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鮮血が床へと滴り落ち、一般生徒の方から悲鳴が上がる。
血を見たせいか一般生徒側から何人か倒れた音がしたが、そちらは一先ず部下に任せる。
私や図書委員長、黒服では制止が間に合わず羽崎さんは取り出したナイフで自身の胸を貫こうとした。
が、私達以外にそれを止めた者がいた。
「なぁに静くん。この手を放してくれない?」
銀髪無表情こと水無鳥静。
彼が羽崎さんの身にナイフが沈む前にその手で刃先を掴み、阻止していた。
「……嫌だ、僕は…明に、いなくなって……欲しくない」
先ほどまでの無表情が嘘のように消え、今は悲痛な表情を浮かべている。
普段表情筋が動いているのを見ないせいか悲壮感が半端ない。
羽崎さんもその表情を見て、罪悪感に襲われたようだ。
「ご、ごめんね、静くん。手、痛くない?」
「ん、大…丈夫」
ナイフから手を放し、心配そうに水無鳥を見つめる羽崎さん。
指示を受けた黒服が水無鳥からナイフを受け取り、手当をする。
「大丈夫ですか?ぎ、水無鳥君。すぐに病院へ」
「いい、大丈夫…僕、には……全て、を見届ける……義務が…ある」
「……そうですか、わかりました。では、早急に方を付けてしまいましょう。
羽崎さん」
「…何よ」
「先ほどの貴女の言動から貴女に精神疾患の疑いが浮上しました。
つきましては、これ以上何かをやらかす前に拘束、送検させていただきます」
「はぁ!?何言っ」
黒服によって猿轡を咬まされ、ロープで拘束された羽崎さんはそのまま連行されて行った。
何事も無ければ手筈通りの場所に搬送される予定だ。
「さて、他の元生徒会役員並びに顧問の紫鳥先生も同様にさせていただきます。
そうそう、言い忘れていましたが、同様とは言っても貴方方は全員刑事告訴されていますのでそのまま警察署へと向かっていただく特別コースです。
楽しみにしていてくださいね。
ああ、水無鳥君に関しては怪我の件もあるので別になります」
とっくに逃げるのを諦め、赤髪ヤンキーと違って特に脅威も無かった顧問たちも取り押さえて警察署へと連行される。
彼らは実刑を受け前科者になることが確定しており、刑期が終了した後も彼らの一族により孤島へ連行されることが決まっている。
彼ら曰く愛があれば何でもできる(笑)らしいのでそれなら愛の力で彼らだけでも十分孤島で生活できるだろう。
是非とも私に愛の力(笑)を見せて欲しい。
例え、その時点で既に羽崎さんへの愛がなくなってしまっていたとしても過去は消せずそれと同じく彼らが引き起こした出来事は消えないのだから愚かな事をしたのを後悔しながら過去に縛られて生きると良い。
彼らが退場するのを見届け、その様子をスマホなどで撮影したりと物見遊山で見学していた一般生徒の方へと体の向きを変える。
「さて、これで終わりではありませんよ?今度はあなた方の番です」
私の言葉にざわめきが広がる。
それはそうだろう。
今まで対岸の火事と思って見物していたのに火の粉が自身へと飛んできたのだから。
「調査によると名誉棄損に万引きなどの窃盗事案に器物破損、恐喝などを筆頭に暴行、横領、薬物、放火とみなさんよくもまあ学生の身でありながらこんな事が出来ましたね。
とりあえず横領からいきましょうか。
横領に関しては先ほど言ったように羽崎さんが関わっているのが大半です。
例えば、羽崎さんに薔薇の花束をプレゼントした男子生徒。
老舗旅館御用達の高級和菓子をプレゼントした女子生徒。
一冊十数万する絶版本をプレゼントした男子生徒。
ちなみに花束をプレゼントした彼はサッカー部部長。
高級和菓子をプレゼントした女子生徒は茶道部部長。
そして、絶版本をプレゼントした男子生徒は図書委員。
部長の二人は言わずもがなですが、男子生徒は図書委員と言う立場を利用して希望書を発注、それに貸出処置が行われる前に盗み、羽崎さんにプレゼントしたみたいですね。
