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何故か消えていたので再up
「さて、馬鹿が一人黙ったところで緋鴉の話の続きに戻るとしますか」
「え?」
私の言葉に副会長は気の抜けた声を出した。
「あはは、まさか途中で保健委員長に矛先が変わったからもう自分は大丈夫だ、なんて思ってませんよね?
副会長に関してはむしろこれからが本番ですよ」
「……お願いします!今までの事は悪かったです!!謝罪します!二度としません!!!だからこの通りです、これ以上は止めてください!!」
ばっと副会長は勢い良く私に向かって頭を下げた。
その角度、90度。
ふむ、綺麗なお辞儀だ。
しかし……ここで土下座をしない辺りまだ心の余裕が伝わってくるな。
まぁ、例えしたとしても止めはしないけど。
「嫌です。
貴殿方は他人への嫌がらせは率先してやる癖に自分がやられるのは嫌なんですね。
見下げた根性ですね」
こんなことしている私も他人の事は言えんがな。
「最近の緋鴉の起こした事件を纏めてみました。
まず恐喝、次に万引き、置き引きなどの窃盗。
一般人への暴行などの傷害。
まぁ、ここら辺は不良のとる行動としてはわりとポピュラーなところですね。
一般から外れてきている物としては先ほどあげた薬物乱用とかですか」
「ち、違う……!ぼ、僕は何もしていません!」
「えぇ、これらに関しては貴方は何の指示もしていないし関わっていない事は分かっていますよ」
「そうでしょう!」
私の言葉に副会長は食い付いた。
「僕は確かに緋鴉を作しました!
ですがそれは、この辺りの不良どもを纏めれば多少は治安が良くなって我が校の生徒が不良どもに絡まれたりするのが減ると思ったからですし、明に何かしらの危険が及ぶのを事前に防ぐこともできると考えたからです!」
「そのわりには随分色々と事件を起こしていたみたいですが?」
「それは………そこにいる茶枝鳥が僕の指揮を乱していたせいで起きたんです。
全ては我が校の生徒や明を守るためだったんです!」
「なるほどなるほど。
では、傷害事件の中には意識不明の重体になっている方もいるのですがこの辺りもですか?」
「そうです!!」
「はい、ダウト」
にこやかに副会長の答えを切って捨てた。
「意識不明者に関しては副会長は無関係どころかガッツリ関わっていますよね?
それも羽崎さん関係で」
「え?」
呆然とした状態で話を聞いていた羽崎さんは私の言葉に疑問の声を上げた。
「羽崎さん。
しばらく前に羽崎さんの持ち物が無くなる事がありませんでした?
例えば体操着や筆記用具、教科書にお弁当箱」
「……ありませんでしたかってふざけないで!
何を白々しい。
確かに全部無くなったわよ!
だけどそれは全部アン、貴女が私から盗んだんじゃない!!
