第6話 31階層のベヒモス
セクメト・クランは30階層に到達する。ここでもオグレスとミノタウロスが群れを成して襲って来る。エアハルト、エルメンヒルト、アルノーが先陣をきって突っ込んで行く。
3人はオグレスとミノタウロスを次々と切り裂いて行き、群れは混乱する。そこへ、アロイス、デニス、ディータ、カールが切り込む。
残ったエゴン、クヌート、アルマ、カミル、ユリアーネが後に続き、連携してオグレスとミノタウロスを倒す。
こうして、セクメト・クランは予定より早く進んで行く。ケルベロスが出てくるが先行するエアハルト、エルメンヒルト、アルノーが倒してしまう。
31階層に降りると次から次へと襲ってきた魔物がいない。エアハルトがエルメンヒルトに言う。
「おかしいよ、魔物の姿がないけど、空気が張り詰めて感じるよ。」「ええ、いるわよ。化け物だわ。」
エアハルトとエルメンヒルトは警戒しながら慎重に歩みを進める。他のメンバーは緊張する。31階層にはベヒモスがいるのだ。
突然、エアハルトとエルメンヒルトが左右に飛ぶ。直上から2人のいた所に巨大な獣が降り立つ。アロイスが指示を出す。
「ベヒモスだ。散開!」「・・・・・」
メンバーは皆、ベヒモスの姿に気をされる。グリムと戦った時の緊張感がよみがえる。その中でエアハルトが1人、ベヒモスに果敢に挑む。
俊足を使って高速でベヒモスの左側から迫り、跳躍すると上段から剣で一撃を入れる。ベヒモスは防御魔法を使ったがエアハルトのアンチマジックが防御を無効にする。
剣は背中から腹にかけて切り裂く。
「ごあああぁぁーーーー」
ベヒモスが叫ぶ。エアハルトに一撃がメンバーの背中を押す。エルメンヒルトとアルノーが突撃する。エルメンヒルトの雷光をまとった剣がベヒモスの防御にぶつかり稲妻が発生する。
稲妻がベヒモスの体を焼く。エルメンヒルトの剣が防御を破ったのだ。アルノーは風の渦をまとった剣をベヒモスにぶつける。防御とぶつかり火花が散る。
アルノーは力づくで押し付けて防御破りベヒモスの体を削る。これにはベヒモスはたまらず、後に飛んで距離を取る。
ベヒモスの周りの空間に魔法陣が浮かぶ。アルマが叫ぶ。
「魔法攻撃が来るぞ。」「エゴンとクヌートは防護壁を作れ。みんな、エゴンの所に集まれ!」
エゴンとクヌートは共同で防護壁を作りだす。そこへ魔法陣から氷の槍が飛び出し防護壁に衝突する。氷の槍の攻撃は凄まじく防護壁にひびが入り始める。
防護壁が破られれば氷の槍に串刺しにされる。エアハルトが動く。エアハルトにも氷の槍が降り注ぐが、エアハルトに効果は無い。
高速で移動しながらベヒモスに迫る。狙うは首だ。しかし、ベヒモスはエアハルトを警戒する。左に飛んで距離を取ると、牙をむきだして威嚇する。
だが、エアハルトには効果がない。ベヒモスがエアハルトに集中したため、空中の魔法陣が消える。エゴンが強大な炎を作りだすとバスケットボールくらいの大きさに圧縮する。
クヌートは電撃を槍の形にする。2人は同時にベヒモスに向かって撃ち出す。電撃の槍がベヒモスの防御を破り、そこへ圧縮されは炎の玉が衝突する。
炎の玉は爆発してベヒモスを炎に包む。エルメンヒルト、アルノー、アロイス、デニス、ディータ、カールがベヒモスを切り裂く。
ベヒモスが倒れる。デニスが電撃をまとった槍でベヒモスの首を貫く。するとベヒモスは地面に吸い込まれるように消えて行き、魔石が残る。
アロイスが叫ぶ。
「ベヒモスを倒したぞー」「やったぞー」「俺たちの勝ちだー」
他のメンバーも喜ぶ。エアハルトがみんなに言う。
「空気の張り詰めた感じが消えたよ。」「ベヒモスは1匹だけなのかしら。」
アロイスがエアハルトとエルメンヒルトに言う。
「悪いが31階層の安全を確認してくれ。」「分かりました。」
2人は探索に向かう。アルマがアロイスに抗議する。
「なんで、2人きりにさせたんだ。」「ベヒモスに気づいたのはあの2人だけだ。仕方ないだろ。」「そうだけど。面白くない。」
アルマは機嫌を悪くする。アロイスの指示で35階層に挑戦するベースを設営する。
アロイスたちが休憩に入ってしばらくするとエアハルトとエルメンヒルトが帰って来る。
「ご苦労さん。どうだった。」「魔物はいません。」
「魔物が生まれる気配はあるか。」「ダンジョンの壁にも変化はありません。」
エアハルトとエルメンヒルトはアロイスたちに近づきながら答える。突然、エルメンヒルトの足元が崩れて地面に裂け目が現れる。
エルメンヒルトはそのまま裂け目に飲み込まれる。とっさにエアハルトがエルメンヒルトの手を握るがエアハルトも裂け目に落ちそうになる。
エアハルトは右手でエルメンヒルトの手を握り、左手で地面を掴む。アルノーがダッシュしてエアハルトの手を掴みに行く。
しかし、届く寸前で地面が崩れてエアハルトとエルメンヒルトは裂け目の中を落ちていく。アルノーが叫ぶ。
「エアハルト!」
セクメト・クランのメンバーは青くなる。その中でアルマが崩れて地面に両手をついて悔いるようにいう。
「俺のせいだ。知っていたのに忘れていたんだ。」
アルマが涙を流し始める。アルノーがアルマに質問する。
「どう言ことですか。」「うわわわーーー」
アルマは質問に答えず声を出して泣き出す。