ちなみにそのプレゼントされた絶版本はその日の内に盗難されたのですが今現在では無事に発見されています」
ちなみに盗んだ犯人は彼の友人だったがこれは言う必要はないだろう。
「他には放火の件ですが、放火されたのが偶々(・・)まだ人の住んでいない空き家だったので良かったのですがこれが人の住む民家だった場合刑法第108条、現住建造物等放火としてとられ死刑又は無期もしくは5年以上の懲役に処されます。
良かったですねぇ、2年以上の有期懲役で」
実を言うとこの放火、私の実家を狙ったものだったようだが実家へ危害がくわえられる可能性を考えて生徒会顧問のお父様に用意してもらった拠点の内の一つだったので事なきを得た。
生徒会顧問の一族は代々不動産関係の仕事をしており、この学校は一族の所有物の一つらしい。
とは言っても理事長として経営はしていても主な運営などは学校長に丸投げで一切ノータッチでいたらしく今回の件はまさに寝耳に水だったようだ。
ちなみに放火された家はポルターガイストありのいわくつき事故物件だったのだが間に一人挟めば告知義務がなくなるとかで私がその役目を負うと言う交換条件で借用していた。
家に何かしら被害が与えられるかもしれないことは説明していたが火事で全焼させてしまったのでお詫びとして言い値で買い取ろうとしたのだが『火事の後に建てた家は栄える』と不動産業界では言われているらしく却下されてしまった。
放火したのがいくら未成年とは言っても住宅街、しかも明らかに私や実家を狙ったあたり悪質にも程がある。
それ相応の報いは受けてもらおう。
「今ご紹介した数名は氷山の一角にしか過ぎません。
あまりに人数が多く、この場で挙げても切りがないのでこの議題については一旦ここで終了とさせて頂きます。
残りの心当たりのある方は後日警察の方がご自宅へ訪問させるかもしれませんので楽しみにしていて下さい。
逃げるのは結構ですけれど逃げた者はどんな手段を用いても必ず見つけ出すのでそれ相応の覚悟でお願いしますね」
実際にはそんな能力は私には無いのだが今までの出来事を見ていた人間にとってはさぞかし信憑性が高く感じられるだろう。
心当たりのある人間は真綿で首を絞めていくようにいつ自分が捕まるか分からない恐怖との戦いの日々が始まるわけだが、それは自業自得だろう。
いくら羽崎さんに唆されたとは言え、それを実行するかどうか決めるのは結局自分自身なのだから。
今現在だけでも全校生徒の内約4分の1の人間が犯罪に手を染めていることが判明しており、その中には教師も何人か含まれている。
教師に至っては懲戒免職は免れないだろう。
これからの調査によっては人数が更に増える可能性があり、そうなってはもう前代未聞の大事件として世間に知れ渡るのは確定だ。
新生徒会を立ち上げて学校を建てなおそうと頑張るつもりの図書委員長には悪いがこの学校の存続も危ういだろう。
「では、私からのお話は以上で終わります。
図書委員長、後の事はよろしくお願いします」
「ああ、わかった
では、これより新生徒会のメンバーを―――」
図書委員長に後を任せ、体育館を後にする。
向かう先は理事長室だ。
入口に見張りで立っていた黒服2名に会釈をして理事長室に入り、ティーカップを片手にソファーに座っていた水無鳥に声をかける。
「おまたせしました水無鳥君」
「大、丈夫」
「あぁ、貴方の本性はもう分かっているので普通の話し方で結構ですよ?」
「…?ほん、しょー?」
「貴方、転生者でしょう」
確信を持って伝えると彼の雰囲気が無機質な物から触れば切れそうなほど張り詰めた物へとガラリと変わる。
手にしていたティーカップをテーブルへと戻し、口を開いた。
「……へぇ、いつから気付いていたんだい?」
「最初に疑問を抱いたのは2回目に生徒会室に呼び出されたですね。
それまでの貴方方はただ妄信的に羽崎さんの言う事を肯定していましたがこの辺りからそれとなく私を援護する発言をしていますよね?