楓君が新しいのをプレゼントしてくれたから大丈夫だったけど私、すっごく傷付いたんだから!!」
私を指差し、声高に糾弾する羽崎さん。
もちろん涙目のオプション付きだ。
「いいえ。
それらに関しては私は何もしていませんよ。
私は羽崎さん自身には興味あってもその所有物には興味ありませんので。
むしろそれらに関わっているのは私ではなくそこにいる副会長です」
「どう言うこと?」
「ご本人から聞いてみて下さい」
私の言葉に羽崎さんは副会長へと視線を向ける。
その視線に副会長は渋々と言った風に口を開いた。
「明の私物を盗んだ生徒は全て彼女ではなく一般の生徒でした」
「それはそこにいる女が脅してやらせたんでしょう?」
「………いえ、違います。
彼らは自主的に、自らの意思で盗みました」
「え!?どうして!?」
羽崎さんがすっとんきょうな声を上げた。
私から盗まれることは想定していても一般生徒から盗まれることは想定していなかったのか。
「体操着はとある生徒が明の顔を埋めて香りを堪能するために。
筆記用具はとある生徒が明の触った物が欲しくて。
教科書はとある生徒が明の物が欲しかったのと、あわよくば席が隣だから教科書を一緒に見れると思って。
弁当箱は………その……」
副会長が言い辛そうに言い淀む。
「………明の体液が付いた箸やらを舐めたかったらしいです」
「いっやあぁぁぁぁ!!何よそれ!??」
副会長の言葉を聞いた羽崎さんは思わずと言った風に身を両手で抱き締め、しゃがみこんだ。
副会長が羽崎さんの肩にそっと手を置いて慰める。
「大丈夫ですよ、明。
それらは僕が責任を持って回収し、処分しておきましたから」
「楓君……」
潤んだ瞳で副会長を見詰める羽崎さん。
それを優しい微笑みで見詰める副会長。
二人は無言で見詰め合い、良いムードを作り始める。
「ちょーーーと待ったー!」
「「副会長!調子に乗るな!!」」
「場を、わきまえ、て」
「もう帰って良いか?」
しばらく静かになっていたと思っていた生徒会メンバーが騒がしく割り込んできた。
顧問に至っては帰りたがっている。
帰す訳がないだろう。
馬鹿か。
いや、馬鹿だから今回みたいな状況に陥っているのか。
また紙鉄砲を使うかと考え始めた時、羽崎さんが立ち上がり、揉める生徒会メンバーの間に入った。
「もう止めてー!私のために争わないで!!」
「「「「「「明……」」」」」」
「私はみんなが大好きよ?
だから大好きなみんなに喧嘩なんてして欲しくないわ!」
涙目でそう彼らに訴え掛ける羽崎さん。
彼らは彼女の優しさに心打たれてもう喧嘩はしないと羽崎さんに誓った。
以上、この状況になっても繰り広げられた茶番劇である。
約二名を再起不能にしたのにお前ら余裕だな。
羽崎さんたちの様子を見るに私はまだ手温かったようだ。
羽崎さんたちがある程度盛り上がったところで声をかける。
「茶番劇はお腹いっぱいなんでもう止めて貰って良いですか?」
「茶番劇って何よ!
さては私がかっこいい人に囲まれているから妬んでいるんでしょう?
女の嫉妬って醜いわよ」
一般生徒の方から舌打ちが複数聞こえた。
今の台詞で一体何人が羽崎さんの敵に回ったのだろうか。
本当、この子は迂闊すぎる。
「いいえ、そんなヘドロどもに囲まれても全く嬉しく無いので全く何の感情も浮いてきません。
あぁ、それとさっきの副会長の言葉に補足ですが、副会長が回収したと言った羽崎さんの私物は全て副会長のコレクションになっていますよ」
「は?コレクション?」
ポカーンと間抜けな表情を晒す羽崎さん。
「彼は羽崎さんの物を盗んだ人を緋鴉のメンバーを使って意識不明の重体に追いやり、羽崎さんの物を回収、自宅にある羽崎さんコレクションに加えていました」
「出鱈目です!」
副会長が叫んだが気にせず続ける。
「副会長の部屋には隠し部屋が存在していましてね、その部屋は全ての壁から壁、テーブル、天井にいたるまで羽崎さんの写真がびっしり。
そしてテーブルの上には今まで集めた羽崎さんに関連する物が回収した日付と共に綺麗に展示されているそうですよ?」
「違いますっ!明、考えても見て下さい。
彼女が僕の部屋を知っている訳が無いでしょう?全て出鱈目です」
「そ、そうだよね!
大丈夫!私は楓君を信じているから!」
「あ、ちなみにこれは証拠写真です。
別に用意した場所で撮った何て言われたら嫌なのでちゃんと副会長がコレクションを使ってお楽しみの時の写真も用意しました」
「そんな馬鹿な!?
