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私生活的事情で更新が遅くなったことをお詫びします。

 わいわい、ガヤガヤ


 前回とはまた違った居酒屋で誰かに聞かれないよう注意しながら私は他の二人と話を続ける。


 「分かった。

 ではそのように手配をしよう。

 そうだな……明日には準備できるだろう」

 「明日ですか、流石ですね。

 よろしくお願いします」

 「コレ位は当然だ。

 ジュエリーの方は俺にツテがあるから任せろ」

 「じゃあ私は道場の方を。

 それに確か道場の奴は警視庁の方にツテがあったはずだしな」


 二人の言葉に後は教授と医院長だけかと算段する。


 「では、医院長と教授の方は私が。

 医院長に関しては心当たりが無いわけでもありませんのでそちらを当たってみます。

 ですが、教授に関しては流石にただの未成年が接触するのには無理があるので少し手を貸して下さると嬉しいです」


 私の言葉に二人はひきつった笑いを浮かべた。


 「何か?」

 「手を貸すのは良いが……ただの未成年……?」

 「これほどただの未成年とか普通って言う言葉が似合わない子供も中々いないだろうね」

 「ふふ、誉め言葉として受け取っておきます」


 その後も話し合いは進みやがて全て纏まった。


 「………じゃあ、住所は明日メールで送っておく。

 煮るなり焼くなり好きなように使え。

 後始末は任せろ」

 「では、お言葉に甘えます」

 「他の奴らも何とかするよ。

 コネを最大限に利用して、ね」

 「場を設けて頂ければ後は何とかするのでそれまではお力添えを頼みますね」


 三者三様に笑みを浮かべ固い握手を交わすとそれまでの何か悪巧みをしているような悪どい顔を止めてビール片手に和やかに会話をしながら料理に舌づつみを打った。


 ちなみにこんな場所にはいるが私は一応未成年なので飲むのはもちろんジュースだ。


 一頻り料理を楽しんでから居酒屋を後にした。








 二度目の生徒会からの呼び出しを受けてから二日程経った。

 学校に着き、鞄から上靴を取り出して履いた後、今日は何が入っているかなーと下駄箱の蓋を開いた。


 ちなみに今まで入っていたのは紙くずや泥、砂から始まり何かの糞、虫やネズミなどの死骸、大量の青虫やミミズ、手作り感満載のお菓子だった。


 取り敢えずミミズの時は家に持って帰って父親の家庭菜園に逃がし、ご丁寧にカードもついていた手作り感満載のお菓子は割ったら呪いみたいに髪の毛や針など正体不明の物がごっそり混入していたので証拠写真をいくつか撮り破棄した。

 ちなみにカードには

 『いつも見守っています。

 一所懸命作ったのでこれでも食べて頑張って下さい』

 と書かれていた。


 読んだ瞬間爆笑したさ。


 他に入れられていた物については入れたご本人へオプションを追加して丁寧に返却した。


 オプションは彼らが私の下駄箱に物を入れているシーンを激写した写真だ。

 隠しカメラの映像を写真風にアレンジした物なのだがいやぁ、我ながら彼らの性格の悪さが全面に出されて見ている側に良く伝わってくる良い写真だと思う。


 返却された方は私が入れたと言う証拠も無いしかと言って入れたと主張すれば写真が露見して芋づる式に自分たちが私にやった事が発覚する可能性があるので何も言えない状況に陥る。

 いくら私への扱いを黙認している学校であろうとそこまで騒ぎになれば対処せざるを得ない。


 みんなもそれを分かっているのでやり返すにやり返せずギリギリしているようだ。


 自分の下駄箱に入れられた動物の糞を見つけた時の男子の野太い悲鳴は今でも思い出すと爆笑物だ。

 さて、今日は何かなーと下駄箱を開けると中には手紙が一通入っていた。

 これと言った特徴の無い白い封筒で差出人も書かれていない。


 「………ふむ」


 取り敢えず手紙を片手に教室へ向かった。




 「おはよー」


 元気に挨拶をしながら教室へ入ったがちらっと一瞥しただけでもちろん誰も返してくれやしない。


 何時もの事なので気にせず自分の席へ向かう。


 うん、今日は特に面白い仕掛けは何も無いな。

 『死ね』『ブス』『学校止めろ!』『援交女』と安い悪口がマーカーで書かれているがべつにカッターや彫刻刀で彫られている訳では無いので支障は無い。

 


