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第13話 アルフレート粘る

 アルフレートが倒れた。観客は静まり返る。目の前で信じられないことが起きている。アロイスが声を絞り出す。

 「何が起こった。エアハルトは何をしたんだ。」

アルノーがやれやれという感じで言う。

 「やっと壁に手が届きましたか。でも、これからですよ。」

クルトが目を見開いて言う。

 「油断したのか。アルフレートに限ってそんなことは・・・」

ベアトリスが微笑みながら言う。

 「私のエアハルトさんはまた成長しましたのね。いつなったら私の元に来てくれるのかしら。」

なみだ目になっていたエルメンヒルトとアルマは手を取り合って喜ぶ。しばらくすると観客は金縛りから解放される。

 「おい、閃光が倒れたぞ。」「ポンコツの奴、やりやがった。」「これは快挙だぞ。」「おお、すごいことだ。」「いいぞ!ポンコツ!」

観客の驚きは歓喜に変わる。アルフレートに賭けていることも忘れてエアハルトに声援を送る。

 アルフレートが立ち上がって剣を構える。エアハルトはこれなら俊足を使って打ち込めると思う。

 エアハルトが姿を消す。アルフレートは動けない。高速の剣の斬撃が来る。アルフレートは何とか受け流す。火花が飛び散り、エアハルトが姿を現す。

 動けるぞ。僕はまだまだやれるぞ。そのまま剣を構え直して、2撃目に移る。

 アルフレートには理解できない。なぜ、今になって動けるようになるのか。エアハルトは立っていることがやっとのはずだ。

 防戦をしていたら打ち負かされる。動くんだ。攻撃を続けるぞ。

 アルフレートも剣を構える。エアハルトとアルフレートの姿が同時に消える。すれ違う瞬間、双方が剣を打ち込む。剣は互いにぶつかり火花を散らす。

 だが、エアハルトの攻撃は終わらない。返す刀で二撃目を打ち込む。剣はアルフレートの右肩の防具を切り裂く。剣は防具だけでなく肩の筋を切る。

 アルフレートは右腕が使えなくなる。左手で剣を持ち俊足を使う。ここで負けるわけにはいかない。高速の剣をエアハルトに打ち込む。

 エアハルトは剣を受け流すとアルフレートを袈裟切りにする。胸の防具か切り裂かれ血が噴き出す。

 アルフレートは倒れる。回復ポーションを飲み。立ち上がろうとする。しかし、力が入らない。

 「閃光、ゴルドベルクの剣士の意地を見せてくれ。」「お前に賭けているのだぞ。さっさと立て。」

勝手なことを言うな。今、立つさ。どうすればエアハルトに勝てる。剣はすでに奴の方が早い。いや、早くなった。奴は化け物か。

 私は冒険者だ。化け物のと戦って勝つことが仕事だ。俊足を使った戦いは奴に分がある。ならば接近戦で経験の差で勝つ。

 アルフレートはゆっくり距離をつめていく。エアハルトは俊足を使って高速の斬撃を打ち込む。アルフレートは剣を受け流して、二撃目に備える。

 するとエアハルトは横一閃する。アルフレートは剣先を下にして剣を立て防ぐ。剣圧にアルフレートはふらつく。それでもアルフレートはエアハルトににじり寄って行く。

 エアハルトはアルフレートが接近戦で勝負をつけようとしていることに気づく。僕は逃げない。受けて立つ。エアハルトも剣を構えて距離を詰める。

 2人は間合いを計る。先に動いたのはアルフレートだ。上段から剣を打ち込む。エアハルトは右に半身ずらしてかわすと首を狙って突きを繰り出す。

 アルフレートは上半身を右に傾けて剣をかわしながら右こぶしをエアハルトの腹に打ち込む。強烈な拳にエアハルトの体が浮いて、後に飛ばされ、地面を転がる。

 観客から歓声が上がる。

 「これでこそ閃光だ。」「いいぞ。アルフレート。」

エアハルトがふらつきながら立つ。

 「いいぞー、ポンコツ。」「頑張れよー」

 エアハルトが剣を構え直す。経験ではアルフレートさんの方が上だ。でも僕も魔物相手に戦ってきたんだ。負けるものか。エアハルトは縮地を使って突っ込むとアルフレートの斬撃をかわす。

 さらに剣を逆手に持って柄頭をアルフレートの腹に打ち込む。アルフレートは体をくの字に折られて倒れ込む。エアハルトはアルフレートの上に乗ってマウントをとり両手で殴り始める。

 アルフレートは両腕で顔をガードするがガードを破って拳が顔面を直撃する。エアハルトは殴り続ける。

 「何やっている。」「ケンカじゃないぞ。」「試合をやれ。」

観客から非難の声が上がる。エアハルトは無視をして殴り続ける。そして、アルフレートが動かなくなる。エアハルトは止まらない。

 レフリーが止めに入る。エアハルトは止まると糸が切れたように倒れる。レフリーが宣言する。

 「勝者、エアハルト・アンカー!」

 「なにー、負けたー」「こんなのあるかー」

賭けに負けた観客から悲鳴が聞こえる。

 「ざまーみろ」

全財産をかけたアルマがあざ笑う。バッシュパーティーとグーゲルパーティーがガッツポーズをする。エルメンヒルトがホッとする。

 「本当に勝ってしまいましたね。試合中にレベルアップとは驚かせてくれますね。」

アルノーが微笑みながら言う。

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