図書委員長を除き、生徒会役員の中で唯一羽崎さんに貢いでいなかったみたいですし。
それと、貴方のお父様とも知り合いまして、貴方の妹君への態度などのお話も聞きました。
それらの情報を踏まえ、考えた結果貴方が私たちと同じ転生者ではないかと言う結論にいたった訳です。
まさかとは思ったのですがカマをかけてみて正解でしたね」
「確信している様に見えたんだけどあれカマだったんだ」
「えぇ、間違っていたら私ただの頭おかしい人だったので認めていただけて良かったです」
「あー、マジか……それにしても君、父に会ったのか。
良く会えたね、実の息子でも中々会うのが難しいのに」
「ええ、幸運にもお父様の旧友と知り合いでしたので」
「なるほどねー。失敗したなぁ、それは想定外だった」
あーっと片手で頭をがしがし掻きながら話す水無鳥。
「貴方のお父様は有名な心理学者なんですね。特に犯罪心理学と社会心理学に精通しているとか。
つい先日も素晴らしい論文を発表されたとお聞きしました」
「ただの心理学馬鹿だよ」
吐き捨てるように言う彼から彼と父親の間に大きな溝があるのを感じられる。
「父の話なんかどうでも良いから本題に入ってくれない?」
「あぁ、これは失礼しました。
ではお言葉に甘えて本題に入らせていただきます。
今回の一連の騒動、羽崎さんに色々と入れ知恵したり他の生徒会役員が犯罪に手を染めるように陰で手引きしていたのは貴方ですね?」
「そうだよ。言うなれば黒幕とか陰の支配者って奴かな?
明には入れ知恵って言うか、聞かれたから色々アドバイスしてあげたんだ。
『君と永久に』での『水無鳥静』は父親の所有する本とかから犯罪心理学と社会心理学の知識があるって設定だったけどそれに環境心理学と臨床心理学もプラスして勉強したんだよね。
群集心理とか結構面白くてさぁ、夢中で読み漁ったもんだよ。
流石攻略対象なだけあって一回読んだら全部覚えられる頭なもんで楽しくて楽しくて。
いやぁ、お陰で随分簡単に事が進んだもんさ。
明が攻略していくのを見てても思ったんだけど、あいつらって本当にチョロイよね」
そう言うと水無鳥はケラケラと笑った。
私は彼の話を聞いてやっぱりかと全てに納得がいった。
いくら羽崎さんと言うイレギュラーが関与していたとしても攻略キャラなのだから元はある程度のスペック位はあっただろう。
私が羽崎さんを傷つけた件しかりシュレッダーの件しかり種はいくつも蒔いたのだからどこかで可笑しいと気付いてもおかしくはない。
それだけ今までいくらでも気付くチャンスはあったのだ。
にも拘わらずあれだけ病的に妄信的に羽崎さんの言う事をだけを信じ続ける攻略対象や信者達。
ゲームの修正力の様なものかと思ったがそれならば中立派や私に好意を持つ人が存在する事への説明がつかない。
だが、心理学に長けた水無鳥が関与していたのなら話は別だ。
犯罪心理学は犯罪行為をする場合の人間の心の在り方、働きについて研究する応用心理学。
社会心理学は個人に対する社会活動や相互影響関係を研究する心理学の一種。
環境心理学は光、温度、音などの物理的環境や他者の存在によって人の心理や行動にどのような影響を与 えるかを研究する心理学。
臨床心理学は精神障害や心身症、心理的な問題や不適応行動などの援助、回復、予防、その研究を目的とする心理学。
群集心理は社会的集団がそのなかの個人の行動に及ぼす影響や社会的集団事態の行動について研究する社会心理学。
よくもまあこれだけの品揃えをしたものだ。
これだけの知識があればいくらでも人の役に立たせる事が出来ただろうに彼はあろうことかこの知識を用いて攻略対象や信者達を羽崎さんに傾倒、犯罪行為に走るように助長したのだろう。
いうなればマインドコントロールと言ったところか。
「それだけの手腕と知識があるのであれば将来お父様を超える素晴らしい心理学者として賞賛されたでしょうに」
「生憎そんなのに興味はなくてさ。賞賛?くだらないね」
肩をすくめる水無鳥にそれにしてもと言葉を投げる。
「意外ですね。こんなにあっさり認めていただけるなんて」
「まあね、何もかも分かっているみたいだしここで粘っても時間の無駄だから。
無駄に足掻いて本来の目的が達成できなかったら元も子もないしね」
「本来の目的とは、妹君の事ですか?」
「んー、…なんの事かな?」
私の言葉に首を傾げる水無鳥。
「とぼけても無駄です。
貴方のお父様から聞きましたよ、貴方の妹君への異常なほどの執着心。
それこそ羽崎さんへの攻略対象や信者達と同じかそれ以上なまでの、愛執と呼ぶにはあまりにも異質な様子を」
「異質とか酷いなぁ。
僕はただ単に妹が大好きなだけだよ?
