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第6話 命がけの訓練

 翌朝、早くからエアハルトとエルメンヒルトは稽古をする。エルメンヒルトが危惧していることを言う。

 「今日の訓練だけど互いに高速で移動したら相対速度は速すぎて一瞬ですれ違ってしまうわ。」「うん、攻撃を繰り出すのは一瞬のチャンスしかないね。」

 「それより目で見ることが出来るのかしら。」「レベルが上がるにつれて目が早い動きについて行くようになっているから、見えるまで頑張るよ。」

 「そうね、そうしないとアルフレートさんと同じ土俵には立てないわね。」「やってみせるよ。」

2人が食堂に行くとしばらくしてアルノーが食堂に入って来る。3人は揃って朝食を食べる。アルノーがエアハルトとエルメンヒルトに言う。

 「最初は、訓練の形にもならないかもしれませんが、信じて辛抱強く続けてください。」「はい。」

食事が終わると3人は訓練場にしている荒野の中の平地に行く。

 アルノーとエアハルトが構える。次の瞬間、2人の姿が消える。2人は一瞬ですれ違って止まる。エアハルトの木剣は空を切り、アルノーの木剣はエアハルトをとらえていた。

 エアハルトが倒れる。意識がない。高速での剣撃に加えて相対速度の勢いが加わっている。エアハルトは内臓破裂を起こしている。

 エルメンヒルトが回復ポーションを口移しでエアハルトの口に流し込む。アルノーがエルメンヒルトに言う。

 「ここまでのことになるとは想像以上です。私とエアハルトで訓練をします。エルメンヒルト、あなたにはできないでしょう。回復役をお願いします。」「分かりました。」

これはエルメンヒルトには無理だと感じる。一歩間違えれば殺してしまうようなことをエアハルトにできない。何より、エルメンヒルトの剣技では足を引っ張りかねない。

 エアハルトの意識が回復する。アルノーがエアハルトに言う。

 「さあ、立ちなさい。続けますよ。」「は、はい。」

エアハルトは立とうとするが震えてうまく立てない。エアハルトは自分の足を殴る。「このーいうことを聞いてくれ」体が思うように動かない。

 「どうしました。震えていますよ。」「体がいうことを聞いてくれません。」「仕方ないですね。行きますよ。」

アルノーは動けないエアハルトに容赦なく高速の剣撃を打ち込む。エアハルトは防御もできず弾き飛ばされる。エルメンヒルトが抗議する。

 「何をするんですか。やめてください。」「エアハルトは死の恐怖を感じています。このまま動けないのならそこまでです。死んだ方が良いかもしれませんね。」

僕は怖がっているのか。何度も死線を越えて来たのに何で怖いのだ。僕は止まっていられないんだ。頼む動いてくれ。

 アルノーは高速の打ち込みをやめない。エアハルトはボロボロになって何度も倒れる。アルノーはエアハルトのことを諦めていなかった。

 なぜなら、立ち上がってくるのだ。倒れるたびに何度も・・・

 訓練が終わる。エアハルトはボロ雑巾のようになって倒れる。エルメンヒルトはエアハルトを背負って帰る。

 僕はなんてかっこ悪いんだ。何もできなかった。アルノーさんに失望されたかも・・・

 それより好きな女の子に背負われるなんて屈辱だ。死んだ方がましかも。もう、みんな投げ出して逃げてしまいたい。

 でも、逃げることはできない。アルフレートさんが待っているんだ。大恥をかいたんだ死んだって立ってやる。

 エアハルトは泥の中に沈むように眠りにつく。

 翌朝、エアハルトはアングラートの食卓の自分の部屋で目が覚める。すると声をかけられる。

 「目が覚めたのね。良かったわ。」「えっ。エル、どうしているの。」

 「エアハルトが起きないから、付き添っていたのよ。」「僕、部屋に戻った記憶が無いよ。」「私が運んだのよ。感謝してね。」

訓練が終わってエルに背負われて帰って来たんだ。かっこ悪いよー

 エアハルトは起き上がる。エルメンヒルトが心配して言う。

 「寝ていた方がいいよ。今日は訓練を休もうよ。」「だめだ、アルフレートさんが待っている。」

エアハルトとエルメンヒルトが食堂に行くとすでにアルノーが来ている。

 「エアハルト、訓練を続けられますか。」「続けます。お願いします。」

エアハルトの決意は固い。アルノーは笑顔を見せる。エアハルトがまだつぶれていないことがうれしかったのだ。

 3人は前日と同じように荒野の中の平地に立つ。アルノーが構えて言う。

 「覚悟はできていますね。」「はい。」

エアハルトも構える。体の震えは治まっている。後は高速の打ち込みをできるかどうかだ。

 アルノーが消えるように動く、エアハルトは遅れて加速する。2人が交差する瞬間、木剣を打ち込む。2人の木剣がぶつかり粉々に砕ける。アルノーは驚く。

 エアハルトは後れを取ったのに加速して一瞬の打ち込みのタイミングを逃さずに打ち込んだのだ。


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