第4話 パウL議長をクビにしたい
「やい、パウL! とっとと金利を下げやがれ!」
ドナルド君は血相を変えてパウL議長に迫る。しかし……
「金利を下げると物価が上がっちゃいますからね。インフレ防止の観点からも利下げはできません。雇用も堅調ですし…」
パウL議長のつれない返事に腹を立てるドナルド君。
「国の借金が4200兆円を超えちまってるんだぞ。今までは2%の利息で借金していたが、最近は4.5%くらいになりそうだ。このままだと数年後には、毎年190兆円が利息の支払いで消える事になる。我が国は破産だ」
「金利が下がらないのはあなたが世界各国からみかじめ料(関税)を取ろうとしているからでしょう?」
とパウL。
ドナルド君、白いお家に戻って独り言。
「みかじめ料で世界がパニックになれば株価が下がって金利も下がる、というのが俺様の作戦だった」
「しかし中華飯店の集金兵が邪魔をして、金利が上がっちまった」
「ここは俺様の奥の手を使うしかないな」
ドナルド君はノートを取り出す。
「これは秘密兵器『クビノート』だ。これに名前を書かれた奴はクビになるのだ。俺様は若い頃、テレビ番組に出演して、このノートを使った。国民に大ウケだった」
「ところでパウLの本名って何だ?……確かジェレミー・パウエルだったよな」
翌日のスポーツ新聞の一面『近鉄、パウエル投手を解雇』との記事。
「あいつの名前、ジェレミーじゃなかったのか。誤爆しちまった」
「日本のプロ野球の、しかもパリーグの外人選手なんて知らねえよ…って俺様もアメリカ人だった」
つづく