 鞄の中の教材を机へとしまい、一息ついてから先程の手紙を取り出す。

 やっぱりどこからどう見ても何の変鉄もない白い封筒だ。


 果たして呼び出し文か果たし状か。

 大穴でラブレターだが流石にそれは大穴過ぎるか。

 糊付けはされていなかったので普通に中を取り出す事が出来た。


 ちなみに余談だが、芸能人などの著名人へのファンレターには封筒の開き口に剃刀を仕込んで送られて来ることがあるそうだ。

 読もうとしたら剃刀で指がスッパリ切れると言う悪質な嫌がらせらしい。


 今回はその手の嫌がらせは手紙にしかけられてはいなさそうだ。

 慎重に中身を取り出した。


 手紙にも差出人は書かれておらず、中身はワードを使って印刷された物だった。

 そして、ただこう書かれていた。


 【乙女ゲーム『君と永久に』。

 これについて意見を交わしませんか?

 放課後の五時頃、体育館倉庫にてお待ちしております】


 『君と永久に』

 この世界においてその言葉を知っているであろう人物は今の所一人しかいない。

 場所も体育倉庫といかにもな場所だ。

 鬼が出るか蛇がでるか。

 面白そうだし行ってみるか。


 思わず口角が上がった。








 放課後になった。


 指摘時間まで時間がかなりあるのでメールや電話で時間を潰すと丁度良い時間になった。


 さぁ行こうか、と教室を出る。

 時間には早いが準備もあるしさっさと行くか。

 と、一つやっておかないといけない事があった。

 廊下を歩きながら携帯を取り出して六時にメール送信予定を設定してから電話をかけた。


 「あ、もしもし。

 ちょっと保健室のベッドを数個手配しておいて下さい」

 『………ちょっと待て。

 俺の耳が可笑しいのか?

 今、何か怪我人を出す予告を受けた気がするんだが』

 「十中八九ビンゴです。

 と言う訳でベッドの確保、よろしくお願いしますね」

 『何がと言う訳でだ!

 取り敢えず事情を』

 「あ、そうそう。

 もしかしたら二時間位後にメールを送るかもしれません。

 その時は直ぐに来て下さいね?」

 『おい、話をっ』


 言いたいことだけ言うと通話を切り、直ぐさま電源を落とす。

 「さて、行きますか」






 ボールが大量に積み込まれた籠。

 存在感を放つ跳び箱とその横にある体育マット。

 乱雑に置かれた石灰の入った麻袋。


 それらを眺めていると五時少し前、体育倉庫の扉が開かれた。

 私は閉じていた目の片目を開けて入り口へと目を向ける。

 そこには下卑た笑みを浮かべた数人の男子生徒がいた。


 彼らはぞろぞろと中へ入ってくる。


 ひい、ふう、みい………それと見張り役として表に二人はいるとすると五人か。

 これなら何とかなるな。


 そう考えていると男子生徒たちが口を開いた。


 「よう、来てやったぜ?

 まさかあの話が本物だとはなぁ。

 俺たち楽しみにして来たんだ、楽しませてくれよ?」

 「誰にもヤらせてくれる女ってのがあの嫌われ者のあんただったとはよ」

 「あながちあの援交の噂も嘘じゃねぇんじゃねぇの?」


 何が面白いのかそう言ってゲラゲラと笑う男子生徒たち。


 あぁ、不愉快極まりない笑い声だ。

 しかめたくなる顔を抑え、髪で閉じている片目を隠しながら不安気な表情で彼らに話し掛ける。


 「あの………話って、どう言う事ですか?」

 「あ?夕方の五時頃に体育倉庫に行ったら誰にでもヤらせてくれる女がいるっつーのを聞いたんだよ」

 「まさか本当にいるとは思わなかったけどな」

 「聞いたって誰にですか?」

 「あ?うちのチームの奴だよ」

 「チーム?」


 私の疑問に彼らは自慢気な表情で答えてくれた。


 「ふん、聞いて驚くなよ」

 「俺らはあの『緋鴉(あけがらす)』のメンバーなんだぜ」

 「あけがらす?何ですかそれ?