ただちょーと他の人より独占欲が強くて愛情を包み隠さずストレートに表現するタイプで一途で愛するが故の過激な行動をとりがちなだけの妹想いなお兄ちゃんさ」
「なるほど、病んでますね」
これほど妹に執着している彼にこれからの事を告げるのは酷だが誰かが伝えなければいけない事だし言うしかない。
「軟禁されていた貴方の妹君は先ほどこちらで保護させていただきました」
その言葉に彼は目を細める。
「……へぇ、良く居場所が分かったね」
「こちらには優秀な出資者と人を探すのに長けた人がいるので簡単でした」
「あぁ、会長と副会長の父親か。
僕の父と言い、双子の姉と言いその分だと生徒会全員の親族と繋がり持ってそうだね」
「さぁ、どうでしょう?」
「あっはは、明も大変な人間に喧嘩売ったもんだ。
ふーん、そっか。盗られちゃったかぁ…駄目元で聞いてみるけど、返してくれない?」
「無理ですね」
「だよねぇ」
はぁっと息をつく水無鳥に首を傾げる。
「もっと焦られるかと思ったのですが意外と落ち着いていますね」
「んー、まぁね。
言うなれば紫の上よろしく放任主義な父親や家政婦に変わって小さい頃から大切に大切に愛して、慈しんで、育ててきたんだ。
今更あいつが僕の事を嫌うなんてありえないし例え父があいつに僕について何か吹き込もうとしても僕以外の言葉は絶対に信じない様に教育してきたからね。
あいつ、父を含めて僕以外の人間には不信感しかないから言う事聞かないでしょ?」
「まぁ、そうですね」
水無鳥の言葉に同意する。
妹君は既に彼の長年のマインドコントロールにより既に洗脳済みだった。
軟禁されていた施設に仲間が侵入した際、『お兄ちゃんは何処?お前らお兄ちゃんをどこにやった!!?』と掴み掛られたらしい。
説明したが一向に聞く耳を持たず暴れだしたので今は鎮静剤を打って眠らせている。
「言っておくけど父に妹を何とかするとかは無理だよ?
