで移動して、るびのが空中を走って後に続く。

森林タイガーのニャービスは大森林の木々の間をすり抜けるように飛んでるびのの後ろを追いかけていく。

俺はセバスチャンを右手で小脇に抱えて最後尾をついていく。


水影の本拠といってもただの普通の木だ。

ただ大きさが尋常じゃないぐらいの大きさなだけなんだけど、これぐらいの巨大な木はゴロゴロ生えてるのがこの大森林なので別に珍しくもない。

水影も『この辺の木に寝泊りしてるけど、気分次第でどこにいるのか決まってない』って言ってる様に元々そういう習性が大黒豹にはあるので仕方がない。


普段はバラバラに行動している大黒豹のたくさんの群れが俺とるびの見たさに、総勢150頭ぐらいはあちこちから集まってきていたので、俺は集まってきてくれてる大黒豹のみんなに挨拶を済ませて、俺の群れに入るなら『絶対の誓い』を宣言させた。

『人族を襲わない』

『人族を見たら逃げる』

『それでも向かってくるバカな人族は痛い目をあわせてやれ』

『報復OK』

まぁ、魔獣でもわかりやすく簡単なものだ。

元々この大黒豹・森林タイガーの2種族とも大森林の奥地に住む種族なので、人族そのものをほとんど見たことがないような魔獣たちばかりだったりする。


るびのの世話はセバスチャンに任せて帰ることにする。

帰る前に2人のアイテムボックスの中身を少なくしておいた。るびのにも俺のアイテムボックスに自分の腕輪のアイテムボックスから送る方法を教えて練習させておく。

最近の狩りの量から考えるとすぐに一杯になりそうだ。


るびのとセバスチャンをおいて俺は自宅のガレージに転移魔法で帰った。

流石に深夜の12時をまわってるので嫁達は全員寝てる。

面倒だったのでガレージに停車中のキャンピングバスの中に入って装備を脱ぐ。

ガウンだけを羽織ってそのまま風呂に入ることにした。

風呂から出てからマリアにつまみの団子を作ってもらい日本酒を呑む。ホワイト達とマリアに念輪のグループ会話を開いて今日のもふもふ天国の報告を受けた。


今日も混みまくって身動きも取れない状況ってのはなくて、ホワイト達が交替で買出しぐらいはいけそうとのこと。

それに食料品市場での買出しも夕方の帰る前に店に直接売りに来てくれる様に契約がしたいと、一度詳しく俺と話をさせてほしいと、いつも買っている商店で言われたのだそうだ。


明後日の午前中に詳しく話をすることにするので、コーヒー商人・紅茶商人・ハーブ商人・フルーツ商人などを店舗裏の事務所に呼んでおくように言っておく。

・・・まだそんなに量はいらないけど、少量でも契約できるのか確認しないといけないからな。


それと今後のもふもふ天国の展開もあるし。


首都シーパラや今後行く都市などには家を購入するんじゃなくて、モフモフ天国の店舗と早乙女商会の事務所を購入して拠点にしていく予定だ。

転移魔法で安全に行き来できる拠点さえあれば住居は必要ないし。

明後日の午前中に商人達と契約して、午後からは首都シーパラで拠点となる店舗を探す予定でいる。

拠点作りに慌てているわけではないが、だからといっていつまでもホテル暮らしをしているわけにはいかない。


もふもふ天国の順調な滑り出しに気をよくしながら、今日はここらで寝る事にして念輪のグループ回線を切った。




転生25日目の朝が来て今朝も6時ごろのマリアの入れてくれたコーヒーの匂いで目覚める。

「マリアおはよう。今朝はアイスコーヒーにしてくれ。朝食はスモークサーモンのサンドイッチで頼む。ついでに今日の船旅中のコーヒー・紅茶・ハーブティーをポットで作っておいてくれ」

「おはようございますご主人様。了解しました」

俺は洗面所に向かって歩きながらマリアに朝食の注文をしておく。戻ってきて朝食を食べ始める。

嫁達はまだ寝てる。まだ朝の6時半だからな。

今日は俺だけがハウスボートで移動するから早起きしてるけど嫁達は8時起きの予定なので、俺もこんな早い時間に起こすつもりもないのでそのまま寝かせてる。


マリアからドリンクの入った複数のポットを受け取ってアイテムボックスに入れてから、嫁達の世話をマリアに任せて俺はマヅゲーラの町のホテルの自分の部屋に転移魔法で移動した。

ホテルを出てハウスボートを係留しているマリーナに歩いていく。

ハウスボートを係留してるロープを係員に外してもらい、首都シーパラに向けて移動を開始させる。


マヅゲーラの1km圏内は10ノット以下なのでふわーっと発進させる。

今日は物凄く天気が良くて風もほとんどなくてシーパラ大河は波もほとんどなくて凄く乗りやすい。


スピード制限区域を出てから周囲の船と一緒に速度を上げていく。

30ノットを超えてシーパラ大河の中央部分に行って更に速度を上げて40ノットを超えて、周囲の船を追い越していく。

巡航速度が40ノット以上なので1時間以上航行してると周囲の船がいなくなり・・・ヒマになった。

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