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ふむ、どうやら私は嫌われトリップをしたようだ(連載版)  作者: 東稔 雨紗霧


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21/24

図書委員長は変態です

変態のお話しです。

時間的には6.5話です。

 「以上で今日の報告を終わります」

 「分かった、今日はもういいから下がれ」

 「畏まりました」



 そう言って恭しく礼をした男子生徒が部屋から出たのを確認した黒魅鳥優夜はすぐに部屋の鍵をかける。

 前回は危うく彼女に見られる所だったのでそれ以来鍵をかけるようにしている。

 鍵をかけた後、金庫に向かうと白手袋を嵌め、暗証番号を入力し、はやる気持ちを抑えて中にある物を一度拝んでから恭しく取り出した。

 テーブルには手触りの良い見るからに高そうな布が敷かれてあり、その上に慎重に取り出した物、アルバムを置く。



 頬を高揚させ、唾を飲み込んでからゆっくりと表紙を開いた。

 そこには今現在、羽崎明に敵対している一人の女子生徒の写真があった。

 視線がこちらに向いていないことから隠し撮りであろうことが窺える。



 一ページ分の大きさのその写真をじっくり嘗め回す様に見つめていた黒魅鳥は次のページへと手を動かす。

 そこには体育の時間に撮影されたのであろう、半袖短パンの女子生徒が写っている。

 準備運動をしていたり走っていたりバスケをしていたりと様々なシチュエーションだ。

 その中の一枚、ボールを投げようと構えている写真を眺め、うっとりと眺める黒魅鳥。

 愛しい者を見つめる様な表情で見つめるその脳内はその願望を呟いている。



 (あぁ……、この体に思い切り硬球を投げつけて欲しい。彼女の体力検定ハンドボール投げは20メートルと素晴らしい成績。この素晴らしい肩の力で是非とも力強いボールを投げつけて欲しい!そしてその肩から続く腕、もしラリアットされたらどんなに気持ちいいか……余計な脂肪がついておらず、華奢ながらもその奥にある締まった筋肉との程よいバランスはまさに芸術、これで締め上げられたらまさに天にも昇る快感だろう。そしてこの肌、柔らかく滑らかそうな白い肌を隅々まで嘗め回したい!もしそれが許されたらと想像しただけで、涎が止まらない……そういえば、女性二の腕は胸の感触を同じと聞くがそれは本当なのだろうか。本当ならば是非ともこの二の腕で締め上げて欲しいな。あぁ、確かめるために触らせてくれと言ったら殴って貰えるだろうか…いや、罵倒でも良いな。それか虫けらを見るような目で見下して欲し…)

「おっと、涎が」



 アルバムにかかっては大変だと慌てて口元をハンカチで拭うとまた次のページへと手を動かす。

 

 そこには先ほどと同じ半袖短パンだが足だけ重点的に撮られた写真が並んでいる。

 それをまたうっとりと眺める黒魅鳥が妄想を垂れ流す。



 (はぁぁぁん、このしなやかに鍛え上げられた足、この足を指の一本一本に至るまで隅々まで嘗め回したい!!この足から繰り出される蹴りはまさに至高の一発。100メートルを12秒台で走りきる事から中々の脚力が期待できる!更に彼女は武道を嗜んでいるようだしそんな彼女の本気の蹴り……それはまさに極上の快楽!!是非とも俺の尻に向かって放って欲しい……!そして、俺を見下しながら踏んで欲しい…!彼女がこの部屋に来る時に床に寝転がっていれば踏んで貰えるだろうか?いや、ただ寝転がっててもスルーされるのが関の山。放置プレイも良いが俺としてはやはり踏んで欲しい。床に穴を掘ってそこに入って上からマットを被せれば床の一部としていけるか……?だがここは直に踏まれたいところだな。そうなれば彼女の足元に転がっていくのが一番確実か?スカートの中が除けるポジションに行けばあるいは……蹴り飛ばされるか踏まれるか、それば無くても運が良ければ聖域パンツを覗き見る事が…!)

 「これは早速試してみなくては!」




 また一枚ページを捲るとそこには授業中であろう、ペンでノートに物を書いている姿の写真とそのペンを持つ手の拡大写真が並んでいる。

 それを(以下略)



 (はぅぅぅ、細く繊細そうながら女性特有の柔らかさを兼ね備えた手、この白魚の様な手のひらで頬をビンタされるもよし、手の甲で裏拳を顔面に繰り出されるもよし。だがやはり、握りしめたその手で殴打されたい!手足を拘束され成すすべもなく転がされている俺を馬乗りになって殴打して欲しい…!!そうだ!馬と言えば鞭。その手に持たれた鞭で嬲られるのも良いな……虫けらを見る目で、冷めた声で罵倒されながら鞭で嬲られる……堪らんな!それにしてもあいつらは良いな、いつも彼女に冷めた目で見つめられて。失望はされたくないが俺もあの目で見つめて欲しい!!頼めばやってくれるだろうか。彼女の言動を見るにサディステックな面があるのは確か。頼めば意外とやってくれるかもしれないし、例え断られても十中八九ゴミを見る目で見られるだろう。と言う事は、と言う事はだ)

 「どちらに転んでも美味しい……!!」



 ガッツポーズでそう呟く黒魅鳥。

 しばらくその算段をした後にまた次のページへと手を動かす。



 このアルバムを見て妄想をするのは彼の日課であり一日の疲れを癒す至福の一時である。

 ちなみに彼のこの至福の一時は数日後に写真に写っている少女の手によって中の写真を全て羽崎明の物に変えられ、それを知った彼は絶叫するのだがこの時はまだ知る由もなかった。


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