 初めて聞きました」

 「はぁ?知らねーのか?」

 「まぁ、嫌われ者のこいつに誰も噂何て教えてやんないだろうし仕方ねぇんじゃね?」

 「じゃあ、親切な俺らが教えてやんよ」

 「説明してやるからこっち来いよ」

 「あ、私はこのままで結構です」

 「………ちっ、まぁ、いいや。

 『緋鴉』ってのはここいらのワルを集めたチームでそんじょそこらのチームとは比べ物にならない位規模がでかいし戦力も強い」

 「しかも、その中でも四天王の方々は比べ物にならない位すげぇんだぜ!!」


 四天王……………!


 あまりにもアホな響きで思わず吹き出しそうになった。

 だって四天王だよ?まさかリアルでそう名乗る奴がいるとは思わなんだ。

 とても気になる。


 笑いを堪えて質問する。


 「ふっ、く………し、四天王ってどう言う人たちなんですか?」

 「あ?四天王の方々はなぁ……………」


 そこから彼らの語りは凄かった。

 何が凄いって三人もいるのに全員語彙が少ないのか直ぐに『すげえ』『ぱねえ』『鬼』『強ぇ』『かっこいい』と言った言葉しか出てこない事だ。

 三人寄れば文殊の知恵と言うが彼らの場合は何も産み出さないようだ。


 最初はこちらから向けた話だし十分位は聞いてやろうかと思ったが話がリピートし始めた所からこれは無理だと早々に見限った。


 その時間約五分。

 思ったより短かった。


 「取り敢えず『緋鴉』の凄さは分かりました。

 ご親切にありがとうございました」

 「あ?何だよまだ話し始めた所だろうが」

 「いえいえ、もう十分です。

 皆さんのお話が素晴らしかったので十分理解出来ました」

 「おう、感謝しろよ」

 「はい、ありがとうございました。

 では、私は偶々通りすがっただけなので失礼します」

 「おう………ってちょっと待てや」


 腰掛けていた跳び箱から降り、そう言って彼らの横を通り抜けようとすると一人が行く手を阻み、もう一人に片手を捕まれた。

 リーダー格らしき男子生徒その1が目の前にくる。



 「まぁ、そうつれないこと言うなよ。

 ただ話を聞いて終わりってのはねぇんじゃねぇの?」

 「いえいえ、私と貴殿方はそこまで親しい訳では無いので話をするだけで十分だと思いますよ」

 「まあまあ、折角俺らがわざわざ話をしてやったんだからそれなりの礼をしてくれてもバチは当たらないだろう?」


 腕を掴んでいる男子生徒その2が私の全身を舐めるような目で見ながら言った。


 あぁ、気持ち悪い。


 「丁度ここは俺らが話に聞いた体育倉庫だし、邪魔する奴は来ない様に見張りも用意した。

 それにな、俺たち女がいるっつーその話聞いて昨日から楽しみにしてたんだよ、なぁ?」


 その問いに他の男子生徒たちがニヤニヤと笑いながら頷いて同意する。


 「その噂を知らなかったのが運の尽きっつー事でお礼に………俺らの相手してくれや」


 舌舐めずりをしそうなその表情に嫌悪感を抱いた。













 「止めて下さい!