部屋にカメラなんて仕掛けられたら気付かない訳っ!?」
にっこり笑って羽崎さんに持っていた封筒から写真の入った封筒を取り出して渡す。
若干緊張した面持ちでそれを受け取った羽崎さんは写真を取り出しじっと見詰めた。
そしてゆっくりと目を閉じると、ふっと倒れた。
どうやら余りにもショッキングな写真だったらしい。
倒れた羽崎さんは赤髪ヤンキーが素早くキャッチする。
「明!?おい、大丈夫か!?」
「「明ちゃん!起きて!」」
「……取り敢えず、どこか、に寝かせ、無いと」
「そ、そうか。おっし」
銀髪無表情の言葉に赤髪ヤンキーが羽崎さんをお姫様抱っこする。
垂れ下がった羽崎さんの手からするりと写真が落ち、私の足元へと飛んできた。
私はその写真を拾い上げる。
そこには床を除いてびっちりと羽崎さんの写真が張られた部屋で、羽崎さんの物であろう物に顔を埋めたり、握りしめたりしてあられもない恰好の副会長が写っていた。
それを横を通り様に副会長へと手渡し、赤髪ヤンキーに抱き上げられている羽崎さんに近付く。
赤髪ヤンキーは今にも私を殺しそうな目で睨み付けて来るがその腕に羽崎さんを抱えているので何もできない。
私は羽崎さんの耳元へ口を近付け、そっと囁いた。
「『君と永久に』いたいんでしょう?
ならこの程度で倒れないで下さいよ。
それでも転生者ですか」
私の言葉に羽崎さんはパッと目を開き、燃えるような目で睨み付けてくる。
ふむ、やはり倒れたのは演技か。
「明?大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
赤髪ヤンキーの問い掛けに微笑んで答え、するりとその腕から降りる羽崎さん。
「明……その、大丈夫ですか?」
私が羽崎さんにどんな写真を見せたか知っている副会長はびくびくと羽崎さんの様子を伺いながら問い掛けた。
羽崎さんは副会長を見た瞬間一回フリーズした後、にっこりとまるで聖女の様に全てを包み込むような愛情に溢れた笑顔を浮かべた。
その笑顔に副会長はほっとした様な表情を浮かべる。
「大丈夫だよ。
全部、ぜーんぶ、そこにいる女が用意した嘘だって分かっているから。
私は楓君を信じているから。
それにもし、そう言う性癖があったとしてもそれは人それぞれだし私は理解を示すよ?」
「明……!」
副会長は感極まった様に羽崎さんを抱き締めようとする。
だが、羽崎さんは靴ひもを直すフリをしてそれを避けると若干赤髪ヤンキーの方へ身を寄せた。
「あ、ごめんなさい楓君。
靴ひもがほどきかけてたんだ」
「いえ、気にしないで下さい。
では、」
副会長は再び羽崎さんを抱き締めようとする。
羽崎さんは副会長の胸元を優しく押し、やんわりとそれを拒んだ。
「あのね、楓君。
付き合ってもいない男女が抱き合ったりしちゃいけないと私は思うよ?」
さっきまで散々生徒会メンバーと抱き付きあっていたやつが何をほざくか。
それを踏まえると羽崎さんが副会長に言ったことはすなわち
『私に触れないで下さい』
と言う意味だ。
羽崎さんの言葉の意味を理解したであろう副会長はこの世の終わりの様な表情を浮かべていた。
良い感じに羽崎さんがダメージを与えてくれたところで追撃といくか。
「副会長、失礼ながら貴方のご家族の事を少し調べさせて頂きました。
素晴らしいご家族ですね。
特にお父様」
「っ……!」
「警察官、しかもかなり上の立場じゃないですか。
副会長は幼いころからお父様の様な警察官になりたいとおっしゃっていたそうですね。
それなのに……今では不良を使って一般人に暴力を振い、物を奪ったり、あまつさえ女性を集団強姦しようとするなんて……幼い頃の副会長が見たら悲しむでしょうね」
「集団、強姦?」
羽崎さんの呟く声に頷く。
「えぇ、幸い未遂ですけどね。
残念でしたね、副会長」
お忘れの方もいるかもしれないが、私は何度か襲撃されている。
全てが全て副会長による物では無かったが、それでも決して無関係という訳ではない。
「集団強姦は4年以上20年以下の有期懲役、未遂でも最低2年は懲役。
副会長のように集団強姦をやるように指示を出した場合は少し特殊ですがやはり懲役は免れないでしょう。
良かったですね副会長。
大好きな警察官の仕事を間近で体験することができますよ」
「明の前で根も葉もない出鱈目を言うのは止めて下さい!
