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第14話 クランの目標

 アルフレートが目を覚ます。目の前には、クルトとアライダがいる。

 「ここは・・・」「闘技場の控室だよ。」

 「負けたのだな。」「ああ、ボコボコに殴られていたぜ。」「全く、ひどい負け方だわ。」

 「あの時、エアハルトが剣でとどめを刺していれば死んでいたな。」「そうだな。坊主に感謝しておくか。」

 「どちらにしろひどい結果だ。」「閃光の名が泣くわね。」

アルフレートはボロボロになりながら、すっきりしていた。エアハルトへのこだわりから解放されたのだ。クルトがアルフレートとアライダに言う。

 「これからは、イーリスクランとセクメト・クランの争いになるな。」「まさかダンジョン攻略完遂を競うの。」

 「そうだな、アウロラクランは高ランクの冒険者を失って遠征はできない。」「私たちだって、同じでしょ。」

 「いや、私たちはまだ遠征が出来るだけの人材が残っている。」「あと、遠征が出来るのはセクメト・クランというわけね。」

イーリストリニティは次の目標に向かって相談を始める。

 エアハルトは眠っていた。力を出し切って眠ってしまったのだ。柔らかくて暖かいとても気持ちいい。なんだか甘い香りもする。気がついて目を開けると目の前にエルの顔がある。

 あれ、なんだ・・・眠っていたのか。頭を動かすと柔らかい弾力のあるものに頭が乗せられている。こ、これは膝枕・・・

 アルマがエルメンヒルトに怒って言う。

 「そろそろ変われよ。俺のエアハルトは俺が膝枕をするんだ。」「エアハルトは私の膝枕で満足しているわよ。」

 「そんなことない。」「あります。」

これは今、起きるとまずいかな。寝たふりをしていた方がいいよな。目ざといアルノーがエアハルトに言う。

 「もう起きているんでしょ。みんな待っているのですから目を開けてください。」「あー、ごめんなさい。」

エアハルトが起きるとエルメンヒルトが満足げに微笑む。アルマはエアハルトを睨みつけていう。

 「パートナーを頼れよ。こんな女の膝枕で満足するな。」「いやー気持ちよかったから、つい。」

 「俺の方がいいに決まっているよ。」「アルマには世話になっているから、頼りにしているよ。」「そうなら仕方ない。」

アルマは頼りにされていると言われて引くことにする。アルノーがエアハルトに言う。

 「まずは勝利、おめでとう。試合中にレベルアップしたでしょう。」「急に体が軽くなって動けるようになりました。」

 「それはめでたい。訓練を頑張った甲斐があったな。」

アロイスが喜ぶ。エルメンヒルトが言う。

 「すぐに冒険者ギルドに行って調べましょ。」「その前に表彰式がありますよ。」

アルノーが言うとギルドの職員が控室に入って来る。

 「気がつきましたか。アルフレートさんも用意できていますのでお願いします。」「はい。」

エアハルトはアルノーに付き添われて職員について行く。闘技エリアに入るとアルフレートもいる。

 他にクルトとレフリーと大柄なスーツ姿の男がいる。はっきり言ってスーツが似合っていない、冒険者の格好が似合いそうだ。アルノーがエアハルトに耳打ちをする。

 「彼は、冒険者ギルド長ですよ。」「冒険者と言う感じですね。」「元一級冒険者ですから。」

エアハルトは納得する。エアハルトとアルフレートは握手する。

 「エアハルト、君がここまで強いとは思わなかったよ。もっと強くなってください。」「ありがとうございます。アルフレートさんが強かったからここまで頑張れました。」

次にギルド長がエアハルトに声をかける。

 「エアハルト、君を勝者と認める。今後は不屈のエアハルトと名乗るが良い。」

ギルド長は試合に勝利した証明書をエアハルトに手渡す。観客が拍手する。

 セクメト・クランのメンバーはみんなエアハルトに賭けていたので少なくない金が手に入る。特に全財産をかけたエルメンヒルト、アルマ、アロイスは重そうにしている。

 エアハルトたちはそのまま冒険者ギルドに向かう。受付に行くとアメリーが試合の結果を聞いて来る。

 「エアハルト君、試合はどうだった。」「勝ちました。」

 「おめでとう。信じていたわ。」「それで、試合中にレベルアップしたみたいなんです。アビリティの測定をお願いします。」

 「分かりました。こちらへ来てください。」

エアハルトが水晶玉に手をかざすと水晶玉に繋がれた宝具がアビリティを書きだしていく。

 レベル6 適正 剣士 俊敏701 力589 剣技695 持久力632 魔力0 毒耐性206 スキル アンチマジック

 エアハルトはついにレベル6に到達した。メンバーたちはみんな喜ぶ。アロイスが大声で言う。

 「今夜は、エアハルトの勝利とレベルアップを祝うぞ。」

 「待ってください。その前にセクメト・クランの目標を決めましょう。」「アルノー、お前、アンカーパーティーを抜けるんじゃなかったか。」

アルマがアルノーを問い詰めるがアルノーはさらっと流す。

 「抜けるのはやめました。クランの目標はダンジョン完全攻略だはどうでしょう。」「もちろん一番乗りだよな。」

 「もちろんです。」「よし、のった。お前らもいいよな。」「「「おう。」」」

セクメト・クランの目標とイーリスクランの目標が同じになる。こうして、セクメト・クランとイーリスクランは一番の座をかけて競うことになる。

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