母が死んでからあいつは今までほとんど妹や僕と関わろうとしてこなかったんだ、今更何かしようたって土台無理さ。
刑務所に入ったとしても洗脳が解かれる前には釈放されるだろうしそうなればこっちの物だ」
まさに余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)と言った態度で言葉を紡ぐ水無鳥。
そんな彼の様子に私は声を上げて笑った。
「……何笑っているのさ」
「ふふ、いえ……ふっ、失礼。ははっ、ただ、貴方があまりにも愚かしくて思わず笑ってしまいました」
「愚か?何が?」
「『刑務所に入ったとしても洗脳が解かれる前には釈放されるだろうしそうなればこっちの物』まあ、確かにそうですね。
一般的に考えられたら確かにそうですね。
貴方の刑期が終わればこちらからは手を出せなくなる、例え貴方と妹さんが会えない様に手を尽くしたとしても妹さんはどんな手段を使っても貴方の元に帰ろうとするでしょうし貴方もそうでしょうね。
こちらが何か手を回して職が見つからない住む部屋も無いなど劣悪な環境にしても貴方はそれで更に妹を自身に依存させるしそれで行き詰ったら二人で心中して幸せになる。
まさに究極のハッピーエンド。
打つ手なしです」
「そうでしょう?」
満足そうに笑う水無鳥。
「ところで話は変わりますが、レベルアウトと言う小説をご存知ですか?」
「?知らないけど」
「簡単に言うと電気ショックによって記憶を失った男女が記憶を取り戻していくというお話です。
いやぁ、私が前にいた世界では医学がここよりも発展していましてね。
犯罪に巻き込まれたり親からの虐待の記憶などのトラウマなどで悩んでいる人間に対して記憶消去が行われたりするんですよ。
医学って凄いですよね、投薬の他に強い光を使ったりこめかみのある部分のある範囲にある決まった強さの衝撃を与えたりそれこそ小説の様に電気をつかって人為的に記憶を消すことも可能なのですから。
この世界に機材が無くとも生徒会役員‘sのご両親の協力があれば簡単に製造可能ですしね。
まだ実用段階には至っていませんが7割方完成しているので早ければ半年後には出来上がっているでしょう。
あ、ちなみに私、前世では医者だったので設備さえあればこの世界でも記憶消去は朝飯前です。
要するに、記憶を消してしまえば貴方の洗脳なんて意味が無いってことですね」
そう言った途端目の前にあったテーブルが私に向かってひっくり返される。
とっさに座っていたソファーを後ろに飛び越えて回避する。
やれやれ、赤髪ヤンキーといい水無鳥といい何でこうも直情的な人間が多いんだ。
まぁ、煽ったのは私だが。
「妹を……妹をどこにやったっ!!!!返せ!!」
立ち上がり、肩を怒らせて血走った眼でこちらを睨み付ける水無鳥。
それに対して私はにっこりと笑いかける。
「絶対嫌です。
それに、貴方も他の生徒会役員同様、刑事告訴されている以上これから貴方が釈放されるまで妹君を監禁し続ける事は不可能ですよ?
そんな事をすればあっという間に餓死してしまいます。
それでも返せと言うのですか?」
「ああ、もちろん。
あいつを僕以外の人間の目に映す位なら殺して僕にしか触れないように大切に仕舞って僕以外の誰にもあいつも触らせたくないし見せたくないし声も聞かせたくない!!あいつの目に映すぐらいならその目を抉ってあいつの耳に入れるのなら耳を削ぐ!同じ空気を共有されたくない、あいつの髪の先から血液、細胞の一つまで全て僕の物だ邪魔するな!!」
あぁ、これは説得は無理だな。
洗脳型ヤンデレ。
対象が自分だけを愛するように洗脳しようとするヤンデレで兄弟や幼馴染など昔から対象の傍にいる関係が多い。
まるで水無鳥の為に存在しているかのような言葉だ。
まさか水無鳥がヤンデレ化しているとは予想外だった。
『君と永久に』は全年齢指定でヤンデレルートは無かったはずだ。
これも転生の影響か。
「肉体言語を使用するのは構いませんが貴方が私に勝てるとでも?」
「愛は全ての不可能を可能にする。僅かでも勝機があるなら僕は、それにかける!」
「どれだけ愛が強かろうが人間出来ないことはありますし不可能は不可能だと思うのですが」
「僕の妹への愛情をなめるな!!」
会話が成立しない。
他の生徒会役員と羽崎さん並みだ。
そんな会話の後に水無鳥は立ち向かってきた。
結論を言うと瞬殺だった。
電気ショックで記憶を消す実験は数年前にオランダで成功されているそうです。
医学って凄いですね。
ちなみに作中に登場した小説はタイトルこそ違いますが実際に存在する小説です。
興味がある方は「記憶喪失 レベル 小説」で検索してみてください。