確かに僕の父は警察官です。
僕も父に憧れて警察官を目指しています。
僕の力及ばず結果的にギャングの様になってしまいましたが緋鴉を造り上げたのは元はと言えばこの辺りの治安維持、回復のためです。
そんな僕が強姦なんてやろうとするわけないでしょう!」
「私が確証や証拠も無しにこんな事を言うとお思いですか?
根も葉も何も確証と証拠があるから言っているに決まってるじゃないですか」
「ふん、証拠なんてあるはずがない」
そう鼻で笑い、自信満々に言った副会長。
全く、どいつもこいつも馬鹿の一つ覚えみたいに証拠証拠と五月蝿いな。
もっと何か他に言うことは無いのか。
思わずため息がでてしまう。
「はぁ……」
「ほら、やっぱり無いんじゃないですか」
「まず、副会長に指示されたと言う証言。
次に、その指示内容、及びそれにより生じる報酬内容の書かれたメール。
副会長の部屋からシュレッダーにかけられゴミとして出されてあった計画書。
計画失敗時に指示を仰がれた際の副会長と手下の会話の録音及び報酬の支払い履歴。
まだまだありますが続けますか?」
「いや、ちょっと待って下さい。
何で一般人の貴女にそんな事を調べられるんですか!?
可笑しいでしょう!?」
副会長の疑問はもっともだ。
「もちろん。
私はただの一般人に過ぎないのでそこまでの捜査力はありませんよ。
幸い、協力者に捜査力に優れた方たちがいましてね。
その方たちにご協力願いました」
「捜査力って、まさか……!」
「はい、副会長のお父様及び生徒会役員の方のご家族です」
その言葉を耳にした副会長は一旦停止し、理解した途端震えだした。
「あ、貴女はなんてことを……!
そんな事をしたら大変なことに!!!」
「確かに大変な事にはなりましたね。
みなさんそれぞれの分野で大きな権力を持っている方々ばかりでしたしお互いに協力的で士気も高かったので捜査が捗る捗る。
不正、癒着、薬物売買、暴力団及び詐欺グループの一網打尽やそれぞれの今まで出すに出せず溜まっていた膿を出す事ができましたしそれにより今まで隠蔽されていた犯罪を見つける事もできました」
「なっ……!」
「ちなみに善良な一般人に悪影響は無いのでご心配無く。
むしろ実力を買われて昇進する方も多く出ています。
大変なのは貴殿方だけですし社会に影響が出るとしたら精々、某企業の株価に大きな変動が生じたり、大病院のトップが変わったり、跡継ぎが変わったり縁を切られたりする程度です。
まぁ、そのお陰で事後処理が大変でしたが」
何故か私がデータ入力や書類仕事を手伝わされたり、何故か我が母が生徒会長のお父様に呼び出され、セキュリティの手伝いをさせられていた。
データもあれだがセキュリティを部外者にやらせちゃいかんだろう。
と言うかそれよりも母が生徒会長のお父様の知り合いと言うことに驚いた。
お父様本人は苦虫を潰したような顔だったがそれに対照的に母は輝く様な笑顔だった。
あの二人の過去に一体何があったんだ。
ちなみにその後、母によるストレスのせいか生徒会長のお父様の部下が大分こき使われて窶れていた。
知らない人が見たらまるで幽鬼の様だった。
今思い返すとあれは酷かったなとうんうんと頷きながら思い返す。
「それならば!
