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第11話 ゴルドベルク最強の力

 エアハルトはアルフレートの剣技がすごいと感じる。俊足を使った剣撃は実戦経験の差がものを言っていた。体のダメージを確認する。回復ポーションのおかげでキズは治っている。

 問題はない。少し血を流しただけだ。剣を構えてアルフレートと対峙しながら考える。同じことをしていたらじり貧だ。でも、アルフレートさんのような真似はできない。

 僕にできるのは速くなるだけだ。そうだ、もっと早く、もっと、もっと・・・・

 ほぼ同時に打ち込みに入る。アルフレートはエアハルトの正面に出る。エアハルトは剣を突きに変える。

 アルフレートはエアハルトの繰り出す突きを左腕の小手ではね上げ、右手の剣を逆手に持ち変える。そして、柄頭をエアハルトの腹に突き込む。

 エアハルトは弾き飛ばされ地面を転がる。エアハルトは転がったまま動かない。

 アルフレートは手ごたえを感じる。だが、予想より軽い。どういうことだ。完全に決まったはずだ。エアハルトは意識を失い倒れているか死んでいるかだ。

 転がっているエアハルトがせき込みながら起き上がる。エアハルトは腹に突きを受ける瞬間、後に飛んで攻撃を緩和していた。それでも一時的に意識が飛ぶ威力だ。

 まともに受けていれば死んでいたかもしれない。アルフレートの打ち込みをまともに受けることは避けなくてはならない。

 アルフレートは必殺の一撃を乗り越えたことでエアハルトの評価を上げる。そして警戒する。おそらくエアハルトは同じ手にはかからないだろう。

 エアハルトとアルフレートは剣を構えて次の手に備える。エアハルトは左右に動いてアルフレートの隙を伺う。アルフレートも攻撃の機会を待つ。

 またも2人は同時に動く。正面からぶつかってつばぜりあいになる。エアハルトは弾き飛ばされそうになる。だが、踏みとどまる。

 静かだった観客から金縛りが溶けたように声が出だす。

 「ポンコツ、もういいぞ。やられてしまえ。」「閃光、何している相手はポンコツだぞ。遊ぶんじゃねえ。」

アルノーが首を振って独り言を言う。

 「完全にアウェイですね。エアハルトがどれだけすごいかわからないとは、ついている目は飾りですか。」

クルトも愚痴を言う。

 「まるでわかっていねえ。アルフレートは本気を出しているぞ。バカどもが・・・」

アルフレートは、つばぜり合いの状態から体を引くと横一閃する。エアハルトはアルフレートが力を抜いた瞬間、大きく後ろに飛ぶ。そのためアルフレートの剣は空を切る。

 エアハルトはこの隙を逃さない。着地と同時に爆発的に前に加速して突きを繰り出す。アルフレートは体を沈めてかわすが右ほおにかすりキズを負う。

 初めてエアハルトの剣がアルフレーとに届いた瞬間だ。しかし、エアハルトの体は前に伸びきっている。アルフレートは逃さない。

 すれ違う瞬間、エアハルトの背中に肘鉄を落とす。エアハルトは地面にたたきつけられる。さらに、剣を突き下ろす。エアハルトは地面を転がって剣をかわす。

 エアハルトが立ち上がると目の前にアルフレートがいる。エアハルトは勘で剣を剣先を下にして、両手を上にあげる。そこを上段から打ちこまれた剣が火花を散らしながら剣筋をそらされる。

 エアハルトはさらに剣先を下にして左前に出し、腹をガードするとアルフレートの剣が撃ち込まれる。エアハルトは後ろに下がって距離を取る。

 するとアルフレートの俊足を使った高速の打ち込みが来る。エアハルトはこれも受けて力を流す。

 近距離ではアルフレートに分があり、離れると高速の打ち込みが来る。エアハルトはゴルドベルク最強の力量を思い知らされる。

 だが、ぎりぎりでアルフレートの攻撃に対応できている。訓練の成果で高速の打ち込みに対処できることが大きい。防戦一方では勝つことが出来ない。

 エアハルトには、まだアルフレートを越えるために1つ欠けている。

 アルフレートは歓喜する。エアハルトがここまでやるとは、期待はしていたが思ってはいなかった。「このままでは勝てないぞ。どうする。手の内を見せてみろ。」心が叫ぶ。

 ベアトリスが観客席で見ながら思う。

 「あの駆け出しの坊やが、こんなに早くここまで成長するなんて、とても楽しいわ。」

アルマはほとんどの観客がアルフレートを応援していることが気に入らない。他の観客に負けないように大声を上げるがかき消されてしまう。

 エルメンヒルトは、見ていて生きた心地がしない。アルフレートの斬撃は残らずまともに食らえば死ぬような強烈なものである。エアハルトがぎりぎりで防いでいるが失敗は死に直結するだろう。

 アロイスたちバッシュパーティー、グーゲルパーティーのメンバーはレベル7のアルフレートの強さに言葉を失う。レベル5とレベル7の差が天と地ほどのものであると思い知らされる。

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