 離して!!!」

 「おっと、暴れるなって」


 体育マットの上に引き倒された私の上に跨がってくる男子生徒その1。

 暴れようにも両腕を男子生徒その2と3に押さえつけられ、満足に動けない。


 「大人しくしてりゃあ痛い目見なくて済むぞ」

 「そうそう。

 寧ろ気持ち良くなったりしてな」

 「違いねぇや」


 ゲラゲラと笑う笑い声が苛立たしい。

 取り敢えず腹の上に跨がった男の顔に唾を吐いた。


 「……………ふっざけんなよこのアマ!」


 左頬をグーで殴られる。

 身動きが思う様に取れない為、あまり衝撃を逃がす事が出来なかった。


 切れたのか口内が血の味で染まる。


 「人が優しくしてりゃあ付け上がりやがって。

 後悔させてやる」


 ブレザーとワイシャツの前を力任せに引きちぎられる。

 ボタンが弾け飛ぶのが視界に写った。


 私は悲鳴を上げた。


 「い、いやぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
















 「………なーんちゃって、今だ」


 私の合図と共に体育倉庫のブレーカーが落ち、腹の上に乗っていた男子生徒その1の体重が消えた。

 瞑っていたもう片方の目を開くと白い粉を撒き散らしながら横へと倒れ込んだ様子が見えた。

 私の腕を押さえつけたまま唖然とする男子生徒その2は突如後ろから伸びた腕に無造作に襟首を掴まれあっと言う間に床へと叩きつけられて伸びる。

 その音を聞いてやっと我に返った男子生徒その3は背後からの一撃によってなすすべもなく床へと沈んだ。

 体育倉庫に再び明かりが灯る。


 その間まで僅か十秒。 あっと言う間の出来事だった。


 男子生徒その1は全身に白い粉を浴びてむせかえっている。


 「柴山先輩、そこの人もきっちり落としておいて下さいね」

 「了解」


 柴山と呼ばれたがたいの良い男子生徒は今だむせている男子生徒その1の喉元へ手を伸ばし、素早くその意識を刈り取った。


 「山田君と林君は私の手伝いを。

 彼らの発言から恐らく外に見張り役として二人程いると思われます。

 私が中へ誘き寄せるのでドアの横で待ち伏せして二人で叩きのめして下さい」

 「分かった」

 「うっす」


 ポケットからレコーダーを取り出してイヤホンで目的の音声を確認。

 そして扉を外へノックした。


 「ん?」

 「どうした?」

 「いや、今ノックされなかったか?」

 「あー、俺ちょっとぼーとしてたから聞いてないや」

 「じゃあ、気のせい?」


 もう一度ノックしてレコーダーを再生させる。


 「『ちょっと』『こっち来いよ』」

 「あ、先輩。

 もう良いんっスか?」

 「早いですね」

 「『あぁ』『まぁ』」

 「じゃあ、遠慮なく」

 「失礼しまーす」


 素早くドアから離れた。


 ドアが開き、まず入って来た一人目を右手に構えていた山田君が自分の方へ引っ張り、そのままの勢いで棚に叩き付ける。

 そして背中を強打し崩れ落ちた相手の股間を思いきり蹴り上げた。

 相手は白目を剥いて気絶。


 もう一人は目の前にいた仲間が居なくなった事に驚き、一瞬動きを止めた。

 左手に構えていた林君が胸元を掴み、中へ引きずり込むとその頬に思い切り拳を打ち込み、相手が反射的に顔を守る為に腕を上げた所を鳩尾へ一発。

 前屈みになった所でその背中に組んだ両手を思い切り降り下ろす。

 相手は床へ沈み、気絶した。


 脈と呼吸を確認。

 制服のポケットからペンライトを取り出して瞳孔を確認。


 よし、死んでいない。


 「ご苦労さまでした。

 殲滅完了です」

 「あぁ、分かったから取り敢えずこれでも羽織って前を隠した方が良いと思うぞ」


 顔を背けながら制服の上着を渡して言ってきた柴山先輩。

 視線を自分へ向けると制服の前が全開だった。

 まぁ、キャミソールを着ているから平気なのだが。



 「これはお目汚しを失礼しました。

 服、ありがとうございます。

 ですが大丈夫です」


 丁寧にお礼をいながらも上着をお返しし、体育倉庫内に積まれていたプロテインの段ボールからジャージを取り出して上に羽織る。


 「………手馴れてきてんなぁ」


 引きつった笑いをした山田君にしれっと返答する。


 「そりゃあ、今回で通算六回目の襲撃ですし慣れない方が可笑しいかと」

 「まず六回も襲撃される時点で可笑しい事に気付こうか」


 林君からの指摘はスルーすることにした。


 「取り敢えず彼らを保健室へ運びましょう」


 三人しかいないし二往復することになるが仕方がないだろう。


 意識の無い人間程運び辛い物は無い。

 げんなりとする三人。


 「ほら、頑張ればそれだけ早く自由の身になれるかもしれませんよ?」

 「「「!!」」」


 発破を掛けると面白い位にやる気を出してくれた。

 三人がめいめいに一人ずつ運んで行く。

 私はその間にリーダー格らしき男子生徒の制服のポケットを漁る。

 お目当ての物は直ぐに見つかった。

 ポケットから引き抜いた手にしているのは携帯。


 メールにはロックを掛けていなかったので見るのは容易かった。


 『from:先輩

 sud:知ってるか?