僕や茶枝鳥以外の生徒会役員の犯罪者は分かっているのでしょう!?
じゃあ僕じゃなくてそいつらを捕まえろよ!!
僕じゃなくて他の奴等を落とせよ!!
あいつらに比べたら僕がやったことなんて軽い物だろう!?
跡継ぎから外すなんて重すぎる!!!」
「軽い物、ねぇ」
副会長の言葉にスッと目を細ませる。
「そうですよ!
そこにいる変態ロリコン教師は茶枝鳥からヘロインの他に媚薬も買って目を付けた生徒にそれとなく飲ませては良いようにしていたし、双子は女生徒をたぶらかしては様々な物を貢がせていた!!
二人に貢ぐ為に体を売っている生徒もいると聞いています!!
そこの三人の方が僕なんかより遥かに悪いことをしているじゃないですか!!
それなのに何故僕に対してだけそんな総攻撃みたいなことを……!
あんまりだ!!」
そう言うと泣き始める副会長。
男の泣き顔なんか見せられてもちっとも嬉しくなんかないし副会長の主張は支離滅裂で訳がわからない。
何故彼の中では彼だけが総攻撃をくらったことになっているのだろうか。
「ちょっと待て金那鳥、何故お前の中で俺がそんなことをしていることになっているんだ!?
いくらピンチだからってそんな他人を巻き込むような妄言はよして貰おう」
「確かに僕ら」「色んな子から物を貰うけど」「強要したことは」「「ぜーたいないよ!!」」
副会長に密告された三人は猛然と講義する。
「ふんっ、先生は問題になりかけたら理事長に泣き付いて揉み消させているじゃないですか。
一体何人の生徒が生徒会室に直訴しに来たと思っているんですか?
そこの双子だって抱き付いたり甘えたりして取り巻きにおねだりするくせに無理だったら冷たく扱い、そうされない為に取り巻きやファンがどれだけ必死に貢いでいたか知らない訳じゃないですよね。
だってそんな彼女らを見て影で笑っていたじゃないですか」
「「「そんなことしていない((ないもーん))」」」
「大体、お前だって彼女に暴漢を向かわせる時は凄くキラキラした表情で手配していただろうが」
「「そうだよ、副会長だって人の事言えないじゃん!」」
「貴殿方にそれを言われる筋合いは無い!」
醜く罵りあう四人。
その様子に最早乙女ゲーのヒーローの面影は全くない。
ちらりと羽崎さんの方を見ると四人を見て顔をひきつらせていた。
舞台袖を見ると放送部の部員が良い笑顔でこちらに親指を立ててサインを送ってきた。
ふむ、そろそろ良い頃合いか。
「副会長、貴方は先ほど自分だけ総攻撃されたとおっしゃっていましたが、それは違います」
「え?」
「正確には図書委員長以外の生徒会役員全員を集中放火しました。
そしてその結果、只今をもってもれなく全員両親ならびに親族、一族から縁切りされることになりました。
それぞれの家の跡継ぎは姉、弟、親族の方へと変わりました。
それに準じて貴殿方の貯金などの財産は凍結。
今所有されているカード類も凍結され、一切の使用は不可能になります」
「「「「「「え?」」」」」」
ちなみに先ほど副会長が言っていた三人の事柄に関しては既に証言などから裏は取れている。
「つまり、貴殿方は今現在何の後ろ楯もない一般人……いえ、一般の方でも家族などの仲間はいるのですから貴殿方はそれよりも下。
では、以上を踏まえた上でご理解頂けたでしょうか?
貴殿方にはもう逃げ道などないのだと」




