第4話 試合の発表
翌日、エアハルトは朝から冒険者ギルドへ行く。中に入るとすでにアルフレートが来て待っていた。
「エアハルト、早いね。」「アルフレートさんこそ、いつから待っていたのですか。」
「日の出からだ。君と戦えると思うと眠れなかったのだよ。」「期待を裏切らないようにします。」
「では、受付に行こう。」「はい。」
2人は受付に向かう。アメリーは早番で朝早くから受付にいた。受付に着いた時にはアルフレートが来ていた。そして、誰かを待っているようだった。
アメリーは嫌な予感がする。しばらくするとエアハルトが来て、アルフレートと話し始める。嫌な予感は確信に変わる。
今、アメリーに向かってトラブルが歩いて来る。受付に来たアルフレートが言う。
「アメリー、試合の申請をしたい。」「誰と戦うのですか。ゴルドベルク最強のあなたと戦う人がいるのですか。」
「あのー、僕です。」「エアハルト君、本気なの。レベル7なのよ。試合にならないわよ。」
「そのようなことはありませんよ。私は魔力を使いません。剣技だけの試合です。」「しかし・・・」
「アメリーさん、大丈夫ですよ。」「死ぬことだって考えられるのよ。エアハルト君、やめておきなさい。」
「僕が試合をしないとアルフレートさんはここで剣を抜きますよ。」「脅すつもり。」
「本当のことです。」「私はやりますよ。」
アメリーはアルフレートの目を見て「この人は本気だ」と判断する。
「分かりました。申請を受けますので別室に来てください。」
アメリーは2人を別室に案内する。試合を行うためには日時と細かなルールを決めなくてはならない。3人はまず試合のルールを決める。
それから日時を決める。エアハルトが日取りについて注文を付ける。
「申し訳ありませんが2週間以上後でお願いできませんか。」「私はすぐにでもしたいくらいだが、訳があるのかな。」
「はい、アルノーさんが訓練してくれるのです。」「そうか、私もベストな君と戦いたい。待つことにしよう。」
こうして試合は15日後の正午から行われることになる。場所は街の闘技場である。
アメリーは書類を作成して、手早く手配して、午後にはアルフレートとエアハルトの試合を案内する紙が張り出される。
試合の案内の周りには人だかりができる。冒険者たちは口々に言う。
「ポンコツの奴、とうとうアルフレートに挑戦するぞ。」「いい気になっているのだろ。」「痛い目を見ればいいのさ。」「あいつは仲間に担ぎあげられているだけだからな。」
多くの冒険者は、魔力の無いエアハルトを認めていなかった。彼らはエアハルトのことを「運がいいだけ」「仲間のおかげて名を上げているだけ」と決めつけていた。
翌日には、試合は賭けの対象になっている。だが、エアハルトにかける者がいなくて賭けが成立しなくなりそうだった。
そこへアロイスたちバッシュパーティーがエアハルトに大金をかける。多くの者にとってバッシュパーティーはカモに映った。
その後、エルメンヒルトとアルマがエアハルトに賭け、アウロラクランのケヴィンとアレクシスがエアハルトに賭けると少数だがエアハルトに賭ける者が出る。
それでもエアハルトのオッズは10で勝負はアルフレートが勝つと考えられている。
アングラートの食卓では、アロイスが飲みながら文句を言う。
「なんでエアハルトに賭けないのだ。バカどもめー」「おかげで俺たちは大儲けだぜ。」
「そうだが、面白くない。」「がまんだ。どうせエアハルトが勝って、奴らは損をするのだからいいだろ。」
「僕は正当な評価だと思いますよ。」「エアハルト、勝つ気あるのか。」
「もちろん勝ちますよ。」「それでいい。」
ベアトリスが近づいてきて言う。
「エアハルトさん、試合の申し込みをしたんですか。」「はい、昨日申請しました。」
アロイスがベアトリスに賭けのことを話す。
「エアハルトの試合に賭けが始まって、みーんなアルフレートに賭けているんですよ。ひどくないですか。」「まあ、アルフレートさんはゴルドベルク最強と考えられていますから。」
「ベアトリスまであいつの肩を持つのですか。」「いいえ、もちろんエアハルトさんです。私もエアハルトさんに賭けてみましょうか。小遣い稼ぎになりそうですから。」
アルフレートとエアハルトの試合は、次第に街全体に広がり、一大イベントとなる。