 何でも体育倉庫に放課後五時頃行ったら好きにヤらせてくれる女がいるんだとよ。 お前らも行ってみたらどうだ?』


 貰った手紙の内容から羽崎さんが関係しているのはほぼ間違いが、メールを見るに共犯者がいることが窺える。

 あくまでも他に転生者がいなければの話だが。


 ふとその考えが浮かんで私は愕然とした。


 何故私は今の今まで他に転生者がいると言う可能性を考慮しなかったのか。

 もしかしたら心の奥底に自分は特別なのだと言う優越感があったのかもしれない。


 強く奥歯を噛み締めた。


 いや、今からでも遅くない。

 いるかは分からないがもし居た場合に備えて出来るだけは手を打っておこう。


 そしてこの『先輩』と言うのは何者なのか。

 『緋鴉』と言うチーム。

 詳しく調べてみる価値はありそうだ。


 あの男たちに直接聞くのが一番楽なのだろうが小物臭が半端なかったしこんなのに使われる位だ、下っ端も良い所だろう。


 やれやれとため息を吐いた。


 最近、只でさえ睡眠時間が少ないってのにこれでまた削られそうだ。



 携帯を元通りポケットに返すと他にカメラを発見した。

 カメラの中身をチェックする。


 何処ぞの壁に落書きをしてふざけている写真や飲食、喫煙の最中の画像があった。

 画像を見進めて行くにつれふつふつと怒りが込み上げてきた。


 画像の内容は同じ制服を来た見知らぬ女子生徒が男たちに弄ばれている物へと変化していた。

 一人ではなく何人もの女子生徒が被害にあっているようで他の学校の制服の子も写っていた。

 今回、カメラを持ってきたと言うことは私も同じ目に合わせようとしたのだろう。


 他の女子生徒の為にも五人はもちろんこの写真に写っている連中にも償って貰おうかと心に固く誓った。


 他にバックアップがあった場合意味がないがやらないよりはマシだとメモリーを取り出し、本体のデータを消した所で三人が帰ってきた。

 残りの二人を保健室へと運ぶ。


 あー、保険医になにがあったのかしつこく聞かれそうでめんどいな。












 保険医の追求をのらりくらりとかわして帰路につく。

 メールを見ながら歩いているとあっと言う間に着いた。

 ポストの中から鍵を取り出して中に入る。


 「ただいまー」


 しっかりと施錠し、チェーンをかける。

 両親は今日から一週間程熱海へ旅行中なので現在家には誰もいない。

 帰りにコンビニで買った弁当を夕食を取る。


 うん、不健康だが最近のコンビニ弁当は本当美味しいな。


 そのままリビングでしばらく時間を潰すが暇なのでそろそろ自分の部屋に帰ろうかと後にした。








 「あー、はいはい、すみませんでした」

 『すみませんでしたじゃない。

 一体後何回危険な目に遇えば懲りるんだお前は!』

 「百回位ですかね」

 『多いわっ!!!』


 大音量で叫ばれたので顔をしかめて携帯を耳から離す。

 只でさえ窓の外も騒がしいのだから少しは静かにして欲しいものである。


 「誰に何と言われようと私はこの件から手を引く気はありません。

 自分の打った手で危険な目に遇うのならそれは私の能力が低い事により招いた自業自得でありその結果は甘んじて受け入れましょう」

 『……………惚れている女に危険な目に会って欲しくないから言っているんだろうが』


 これが電話越しで良かった。

 動揺しているであろう表情を見られずにすんだ。


 「そうですか。

 それで、頼んだ事は滞りなくできそうですか?」

 『いや、人が告白しているんだからそこは流すなよ』

 「頼んだ事は滞りなくできそうですか?」

 『あぁ、スルーなのな。

 …はぁ…その件なら特に問題は無い。

 このままいけば予定通りいけるだろう』

 「ではなるべく問題が起きないようお願いします」

 『分かってるさ。

 ……それにしてもヤケにそっち騒がしいな』

 「近くで火事があったらしくてそのサイレンの音ですよ。

 五月蝿くてかなわないですね」

 『へー、火事か。

 お前もちゃんとひの扱いは気を付けて寝る前は元を閉めてから寝ろよ』

 「分かっています。

 それでは」


 通話を切り、ベッドへ横たわる。




 別件で明日から少し学校を休まなければいけないのだが、生徒会(変態含む)連中の相手も面倒臭いし丁度良い。


 やることも増えたしこれからますます忙しくなる。

 それまでは英気を養う事にしよう。


次は皆さんお待ちかね、制裁編へ突入です。

伏線を回収出来るよう頑張ります。


あ、こうして欲しいていうリクエストは常時受け付けてます。


採用された方から抽選で豪華プレゼントが!

と言うのは無いですが面白そうなのは取り入れてみたいです(笑)

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